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植物の助け/設定 - (2009/11/03 (火) 15:27:35) のソース

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***詳細

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*生き物のなる木

 土壌汚染事件の収束後、akiharu国から多くのカマキリたちが移民としてリワマヒ国を訪れた。
リワマヒ国民となったカマキリ知類らの活動は、藩国の自然回復活動にはじまり、
人知類のリワマヒ国民と補い合う形であらゆるところで見ることができた。

るしにゃん王国国民の助けによって夢の剣事件の被害を避けた人知類国民が帰還した際には食糧や生活必需品を届ける、などはその好例である。
「生き物のなる木」は、そんな彼らがリワマヒ国にもたらしてくれたものの一つである。

 この木はかつてマンイーターおよび土壌汚染問題によって共和国の人口が激変した際、
akiharu国の国民たちを再生させた木と同じものである。
これを譲られたリワマヒ国民の代表者である時の藩王 室賀兼一は、これまでのリワマヒバイオハザードの経験から、
神がかりのものとしてこの木について研究することを深く畏れた。

もとakiharu国であった国民らの言い伝えを秘密裏に集めた室賀兼一と廷臣らは、この木が再生する対象の情報を取り込むことで、
木より元の生き物と同じ身体を作り出すものと、考えた。
情報がきちんと取り込まれているのであれば、木になる身体は再生前の記憶を保有した状態で新生することになる。

 悲しみの多いNWでは突然の事件で死者が出ることも多く、医療技術でカバーできないレベルでの蘇生は多くの人が望む技術であるといえた。
しかし、死者の蘇生は世界の崩壊をまねく原因の一つであるとして、強く忌避されているものである。
「この世に受けた生は1度きり、死者は還らない」というこの世の法則を乱すことは、人間の形質や世界そのものの存在を危うくする禁断の技術でもある。

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リワマヒの民たちは死者蘇生禁止の問題、
人間の形質の問題を見つめ、
また命というものの大切さを見失わないためにも
この生き物のなる木がリワマヒ国内でむやみに使用されないよう、ダミーとして似ていなくもないふつうの木を国内に大量に用意すると共に、
本物はリワマヒ国に点在する日の当たる丘のひとつにふつうの木と共に植え、本物の生き物のなる木の存在を秘匿した。

日の当たる丘の周辺にはakiharu国の植生を真似た植林が行われ、いずれ自然な形で丘の周辺だけが密林化するよう取り計らわれた。
また、密林には藩王の命によりリワマヒ国民よりある一族が選ばれ、一族の長には越冬と代替わりを重ねながら、
丘の木のどれかであるはずの生き物の木をひそかに護るよう命ぜられた。

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*国民の動き

リワマヒ国藩王 室賀兼一は、この生き物のなる木という贈り物をありがたく思うと同時に、国民らがこれに依存することのないよう、
「生き物のなる木」(と呼ばれるがふつうの木)を復興のシンボルとして植樹し、国内にある医療技術・科学技術の見直しと向上を目指すこととした。
この実際は普通の木であった「生き物のなる木」の記念樹を見て、国民はakiharu国の配慮に深く感謝したという。

具体的には、リワマヒ国政府はかつて国内に在籍していた医師、名医、クローン技術者を集め、以下を行った。
 ・リワマヒ国で活用されていた基本的な医療技術の再確認
 ・クローン技術(再生医療)の危険性に関する再確認と、繁茂バイオハザードに対する安全性確立の取組み
 ・植物系マジックアイテムの危険性とその取り扱いに関する再確認

特に、クローン技術に関してはクローンの大量生産や繁茂技術への汚染など多くの問題を生み出しており、
倫理的な面も含めた総合的な見直しと再発防止策の検討が徹底された。


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*リワマヒ国で活用されていた基本的な医療技術の再確認
リワマヒ国では繁茂迷宮事件による被害から、国内に蓄積していた多くの医療技術は喪失されていた。
医療体制の復興にあたり、藩王室賀兼一はこれらの復興にまず着手した。
繁茂事件以前のリワマヒ国は、技術向上、倫理面の向上のため、医師たちによる技術研修会が多く行われていた。
またカリヨン公国の医療大学をはじめ、多くの国々に医療関係者を派遣していた過去もあった。

これら過去の実績を手本とした勉強会のかたちでスタートしたこの活動は、はじめ現役医師らによって手順書や便覧が作成されるレベルであったが、
医師らの不断の努力、医療に関して学術交流のあった諸藩国からの知見を加え、臨床医療を中心とした治療技術はすこしずつ取り戻されていった。

 一方、治療機器/診断機器(モニタ機器を含む)/分析機器といった医療機器群に関しては、その多くが繁茂迷宮事件において失われていたため、
リワマヒ国はクローン技術者およびアイドレス工場の技術者を選抜して高い技術力を誇る聯合国・友邦国に派遣し、
医療機器に関する知見と製造技術を学ばせた。

勉強会に集った医師や技師たちは夜を徹して意見を戦わせ、
朝日の照らすころには技術復興のシンボルである「生き物のなる木(と呼ばれるがふつうの木)」の木陰に集い、食事やお茶を楽しんだ。

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*クローン技術(再生医療)の危険性に関する再確認と、繁茂バイオハザードに対する安全性確立の取組み


 次いで室賀兼一はクローン技術と繁茂技術の問題について着手した。
リワマヒ国が有するクローン技術においては、再生医療の面で高い評価があるものの、第一次クローン人の台頭とクローン技術の流出、
繁茂技術への混入など、多くの問題を発生させていた。

特に、近年判明したクローン技術に関するバイオハザードとして、繁茂技術へのクローン技術混入の問題がある。
繁茂技術は土壌改良によって植物の成長を促進させるものであったが、最新の調査にて、
この技術を用いられた土中に植物の成長を促進する微生物が含まれていることが判明した。
これは繁茂技術アイドレスの記述にはまったく含まれていない内容であったが、結果的にこの部分はのちに発生した大きな問題へと繋がってしまった。

リワマヒ国はこれら問題により各国と同様の大きな被害を受け、三度のバイオハザードを防止するべくクローン技術、
特に繁茂技術の安全性向上について検討をすすめていった。

 室賀兼一、東 恭一郎らはリワマヒ国の長老、および藩国に滞在していた千ちゃんと共に検討を行い、
ついに「植物の成長を促進する微生物に、繁茂技術で改質された土壌に弱い遺伝子を加える」という解決策に到った。
この解決策には平 祥子という研究者による洞察が大きく貢献した。

 これを受けてリワマヒ国は、千ちゃんの知己を頼りに共和国内に散っていたクローン技術をもつリワマヒ国人研究者をあらためて招聘し、
アイドレス工場において研究室を構築。資金提供とともに繁茂技術の安全化のため研究を依頼した。
藩王 室賀兼一も参加したこの研究は、研究者の苦心の後、植物の成長を促進する微生物の遺伝子内に
「周辺環境が繁茂雰囲気になった場合に自身の成長が抑制され、また植物成長促進因子の放出が止まる」という遺伝子の構築に成功。

遺伝子改良にて安全性を高められた微生物によって繁茂技術は修正を加えられた。

その後リワマヒ国では、研究に携わったクローン技術者を中心に、クローン技術の倫理面に対する再度の教育体制の構築と
ケアレスミスに関する厳重なチェック体制の強化がはかられた。


研究に集う技術者たちによる取組みは規則正しいスケジュールの元、朝から夕方にかけて行われ、技術者たちは日の落ちて後、
技術復興のシンボルである「生き物のなる木(と呼ばれるがふつうの木)」の木陰に集い、食事やお茶を楽しんだ。

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*植物系マジックアイテムの危険性とその取り扱いに関する再確認

植物系マジックアイテムの濫用によりもたらされた災禍もまた、リワマヒ国国民を多く悲しませた。
巨大菌体による羅幻王国への攻撃とそれによる害毒を洗浄する目的で量産を依頼された植物系マジックアイテムは、
当時発生していた迷宮からの影響により量産の過程で変質し、リワマヒ国国民を大きく傷つけていた。
それらマジックアイテムはすでに焼却処分されたものの、これら事態とその後繰り返し発生した災害によってリワマヒ国のバイオ技術は大きく後退した。
これらを反省したリワマヒ国は、バイオ技術の振興と植物系マジックアイテムの研究を一時封印し、マジックアイテムに頼らない地道な復興を目指して活動した。
 その一方、植物型ウォードレス謙者、放射能物質吸収ヒマワリ"ひゅーがあおい"に代表される特殊植物に関しては、
年月を経て安定したものとし、ごく小規模ながら引き続き保管と一部生産が行われた。

リワマヒ国ではこれらを生産した既存技術を維持するべく、
謙者の生産ラインを流用しつつ生産性を増した新規ウォードレス「敬人」を作るなどがなされている。
これら特殊植物の育成技術は藩国が安定したときに改めて日の目を見ることとなるだろう、とされた。

これら植物マジックアイテムの育成技術を継承する農業技術者は朝焼けと共に育種の手入れを行い、
午後は技術復興のシンボルである「生き物のなる木(と呼ばれるがふつうの木)」の木陰に集い、食事やお茶を楽しんだ。

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製作:
絵:和子
文:平祥子(T14まで)、室賀兼一

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