ライダーロワ THE NEXT まとめwiki内検索 / 「僅かばかりの不信」で検索した結果

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  • 僅かばかりの不信
    僅かばかりの不信  夜が明けて間もない時間帯が生み出す肌寒さと、昇った太陽が本領を発揮する寸前という時間帯の呼び込む微量の陽気。  それら二つの反発が作り出す春先独特の気候は、三角形を形成しながら歩む三人の男性にとっても心地が良いものだ。  全身に風格を漂わせながら先頭を切って進む男の名は、ヒビキ。  一目でその実力が分かる鍛え上げられた肉体と、確固たる意思を宿した瞳。「漢」と呼ぶのが相応しいだろうか。  ヒビキの後ろから追従する二人の男は、対称的な様子で道を踏みしめている。  その一人、城戸真司は正面を真っ直ぐに見据えている。心の奥底に秘めた悲しみを牢から解放はせず、明るく振舞うことに徹している。  一方、風間大介は視線をあちらこちらへ滑らせ続けている。風向を次々と変える気まぐれな風の様に。  内心後悔していた。ハナを一文字任せにしてしまったこ...
  • ◆N4mOHcAfck氏
    ... 乃木怜治 060 僅かばかりの不信 日高仁志 風間大介 城戸真司 065 終わるのは遊び、始まるのは戦い(前編)終わるのは遊び、始まるのは戦い(後編) 木場勇治 北崎 海堂直也 東條悟 072 感情(前編)感情(後編) 五代雄介 城光 和泉伊織 長田結花 澤田亜希 風谷真魚 葦原涼 緑川あすか 077 blood 風のエル 079 restart 橘朔也 090 肯定/否定――my answer 北條透 乃木怜治 加賀美新 風見志郎 094 Fatality-Cross(前編)Fatality-Cross(後編) 五代雄介 長田結花 城光 和泉伊織 ハナ 牙王 ゴ・ガドル・バ ン・ダグバ・ゼバ 100 流されぬ者は 橘朔也 スマートレディ 104 大切な人は誰ですか 三田村晴彦 東條悟 コメント 一作目から濃いバトルを書き、描写が細かく熱いバトルを書き続けてくれる書き手さん。...
  • 追跡:風間大介
    ...い、強く立ち上がれ/僅かばかりの不信/ちぐはぐな仲間たち/恐怖!死神ショッカーライダー大部隊結成作戦!!/Sturm und Drache/病い風、昏い道(前編)/病い風、昏い道(後編)/Crisis(前編)/Crisis(後編) ロワ内動向 そういう・アスカ・腹黒え 【風間大介@仮面ライダーカブト】 【1日目 深夜】 【時間軸 ゴンと別れた後】 【現在地 A-4道路】 【状態】 健康 【装備】 ドレイクグリップ、ドレイクゼクター 【道具】 支給品一式、移動車両ネタばれ地図、ハリケーン@仮面ライダーTHE NEXT 【思考・状況】 基本行動方針 脱出する 1.2人を守り、移動車両を探す 2.本郷猛、牙王を倒す 3.脱出派と合流 4.影山瞬に気をつける ※ハリケーンは使わずに、手で押しています ※ネタばれ地図には、バイク...
  • 第二回放送までの作品
    ... 手塚海之 060 僅かばかりの不信 ◆N4mOHcAfck 日高仁志 風間大介 城戸真司 061 コントラスト ◆yFvLIBbl9I 城光 五代雄介 063 休息 ◆deggScNisI ゴ・ガドル・バ 064 果てなき願い ◆aj6Zn5J.vQ 加賀美新 風見志郎 065 終わるのは遊び、始まるのは戦い(前編)終わるのは遊び、始まるのは戦い(後編) ◆N4mOHcAfck 木場勇治 北崎 海堂直也 東條悟 066 ちぐはぐな仲間たち ◆cW9wr8uD4A 死神博士 影山瞬 風間大介 城戸真司 067 リング・オブ・ローズ ◆CIPHER0/kY 乃木怜治 北條透 和泉伊織 長田結花 五代雄介 城光 ゴ・バダー・バ 068 歩むべき道は果てしなく ◆cW9wr8uD4A 乃木怜治 北條透 070 裏切りはすぐ傍に ◆RIDERjbYCM 香川英行 桜井侑斗 金居 風のエル 木...
  • ちぐはぐな仲間たち
    ...成作戦!! 060 僅かばかりの不信 風間大介 073 恐怖!死神ショッカーライダー大部隊結成作戦!! 060 僅かばかりの不信 城戸真司 073 恐怖!死神ショッカーライダー大部隊結成作戦!!
  • 追跡:城戸真司
    ...い、強く立ち上がれ/僅かばかりの不信/ちぐはぐな仲間たち/恐怖!死神ショッカーライダー大部隊結成作戦!!/完璧の名の下に/Sturm und Drache/龍哭(前編)/龍哭(中編)/龍哭(後編) ロワ内動向 『Chosen Soldier』 【城戸真司@仮面ライダー龍騎】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:A-3 大学前】 [時間軸]:劇場版終盤(レイドラグーンへの特攻直前) [状態]:健康 [装備]:龍騎のデッキ [道具]:ディパック(デルタギア) [思考・状況] 1:本郷と出会ったことによる安心と決意。 2:戦いを止める。 吼える 【城戸真司@仮面ライダー龍騎】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:B-3 大学近く道路】 [時間軸]:劇場版終盤(レイドラグーンへの特攻直前) [状態]:健康 [装備]:...
  • 傷付いてもいい、強く立ち上がれ
    ... 日高仁志 060 僅かばかりの不信 040 Riders Fight!(後編) 風間大介 060 僅かばかりの不信 040 Riders Fight!(後編) ハナ 059 全てを喰らう牙 040 Riders Fight!(後編) 城戸真司 060 僅かばかりの不信
  • コントラスト
    ... 060 僅かばかりの不信 投下順 062 泣く少年 060 僅かばかりの不信 時系列順 063 休息 050 指し手二人(後編) 城光 066 リング・オブ・ローズ 050 指し手二人(後編) 五代雄介 066 リング・オブ・ローズ
  • 投下順リスト2
    ...ク) ハナ 060 僅かばかりの不信 ◆N4mOHcAfck 日高仁志 風間大介 城戸真司 No. タイトル 書き手 登場キャラ 061 コントラスト ◆yFvLIBbl9I 城光 五代雄介 062 泣く少年 ◆deggScNisI 歌舞鬼 山本大介 三田村晴彦 桐矢京介 063 休息 ◆deggScNisI ゴ・ガドル・バ 064 果てなき願い ◆aj6Zn5J.vQ 加賀美新 風見志郎 065 終わるのは遊び、始まるのは戦い(前編)終わるのは遊び、始まるのは戦い(後編) ◆N4mOHcAfck 木場勇治 北崎 海堂直也 東條悟 066 ちぐはぐな仲間たち ◆cW9wr8uD4A 死神博士 影山瞬 風間大介 城戸真司 067 リング・オブ・ローズ ◆CIPHER0/kY 乃木怜治 北條透 和泉伊織 長田結花 五代雄介 城光 ゴ・バダー・バ 068 歩むべき道は果てしなく ◆...
  • 追跡:日高仁志
    ...い、強く立ち上がれ/僅かばかりの不信/希望と絶望と偽りの顔(前編)/希望と絶望と偽りの顔(後編)/夢路/それぞれの思考/この言葉を知っている(前編)/この言葉を知っている(後編)/Traffics(前編)/Traffics(中編)/Traffics(後編)/Traffics(終編)/憎悪の声は歓喜する(前編)/憎悪の声は歓喜する(後編) ロワ内動向 クローズド・サーキット 響鬼に変身、ゴ・バダー・バと交戦。 【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】 【1日目 早朝】 【時間軸:最終回前】 【現在地】C-3 保養所前 【状態】軽い疲労。全裸。ちょっと寒い。鬼に2時間変身不能。 【装備】変身音叉・音角 音撃棒・烈火 【道具】基本支給品一式(着替え2着と元の服を含む) 野点篭(きびだんご1箱つき) ハイパーゼクター 不明支給品x1 【思考・状況】 基...
  • 枯れぬ策謀
    ... 時系列順 060 僅かばかりの不信 040 Riders Fight!(後編) 志村純一 071 希望と絶望と偽りの顔(前編) 055 The flames of destiny/炎の果てに(後編) 手塚海之 071 希望と絶望と偽りの顔(前編)
  • 全てを喰らう牙
    ...沌 投下順 060 僅かばかりの不信 058 混沌 時系列 062 泣く少年 051 戦いの決断 橘朔也 075 牙と軍人と輝く青年 051 戦いの決断 ゾル大佐 075 牙と軍人と輝く青年 046 かげやまのなく頃に~仕切り直し編~ 牙王 000 牙と軍人と輝く青年 048 傷付いてもいい、強く立ち上がれ 一文字隼人 081 継ぐのは魂 048 傷付いてもいい、強く立ち上がれ ハナ 081 継ぐのは魂
  • 追跡:長田結花
    長田結花 参戦時期:本編第41話終了直後(武装警官を一掃する直前) 戦績:一敗   (●:王蛇 登場作品 白い悪意/ワインディング・ロード/指し手二人(前編)/指し手二人(後編)/リング・オブ・ローズ/感情(前編)/感情(後編)/それぞれの思考/Fatality-Cross(前編)/Fatality-Cross(後編)/病い風、昏い道(前編)/病い風、昏い道(後編)/tears memory/Crisis(前編)/Crisis(後編) ロワ内動向 白い悪意 【長田結花@仮面ライダー555】 【時間軸】本編第41話終了直後(武装警官を一掃する直前) 【状態】健康、人間への不信感・憎悪(軽度)、疾走による小程度の疲労 【装備】なし 【道具】支給品一式(不明支給品1~2)、カードデッキ(ファム) 【思考・状況】 基本行動方針:木場さんと海堂さん...
  • 希望と絶望と偽りの顔(前編)
    ...顔(後編) 060 僅かばかりの不信 日高仁志 071 希望と絶望と偽りの顔(後編) 056 枯れぬ策謀 手塚海之 071 希望と絶望と偽りの顔(後編) 056 枯れぬ策謀 志村純一 071 希望と絶望と偽りの顔(後編) 055 The flames of destiny/炎の果てに(後編) ン・ダグバ・ゼバ 071 希望と絶望と偽りの顔(後編)
  • 追跡:木場勇治
    木場勇治 参戦時期:39話・巧捜索前 戦績:一勝一敗一分け   (引き分け:ザビー    ●:牙王    ○:タイガ) 登場作品 流されやすい者達/蜂の乱心!!/すべてのうつくしいものから /終わるのは遊び、始まるのは戦い(前編)/終わるのは遊び、始まるのは戦い(後編)/裏切りはすぐ傍に/Weak and powerless/零れ落ちる闇/信じるモノ/顔/Traffics(前編)/Traffics(中編)/Traffics(後編)/Traffics(終編)/憎悪の声は歓喜する(前編)/憎悪の声は歓喜する(後編) ロワ内動向 流されやすい者達 ファイズに変身。ザビーと交戦。 【木場勇治@仮面ライダー555】 【1日目 現時刻 黎明】 【現在地 H-2 倉庫街南東の小倉庫】 【時間軸 39話・巧捜索前】 【状態】 全身に疲労。外傷は特に無し。ファ...
  • 感情(後編)
    感情(後編)  涼が目を覚まして最初に気付いたのが、火花が散る際に発生したけたたましい着弾音。  これが自分を起こしたものなのだろう。続けて、辺りを見回す。  ようやく守ると決めた対象――あすかが、部屋にいないことに気付く。  小屋の中に居れば自分を起こす筈だと判断し、外にいると結論を出したので、すぐに起き上がり、他の部屋へは向かわずに出入り口へ向かう。  玄関を僅かに開けた涼の目に映った光景は、紫銀の戦士は、彼を深い困惑へと追い込んだ。 「四号…………五代?」  かつて日本を震撼させた未確認生命体と戦った第四号。当時雑誌では幾度と無く彼の姿が取り上げられていて、その姿を知らぬ者はいな、と言ったところだろう。  勿論それらの記事は涼も何度と目にしており、その中には紫の複眼を縁取りを持った姿の写真も掲載されていた。  そしてこの小屋で放送前に自身を...
  • 橘朔也
    【名前】橘 朔也 【登場作品】仮面ライダー剣 【本名】橘 朔也(たちばな さくや) 【異名/愛称/コードネーム】仮面ライダーギャレン 橘さん(剣崎、栞、白井)               橘(始、烏丸、伊坂、桐生) 【年齢/性別】25歳 男性 【人称】自分→俺 他人→お前もしくは苗字or名前呼び捨て 【立場】仮面ライダーギャレン BOARD(人類基盤史研究所)の元研究員 【身体的な特徴】 長身中肉(中の人は180cm)ギャレンの適合者として鍛錬を積んできている 一重に見えるが奥二重。下がり気味の目尻。 左人差し指に◆の刻印されたシルバーリング 【精神的な特徴】 真面目で責任感が強い。冷静で頭脳明晰だが情動的。 年長者や押しの強い理詰めの意見に流されやすく頑固で思い込みが激しい。 孤高を気取りつつも孤独に弱く、結局耐えられない淋しがり屋 ...
  • おふろでやりたいほうだい
    おふろでやりたいほうだい 二つのデイパックを右肩に下げ、左手には食料を握り締めながら牙王はずんずん歩いていた。 牙王が歩いた後にはパンやオニギリの包装紙が転々と捨てられ、今も続いている。 ゴミに気付き、誰かが追跡してくる可能性がある危険な行為だが牙王はむしろそれを望んでいた。 自分が獲物を見つけるのが先か、後ろから獲物がホイホイついて来るのが先か。 幸か不幸か…牙王の場合は不幸と言うべきだが獲物を見つけることも、獲物がついて来ることも無かった。 目的も無く歩いて誰かと遭遇する可能性は低い。今までがむしろ幸運だったと言えるだろう。 牙王も薄々と勘付いてはいるのだが、それとは少し違った考えが頭の中を占めている。 「…めんどくせぇ」 腰を下ろし焼きそばパンを貪りながら牙王は愚痴る。 もっと獲物の方からやって来る良い方法は無い物か。転々と続いてい...
  • クローズド・サーキット
    クローズド・サーキット  カーキ色のジャケットは、僅かな星明かりだけでもその姿を夜の闇に浮かび上がらせる。高台に立つ彼の襟元には、鮮やかに朱いスカーフが夜風に煽られ、長くたなびいている。  ――――リントたちも、ゲゲルをするとはな。  彼は内心で、そう呟いた。  彼はリントたちのゲゲルに乗るつもりはなかった。ゲゲルはあくまでグロンギのものだ。グロンギとして、グロンギの流儀で行ってこそ意味がある。  そのためにはまず、彼の手足となるものを手に入れなくては。  リントの生み出した『バイク』と言う名の馬を、ゴ・バダー・バは気に入っていた。戦いに赴く時に常にそれに跨がるほどに、である。  バイクを入手するには、リントの住む場所に行かなければならない。  高台の上から見下ろすと、暗く沈んだ夜景の中に幾つか灯りが点っている場所があるのが遠目にも見て取れる。南の灯りは数が多いがやや遠く...
  • 白い悪意
    白い悪意 彼女はなぜ自分がこのような場所にいるのか理解できなかった。 彼女の名は長田結花。 以前はごくごく普通の女子高生だった。 いや、それは語弊があるのかもしれない。 彼女の生活には常に暗い影が掛かっていた。 彼女はいつもいじめられていた。 家庭でも学校でもいじめられる日々。 所詮は義理の家族、父と母は妹の方ばかり気に掛け、妹も彼女を虐げる。 学校でも浴びせられるのは悪意に満ちた罵声。 彼女はそんな日々に絶望していた。 そしてそんなある日……彼女は死んだ。 雪の降りしきる日、彼女はその若き命を散らした―― ――はずだった。 確かに死んだはずだった。 だが彼女は偶然か必然か二度目の生を手に入れる事になる。 それは人あらざる者である証拠。 彼女は蘇った――人あらざる進化した者、オルフェノクとして。 しか...
  • 泣く少年
    泣く少年 ――俺の名前は歌舞鬼。人の為に鬼となり…人に絶望し、仲間を裏切り外道となった男。 まぁ結局は響鬼との対決に敗れて、挙句の果てには最後の最後で甘さを捨てられずに、ヒトツミにバリバリグシャグシャバキバキゴクン。 と、なるはずだったのが生きながらえ、こうして殺し合いに参加させられている。その割には多少の騒動があるとはいえ平和な物なのだが。 仮に神様がいるとしたら、一体俺に何させようってのかねぇ?―― アマゾンと合流した俺は今現在の周囲を確認してみる。辺りにはまるで俺達がいるこの場所を、木々達が守るかのようにそびえ立っている。 本来は動物達の休息場所?とでも言うのだろうか。この場所なら休むのも悪くない。 とりあえずの安全を確認すると俺はアマゾンのデイパックを漁る事にした。 持ち主であるアマゾンは横たわっている二人の少年に付き添ったままで、こちらを気に...
  • 真実を追い求めて
    真実を追い求めて 一軒の小屋の近くに立ちすくむ男が一人。 金の短髪を生やした男――葦原涼は肌を撫でるように吹く風に身を任せている。 理由はゆらゆらと吹き荒れる風が心地よいから――と、いうわけではない。 意識したわけでもない。只、結果的に身を任せる事になったにしか過ぎない。 自分が今、何処に立っているのかすらも特に気にせずに葦原はある事を考えていたから。 そう。視線の先に存在する一際大きく隆起した土の山の奥底に沈むもの。 それが少なくとも現時点まで葦原の意識を支配していた。 右腕に握るものは大きなシャベル。 先刻、ログハウスから見つけ出したものであり、柄に溶接されたスプーン状の刃には泥や砂がこびりついている。 そして、葦原が今まで何をしていたのかをシャベルは無言で物語っていた。 「すまない……あすか……」 洩れた言葉は謝罪の言葉。 浮かべた顔には一片の...
  • 終わるのは遊び、始まるのは戦い(後編)
    ◆  東條がバイクに跨がって海沿いに都市部を疾走していたのは、ある人物との再戦を望んだからだ。  彼を乗せて駆けるバイクは「凱火」。名前こそこうであるが、武装を備えていたりする戦闘用バイクという訳ではない。  元いた場所へと戻る最中、道端に放置されたそれを見つけ、現在に至る。  可能な限り緩めたスピードでの走行中も、東條は念入りに人の気配を探し続ける。  既に姿を消し去っていた木場勇治、まだ見ぬ参加者、或いは自身も良く知るライダー達か。  その中でも特に木場との再戦を心待ちにする。正面から「英雄じゃない」と東條を否定した木場に、証明してやりたい。  道沿いに進んだ結果、その望みが思ったより早く叶うかも知れない。  東條は見たのだ。ショッピングセンターに入店する見覚えのある服装の男を。  胸が高鳴っているのを確かに感じ、東條が凱火を停車させる。  もう一台バイ...
  • 追跡:桐矢京介
    桐矢京介 参戦時期:36話、あきらに声をかけた帰り 特記事項:参加者の桜井侑斗と顔が同じです。 登場作品 蠢く甲蟲/決断の刻は目の前に/二匹の蛇は何を唄う/泣く少年/出たぞ!恐怖の北崎さん/EGO(前編)/EGO(後編)/顔/Traffics(前編)/Traffics(中編)/Traffics(後編)/Traffics(終編)/憎悪の声は歓喜する(前編)/憎悪の声は歓喜する(後編) ロワ内動向 蠢く甲蟲 【桐矢京介@仮面ライダー響鬼】 【1日目 深夜】 【現在地:F-4の寂しい路地裏】 [時間軸] 36話、あきらに声をかけた帰り [状態] 軽い擦り傷 中度以上の疲労 [装備] なし [道具] 基本支給品(ただし携帯と水以外で何かを紛失した可能性あり)  [思考・状況] 1、安全な場所を早急に探し隠れる。 2、激しい恐怖。 3、響鬼...
  • 零れ落ちる闇
    零れ落ちる闇  ―― EXCEED CHARGE ――  ブティックやCD専門店の並ぶショッピングセンターにて、男性の無機質な電子音が響く。  電子音と共に赤い閃光を引きつれて、黒い影が駆ける。  金のバイザーと赤いラインを持つ黒い強化スーツの仮面ライダー。  ファイズは道路を駆けて、空に浮かぶ赤い異形の怪人へと跳躍した。 「らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」  ベルトよりチャージされたエネルギーは拳のパンチングマシン、ファイズショットに届き破壊の衝撃を生み出す。  ファイズに変身した海堂は、そのまま赤い異形、ゴルゴスへとグランインパクトを振り下ろした。 「甘いわ!!」  ファイズのグランインパクトをゴルゴスは両腕で受け止め、鬼のような形相でファイズの仮面を睨みつける。  下半身の岩に生える十面の人の顔。うち一つは潰され、九つとなった顔面から炎が吹き出た。 ...
  • 憎悪の声は歓喜する(前編)
    憎悪の声は歓喜する そこだけ色の違う地面の上に、傾きかけた陽が作る細長い影が並んでいる。 道路の外れの林の中に作った手塚の墓の前で、ヒビキはもう一度手を合わせた。 「……手塚。ゆっくり休んでくれな」 他の面々も、沈痛な表情でその背中を見つめている。 掘り返されたばかりの土のにおい、冷たさを増した風、そのどれもが悲しみを一層呼び起こすようだった。 ヒビキが立ち上がろうとして、ふと地面を見ると、動く小さなものが目に映った。サソードゼクターだ。 辺りから拾ってきた花崗岩の墓標の前にたどり着くと、尾を垂らしてじっとしている。 ヒビキにはサソードゼクターの緑色の目が、悲しみに光っているように思えた。 「……手塚の事が大好きだったんだな、お前」 ダグバと戦った時、怪我を手当てする時。いつでもこの小さなサソリは、手塚のために必死だった。 つい先刻、仲間の一...
  • ワインディング・ロード
    ワインディング・ロード 「ひぃ……ふぅ……はぁ……そろそろ町かなにかないかな」 「距離からして無理だろ、常識的に考えて」  実は問題は距離そのものではない。  仲間になってくれそうな参加者を捜すため、とりあえず山を下りることにしたデネブと加賀美。幸い、さほど高くないその山は元々が行楽地だったらしく、緩やかに西の斜面を下る遊歩道が麓まで続いている。  おかげで足への負担はさほどなかった、のは良いのだが。 「たけのこだ!おいしそうだなあ……今夜は侑斗に若竹煮作ってあげよう」 「ていうかさ、なんでこの暗さで見つけるんだよ、そういうもんを」 「おっ、こういう水の綺麗な所には……ほらあった。芹だ!香りも良いぞ!!」  夜明けどころか丑三つ時を過ぎたばかりの山中で、もそもそと指で地面を掘り始める黒装束の怪人。普通に見りゃ殺した女子高生の死体を遺棄してるとか、そんな感じの光景だが、やっ...
  • 正義のためなら鬼となる
    正義のためなら鬼となる 貪るような勢いで読んでいた紙芝居に目を通し終えたそいつはあまりよろしそうに見えない頭なりにどうにか現状を理解したようだった。 やれやれ親切なこったねぇと、歌舞鬼は目に見えぬ敵に向かって唸り声を上げるアマゾンを眺めながら心中で息を吐く。 与えられた情報をどう受け止めたかは分からぬにせよ、これで畜生のようなこの人間も定められたルールの上でどう振舞うかの選択を迫られる訳だ。 諦めて従うか敢えて反抗するかを選ぶことはできる。逆に言えば居間の歌舞鬼達に与えられた自由はその程度のものでしかない。 歌舞鬼自身はどのなのかと言えば、気持ちは未だに中途半端なままだ。ツクヨミに食われ意識を失う寸前まで、荒れ狂う感情は身を削るようだった。いきなり仕切り直しを告げられても気持ちの整理がつかない。 あの鬼どもならどうするだろうか。守るというのだろうか。このような...
  • 龍哭(中編)
    龍哭(中編) 川辺に沿って進む、男が二人。二人ともまだまだ若く、青年というよりも少年といったほうが近い気さえした。 二人の間に会話は無く、片方が進めば後ろがそれに追いつくように進む。ずっとこれの繰り返しだ。 あまりにも静か過ぎるこの状況は、後ろの男――――三田村晴彦の緊張をどんどん張り詰めさせていく。 いつどこから襲撃があるかというのもそうだが、一番の懸念は目の前を歩く、東条悟の存在そのものだった。 (大切な人……殺して英雄になる、なんて馬鹿げているな。) 心の中でだけ、そっと呟いた。英雄の話をする東條に宿った輝きは、本気としか言いようの無い輝きだ。 あの輝きは以前見たことがある……そうだ、北崎。つい二時間ほど前に逃げ出してきた、恐るべき龍人の仮面ライダー。 東條や北崎は互いに同じ側の存在だということはすでに承知している。人を殺すことを躊躇せず、自分のために突き...
  • Fatality-Cross(後編)
    ◆ 「うぁぁぁぁぁぁぁ!!」  再び仲間を失った五代の、悲痛な叫びだった。  ようやく民家から飛び出たナイトがオルタナティブ・ゼロへと怒りに任せて槍をぶつけ。  タイガーアンデッドが結花をドラグブラッカーから、イブキの遺体から引き離し。  血色に身体を染めたクウガが天に舞い、ガドルへ微弱な蹴りを叩きこむ。  胸に浮かび上がった紋章は即座に消え去るが、構わずにクウガはそれを二度、三度と繰り返した。  ガドルが過程の中で、一種の不快感を帯びる。確かに、キックの威力自体は変わらない。  封印エネルギーも、ガドルへダメージを通せるレベルのものではなかった。  ただ、その一撃一撃に篭った憎しみという名の気迫が、回を増す毎に強まっているのだ。  餌を喰らった黒龍は活発化し、自分達の変身に制限が掛かるのも時間の問題。  ガドルは状況の不利を...

  • 顔 ファイズギアが入ったデイパックをしっかりと胸に抱え、桐矢京介は川沿いの道を進んでいた。 いつのまにか汚れてしまった、ブランド物のスニーカーが小石を蹴る。 最初は住宅街を隠れるようにして移動していたのだが、敵が物陰に潜んでいるのではないかという不安に耐えられず、迷った末に前方が見渡せる比較的広い道を進む事にした。 極限状態の京介にはもう、どちらがより安全で、危険であるのか判断できない。 ただ、存在するかしないかわからない恐怖に怯えるよりは、目視した危険から速やかに逃げられるようにと思ったのだった。 後ろ向きではあるものの、本来の負けず嫌いな性質がそうさせたのかもしれない。 一歩歩くたびに、デイパックの中でファイズギアがカチャリ、と小さな音を立てる。 警戒心から普段以上に神経質になっている事を考えても、そんな音が聞こえる程の不気味な静けさである。 本来雑多...
  • 戦いの決断
    戦いの決断 木々の隙間から漏れる朝の日差しが舗装された道を優しく照らす。 その穏やかな道をバイクで駆け抜ける青年がいた。 バイクに乗る青年、北崎の心は言葉に出来ないほどの高揚感に包まれている。 ほんの5分前まではコブラ男との戦闘で得た勝利の余韻に浸りながら駆け抜けていたが、 放送にて呼ばれた一条薫の名前、そして呼ばれなかった五代雄介への期待感。 この二つが北崎の心をどこまでも高揚させた。 この場に来て初めての獲物、一条。北崎は彼に感謝していた、含み無く、心の底から。 (こうして僕に勝利の喜びをくれただけじゃなく、仮面ライダーを、五代雄介って人を教えてくれた。本当に、感謝してるよ…一条くん…) にぃ、と笑いながらこれから先に待ち受ける出会いに心を躍らせる。 北崎が向かうは市街地。理由は単純に人が集まりそうだから、というものだ。 ...
  • 出るか?モモ獣人の必殺技!
    出るか?モモ獣人の必殺技! 「言っとくがなぁ!俺に前フリはねぇぞ!最初から最後まで、徹底的にクライマックスなんだよ!」 「ちゅちゅ~ん。勘弁してくれよう。オレにはもう何がなんだか……」 目の前に広がる光景を遠目で確認したとき、海堂直也はまず最初にチンピラのケンカかな、と思った。 街灯一つないさびれた林道である。 周囲を照らすものと言えば僅かな月明かりのみで、左右に伸びる木々の群れはその身を真っ黒に染め上げどこまでも闇を広げている。 乱暴な声でやかましくがなり立てているのは全身を真っ赤な衣装に包んだ人間、のような背格好をした見たこともない怪人。 胸ぐらを掴まれ怯えたようにちゅんちゅん鳴いているのが、こちらも多少くすんではいるが全身真っ赤のさつまいものような姿の、やはり怪人。 どう見ても、どちらも人間ではあり得ない。 だからといって海堂と同じオルフェノクなのかと言うと...
  • Crisis(後編)
       ◇  ◇  ◇ 無我夢中で振り回したことが、功を成したらしい。風のエルはその幸運を自らの仕える黒き神に感謝した。 ビルに深々と突き刺さるパーフェクトゼクターからは、点々と黄色いエネルギーが溢れている。大方、知らぬ間にハイパースティングでも打ち込んだのだろう。 ふと腹部に鋭い痛みを感じてない手を当てると、嫌な感触とともに赤い雫が滴り落ちた。さしもの風のエルといえど、二度も必殺技を食らった体は限界寸前だった。 このまま飛び降りてどうしようかと考えていた矢先、猛禽のような青い目がとある影を捉えた。 「……あれは……」 草の緑に紛れ見えづらいが、紛れもなく人の体だった。濃緑色のスーツに覆われたそれには、どの生物も等しく持っているものが欠けている。 それすなわち、首。 ニィ、と口を歪め短く吼えた。壁から足を使って剣を引き抜いて数m下の地面へと着地...
  • 憎悪の声は歓喜する(後編)
    ※ ヒビキと葦原の居なくなったコンコースでは、皆の持ち寄った変身具が床に並べられていた。 斜めに差し込む夕日が、大理石様の模様が描かれた床材にそれらの独特のシルエットを浮かび上がらせている。 ライダーズギア、カードデッキ、ゼクター、ゼロノスベルト。 全く異なる技術によって作られたそれらのアイテムの存在は、もしこれまでに幾度となくその力を見せられていなければ、香川にも到底信じられなかっただろう。 他の者たちも同じ気持ちのようで、床の上の数々の所持品に視線を注いでいる。 香川は咳払いを一つして一同の注意を引きつけると、口火を切った。 「これだけの数が有れば、戦力的には心強いですが、多数が使用者を選ぶものであるためあまり安心もできません。使用できるものとそうでない物を選り分けて再分配した方がいいでしょう」 一同が小さく頷くのを見届けて、香川がまず手に取ったのは...
  • イプソ・ファクト(前編)
    イプソ・ファクト(前編)  夜明けの空を嘲笑うかのように鳴り渡る軽やかな着信のメロディ。本郷は荷物の中から携帯電話を探り当てると、それを開いた。  掌の半分ほどしかない画面の中で嫌らしい笑いを浮かべる女の顔が細部まではっきりと見て取れる。その技術には感心というよりは、嫌悪を抱かざるを得ない。  知恵と力とを、歪んだ欲望のために使う悪への怒りだ。  その燃え滾る感情は、次の瞬間冷たい衝撃にかき消される。  呼び上げられた中に、知人の名があったからだ。それも一つではなく、二つ。  一文字の名を耳にすることは覚悟していた。だが、『おやっさん』までもが命を奪われたとは。  恩人であり家族にすら近かった人の名が、凍り付いた手となって彼の心臓をわしづかみにする。息を詰まらせるその感覚を振り払うため、本郷は己の胸に熱い意思を点した。  立花藤兵衛が自分を導いてくれたように、他のライダーた...
  • 剣崎一真
    【名前】剣崎 一真 【登場作品】仮面ライダー剣 【本名】剣崎 一真(けんざき かずま) 【異名/愛称/コードネーム】仮面ライダーブレイド 剣崎(橘、始、烏丸) 剣崎君(栞、白井)              剣崎さん(睦月、天音) ブレイド(キングその他数名のUDの皆さん) 【年齢/性別】22歳 男性 【人称】自分→俺 他人→名前呼び捨て 目上の人→○○さん 烏丸→烏丸所長 天音→あまねちゃん 【立場】人類基盤史研究所「BOARD」所属 仮面ライダーブレイド 【身体的な特徴】身長185㎝で体重は50㎏台とかなりの痩せ型。輪郭も縦に長め         奥二重の目元はぱっちりというよりは鋭く涼しげな印象。         若干長めオーソドックスなスタイルの茶髪(橘、北岡より明るく乾、城戸より暗め)         ジーンズにロングTシャツなどのラフな服装が多い。ライディン...
  • Riders Fight!(前編)
    Riders Fight!(前編) ブォォォォォン……ブォォォォォン…… 空が本来の明るさを取り戻した頃に、バイクの排気音が響き渡る。 時たまカーブがあるが、それを除けばほぼ直線な道路を突っ走る、真っ赤な――あまりの速さに閃光にすら見える――バイク。 その赤い車体に乗り、たった一人で夜明けの道を突き進む男、一文字隼人は急いでいた。 改造人間や、それ以外の未知の存在がうようよいるこの戦いで――――自分と共に呼ばれている女性、緑川あすかが生き残れる可能性は限りなく低い。 自分達と違って彼女はただの人間、故にこの場では身体的に劣る側にいる。 本郷や信頼できる人物に保護されているといいが……そう上手くいくとは限らない、だからこそ、今自分が走っているのだ。 別にこの気に乗じてあすかを手に入れようなんて気はない。他人の女に手を出すほど、おちぶれちゃいない。 ...
  • 知略と決意のとき
    知略と決意のとき  血塗られた戦場に似つかわしくない女性の声が彼らにも朝の訪れを告げていた。  G-3放送局。カブトムシの異形との激戦を終えた一行はそこで休息をとっていた。 「…9名ですか」 未だ気を失っている侑斗の携帯を借り、放送を聞く香川は決して少なくはない犠牲者に思いを馳せた。この中にも東條による被害者がいるのだろうか。  放送の中で特に気になったのは死者の蘇生に対する制限。東條に殺される寸前までしか覚えがない自分がこの場にいる以上、スマートブレイン社にそのような力があっても不思議ではない。  しかし、灰化や重要な部位が欠けた状態からは蘇生出来ない。これはどういうことだろうか。 「やはり…詭弁ですかね…」 ぽつりと呟いた一言に黙って放送を聞いていた金居も香川の方を向いた。 「何のことだ?」 「先程の蘇生に対する制限の話のことです。恐らく半分以上...
  • tears memory
    tears memory  昼下がりの町を疾駆する二つの人影。  五代と光は一つの方角へ走っていた。  ハナと結花が逃げた方角、そして風のエルが飛んでいった方角へ。  変身はついさっき解けてしまった。  風のエルの策にまんまと乗せられてしまい、ナイトとファムの飛行する手段を使い切ってしまったため、走る他なかった。  ハナと結花を狙っているのなら、二人の足を考えても遠くはないはず。  光はそう考えながら駆けていた。  と、前方やや左の建物の陰から何かが飛んでいるのが見えた。 「光さん、あれ!」  五代も気づいて指を刺している。  さっきの怪人が少女を抱えて飛行していた。 「ハナ!」  光がつぶやく間にも風のエルは二人の上空を通り過ぎ、そのまま後方へ向かって飛行している。  さっきファムに変身したばかりだし、アンデッドへの変身もまだ制限時間...
  • 病い風、昏い道(後編)
    「……逃げて!!」 かすかな電子音。その意味を理解するより前に、結花は叫んだ。 刹那、鋭く放たれた光の槍が彼らの足元に突き刺さり、そのエネルギーによってアスファルトが砕け散る。 声をきっかけに、咄嗟に光が結花を、五代がハナをそれぞれ抱えて飛び退ったおかげで直撃は免れた。 激しい衝撃に思わず顔を背けた結花がはっと面を上げると、すぐ近くに上空を睨む光の顔があった。 視線を辿ると、灰色の建物を背に浮かび、鮮やかな色の大剣を構える人外のものの姿。 鳥のような頭部。きらびやかな装飾を纏い、小さく背中に見えるのは羽だろうか。姿から、結花は天使を連想した。 しかし血に汚れた禍々しい笑みに、瞬時にそのイメージは崩れ去る。異形は再び剣を構えた。  ---Hyper Sting--- 再びすぐ傍で大きな爆発音が結花の耳をつんざく。光に抱えられたまま、悲鳴を上げて頭を庇...
  • セカンドディール
    セカンドディール(第三回放送)  携帯の着信音が、暮れなずむ空に朗らかに響き渡る。 「ハァーイみなさん、6時間のご無沙汰でした。スマートブレインがお送りする極上のリゾートライフ、ちゃんと満喫してくれてますかぁ?」  携帯の小さな画面でにこやかに笑う女性。嘲笑うように細めた目は、見るものには小憎らしく映るだろう。 「それでは、12時からこれまでに生き残るのに失敗しちゃった負け犬さんのお名前を発表したいと思います。  十面鬼ゴルゴスさん、山本大介さん、和泉伊織さん、一文字隼人さん、手塚海之さん、牙王さん、城戸真司さん、澤田亜希さん。今回ゲームから脱落しちゃったのは以上8人の皆さんです」  女の声に合わせてテロップが流れる。死者の名前を視聴者の目に強引に刻み込もうと言わんばかりの執拗さだ。 「みなさん元気に殺し合ってくれているみたいで、お姉さんとってもうれしいです。その調子...
  • 流されやすい者達
    流されやすい者達  「一体どういうつもりだ、スマートブレインは…」  唐突に殺し合いを要求され、リゾートアイランドとされる場に飛ばされ、携帯で見せられたのは二人の人間の死―  この冗談にもならない一連の流れが終わり、しばしの沈黙後に放たれた第一声がそれだった。我ながら平凡な一言だと思う。  これは現実だ。そう自分に言い聞かせると、面識ある女に説明された、デイ・パックの中身を確認する。  といっても辺り一面には漆黒が広がり、この状態ではろくに確認もできない。  既に取り出し、先ほどの惨劇を自分に見せつけた携帯を明かりにする。  最初に出てきたのはマグライト。これを光源として再びパックを見ると、出てくるのは飲食物、筆記用具…説明通りだ。更にコンパスと地図。  いわゆる「必需品」という物ばかりなのだが、一つ明らかにこれらと比べて違和感を醸し出す物が存在した。  「これは、カー...
  • 指し手二人(前編)
    指し手二人(前編)  空に浮かぶ雲の隙間から除く唯一無二の存在が、刻一刻とその輝きを増していく。  それは即ち、殺し合いが順調に進行を続けていることに等しい。  合わせる様にして明るさを取り戻し始めた青空の元、五代雄介は小屋へと足を返していた。  左手で小屋の扉を開けた五代の右手にいくつか握られていた果実が、やや小型のテーブルに並べられる。それらは精一杯自らの存在を主張するが、五代がそれに事は応えることは無い。  つい先程までベッドに横たわっていた青年――――葦原涼が、既にその場から姿を消していたからだ。  もっとも、小屋を出る前から涼の表情には兆候が見られていたから、大きな衝撃を五代へ与えるには至らない。  五代は右の掌に視線を滑らせながら確信を持つ。――――彼もまた、自分や剣崎と同じ「仮面ライダー」なのだと。  彼はまた戦いに行ったに違い無い。負傷程度で「仮面ライダー...
  • Weak and powerless
    Weak and powerless パステルカラーで塗られたショッピングセンターの壁。 所々が抉れ、または焼け焦げて、今しがた刻まれたばかりの戦いのしるしも生々しい。 出入り口付近に嵌められた大きな窓ガラスは軒並み割れており、尖った先端を鋭く光らせて、荒廃した雰囲気を漂わせている。 その中の三人の人影。中年の男が一人。若い男が二人。皆一様に憔悴を顔に浮かべていた。 「……桜井君」 始めに口を開いたのは中年の男―――香川だった。 おびただしい量の緑色の血液が、大理石風の床に不気味な模様を描いている。 侑斗は膝をつき、つい先ほどまでここに無残な姿を晒していたかつての仲間が封じ込められたカードを握り締めたまま、気遣う言葉にも答えようとしない。 深い後悔と無力感に、俯いた顔は色をなくし、手はかすかに震えていた。 香川が侑斗の肩を軽く叩く。侑斗はきつく唇を噛み締...
  • クライマックスは終わらない(後編)
    クライマックスは終わらない(後編) 身体中が馬鹿みたいに痛てぇ……。 こんな経験は久しぶりだな……。 もう、このまま少し休憩するか……? それもいいかもしれねぇなぁ……。 きっとこのまま楽になれば、ちょっと眠れば直ぐに痛みも引くだろうしよぉ……。 『あれ、モモタロス? こんなところでなにやってんの? もしかして負けちゃった? ハハハハハ! モモタロスってやっぱ弱いんだねー♪ だったら僕が代わって、闘ってもいいかな? 答えは聞いてない!』 はぁぁぁぁぁッッッ!? おいおいおいおいおいおいーーーーー! なんであのハナタレ小僧の声が聞こえるんだ!? しかも俺が負けただとぉー!? 馬鹿言うんじゃねぇ、このハナタレ小僧がッ! 俺が負けるわけねぇだろが!! 『やっぱりモモタロスは単純だよね~♪ ほら、クマちゃん! もう元気になったよ!!』 『う...
  • クライマックスは終わらない(前編)
    クライマックスは終わらない(前編) 「あーーー! イライラする!!」 うっそうと緑の草木が生え茂った大地。 太陽は完全に昇りきってはおらず、周囲には薄暗さが残っている。 そんな場所に――エリアD-8に一人、大声を上げる者が居た。 身体の色は鮮やかな真紅と焦げ茶色、そして黒色で彩られ、顔は鬼そのものであり、 どうみても人間ではない。 右腕に一振りの剣――ディスカリバーを握り締め、不機嫌に地団駄を踏む者。 その者はモモタロスという名を持つ者だった。 「くっそー……なんでこの俺がこんな目に…」 モモタロス――歴史の改変を行い、自分達にとって思い通りの世界を創る事を目的とした、イマジンの一人。 だが、モモタロスはそんなコトよりもやりたいコトがあり、歴史改変などには興味はない。 モモタロスが望むもの。 それは簡単に言ってしまえば只、単に『カッコよく闘う事...
  • 決断の刻は目の前に
    決断の刻は目の前に  都市部の様な多くの建物も無ければ、研究所や工場といった目立つ施設も無い。  エリアE-5。参加者全員に配布された地図で言えば、丁度中央部に位置するこの地区に、青年が一人。  3人の「仮面ライダー」との激闘を制し、新たなる玩具――カードデッキを手に入れた。  その事実が改めて生み出す高揚感に、ドラゴンオルフェノク――北崎は、身を預けている。  これといった目的地を持たなかった故に辿り着いた地だが、決してその居心地は悪く無い。  ゲームを楽しんだ上での優勝。それを実行へと移す門出の場としては、この上無い場所である。  辺りで風を受けた繁みが微かに揺れる音を感じる。時間が時間だけあって、揺れ自体は見えないが、それらが織り成す旋律は北崎を十分に喜ばせた。  各地に散らばった「仮面ライダー」を始めとする参加者達は、自分達が舞い踊る劇場の中心から、...
  • 太陽背負う闘神
    太陽背負う闘神  木々が生い茂る森林の中、それらとは不釣合いな程丁寧に舗装され、耐久力を増している道路を進む男が二人。  緑と緑の間を縫う様に吹き抜ける風の心地よさも相まって、平時ならばこれ以上無い散歩のコースと言えるかも知れない。  だが今現在、彼らにはその様な猶予など持ち合わせていない。  何の為、誰の為に戦うべきなのか。戦いという行為自体正しいものなのか。  この森に足を踏み入れる前と同じ思考を、正面から見て右側の青年――加賀美は再び巡らせていた。  簡単に答えが出る筈も無い。それでも一つだけ、自信を持って自分自身に言い聞かせる事が出来たことがある。  ――この戦いは、絶対に阻止しなくちゃいけない。  (天道だってそう思っている筈だ……)  時には協力して困難を打ち破り、時には対立して全力でぶつかり合う。そうやってここまで来た戦友ならば、間違い無く...
  • 夢路
    夢路 雲間から零れる僅かな陽光が、濡れた緑を輝かせている。 むき出しの赤土には水が溜まり、踏み出した足がずるりと滑った。 「ッ! ………」 歯を食いしばり、ヒビキは体を硬くして姿勢を保持する。 斜面が多く、舗装されてもいない山林道はぬかるみ、重なる枯葉や小石で滑りやすくなっている。 いかに山歩きに慣れ、鍛えられた肉体を持つヒビキでも到底歩きやすいと言えるものではない。 意識のない人間二人を抱えていては尚更だ。 ヒビキは二人の傷を悪化させないよう細心の注意を払っているにも関わらず、何度となく足を取られてよろめいた。 肩に触れた手塚の体はひどく冷たい。 耳元に聞こえる、浅く小さい息遣いが辛うじて命がある事をヒビキに伝えていた。 急ごしらえの止血帯が緩んだのか、着替えたばかりのヒビキの服にも、ぐっしょりと赤い血が染みている。 志...
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