【名前】ヤナギ
【出典】ポケットモンスタースペシャル
【性別】男
【名セリフ】
「どれだけ長い冬であっても、耐え忍べばいずれ春が来る…どんな困難があっても希望を捨てずに…未来を勝ち取るんだぞ…」
【人物】
ジョウト地方最高齢のチョウジジムジムリーダー。専門は氷で、一度凍らせられたなら二度と溶けないほどの氷技を操ることから永久氷壁のヤナギの異名を持つ。謙虚な性格で、その実力を見せても決しておごらない。
その正体は仮面の男(マスク・オブ・アイス)。ロケット団残党を率いてジョウト地方を暗躍していた。
ホウオウ、ルギアを捕らえ、その羽から時を捕らえるモンスターボールを作った。
目的は時の支配。時を捕らえるモンスターボールでときわたりポケモンセレビィを捕獲すること。
若い時、自分のミスのせいで「ラ・プルス」「ラ・プリス」という二匹のラプラスを氷原で失ってしまう。
その時二匹のタマゴから孵ったラプラス「ヒョウガ」を両親に再会させるべく時を支配しようとした。
彼にとってポケモンとは愛して愛して愛しぬく存在であり、目的をたかがそれだけのことと言われた時激しく激高した
最期は
ゴールドにより時を捕らえるモンスターボールを破壊され時の間に潰されそうになるが、
セレビィによりヒョウガは両親と再会。
かつて友人たちが自分を慰めるために制作した歌を思い出し、心に巣食っていた氷が溶け穏やかな表情のまま時の間へと消えていった
【本ロワでの動向】
HGSS編からの参戦。セレビィに自分の心を溶かされたためか、マーダーではなく対主催としての道を歩むことに。
手持ちポケモンであるデリバードとウリムーを支給されていたため、強対主催と目されることに。
ヤナギが最初に出会ったのはのび太だった。
その少年は普段はのんびり屋で臆病だが、瞳の奥にはかつて自分に立ち向かった図鑑所有者の少年少女と同じ勇気が隠されていた。
リンゴォとの対決で敗北したのび太を保護し、同行することに。
厳格そうな性格のヤナギにのび太は少々怯えていたが、元々動物に好かれる性格ののび太はウリムーやデリバードとも仲良くなりヤナギとも次第に打ち解けていった
道中、のび太から親友であるドラえもんの話を聞いて、ヤナギは若いころの友人たちを思い出していた。
オーキドやキクコ、育てや夫婦、ガンテツ。
将来何になるかもわからないが、何をするのでもなくただ集まって騒いでいるだけで楽しかった
だがラプラスを失った後悔から、友人たちから自ら付き合いを絶ち、心を凍てつかせてしまった
「いい友達を持っているんだな、…羨ましいな。お前には友人と過ごす時間をたくさん持っている。
この殺し合いから脱出できたなら…その時間を大切にな」
ヤナギはふと言葉をのび太に掛けた。
会話の中の言葉のひとつひとつがドラえもんを大事に想っていることがうかがえた
時々ケンカもするけれど、それでも大事な友人であると。
ヤナギは静かに心の中で誓っていた。
もしもこのバトルロワイヤルでのび太が、ドラえもんが死ぬことがあれば彼らはきっと互いに大事な存在であるからこそ
自責の念に駆られてしまうだろう。
そうなればかつての自分のように間違いを犯してしまうかもしれない。友人たちを捨ててしまうかもしれない。
そんな道をたどらせないために、必ずこの少年を護ってみせると。
のび太と共に会場を探索していると、一匹のポケモンと出会った。
もりトカゲポケモンジュプトル。
あくまでポケモンの一種であると考えていたヤナギは人間の言葉を話し出したジュプトルに驚きを隠せなかった
ジュプトルのポケモン世界はヤナギの世界とは異なり、ポケモンが言葉を話す不思議の世界である。
目の前の言葉を話すジュプトルにヤナギは警戒心を隠せず、またジュプトルもポケモンに対し攻撃の指示を出すトレーナーという
人間に不信感を抱いていた。
二人の溝を埋めたのはのび太だった。
互いに仲良くさせようと努力する情けないが心優しい面も持つのび太の姿を見て、ヤナギもジュプトルも、互いに片意地を張るのが馬鹿らしくなってしまう。
不信感を互いに捨てた後はお互いの実力を認め合い、自分の強さをさらに高め合ういいコンビになっていった
実際T-800との戦いでは、手持ちポケモンのウリムーとデリバードを支給されていたこともあり終始圧倒していた。
コナー親子を守るという役目を果たせず、優勝してでも再び守ろうとしていたアンドロイドに自身の過去を重ねるも、
のび太やジュプトルを守るために止めを刺した
T-800戦後はメガネほむらと梨花と合流。
メンバーのほとんどが小学生や中学生といった子供ばかりであったため、先人として厳しく、時には優しく彼らを導くことに。
そのことがよく表れたエピソードが『飛べ!ホバーボード』の回である。
ホバーボードを支給されたのび太だったが、運動神経の悪さもありうまく乗りこなすことが出来ず、
上手に乗れるようになってから練習すると弱音を吐いていた。
そんなのび太を叱りながら、「自分にだけできない、ということはあり得ない。数々の失敗や挑戦を得て、人は成長していくのだ」と諭す
ヤナギの説教を受け、のび太は擦り傷斬り傷だらけになりながらも練習し、ついにホバーボードを乗りこなせるようになる
のび太の成長を、よくやったと褒めたのもヤナギであった
また時間停止という力を持ちながら、うまく戦えないほむらにも、自身の戦闘技術をジュプトルと共に教える
沢嶋の取材を受けた時には、以前にもラジオ局の取材を受けたこともあって和やかに応対するが、
取材を申し込まれる=有名人の図式が頭の中で浮かんで興奮したのび太と宥めるほむらをあったかーい目で見守っていた
沢嶋の取材を終えた後はZ-ONEと出会い、語り合う。
愛するポケモンを失ったヤナギをアポリアと重ねるZ-ONE。
しかし結局は「大いなる力を持つ者は、大いなる責任を果たさなければならない」として袂を切ってしまう
道中、ほむらと仲良くなっていたアマテラスが再び彼女の元を訪ね、梨花やのび太とも仲良く触れ合っていた
その光景を見て、心の中で温かさを感じる自分を知った
(そうか…ずっと忘れていたが、これが楽しいということか…)
愛したポケモンの時間を取り返すため友人も捨て、長い時間一人で悪となっていた
浚った子供たちにも愛情など与えず、自分の手足となるだけの教育しかしてこなかった
だが、子供が自分の元から逃げ出した時、捨てたはずのさびしいという感情を感じた
今まで心の奥底で憧れていた暖かさ。
それを今、短い時間ではあったが確かに手にしていた
そのことが、ヤナギにとっては本当に大事で楽しい時だったのだろう
だが時はけして歩みを止めはしない。
切っ掛けは沢嶋の死だった。
過去の自分にも取材をしたことを知った悪魔ほむらが彼を危険視し、もう一度矛盾点を解消すべく取材しようとした沢嶋を殺害したのだ。
そのことに怒りを覚え、彼女を倒すべく向かう一行。
しかし悪魔ほむらの策略によりほむらと梨花から分断されてしまう。
彼女らの元へ向かおうとするが、そこにプッチ神父が襲撃を掛けてくる
王蛇のデッキを手にし、
モンスターを召喚し波状攻撃を仕掛けてくる神父。
プッチ本体を攻撃しようにも、メイドインヘブンの速さの前には、ジュプトルの攻撃ものび太の射撃も当たるわけがない。
追い詰められていくヤナギたちであったが、唯一神父を倒すことのできる策を見つける
「ジュプトル…子供たちを頼んだぞ」
そう言い残し、ウリムーとデリバードと共に強引に包囲網を突破、プッチ神父を自分に追わせる
最大戦力であるヤナギを始末するべく追いかけるプッチであったが、突如気温が下がってきていることに気が付く
ヤナギの策。それはウリムーとデリバードに、半径500m自分がいる空間ごとプッチを凍らせることだった。
絶対零度の世界が精製されていく
自分自身も凍っていく捨て身の攻撃。それを取ったのは、たとえ自分の命を失ってでも守りたいものがいるからこそ。
加速して逃げようとするプッチであったが、自身の足も凍りつき移動を封じられてしまった
蛇に唆された神父は自分が悪であることに最後まで気が付かずその野望ごと打倒された
氷に包まれた世界。その中でヤナギは自身の命が終わろうとしていることを知った
ふと、横を見るとのび太とジュプトルの姿が。
涙で顔がぐしょぬれになったのび太。悔しさに顔を歪ませるジュプトル。
二人にヤナギは最期の言葉を遺した
昔の自分のように過去に囚われず、未来に進んでほしかったから。
「どれだけ長い冬であっても、耐え忍べばいずれ春が来る…どんな困難があっても希望を捨てずに…未来を勝ち取るんだぞ…」
のび太。ジュプトル。ほむら。梨花。アマテラス。
一緒にいた時間は短かったが、それでも十分すぎるほど楽しい時であった
ずっと憧れていた家族を、最期に手にすることが出来た
冬のような寒さの中で、ヤナギは春の日差しを感じながら、静かに瞼を閉じた
春が 來た
春が 來た
どこに 來た
山に 來た
里に 來た
野にも 來た
最終更新:2015年12月05日 14:46