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リワマヒ国探訪記2

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リワマヒ訪問記~ぬくぬくヒンヤリおこた編~


リワマヒ訪問記~ぬくぬくヒンヤリおこた編~


「リワマヒの冷温こたつを知らないやつはモグリ。これはこの国の最高傑作だ。 
80218002 ちゃぷちゃぷしながら知ったかぶりしてダムレイ記す」


リワマヒ国のおこたの間。 

国の行く末を決める重要な政策と、「こたつに合うものは何か」という他国の人から見たらどうでもいいような命題が、文字通り同じテーブルの上で議論される不思議な場所である。

今日は大きな卓の上に、定番のみかんとお煎餅、そしてお茶が置いてあった。

歩き疲れて火照った足を掘りごたつの中の冷たい水に浸すと、ひんやりとしてとても気持ちがいい。

その瞬間のために日々国を歩き回っては、おこたの間に帰っていくのが最近のダムレイの日課であった。はっきりいって地味に変なやつである。

「よっこいしょっと」

くたくたの足を、こたつに差し入れる。

「ぷはあ…」

…本当におっさんくさい。本人がいくら「自分はまだ若い」と主張しても、聞き入れられないのはやはり自業自得なのである。

水の感触を思う存分に味わうと、ダムレイは傍らから便せんを取り出した。今日は妹への手紙を書くつもりだった。このリワマヒが生んだ世紀の発明(彼はクローン技術よりもすごいものだと思っている)をいかにして彼女に伝えるかをずっと考えていた。

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親愛なる妹へ

 ごはんをたくさん食べられたとのこと。とれも嬉しく思います。 

リワマヒの人々がとても健康で元気なのはおいしいものをたくさん食べて、天地の恵みを体に取り入れているからです。きっとあなたもすぐに良くなりますよ。

 そうそう、今日は前回できなかった、こたつの話をしようと思ってこのお手紙を書いています。

 リワマヒは、一年のうち少しだけある冬はものすごく寒くて、残りの夏はとてもとても暑い国です。だから厳しい寒さや暑さをしのぐための道具がこたつなのです。

 冬はともかく夏はこたつになんか入っていられないって?そうです。それでは、あなたの言うように我慢大会になってしまいますよね。

 実はリワマヒのこたつは冬は普通の掘りごたつ。しかれども夏は暑気を払ってくれるいろんなギミックの詰まった冷こたつになるのです。

夏になるとどこの家庭でも、「こたつの衣替え」が行われます。冬用の掛け布団を押し入れにしまって、夏用の薄手で涼しげな色遣いの掛け布団が引っ張り出されます。

冬にこたつの中をあっためていたヒーターユニットは冷こたつ専用のクーラーユニットに付け替えられます。掘りごたつの堀の部分は水を満たして足を浸けるのが一般的です。

ただ、ロングスカートなどを好む人の家では金タライに水を入れて、底に置いておくだけの人もいます(金属部分が冷やされて足をつけるととても気持ちがいいのです) 

最近、発売された新製品では堀の部分が大理石製のものがありました。なんでも内側は大理石ですが、外の部分に大理石を冷やすための金属板が付いており、いつでも冷たい状態を保てるそうです。

細かい温度調整ができる上、磁気を発生させて血行が悪くなるのを抑える機能も付いていて冷え性の人を中心に人気があるようですよ。

でも、お兄ちゃんはポピュラーな水こたつが一番好きです。こたつの中にちゃぷちゃぷと足をつけていると、なんとなく昔あなたと遊んだ子供用のプールを思い出します。

今はこんなにポピュラーな冷温こたつも、開発当初はさっぱり売れなかったそうです。
それ以前からこたつはリワマヒにとって重要なアイテムだったので当時の開発チームは喜び勇んでこの冷温こたつを開発したのですが、最初期のものは温度調整がきかずフルパワーでずっと中を冷やし続けるので「寒すぎる」とクレームが続出。

けれど、値段も高かくて全く出回らなかったこの商品を、当時の藩王さまは大層気に入り国をあげて大生産。それでも売れなくて国内で余った冷温こたつは投げ売り状態になってしまい、ついに小学生でも買えるほど安くなって、そこから一気に国内に広まったようです。

今では一家に一台どころか、携帯バッテリー付きの個人用こたつなどもあって、一人一台の勢いです。この冷温こたつ騒動で一時期、リワマヒの経済は傾きかけてしまったそうで…

 ところで、たとえいくら安くても、あなただったら、こんな最初にみたら変な冷温こたつなんてもの買おうとは思わないのではないですか?私も最初に見た時は、さすがにびっくりしました。

この冷温こたつが受け入れられたのはリワマヒ国にとって、昔からこたつというものがすごく大切にされてきた文化だったからなのです。

どのくらい昔かというと、今のリワマヒ国にいる人間がいなくて、まだ猫士さんたちしかいないころからの伝統です。それは後に人間たちが入植してきてからも続きました。

だから、この国にはサカサコタツ遺跡やコタツモドキ草などこたつに関する言葉がたくさんありますし、こたつを題材にした童謡やお話もたくさんあります。こたつは、リワマヒにはかかせないものなのです。

あとからこの国に来た人たちは、こたつをとてもとても大切にしている猫士さんたちを見て、理由はわからないけれど、その伝統を自分たちも守ることに決めました。

何か変わったものや分からないものを見たときに、それを反射的に排除するのではなくて、相手が大切にしているものを理解しようとして受け入れる。私を受け入れてくれたリワマヒの人々の考え方は、こんな昔から根付いているのだなと思います。

どうかあなたも、誰かが大切にしているものを見たら、それがどんなに変な、おかしなものに見えても、大切にしているその気持ちを受け入れてあげてください。できる限り同じように大切にしてあげてください。

どうしても、受け入れられそうにないときはどうしたらいいかって?そんなときのために私たちには言葉があるのです。あなたから、「わかりあいたい」という気持ちを伝えてみてください。きっと道が開けるはずです。

最後はどうも説教臭くなってしまいましたね。まあ勘弁してください。
ますます寒くなりますが、しっかりこたつで温まって、風邪をひかないようにしてくださいね。そのまま寝たらだめですよ。

それでは。また手紙を書きます。

お兄ちゃんより
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一週間後。

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親愛なるお兄ちゃんへ

今回のお手紙も楽しく拝見させていただきました。こたつなんてどこも同じだと思っていたのでびっくりです。

こたつっていいですよね。一つの卓を囲みながら、ぽかぽか温まったり、ひんやりと涼んだり。同じ感覚を共有してるうちに自然と仲良くなれる気がします。

そういう環境で育ったから、リワマヒの人は優しいのかもしれませんね。

私も人をすべての人を受け入れるこたつみたいな人になりたいな。

お兄ちゃんこそ冷温こたつに入ったまま寝て、お腹を壊さないようにしてくださいね。

それでは。次回もまた楽しみにしています。

妹より
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