たぶん素敵妄想集(爆@ ウィキ
闇の向こう
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rm96
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タンタン…。
夜の港に響く足音。
ぼぉっと汽笛が鳴って、夜はひっそりとたたずんでいる。
ぼぉっと汽笛が鳴って、夜はひっそりとたたずんでいる。
暗い倉庫の中。
埃に煤けている積み上げられた木箱の陰に身を潜め、目を凝らす。
銃を握る手に汗。
引き金にかかった人差し指に走る緊張。
埃に煤けている積み上げられた木箱の陰に身を潜め、目を凝らす。
銃を握る手に汗。
引き金にかかった人差し指に走る緊張。
ふっ…と息を吐いて、美貴は木箱の影から躍り出た。
パンパン!
銃声が二つ。
美貴の背中を過ぎる。
美貴の背中を過ぎる。
「ちっ!」
薄暗い視界の先の差に映るもの影に向かって飛び込む。
「いけっ!」
飛び込みざま、ちらりと上のほうに見えた人影に向かって2発。
「ぐあっ!」
「ぅうっ!」
「ぅうっ!」
胸を押さえて倒れた男達。
転がり込むように物陰に隠れると、美貴はまた広がる闇に目を凝らして銃を構えた。
その時…。
「終わりだ」
頭にごつっと当たった銃口。
背筋にぞくっと走る悪寒。
背筋にぞくっと走る悪寒。
美貴はゆっくりと首だけで振り向いて見上げた。
「はっ…。やってみな」
ぎらりと光る眼光。銃を向けられてなお失ってない野獣のような視線。
「はっ…。やってみな」
ぎらりと光る眼光。銃を向けられてなお失ってない野獣のような視線。
男がわずかに体をすくめてひるんだ。
「くそっ…。てめぇ!」
パン!
倉庫内に響く破裂音。
美貴の頭の上に降る真っ赤な血。
「遅い。よっちゃん」
「悪ぃ悪ぃ」
「悪ぃ悪ぃ」
倒れた男の背後で悪びれた様子もなく笑うひとみ。
軽やかな手つきで銃をホルダーにしまうと、手を差し出した。
軽やかな手つきで銃をホルダーにしまうと、手を差し出した。
「さっ、行こっか」
「うん」
「うん」
しっかりと手を取ると、美貴はもたれるように肩を寄せた。
密やかに横たわる夜の向こう。
闇の世界へと歩いていく二人。
闇の世界へと歩いていく二人。
(2005/3/3)