たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
快速通過待ち
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ガタンガタン。
流れる窓の向こうは真っ暗。
ちらりちらりと明かりが流れて、夜の電車はなんかにぎやかで静か。へんなの。
ちらりちらりと明かりが流れて、夜の電車はなんかにぎやかで静か。へんなの。
梨華ちゃんと並んでボックス席。
学校が終わって街まで行って、ずっとほしかったピアスをゲット。そしてお茶してなんだかんだとすごくいい時間になっちゃって。
「すっかり遅くなっちゃったね」
「うん。でも楽しかった。それによかったよね」
って梨華ちゃん。さっそくつけたピアスを見てちょっと疲れた顔でふふって笑った。
学校が終わって街まで行って、ずっとほしかったピアスをゲット。そしてお茶してなんだかんだとすごくいい時間になっちゃって。
「すっかり遅くなっちゃったね」
「うん。でも楽しかった。それによかったよね」
って梨華ちゃん。さっそくつけたピアスを見てちょっと疲れた顔でふふって笑った。
ガタンガタン。
電車が学校のある駅に滑り込む。街までは学校から5個先の駅。
「なんかヘンな感じ。いつもここで乗るのにね」
って梨華ちゃん。
「だよね。明日もこっから乗るんだよね」
ちらほらと降りていく人たち。
ちょっと立ち上がって周りを見たらもうあんまり人もいなくって、なんか10人も乗ってない。
「なんかヘンな感じ。いつもここで乗るのにね」
って梨華ちゃん。
「だよね。明日もこっから乗るんだよね」
ちらほらと降りていく人たち。
ちょっと立ち上がって周りを見たらもうあんまり人もいなくって、なんか10人も乗ってない。
『本日も…』
アナウンスの声もなんか大きく聞こえて。
ゆっくりと動き出した電車。
ゆっくりと動き出した電車。
『…では、快速列車通過待ち合わせの為、5分ほど停車いたします…』
「次の駅でちょっと止まるみたいだね」
「うん」
のんびりのんびり普通列車に揺られる美貴と梨華ちゃん。
時計を見たらもう10時を回ってて、美貴だけ途中で降りるのもめんどくさいし、なんかこんな時間に一人で帰るのもちょっとヤだなーって思ったから、今日は梨華ちゃんちにお泊り。
それにしてもさ、時間も遅いし、この電車、梨華ちゃんがいつも降りる駅の次が終点だからもう乗ってくる人も少ない。
車内の明かりで窓に映る梨華ちゃんはちょっともう眠そうで、ぼんやりと外を眺めてる。そっと手を握ったら、ゆっくりとこっちを見てふわっと笑った。
きゅって握られて、しっかりと繋がった美貴と梨華ちゃんの手はなんとなく美貴の膝の上。
真っ暗な中にちらちら流れる光と景色。
「うん」
のんびりのんびり普通列車に揺られる美貴と梨華ちゃん。
時計を見たらもう10時を回ってて、美貴だけ途中で降りるのもめんどくさいし、なんかこんな時間に一人で帰るのもちょっとヤだなーって思ったから、今日は梨華ちゃんちにお泊り。
それにしてもさ、時間も遅いし、この電車、梨華ちゃんがいつも降りる駅の次が終点だからもう乗ってくる人も少ない。
車内の明かりで窓に映る梨華ちゃんはちょっともう眠そうで、ぼんやりと外を眺めてる。そっと手を握ったら、ゆっくりとこっちを見てふわっと笑った。
きゅって握られて、しっかりと繋がった美貴と梨華ちゃんの手はなんとなく美貴の膝の上。
真っ暗な中にちらちら流れる光と景色。
「明日ってなんか課題の提出ってあったっけ?」
「明日? 化学だったら明後日だよね。現代文?」
「現代文のレポートって今週末じゃなかった?」
「あっ、そうか。じゃ、まだ時間あるんだ」
「やった? 梨華ちゃん」
「ううん。現代文はまだ。美貴ちゃんは?」
「え? あーまだ。ってゆーか、忘れてた。明日やろっかな」
「明日? 化学だったら明後日だよね。現代文?」
「現代文のレポートって今週末じゃなかった?」
「あっ、そうか。じゃ、まだ時間あるんだ」
「やった? 梨華ちゃん」
「ううん。現代文はまだ。美貴ちゃんは?」
「え? あーまだ。ってゆーか、忘れてた。明日やろっかな」
とりとめのない会話。
ガタンガタン。
ガタンガタン。
ガタンガタン。
「それでさぁ、その主人公っていうのがさ…」
「へぇ~。そうなんだぁ」
「うん。でさ…でね?」
「あー。なんだぁ。見に行けばよかったぁ」
「ほらー。だからこの間誘ったのにさぁ」
「だぁってぇ~。しょーがないじゃん。生徒会で呼ばれちゃったんだもん」
「あ、でもまだやってるよ?」
「ホント!? どこぉ?」
「先週行ったカフェ、覚えてる? その向かいの映画館。小さいとこだけど」
「あっ! そうなんだぁ。じゃぁ、柴ちゃん誘って行ってみようかな」
「あれ? 美貴じゃないの?」
「だって美貴ちゃんもう1回見てるじゃん」
「えー。いいじゃ~ん。なんか見たって飽きないって。おもしろかったもん」
「でもなぁ。なんかさぁーぁ? 一回見た人と行くのってなんかなぁ…って思わない?」
「別にぃ。思わない。あっ。そーなんだぁ。美貴と一緒に行くのヤなんだぁ。いいもーんだ」
「やっ、あっ、そーじゃなくってね。ね? なんか他におもしろそうなのない?」
「ん? あー。そーだなぁ…じゃぁ、美貴もまだ見てないんだけど…」
「へーぇ。おもしろそう。いいね。行こう! それ。やっぱりさ、どうせならドキドキとか一緒に感じたいじゃん」
「んー。まぁね。じゃぁさ、いつ大丈夫?」
「あー。あたし…今週は明日がバイトであさってとしあさっては生徒会だし…」
「美貴も明日からバイトなんだよねぇ…」
「じゃぁ、来週?」
「そうだね」
「へぇ~。そうなんだぁ」
「うん。でさ…でね?」
「あー。なんだぁ。見に行けばよかったぁ」
「ほらー。だからこの間誘ったのにさぁ」
「だぁってぇ~。しょーがないじゃん。生徒会で呼ばれちゃったんだもん」
「あ、でもまだやってるよ?」
「ホント!? どこぉ?」
「先週行ったカフェ、覚えてる? その向かいの映画館。小さいとこだけど」
「あっ! そうなんだぁ。じゃぁ、柴ちゃん誘って行ってみようかな」
「あれ? 美貴じゃないの?」
「だって美貴ちゃんもう1回見てるじゃん」
「えー。いいじゃ~ん。なんか見たって飽きないって。おもしろかったもん」
「でもなぁ。なんかさぁーぁ? 一回見た人と行くのってなんかなぁ…って思わない?」
「別にぃ。思わない。あっ。そーなんだぁ。美貴と一緒に行くのヤなんだぁ。いいもーんだ」
「やっ、あっ、そーじゃなくってね。ね? なんか他におもしろそうなのない?」
「ん? あー。そーだなぁ…じゃぁ、美貴もまだ見てないんだけど…」
「へーぇ。おもしろそう。いいね。行こう! それ。やっぱりさ、どうせならドキドキとか一緒に感じたいじゃん」
「んー。まぁね。じゃぁさ、いつ大丈夫?」
「あー。あたし…今週は明日がバイトであさってとしあさっては生徒会だし…」
「美貴も明日からバイトなんだよねぇ…」
「じゃぁ、来週?」
「そうだね」
ガタンガタン。
そんなこんなで電車は揺れて、なんかふとおしゃべりが止まって。
窓の向こうは静かな静かな夜の世界。
窓の向こうは静かな静かな夜の世界。
『まもなく…』
アナウンスが流れて、電車の速度が緩やかに落ちていく。
滑り込んだ駅のホームにはほとんど人なんかいなくって、なんかさびしい。
ゆっくりと止まって、しゅーってドアが開いて…。
なんとなく周りを見たら、
「なんか美貴たちだけみたいだよ」
「あ。ホントだ」
降りていった人たちの後姿。
『…5分ほど停車いたします』
って、止まったままの電車。
なんか貸切みたいでクスクスって二人して笑った。
「静かだね…」
「うん…」
ちらりと見た梨華ちゃんの横顔は穏やかで…。たぶん疲れてるからなんだろうけど、ちょっと眠そうだから余計にそう思ったのかも。
滑り込んだ駅のホームにはほとんど人なんかいなくって、なんかさびしい。
ゆっくりと止まって、しゅーってドアが開いて…。
なんとなく周りを見たら、
「なんか美貴たちだけみたいだよ」
「あ。ホントだ」
降りていった人たちの後姿。
『…5分ほど停車いたします』
って、止まったままの電車。
なんか貸切みたいでクスクスって二人して笑った。
「静かだね…」
「うん…」
ちらりと見た梨華ちゃんの横顔は穏やかで…。たぶん疲れてるからなんだろうけど、ちょっと眠そうだから余計にそう思ったのかも。
ヴーン。
「あ」
携帯が震えた。ブレザーの内ポケから出して確認確認。
「メール?」
「うん。亜弥ちゃん」
返事をしながら、とりたててたいした用事じゃないメールにカチカチとレスをする。
あんまりにも静かだから、なんだかメール打ってる音がやけに耳について…。
携帯が震えた。ブレザーの内ポケから出して確認確認。
「メール?」
「うん。亜弥ちゃん」
返事をしながら、とりたててたいした用事じゃないメールにカチカチとレスをする。
あんまりにも静かだから、なんだかメール打ってる音がやけに耳について…。
カチカチ。
別段なんてことはなくって、今日梨華ちゃんと買い物行って、ピアス買って…ほらって写メしたの添付して…。
「送信っと」
ディスプレイをなんとなく見つめてたら、ことんって肩が重くなった。
「ん? 梨華ちゃん?」
美貴の肩に乗った梨華ちゃんの頭。そっと覗き込んだら気持ちよさそうな寝顔。
「…寝ちゃった」
しっかりと手を繋いだまま。
携帯を内ポケに戻すと、そっと目にかかった前髪を指で払った。
静かな寝息。ここのところ忙しかったから、いつもちょっと眠そうで…。でもマジメだから踏ん張ってノート取ってて。だから後ろからちょっかい出して眠気覚ましのお手伝い…なんてね。
ちょっと尖った唇がなんかかわいい…。
すっかり美貴にもたれかかってるから、起こさないように腕を伸ばして抱き寄せた。
こっちを少しだけ向いた体。すぐそばに唇。首にかかる小さな寝息。
「ん? 梨華ちゃん?」
美貴の肩に乗った梨華ちゃんの頭。そっと覗き込んだら気持ちよさそうな寝顔。
「…寝ちゃった」
しっかりと手を繋いだまま。
携帯を内ポケに戻すと、そっと目にかかった前髪を指で払った。
静かな寝息。ここのところ忙しかったから、いつもちょっと眠そうで…。でもマジメだから踏ん張ってノート取ってて。だから後ろからちょっかい出して眠気覚ましのお手伝い…なんてね。
ちょっと尖った唇がなんかかわいい…。
すっかり美貴にもたれかかってるから、起こさないように腕を伸ばして抱き寄せた。
こっちを少しだけ向いた体。すぐそばに唇。首にかかる小さな寝息。
ねぇ。梨華ちゃん。
タタン。ガタン。
隣のホームを列車が駆け抜けていく。
その音を背中で聞きながら、ゆっくりと少し覆いかぶさるように梨華ちゃんの唇に美貴のを重ねた。
その音を背中で聞きながら、ゆっくりと少し覆いかぶさるように梨華ちゃんの唇に美貴のを重ねた。
タタン。ガタン…。
ものの10秒もないキス。
梨華ちゃんは眠ったまま。
梨華ちゃんは眠ったまま。
ねぇ。梨華ちゃん。
普通じゃないよね? 美貴たち。
じゃれてキスするコたちはいるけど、美貴は違う。それは…梨華ちゃんもだって美貴は思ってる。
だからすごくうれしいのと、怖いのと…いろんな気持ちが入り交ざる。
だって真剣で…本気で本当にすきだから…。
普通じゃないよね? 美貴たち。
じゃれてキスするコたちはいるけど、美貴は違う。それは…梨華ちゃんもだって美貴は思ってる。
だからすごくうれしいのと、怖いのと…いろんな気持ちが入り交ざる。
だって真剣で…本気で本当にすきだから…。
キスはしたい。でもそのたびに戸惑って…。
だって普通じゃないから。
でも…じゃあ、フツウってなに?
わかんないよ。
だから…だから怖いし、だけど…もっとほしい。
だって普通じゃないから。
でも…じゃあ、フツウってなに?
わかんないよ。
だから…だから怖いし、だけど…もっとほしい。
たとえば…。
繋いでた手を離して、ブレザーに隠れた柔らかいふくらみの上にそっとのっけた。
もっと…触れたい。
首筋に微かにかかる梨華ちゃんの息。
くすぐったくて、なんか熱くって…。
くすぐったくて、なんか熱くって…。
一緒にいれるだけでもいい。
けどね…もっと、もっとって…気持ちはどんどん深くなって強くなって…。
触れたい。感じたい。見たい。
いろんな梨華ちゃんを…全部知りたい。
けどね…もっと、もっとって…気持ちはどんどん深くなって強くなって…。
触れたい。感じたい。見たい。
いろんな梨華ちゃんを…全部知りたい。
抱いてる腕に自然と力がこもってた。
手のひらに感じるやわらかい梨華ちゃんの胸。そっと…そっと少しだけ、手のひらに力を込めてみた。
「…」
梨華ちゃんは眠ったまま。
すぐそこにあるおでこにキスをして、そっとまた梨華ちゃんの手を握って…。
手のひらに感じるやわらかい梨華ちゃんの胸。そっと…そっと少しだけ、手のひらに力を込めてみた。
「…」
梨華ちゃんは眠ったまま。
すぐそこにあるおでこにキスをして、そっとまた梨華ちゃんの手を握って…。
『大変お待たせいたしました。まもなく発車します…』
窓に映った美貴は、なんかちょっと泣きそうな顔してるようにも見えた。
ガタンガタン。
電車がゆっくりと動き出した。
*
改札を抜けて空を見上げたら、街灯の向こうに星が見えた。
手を繋いだまま、なんとなくゆっくりなペースで歩き出す。
二人ともなんとなく無言。
起き抜けでまだちょっと眠たげな梨華ちゃん。
まだちょっとどきどきしてる美貴。
ちらりと見た横顔は少しだけうつむいてて、なんていうか…憂いというか…。ちょっと考え込んでるようで…。
二人ともなんとなく無言。
起き抜けでまだちょっと眠たげな梨華ちゃん。
まだちょっとどきどきしてる美貴。
ちらりと見た横顔は少しだけうつむいてて、なんていうか…憂いというか…。ちょっと考え込んでるようで…。
カツカツ…。
ローファーのかかとがアスファルトを踏み鳴らして、静かな商店街に響き渡る。
駅まで歩いて10分の梨華ちゃんちまで、なんかちょっと長く感じる沈黙。
繋いだ手に、ちょっと力が入ってて、でも梨華ちゃんはおんなじ力できゅって握り返してくれた。
そして、ふと何か言いたげに唇がうっすらと開いた。
「…梨華ちゃん?」
「うん…」
ふわって微笑んだその顔はやさしくて、なんかほっとして、でも…どきっとして…。
梨華ちゃんはまたすぐに目を前の方に向けた。そして、小さな細い人差し指が唇をなぞる。
「……梨華ちゃん?」
思わず繋いでる手にぎゅって力が入って……。
「うん」
そして、またぎゅって握り返す梨華ちゃん。
ゆっくりと人差し指が唇から離れた。
「…同じだ」
そう呟いて、微笑んだ梨華ちゃん。
ローファーのかかとがアスファルトを踏み鳴らして、静かな商店街に響き渡る。
駅まで歩いて10分の梨華ちゃんちまで、なんかちょっと長く感じる沈黙。
繋いだ手に、ちょっと力が入ってて、でも梨華ちゃんはおんなじ力できゅって握り返してくれた。
そして、ふと何か言いたげに唇がうっすらと開いた。
「…梨華ちゃん?」
「うん…」
ふわって微笑んだその顔はやさしくて、なんかほっとして、でも…どきっとして…。
梨華ちゃんはまたすぐに目を前の方に向けた。そして、小さな細い人差し指が唇をなぞる。
「……梨華ちゃん?」
思わず繋いでる手にぎゅって力が入って……。
「うん」
そして、またぎゅって握り返す梨華ちゃん。
ゆっくりと人差し指が唇から離れた。
「…同じだ」
そう呟いて、微笑んだ梨華ちゃん。
そっか。
「うん」
そうだよ…。ついでに言えば逆になっただけ。言葉にしない代わりに…。
「ねぇ、梨華ちゃん」
立ち止まって、強引かもしれないけど繋いだ手を引っ張って、抱き寄せて、ぎゅって…強く強く抱きしめた。
「…どうしたの?」
「わかんない…」
「美貴ちゃん」
ふわりと背中を包むように回った梨華ちゃんの腕。
「ちょっとだけ…こうさせて」
答えの代わりにポンポンって背中を叩いた梨華ちゃんの小さな手。
考えてみたら、美貴、今日梨華ちゃんちに泊まるのにね。
「なんか…あったかい」
そう言ってちょっとくすぐったそうに笑う梨華ちゃんの声はやわらかかった。
そうだよ…。ついでに言えば逆になっただけ。言葉にしない代わりに…。
「ねぇ、梨華ちゃん」
立ち止まって、強引かもしれないけど繋いだ手を引っ張って、抱き寄せて、ぎゅって…強く強く抱きしめた。
「…どうしたの?」
「わかんない…」
「美貴ちゃん」
ふわりと背中を包むように回った梨華ちゃんの腕。
「ちょっとだけ…こうさせて」
答えの代わりにポンポンって背中を叩いた梨華ちゃんの小さな手。
考えてみたら、美貴、今日梨華ちゃんちに泊まるのにね。
「なんか…あったかい」
そう言ってちょっとくすぐったそうに笑う梨華ちゃんの声はやわらかかった。
あと5分歩けば梨華ちゃんち。
静かな商店街。今んところ二人だけ。
静かな商店街。今んところ二人だけ。
遠くで車が走る音が何台か過ぎ去って、なんか…ヘンな感じ。
「あとは…続きは梨華ちゃんち」
「うん」
「それまでちょっと…がまんする」
「うん。行こう」
しっかりと手を繋いで、ゆっくりでもなく速くでもなく歩きだす。
「うん」
「それまでちょっと…がまんする」
「うん。行こう」
しっかりと手を繋いで、ゆっくりでもなく速くでもなく歩きだす。
見上げたらなんかきらって星が流れたような気がして。
だからもう遅いってわかってるけど、ちょっとお願い事をしてみた。
叶うといいな。
だからもう遅いってわかってるけど、ちょっとお願い事をしてみた。
叶うといいな。
まだちょっと涼しい初夏の夜。
もうすぐ夏服。
カツカツと二つの足音が星のまばらな夜の中に消えていった。
もうすぐ夏服。
カツカツと二つの足音が星のまばらな夜の中に消えていった。
(2005/10/28)