たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
神のみぞ知る、秋の空
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rm96
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1. ヨシザワヒトミの場合
迎えに来たよ。お姫様。
そんなことが言えたらさ、苦労しねーっつーの。
「あたっ!」
「あーあー。ドージ」
「もぅ。ちょっとくらい心配しなさいよー」
「あーあー。ドージ」
「もぅ。ちょっとくらい心配しなさいよー」
なんて言いながら、笑ってるくせに。
「ほら。立てる?」
「うん。ごめん。ありがと」
「何、段差?」
「うん。気づかないで踏み外しちゃった」
「あー。まぁこんなちょっとの段差じゃわかりずらいかなぁ」
「うん。なんだけどね。ちょっと考え事しちゃって」
「…」
「うん。ごめん。ありがと」
「何、段差?」
「うん。気づかないで踏み外しちゃった」
「あー。まぁこんなちょっとの段差じゃわかりずらいかなぁ」
「うん。なんだけどね。ちょっと考え事しちゃって」
「…」
足首を押さえながらちょっと疲れた顔でへへって笑って…。
たった10センチの小さな段。少しの差。
たった10センチの小さな段。少しの差。
それなのに、こんなに大きい。
たった10センチのくせに…。
たった10センチのくせに…。
あたしたちの距離って今、どれくらい?
気がついたら離れてた?
気がついたらなくなってた?
気がついたらなくなってた?
「梨華ちゃん」
「ん?」
「ん?」
ほんっと、お姫様だよなぁ。
「よっ…と」
「きゃぁっ! ひとみちゃん!?」
「きゃぁっ! ひとみちゃん!?」
うわ…。名前だし…。かーっ! はっずかしぃー。
ま、でもここはあくまでも一徹で…。
ま、でもここはあくまでも一徹で…。
「じゃ、行くぞ」
「はい。あなた…」
「はい。あなた…」
真っ赤になってるし。梨華ちゃんも。
お姫様抱っこして思うこと。
梨華ちゃん…軽ーぃ!
お姫様抱っこして思うこと。
梨華ちゃん…軽ーぃ!
「足…大丈夫?」
「あ…うん。たぶん…」
「あ…うん。たぶん…」
だけど下ろさないから。
このまま気持ちは王子様でいさせてよ。
このまま気持ちは王子様でいさせてよ。
「ね、ひとみちゃん」
「ん?」
「ん?」
少しだけ顔を向けたら、ふわって頬に触れた唇。
「ありがと…」
はにかんで、うつむいて…。
お姫様はどうやら小悪魔らしい。
唇に仕返ししたら、あたしだけのお姫様になってくれるかなぁ?
唇に仕返ししたら、あたしだけのお姫様になってくれるかなぁ?
2.フジモトミキの場合
「梨華ちゃん」
「ん? どーしたの? 美貴ちゃん」
「ん? どーしたの? 美貴ちゃん」
ねぇ、どんな魔法をかけたら、その笑顔は美貴だけのものになる?
「別に。どーもしないって言ったら?」
「言ったら?」
「言ったら?」
一緒になって首を傾げる梨華ちゃん。
なんかおかしくって、くすくすっと笑いがあふれ出した。
なんかおかしくって、くすくすっと笑いがあふれ出した。
「なによぉ。何がおかしいのぉ!」
「そっちだって笑ってんじゃん」
「だって、美貴ちゃんが笑うんだもん」
「何よぉ。美貴のせいってわけ?」
「だって。…ねぇ美貴ちゃん。あたしに用があるんじゃなかったの?」
「ううん。別にない。なきゃ…ダメ?」
「そっちだって笑ってんじゃん」
「だって、美貴ちゃんが笑うんだもん」
「何よぉ。美貴のせいってわけ?」
「だって。…ねぇ美貴ちゃん。あたしに用があるんじゃなかったの?」
「ううん。別にない。なきゃ…ダメ?」
ただそばにいたい。
もしそれ以上が叶うなら、少しでも長く触れていたい。
そして、その笑顔がずっと美貴だけのものになりますように…って。
もしそれ以上が叶うなら、少しでも長く触れていたい。
そして、その笑顔がずっと美貴だけのものになりますように…って。
「ううん。そんなことないよ」
「なら、いいじゃん」
「うん。そーだよね」
「梨華ちゃん?」
「なら、いいじゃん」
「うん。そーだよね」
「梨華ちゃん?」
少し考え込んで伏せ目がちにうつむいて…。
その仕草に胸が小さく弾む。
その仕草に胸が小さく弾む。
ねぇ? 抱きしめていい?
別になんてことない会話。
なのにふとうつむいた表情に陰を感じて、へんなの。
胸が締め付けられた。
なのにふとうつむいた表情に陰を感じて、へんなの。
胸が締め付けられた。
「美貴ちゃん」
ふわりと包まれて、気がつけばあなたの腕の中。
「…梨華ちゃん!?」
「ん? いいから」
「ん? いいから」
ぎゅうっと腕に力が入って、首筋に感じる吐息。
「なんかさ。さびしそうなカオ…してたから…」
魔法かけるのはいつもあなた。
離れられない、甘い鎖。
離れられない、甘い鎖。
3.ゴトウマキの場合
「ねぇ、梨華ちゃんさぁ」
「ん?」
「梨華ちゃんさぁ…」
「ん?」
「梨華ちゃんさぁ…」
すきな人…いる?
「かわいいよね」
何を言ってるんだ! ごとーまき!
まぁでも、ホントのコトだけど。
まぁでも、ホントのコトだけど。
梨華ちゃん、くすくすって笑ってるし。
「どーしたの? ごっちん」
あれ。ちょっと照れてる?
「あは。顔、赤いね」
「だって、そんなさ、まっすぐに見つめられてさ、かわいいって…ねぇ?」
「ねぇ…って、それがイシカワリカじゃんよ」
「だってぇ、あれはキャラだもん」
「んま、たしかにね」
「だって、そんなさ、まっすぐに見つめられてさ、かわいいって…ねぇ?」
「ねぇ…って、それがイシカワリカじゃんよ」
「だってぇ、あれはキャラだもん」
「んま、たしかにね」
照れくさくて、もぉ…とか言いながら微笑むアナタは天使のよう。
なのにとっても残酷で、ごとーの胸はいっつも締めつられるのです。
なのにとっても残酷で、ごとーの胸はいっつも締めつられるのです。
キリキリと…。
キリキリと…。
キリキリと…。
「それにさ、よっすぃも美貴ちゃんもキショイとかキモイしか言わないし」
あははははって笑って、楽しそう。
あーあー。ごとー。そつぎょーしたくなかったかも。
あーあー。ごとー。そつぎょーしたくなかったかも。
「ひどいねー。ごとーがいたら…」
「いたら?」
「いたら?」
期待するようにニコニコ笑って見上げる目。
きらきら、きらきら。
吸い込まれる…。
きらきら、きらきら。
吸い込まれる…。
「んー。たぶん、一緒になってきしょがるかも」
「…あれ」
「…あれ」
カクッとコケてくれて、
「もぉ! ひどーい」って笑うアナタ。
「そんなこと言うとぉ、こーしちゃうぞぉっ!」
え…! 梨華ちゃん!?
ぎゅって首に抱きつかれて、目の前がぐるんて回ってて…。
押し倒されたらしいです。
押し倒されたらしいです。
「梨華…ちゃん!?」
見上げたらくすって笑ってる梨華ちゃん。
強気な眼差し。
やば…。心臓が熱い!
強気な眼差し。
やば…。心臓が熱い!
「ふふっ。おしおきしちゃうぞ」
少しだけカオが近づいて…ぎゅっと目を閉じたら眉間に舞い降りたキス。
天使は悪魔なんだよ。
だけど嫌いになれない。
だけど嫌いになれない。
「ふふっ。かわいいなぁ」
だから、すきなの。
堕ちてく?
それとも…?
それとも…?
甘い誘惑。甘美な罠。
アナタだけいてくれれば、ほかには何もいらない。
アナタだけいてくれれば、ほかには何もいらない。
☆
「梨華ちゃん、今日暇?」
「あれ、よっすぃが誘ってくれるなんて珍しいねぇ」
「いいじゃん。たまには」
「ふふっ。そうだね。じゃあ、ゴハン食べに行く?」
「あっ! それじゃぁ、美貴、ヤキニクがいい!」
「でたよ。レバ刺し3人前女」
「うわっ。よっちゃんさん、ひどっ!」
「あははっ。でも、美貴ちゃんそれ、ホントのことじゃん」
「まぁねぇ…」
「けど、あたし、美貴ちゃんのそーゆー食べっぷり、すごいなーって思う」
「ほんとに!?」
「ほんとに」
「んーあー。じゃあ、とりあえずヤキニクでけってー?」
「うん。そうしよ。このメンバーでゴハンっていうのも、なんかおもしろくない?」
「ははっ。たしかに珍しいよね」
「うん。ごとーもそーぉもう」
「うわっ! ごっちんいつの間にいたんだよ!」
「今」
「即答かよっ。みじかっ!」
「美貴ちゃんこそつっこみ早いってば」
「脊髄反射だもん」
「うわ…ヨシコが難しい言葉しゃべった…」
「あちゃー。どうしよ。明日雪だよ雪」
「んだょ。あたしそこまでバカじゃないって」
「あーあー。ひーちゃん、拗ねないの」
「うわ…。こっちもさむっ…」
「……とかって、うらやましいくせに…」
「あ? なんか言った? ごっちん」
「んー。別に。ね、もうみんな帰るんでしょ。早くいこ」
「あぁ、ごっちんももう終わりなんだね。うん。そうしよ」
「ごとーさぁ、この間けーちゃんにおいしーお店教わったんだよね」
「じゃ、そこで決まり! 美貴、カバンとって来る。行こう。梨華ちゃん!」
「わっ! ちょっと! 美貴ちゃん引っ張んないでって!」
「あーあー。あぶないって!」
「じゃ、待ってるねー」
「あれ、よっすぃが誘ってくれるなんて珍しいねぇ」
「いいじゃん。たまには」
「ふふっ。そうだね。じゃあ、ゴハン食べに行く?」
「あっ! それじゃぁ、美貴、ヤキニクがいい!」
「でたよ。レバ刺し3人前女」
「うわっ。よっちゃんさん、ひどっ!」
「あははっ。でも、美貴ちゃんそれ、ホントのことじゃん」
「まぁねぇ…」
「けど、あたし、美貴ちゃんのそーゆー食べっぷり、すごいなーって思う」
「ほんとに!?」
「ほんとに」
「んーあー。じゃあ、とりあえずヤキニクでけってー?」
「うん。そうしよ。このメンバーでゴハンっていうのも、なんかおもしろくない?」
「ははっ。たしかに珍しいよね」
「うん。ごとーもそーぉもう」
「うわっ! ごっちんいつの間にいたんだよ!」
「今」
「即答かよっ。みじかっ!」
「美貴ちゃんこそつっこみ早いってば」
「脊髄反射だもん」
「うわ…ヨシコが難しい言葉しゃべった…」
「あちゃー。どうしよ。明日雪だよ雪」
「んだょ。あたしそこまでバカじゃないって」
「あーあー。ひーちゃん、拗ねないの」
「うわ…。こっちもさむっ…」
「……とかって、うらやましいくせに…」
「あ? なんか言った? ごっちん」
「んー。別に。ね、もうみんな帰るんでしょ。早くいこ」
「あぁ、ごっちんももう終わりなんだね。うん。そうしよ」
「ごとーさぁ、この間けーちゃんにおいしーお店教わったんだよね」
「じゃ、そこで決まり! 美貴、カバンとって来る。行こう。梨華ちゃん!」
「わっ! ちょっと! 美貴ちゃん引っ張んないでって!」
「あーあー。あぶないって!」
「じゃ、待ってるねー」
………
…
★
A.イシカワリカのキモチ
誰が好きだとか、誰が嫌いだとか。
誰がカワイイだとか、誰がオモシロイだとか。
誰がカワイイだとか、誰がオモシロイだとか。
はっきり答えが出せるものっていいけど、そういうふうにできないものってあるよね。
みんなすき。
みんなかわいい。
みんなおもしろい。
みんなかわいい。
みんなおもしろい。
みんな、愛しい。
はっきり答えが出せるなら、あたしとっくにそうしてる。
『梨華ちゃん』
ほんっとに素敵なお王子様。
『りーかちゃん』
かっこよくてかわいい魔法使い。
『梨華ちゃんっ』
ちょっとクールな天使。
ほんっとに素敵なお王子様。
『りーかちゃん』
かっこよくてかわいい魔法使い。
『梨華ちゃんっ』
ちょっとクールな天使。
ほら。一人になんて絞れないよ。
やだなぁ。
あたし、これじゃずるいよね。
あたし、これじゃずるいよね。
でも今は、この関係がすき。
ごめんね。あたしワガママ。
ごめんね。あたしワガママ。
王子様にもメロメロだし。
魔法使いの魔法にかかっちゃってるし。
天使の笑顔にぞっこんだもん。
魔法使いの魔法にかかっちゃってるし。
天使の笑顔にぞっこんだもん。
前を歩く3人の背中を見ながら、それでもこんな楽しい時間がずっと続けば…って思う。
「梨華ちゃん?」
天使が一人一歩後ろを歩くあたしに気付いて、
「ほら。こっちおいでよ」
魔法使いがあたしの手を引っ張って、
「どうかした?」
王子様がさりげなく手を繋いで微笑む。
「ううん。どうしもないよ。ただ…」
「「「ただ?」」」
あたしを見る3人の不安そうな目。
ちくりと痛む胸に気づかない振りをして、微笑んだ。
「楽しいなぁ…って」
天使が一人一歩後ろを歩くあたしに気付いて、
「ほら。こっちおいでよ」
魔法使いがあたしの手を引っ張って、
「どうかした?」
王子様がさりげなく手を繋いで微笑む。
「ううん。どうしもないよ。ただ…」
「「「ただ?」」」
あたしを見る3人の不安そうな目。
ちくりと痛む胸に気づかない振りをして、微笑んだ。
「楽しいなぁ…って」
「なぁーんだ。何言い出すかと思ったら、まったくさぁ…」
繋いだ手に力がこもった王子様。
「ほんとだよ。もぉ。わかりきったこと言うなっての」
肩に腕を回してグッとあたしを引き寄せて笑う魔法使い。
「このメンバーでつまんないわけないってば」
ふにゃっと笑って、長い腕をそっと腰を回して抱いてくれる天使。
繋いだ手に力がこもった王子様。
「ほんとだよ。もぉ。わかりきったこと言うなっての」
肩に腕を回してグッとあたしを引き寄せて笑う魔法使い。
「このメンバーでつまんないわけないってば」
ふにゃっと笑って、長い腕をそっと腰を回して抱いてくれる天使。
強力な包囲網。
突破は…無理だよね。
だって、目の前で火花バチバチ。微笑む3人。
突破は…無理だよね。
だって、目の前で火花バチバチ。微笑む3人。
逃げないよ。
だけど、答えはまだ胸の中に…ね。しまっておかせて。
だけど、答えはまだ胸の中に…ね。しまっておかせて。
(2004/9/13)