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たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ

special sweets

最終更新:2009年09月27日 17:39

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管理者のみ編集可
 寝巻き代わりのジャージの上着の裾をしっかりと掴むパジャマ姿の美貴ちゃん。
 ちょっとかたーい表情。
 そんな彼女を妙に愛しく感じて、手なんか繋いで見たりして。

 事の発端は些細なこと。
 地方開催の乙女コンが終わって、今日はホテルで一泊。明日帰京。
 寝るのにまだ少し時間あるねってことで、なんとなくののの部屋に集まってなんとなくおしゃべり。そこで、何でこんな季節にとーとつに始まった怪談話。
 あたしはなんか眠くなってきたから、じゃあねって早々と退散。そしたら、『じゃ、美貴も』って。
 子供チームののの、マコト、田中ちゃん、しげさんはまだ元気に盛り上がってる。
 ちなみにカオたんはホテルに着いたら部屋にこもって即交信。

 いいよね若いって。って思いながら部屋を出たら、美貴ちゃんがぴたってくっついてきた。

 で、今に至る…と。

 繋いでる手をきゅっと握ったら、ちょっと表情やわらかくなってきたかな。
 なんか美貴ちゃん、今日も甘えたさんモード。
 見せられないよね。他の6期の子とか、ののとかには。

 だって、もったいないもん。
 かわいくって。

 なんて、思ってるあたし。

 ののの部屋から1、2、3歩で美貴ちゃんの部屋。
 立ち止まったら、
「梨華ちゃんの部屋に行ってもいい?」
 だって。
 断る理由……ないよね。別に。
「いいよ」
「じゃ、一緒に寝よう!」
 ぱあっ…って、笑顔が咲いた。まさにそんな感じ。なんかすっごくうれしそう。
 そんなに怖かったのかな? 喜んでくれてるんだから、別にいいんだけど、なんか不思議…。

 とか思ってる間に、美貴ちゃんに引っ張られて部屋に到着。

 美貴ちゃんはホラー映画は平気なのに、お化けはダメ。
 正直言って、大して怖い話じゃなかったと思うんだよねぇ。でも、美貴ちゃんはそうでもなかったらしい。

 部屋に美貴ちゃんを入れて明かりをつけて、そういえば今更ながらに気がついた。
 一人部屋だから、ベッド一つしかないんだよね。文字通り一緒に寝る…ってことよねぇ。
「ベッド一つしかないね」
「シングルだもん。当たり前でしょ」
「いいの?」
「えー! もしかして…梨華ちゃんイヤだとか?」
 『えー!』って、なんでそんなに残念そーなの?
「ううん。イヤじゃないけど、美貴ちゃんがイヤだったら悪いなぁ…って思ったから」
 そしたら、美貴ちゃんはぶんぶんって音がするくらい激しく首を振って、がしって、肩を掴んできた。
「ぜんっっぜん、イヤじゃない! むしろ大歓迎!! イヤだったら聞かないって!」

 うわ…必死…。

 ふふ…。でも、ほんっとかーわいいーなぁ。今日の美貴ちゃん。
 まぁ、いつもかわいいんだけどね。今日はさらに特別かわいい。

 ちょっとニヤついてたみたい。
 美貴ちゃんがむっと頬を膨らませた。
「なによぉ! わかった。部屋に戻る」
 くるりと背中を向けて、どすどすとドアに向かおうとする意地っ張りな後姿に向かって声をかけた。
「美貴ちゃん」
 ホントは引き止めてほしいんだよね。
「何?」
 不機嫌そうな声。立ち止まったけどこっちを見ない。
「部屋に戻るのはいいけど、電気つけて寝るんでしょ?」
「…」
「ここのホテルって…有名らしいよ…」
 ぴくっと肩が動いた。あーあー身体が強張ってる。ホント、わかりやすい。
「あーゆー話してると、集まってきやすいんだって」
 なんか微笑ましくって、ちょっと意地悪しちゃいたくなる。いつものツッコミのお礼…なんてね。
「急に明かりがちかちかって…。えっ…って思ったら、ぱっと消えて真っ暗になって…」
 あらあら…。まだ意地張ってこっちを見ない。
 ふふーん。そうですかぁ。
「耳元でうなり声が聞こえて……身体が動かない。目を開けると、そこに……」
「ちょっとぉ! やめてよ!」
 耳をふさいでるから、そーっと近づいたあたしが真後ろにいることに気がつかない。
 せーので、開いた両腕を美貴ちゃんの腰に巻きつけた。

「うわーーーっ!」
「きゃーーーっ!」

 最初は向かいのお部屋のカオたん。で、その後に子供チーム4人組。
『ちょっと、どーしたの?』
 って。とりあえず後ろから美貴ちゃんを抱きしめたまま、ドアも開けずに 、

『大丈夫です』
『ごめんねー』

 とかわしておく。
 腕の中の美貴ちゃんはおもいっきり…いじけてた。
「ごめんね。ちょっとやりすぎちゃったね」
「ひどいよ…。ほんっっとに怖かったんだから…」
 腕に伝わってくるかすかな震えと激しい鼓動。本当にちょっとやりすぎちゃったかも、反省。
 よしよしって頭をなでてあげる。
 美貴ちゃんは強引に腕から抜け出ると、ぽんとベッドに座った。
「だっこ」
「は?」
 思わず声に出た。
 え、えーと……。
「だっこしてくれたら、今の忘れてあげる」
 唇を尖らせてコドモみたいなおねだり。断れる人がいるなら見てみたい。
「わかった。いいよ」
 お安い御用でしょ。二人きりのときはいつものことだし。
 明かりを小さくすると、ベッドに上がって後ろからぎゅっ!
 髪から漂ってくるシャンプーの香りにちょっとうっとり。

 あれー。なんか、あたし…ちょっとヘンかも。

 少しずつ緊張が解けてきたのか、思い切り身体を預けてくる。
「今日の梨華ちゃん、なんかいじわる」
「そうかな? って、説得力ないよね」
「ないね。美貴、そんな厳しいツッコミした覚えないけどなぁ」
 むーって、眉を寄せてアヒル口な美貴ちゃん。
「なんかさぁ、美貴のこといじめて楽しんでない?」
 って、そーやって、拗ねてる顔が愛しく思えちゃって、よけいにからかってみたくなっちゃうんだよね。

 なんだろう。ののの時とは違うんだけど、母性をくすぐられるというかなんというか…。
 ふしぎ…。

 伝わってくる体温。
 頬をくすぐるさらさらの髪。
 柔らかい身体の感触。
 白い綺麗な肌。
 何もつけてないのに感じる甘い美貴ちゃんの匂い。

 なんか…ドキドキしてきた……。

『昨日は…』って、あたしのいじわるの理由を探す美貴ちゃんの話がところどころ素通りしていく。

 もしかしたら…幽霊なんかより、あたしの方が美貴ちゃんにとって危ないかも。

 だって、だって……ねぇ。

 髪の毛越しに唇に触れた耳。

 なんか……
「…おいしそう……」
 気がついたら声にしてた。
 そっと髪を耳にかけると、
「え!?」
 って、美貴ちゃんが振り向くより早く、はむって耳たぶをくわえた。

 あ…。やわらかい……。

「りかちゃ……!」
 美貴ちゃんの身体が、くっ…って強張るのがわかったから引き寄せるように腕に力を込める。

 感触を楽しむようにちょっとずつ場所を変えてみる。
 やわらかくって、あたたかい、少し薄い小さな耳たぶ。
 歯を立てて軽く甘く噛んだら、
「…んっ…!」
 声が零れて、少しだけ我に返った。

「…ごめん」
「梨華ちゃん…?」
 緊張した身体からふーっと力が抜けていくのがわかる。
 もたれかかってる美貴ちゃんに体重をかけて、今度はあたしが白い首筋に鼻先をうずめてかぶさるように抱きついた。
「驚いた…よね…」
「うん…。まぁ…ね」
「…だよね」
「でも……」
「…でも?」
 顔をうずめたまま視線だけを上げたら、恥ずかしそうに微笑んでた。
「美貴ちゃん?」
 でも、美貴ちゃんはふふふって笑うだけで何も言わない。
 ただじっと、言葉がつむぎだされるまで唇を見つめるあたし。

 ふっくらとした唇。
 ちょっとぽてっとした感じで、小さくてやわらかそうで…。
 誘ってる?
 すうっと両端が上がった、形のいい微笑。
 挑まれてるような錯覚すら感じる…。

 ダメ…。
 今日のあたし、本当におかしい…。



 美貴ちゃん。
 ねぇ、あなたは誰がすきなの?  亜弥ちゃん? ひとみちゃん? それとも真里ちゃん? のの? マコト? カオたん? それとも…?
 名前を挙げていけばキリがなくなる。

 二人きりだと甘えてくれるのは何故?
 あたし、勘違いしていいの? それとも、それが正しいの?

 いつもあなたの後ろに感じる影。
 それがいつもあたしを惑わせる。
 あたしだって、ホントはこうしてる時間がうれしい。うれしいけどわからない。
 ねぇ、誰を見てるの?
 あなたの胸の中にいるのは誰?

 ホントは言葉にして伝えたい。

 素直になれない。
 違う。素直になっていいの?



 吸い込まれそうになるのが怖くて、唇から目を離した。
 移した視線が美貴ちゃんとぶつかる。

 ドキッ…!
 胸が鳴った。

 微笑んでいるけど、まっすぐで純粋な綺麗な瞳。
 艶かしく色づいたまなざしに、身体を焼かれていくような錯覚が眩暈を引き起こす。
 まるで見透かされているみたいな感じ。

 お願い…。思考まで焼き尽くさないで…。

 美貴ちゃんが、ふっ…って、笑った。
 そして、あたしの耳に唇を寄せて甘く甘く囁く。
「ねぇ、梨華ちゃん」
「ん?」
「…おいしかった?」
 一瞬、何を言われたのかわからなかった。
「おいしかったって…?」
 わざととぼけてみる。
「なによぉ。聞いてるのはこっち」
 ベッドサイドの橙色の明かりでもわかる赤くなった頬。
 恥ずかしいことをしてるのはたぶん…あたしなのにね。

 自然と笑みが零れた。
「じゃあ、試してみたら?」
 そしたら短く息を吸う音がして、身体に少し力が入ったのがわかった。

 そーっと髪を耳にかける指先がくすぐったくて肩を竦めた。

 ふわっと耳たぶにやわらかい感触。
 一度だけついばむように唇だけで噛むと、淡い疼きだけを残してすーっとぬくもりは消えた。

「どう?」
「…うん…。…おいしかった…」
 抱きしめている腕に感じる美貴ちゃんの心臓の音が一段と早くなっていく。
 もたれかかるのをやめて、さっきみたいに抱っこして、
「ありがと」
 って、すんなりとした首筋にお礼のキスをしたら、ふっ…って美貴ちゃんから溜息が零れた。

 熱をもった肌と同じくらい熱い熱い吐息。

 火がついたのが、わかった。

 もう…いいや。
 だって、ほら…。
 見詰め合ったまま、二人とも離れられない。

 美貴ちゃんの頬に手を添えて、視線を絡めたまま、そっと親指で唇をなぞる。
「でも、こっちも…おいしそうだよね」
 そして、すっと視線を唇に流してから、もう一度目を合わせた。
「いい?」
 返事の代わりに、妖しく色づいて潤んだ瞳が閉じたまぶたの奥に隠れた。

 下唇をそっと唇ではさむ。

 …あ……。

 唇から直接伝わるやわらかさに、感触に、きゅんって…胸が弾んだ。

 角度を変えて、弾力やぬくもりを味わう。
 何度も。何度でも。

 しっとりして、張りが合って、でもやわらかくて、ふんわりとあたたかい、美貴ちゃんの唇。

 …あまい…。

 はまりそう…。
 さっき怖いって思った理由が少しだけわかった気がした。
 止まらない。

 きゅって、美貴ちゃんの手があたしのジャージを掴む。
 その手を開いてる方の手で包みながら、キスしてるんだ…って、今更ながらに気づいた。



 思考も理性も何もかも溶けていく…。
 そっか、はまっちゃったんだって、わかった。

 認めてしまうと、もっとほしくなる。
 誰にも渡したくなくなる。

 それはたぶん、自然なキモチ。



 キスの合間合間に零れ落ちる熱い吐息に、あたしのカラダも熱を帯びていく。
 そっと上唇をついばむと、下唇をすーっと、触れるか触れないかくらいの加減で舌でなぞった。

「…はぁっ…!」

 ぞくぞくした。

 うっとりと目を閉じたまま薄く開いた唇に舌を滑り込ませたら、ぴくって腕の中で小さく震えた。
「…んっ…」
 探り当てて舌を絡ませる。

 やわらかくて、熱い。
 ふしぎな感触。
 それは唇とはまた違ったおいしさ。
 ゆっくりとじっくりと、その味と感触を楽しむ。

 ぎゅっとジャージを掴む美貴ちゃんの手に力がこもる。
 緊張するカラダを宥めるように優しく髪を撫でながら、深い口付けに溺れていく。

 キスって…こんなに甘いもんなんだって、知った。

 切なげなため息をこぼして、あたしの首筋に顔をうずめる美貴ちゃん。
 息がくすぐったい。
「美貴ちゃん?」
「…ん?」
 上目遣いに見上げたその目は完全に色づいていて、思わず息を呑む。絶対に普段の彼女からは想像できないような、オンナの目。
 そんな目に射抜かれたあたし。
 背中を優しく撫でながら、さりげなく美貴ちゃんのパジャマの胸元に手をかけた。
「ねぇ、食べていい?」
「ぇ……」
「耳たぶや唇だけじゃもの足りない。…ダメ?」
 そしたら、ぎゅってあたしのことを抱きしめて、肩口に顔をうずめたまま小さくうなずいた。
「ありがと」
 耳元で囁いて、ボタンを一つ一つゆっくりと外していく…。

「それじゃ…いただきます」


 重なった身体から直に伝わる熱の心地よさ。
 滑らかな白い肌は淡い桜色に色づいていて、その肌理の細かさを唇で感じるたびに震える身体。
 私の手にちょうどいいサイズの胸の柔らかさと弾力。
 紅く色づいた頂の小さな果実を舌で舐めたら、小さく身体をよじって吐息交じりの甘い声。

 手が、舌が、唇が、求めてやまなくなる。
 余すことなく味わいたい、かわいいあなた。

「あっ……ん! ……っ…。りかっ……!」

 熱い吐息と一緒に零れた名前。
 背中に回った手が爪を立て、その甘い痛みに酔いしれる。

  じっくりとかき回したあなたの中から溢れる、とろけるような味の蜜。

 せがまれるままに口付ける。
 深く、激しく、だけど優しく…。

 溶かしているのはあたしなのに、あなたの中に溶けていく自分がいるのがわかった。



 お化けに襲われるのと、はたしてどっちがよかったんだろう?

 腕の中でぼんやりとまどろむ美貴ちゃんの頭を撫でながら、ふと、考えた。
 たぶん、勢い……なんだけど、そしたらあたし、まるでひどい男みたいだし…。ちょっと違う。

 だって、かわいいと思った。
 それ以上ないくらいすきだと思った。
 愛しいと思った。

 なにより、あたし、こんなに美貴ちゃんのこと意識してたんだ…っていうのが本音だったり、驚きだったり。
 人見知りするあたしと違って、人懐っこい美貴ちゃん。
 不安だった。それはたぶん。今も…。

「梨華ちゃん?」
 ふとんからちょっとだけ顔を出して、あたしを見上げる。
「なぁに?」
「んー…。あー…あのね」
「うん」
「…うれし…かった」
「ぇ…」
「こうなるとは…思ってなかったけど…」


 不安がすーって消えていった。

 それでもわがままなあたしは、きっと嫉妬したりすると思うんだけどね。

 それより、ふと、ひっかかる。
「こうなる…ってどういうこと?」
「だって、まさかその…ねぇ。美貴がって思ってたから……梨華ちゃんに…ねぇ…」
 あぁ…そういうことか。
 恥ずかしいからなのか、むーっと唇を尖らせる。
 思わずぎゅっと抱きしめた。
「あたしも思わなかったよ。まさか…ねぇ」
「ちょっと待って! 美貴はずーーっと思ってたのに?」
「そうなの?」
「そうだよ!」
 もしかして最近よく甘えてきたりとかしてたのって、もしかしてもしかしてたりしたわけ?
 だって美貴ちゃん、亜弥ちゃんとかよっすぃとかさぁ…。

「鈍感!」
「ひどっ! 遠まわしすぎるよ!」
 そんなの、わかんないよ…。

 そしたら、首筋に顔をうずめてぼそりと…。
「だってさぁ…怖いんだもん」
「美貴ちゃん……」

 二人して、迷ってた。
 お互いの傍にちらつく誰かの影に惑わされて…。

 性格は正反対かもしれない。
 でもあたしたちはたぶん、似たもの同士。
 相手のことばっかり気にして気遣ってばかり。

「美貴ちゃん」
「なに?」
「おいしかったよ…すっごく…」
「…じゃあ、今度は美貴が食べたいな。梨華ちゃん」
 顔を上げてにっこりと笑っておねだり。
 あんまりその顔がかわいいから、やっぱりいじわるがしたくなる。
「どーしようかな? いいの? くせになっちゃうかもよ?」
「いいよ。梨華ちゃんはもう、美貴のとりこなんでしょ?」
 返事の変わりにキスで答えた。

 ホントきっかけは些細なこと。
 何がきっかけかわからない。

 美貴ちゃんを味わったあたし。
 そんなこんなな始まりだけど、けっこう幸せ。
 そして今、あたしを食べる美貴ちゃん。

 明日の朝が早いってことなんてすっかり忘れていた。
 二人そろって寝坊して、さんざんからかわれるというのは…これから数時間後のお話だったりする。


(2004/2/11)
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