たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
キスまでの時間、キスまでの距離
最終更新:
Bot(ページ名リンク)
-
view
今日は手も繋いでくれない。
もう、誰もいないのに。
もう、誰もいないのに。
静かな楽屋に二人きり。
すぐに帰ろうしたから引き止めたのはいいけど、何を言っていいのかわからない。
ねぇ、梨華ちゃん。
どうしたの?
どうしたの?
―
今日はアイサツ以外はしゃべんなかった。
なのに楽しそうで…。
なのに楽しそうで…。
そっか。いいんだ…って思った。
とりあえずここにはいたくなくってさっさと帰ろうとしたら、引き止められた。
静かな楽屋。
引き止めたくせに、何も言わない。
もう…いいよ。美貴ちゃんなんか…。
―
「…帰るね」
「待って」
「…なに? 話、あるんじゃないの?」
「待って」
「…なに? 話、あるんじゃないの?」
―
慌てて腕を掴んだ。
ちょっとだけ目が合って、だけどすっと逸らされた目はさびしげで…。
思わず手に力が入っちゃって、ちょっとだけ顔をしかめた梨華ちゃん。
ちょっとだけ目が合って、だけどすっと逸らされた目はさびしげで…。
思わず手に力が入っちゃって、ちょっとだけ顔をしかめた梨華ちゃん。
そのまま引き寄せて、ちょっと強引にだけど…抱きしめた。
―
腕を掴まれた。
真剣な瞳。思わず見入っちゃって慌てて逸らした。
そんな風に……見ないでよ…。
真剣な瞳。思わず見入っちゃって慌てて逸らした。
そんな風に……見ないでよ…。
掴まれてる腕が痛い。
そのまま無理やり引っ張られて、強く抱きしめてくる美貴ちゃん。
―
「だまされないから…」
「梨華ちゃん?」
「…だまされないもん」
「…どういうこと?」
「梨華ちゃん?」
「…だまされないもん」
「…どういうこと?」
―
言ってる意味がわかんない。
なに? 美貴がなにした?
なに? 美貴がなにした?
だます?
いつ?
いつ美貴が梨華ちゃんをだました?
いつ美貴が梨華ちゃんをだました?
わけわかんない!
―
美貴ちゃんはいつだってずるいんだ。
こうすれば機嫌が直るって思ってる。
こうすれば機嫌が直るって思ってる。
ずるい。
ずるいよっ。
ずるいよっ。
あたしなんか見てないくせに…。
じっとあたしを見ないで…。
ぎゅっとあたしを抱きしめないで…。
ぎゅっとあたしを抱きしめないで…。
―
「離して…」
「ヤダ。梨華ちゃん答えてないもん」
「そんな必要ない…」
「梨華ちゃんになくても美貴にはある」
「…」
「ねぇ、なに? 美貴…なにかした?」
「…」
「だましたなんて記憶ない」
「…」
「ねぇ、答えて」
「ヤダ。梨華ちゃん答えてないもん」
「そんな必要ない…」
「梨華ちゃんになくても美貴にはある」
「…」
「ねぇ、なに? 美貴…なにかした?」
「…」
「だましたなんて記憶ない」
「…」
「ねぇ、答えて」
―
梨華ちゃんは何も言わない。
だから言葉が荒くなってく。
募る苛立ちを抱きしめることで堪えた。
だから言葉が荒くなってく。
募る苛立ちを抱きしめることで堪えた。
わかんない。
なに怒ってるの?
なに怒ってるの?
―
言えないよ。
どうしよ…。美貴ちゃんの腕の力が気持ちいい。
どうしよ…。美貴ちゃんの腕の力が気持ちいい。
あぁ…ダメだなぁ。
やっぱり言えない。
言いたくないよ。
言いたくないよ。
―
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
―
あぁもー!
なんか言いなさいよぉ!
なんか言いなさいよぉ!
言わなゃわかんないじゃん!
―
あー…。
美貴ちゃん怒ってる。
美貴ちゃん怒ってる。
ほら、ため息がなんか不自然。
―
「美貴ちゃん…」
「ん?」
「あたしのこと…すき?」
「…は?」
「だから…すき? あたしのこと」
「なに言ってんの?」
「答えて」
「ん?」
「あたしのこと…すき?」
「…は?」
「だから…すき? あたしのこと」
「なに言ってんの?」
「答えて」
―
美貴の質問まだ答えてもらってない。
でも、じっと見つめる強いまなざしに押し切られた。
でも、じっと見つめる強いまなざしに押し切られた。
少しだけ体が離れて、なんかさびしい。
今更なにをどう言えって言うのよ。
―
美貴ちゃんは何も言い返してこなかった。
じっと考えるようにうつむいて…。
でも、ちょっとさびしそう…。
こういう表情の美貴ちゃん、けっこうすき…。
でも、ちょっとさびしそう…。
こういう表情の美貴ちゃん、けっこうすき…。
…。
―
「すきだよ…。梨華ちゃんがすき」
「うん…」
「梨華ちゃんは? どうなの?」
「…」
「ねぇ?」
「…すきだよ」
「だったら、何でそんなこと聞くの?」
「…」
「今日だって口きいくんないし、手も繋いでないじゃん」
「…」
「……さびしかった。梨華ちゃん…嫌いになっちゃったのかなぁ…って」
「…」
「…美貴さぁ、楽しいよ。梨華ちゃんといるの」
「…」
「…こうしてるの…すきだよ」
「…」
「…」
「…だって…」
「ん?」
「…だって美貴ちゃん、他の人ばっかり見るんだもん」
「は?」
「今日だってさゆのことぺたぺた触って…。よっちゃんといちゃいちゃして…。ずーっと亜弥ちゃんの話ばっかしてた…」
「けど…」
「…。そりゃ、あたしだって、柴ちゃんとも遊びに行くし、よく話したりするけど…」
「でしょ? だったらなんで? 何で今日は無視したの?」
「だって、悔しいんだもん…」
「梨華ちゃん…?」
「あたしがいるのに…美貴ちゃん、亜弥ちゃんのことだいすきで…恋人みたいじゃん」
「…」
「あたしなんか、そのとき楽しくしゃべってボケてツッコメる相手だったら…それでいいんでしょ?」
「そんなこと思ってないって」
「……でもさぁ、あたしと柴ちゃんは親友だってわかってくれてると思うけど、美貴ちゃんと亜弥ちゃん…そんな感じしないもん」
「……」
「それにさ、美貴ちゃん、みんなのカラダ触りすぎ」
「…それは…」
「…。あたしじゃ足りない?」
「うん…」
「梨華ちゃんは? どうなの?」
「…」
「ねぇ?」
「…すきだよ」
「だったら、何でそんなこと聞くの?」
「…」
「今日だって口きいくんないし、手も繋いでないじゃん」
「…」
「……さびしかった。梨華ちゃん…嫌いになっちゃったのかなぁ…って」
「…」
「…美貴さぁ、楽しいよ。梨華ちゃんといるの」
「…」
「…こうしてるの…すきだよ」
「…」
「…」
「…だって…」
「ん?」
「…だって美貴ちゃん、他の人ばっかり見るんだもん」
「は?」
「今日だってさゆのことぺたぺた触って…。よっちゃんといちゃいちゃして…。ずーっと亜弥ちゃんの話ばっかしてた…」
「けど…」
「…。そりゃ、あたしだって、柴ちゃんとも遊びに行くし、よく話したりするけど…」
「でしょ? だったらなんで? 何で今日は無視したの?」
「だって、悔しいんだもん…」
「梨華ちゃん…?」
「あたしがいるのに…美貴ちゃん、亜弥ちゃんのことだいすきで…恋人みたいじゃん」
「…」
「あたしなんか、そのとき楽しくしゃべってボケてツッコメる相手だったら…それでいいんでしょ?」
「そんなこと思ってないって」
「……でもさぁ、あたしと柴ちゃんは親友だってわかってくれてると思うけど、美貴ちゃんと亜弥ちゃん…そんな感じしないもん」
「……」
「それにさ、美貴ちゃん、みんなのカラダ触りすぎ」
「…それは…」
「…。あたしじゃ足りない?」
―
すっごく切なそうな顔でそんなこと言われてさぁ…どうしろと…。
…そんな風に見えてるんだ…。
って、見えるよね…。
梨華ちゃんなんにも言わなかったから、わかってくれてると思ってた。
それにさ、いつもどおりって決めたじゃん。二人で。
って、見えるよね…。
梨華ちゃんなんにも言わなかったから、わかってくれてると思ってた。
それにさ、いつもどおりって決めたじゃん。二人で。
メンバーにもナイショの秘密の恋。
親友にだけは打ち明けて…。
親友にだけは打ち明けて…。
だから、亜弥ちゃんも積極的に手伝ってくれてるんだけどさ…。
やっぱそーとーいちゃついてるよね。
でも、亜弥ちゃんってさぁ、抱き心地いいんだよね。
なんかね、すっごく安心感があるの。
やっぱそーとーいちゃついてるよね。
でも、亜弥ちゃんってさぁ、抱き心地いいんだよね。
なんかね、すっごく安心感があるの。
…って、オイ。
それに仕事中やみんなの前じゃ、そーゆーわけにいかないじゃん。
だからさ…。ついつい触っちゃうんだよね…。
だからさ…。ついつい触っちゃうんだよね…。
でも、嫉妬してくれてたんだ…。
―
なんか美貴ちゃん、笑ってるし…。
あぁ…あ。
言っちゃった。
やだったんだもん。コドモみたいで…。
言っちゃった。
やだったんだもん。コドモみたいで…。
だって、ほとんど恋人じゃん。
そりゃ、約束したことだけどさ。
でも、誰かの話にだけ偏ったりしないよ?
柴ちゃん、ゲストで来てくれたけど。楽しかったけど。
そりゃ、約束したことだけどさ。
でも、誰かの話にだけ偏ったりしないよ?
柴ちゃん、ゲストで来てくれたけど。楽しかったけど。
でも…でも、恋人みたいな雰囲気じゃないもん。
それにさぁ…触りすぎだよ! みんなのこと。
美貴ちゃんだから下の子たち、なんにも言わないんじゃないの?
あれじゃセクハラだよ?
そりゃ、みんなの前だし、お仕事中だからあんまりべたべたできないけどさぁ…。
美貴ちゃんだから下の子たち、なんにも言わないんじゃないの?
あれじゃセクハラだよ?
そりゃ、みんなの前だし、お仕事中だからあんまりべたべたできないけどさぁ…。
でも、だから…。
だからあの子とは…もしかしたら…もっと……。
だからあの子とは…もしかしたら…もっと……。
―
「梨華ちゃん」
「…!」
「…!」
―
そっと梨華ちゃんの頬を右手で包み込んで、そして顔を近づける。
あぁ…。そういえば…久しぶりかも。キス。
ドキドキする…。
ドキドキする…。
―
そっと美貴ちゃんの右手があたしの頬を包んで、すっと顔が近づく。
そうだ…。今日…まだしてない。
ドキドキする…。
ドキドキする…。
…。
―
「やっ!」
「っ…!? 梨華ちゃん!?」
「っ…!? 梨華ちゃん!?」
―
唇が重なる瞬間、ぱっと顔を背けられた。
…なんで!?
梨華ちゃん…。
梨華ちゃん…。
―
唇が…重なる…。
ダメ!
ドキドキしてる…。
美貴ちゃん…。
美貴ちゃん…。
―
「ずるい…」
「…梨華ちゃん!?」
「ずるい…」
「…?」
「…梨華ちゃん!?」
「ずるい…」
「…?」
―
ぎゅっと美貴の肩を掴んで、唇を噛んでうつむく梨華ちゃん。
ほんのりと染まった頬。
かあって熱が上がった頬のぬくもりがまだ手に残ってる。
ほんのりと染まった頬。
かあって熱が上がった頬のぬくもりがまだ手に残ってる。
じっと潤んだ瞳で見つめられて、あぁ…苦しい。
―
手が離れた。
頬にまだ残ってる美貴ちゃんの手のぬくもり。
空気の中にさらわれてって…さびしい。
頬にまだ残ってる美貴ちゃんの手のぬくもり。
空気の中にさらわれてって…さびしい。
あたしを見つめる美貴ちゃんの真剣な瞳。
―
「キスで…ごまかさないで…」
―
心臓が…ドキッていった。
―
「ごまかしてなんか…ないよ」
―
カラダが…熱い…。
―
「すきだから」
―
まっすぐにあたしを見つめて、美貴ちゃんは笑っていた。
その笑顔が眩しくって、うれしくって、思い知らされる。
あたし…この人がすき。
その笑顔が眩しくって、うれしくって、思い知らされる。
あたし…この人がすき。
唇が重なって…。
あぁ…。
ずるいよ…。
どうでもよくなっちゃうじゃん…。
―
ようやく触れた梨華ちゃんの唇。
だからありったけの気持ちをこめるの。
だからありったけの気持ちをこめるの。
言葉なんかより、もっとはっきり伝わるでしょ。
美貴が梨華ちゃんをすきだってこと。
―
しっかりと手を繋いだ。
手と手から伝わる美貴ちゃんのやさしさ。
手と手から伝わる美貴ちゃんのやさしさ。
二人きりだった楽屋を出た。
並んで歩く帰り道。
何も話さなかったけど、美貴ちゃんは笑ってて、あたしも笑ってた。
何も話さなかったけど、美貴ちゃんは笑ってて、あたしも笑ってた。
すっかり日も暮れて、なんとなく空を見上げたらきれいな半月。
夜は長いんだ。
明日はお休み。
夜は長いんだ。
明日はお休み。
うんっと愛してくれるよね? 美貴ちゃん。
(2004/10/19)