地平線へ沈みゆく太陽が、世界を橙色に染めていく。
建物を追い越すほどに背伸びをした木々。無機質なコンクリートの壁。
殺し合いの舞台という狂気に満ちたこの世界を、すべて暖かな色で包み込むこの時刻は、一種の優しさを感じさせる。
しかし、太陽の色がもたらす優しさを拒絶するように、団地の中の公園に一人佇む青い少年がいた。
青い髪に黒い右目、強く押せば壊れてしまいそうなほど華奢な身体。
その男の名は左門召介。偽善者を嫌い欲深い者を好く、悪魔にすらも「悪魔」と呼ばれるほどの嫌われ者であった。
左門は公園に設置された遊具へ体重を預け、その視線を本へと向けていた。
しかし、よく見ると本を読んでいるのではなく、ただ眺めているだけだとわかる。
その証拠に、ページをめくるその速度と視線の動きは一致していない上に、本は上下逆さまだ。
少しの間眺めると、また次のページをめくる。何の目的があるのか、しばらくはその繰り返しだった。
ぱらり、ぱらりと、静かな公園にはただ紙をめくる音だけが響く。
「本が好きなんですね。」
紙をめくる音だけが唯一鳴り渡る公園に、りんとした、鈴のような声が響いた。
それはこの場に新たな訪問者が現れたということ。
だが左門は別段慌てることはなく、「罪と罰」と書かれた本を閉じると、その声の主へ身体を向ける。
「まっていたよ。蜂屋あい。」
ストロベリーブラウンの髪をなびかせ、白いワンピースを身に着けた、まさに天使のように可愛らしい容姿の女の子。
蜂屋あいが、公園の入り口に立っていた。
* * * * * *
「一応初対面だと思うから、自己紹介しておくよ。僕の名前は左門召介っていうんだ。」
目の前の男の人―――左門さんは私のほうに向きなおると、ていねいに自己紹介をしてくれた。
実はわたしはみんなから左門さんのことを教えてもらっているから、すでに知っているんだけどね。
「どうも左門さん。…えーっと、わたしのことは知っているみたいだから、自己紹介はいらないね。」
「うん、君のことはいろんな人から聞いてるからね。」
わたしのところにあつまってくれたみんなは人数は少ないけれど、一人一人がかなりたくさんの人とかかわりをもっている。
もともとの知り合いだったり、この世界にやってきてから知り合ったり。あ、それはわたしもおんなじかな。
わたしのもとの友達は一人もいなかったから、うらやましいな、と思う。
「それで、わたしにお話しって、なんのこと?」
わたしはポケットから、さっきもらったお手紙をとりだす。
いまからちょっと前に、わたしのところにおもちゃの戦車がやってきた。
おもしろそうだからひろってみると、戦車の上にはかわいいびんせんがはりつけてあった。
そのお手紙を読んだから、わたしはいま、この公園にいるんだけど、
「わたし、みんなを待たせてるの。おくれるってれんらくもしていないから、はやくすませてほしいな。」
「まあまあそういわずにさ。ぜひ君に聞いてほしいものがあるんだ。
というか、君以外に知られると、結構大変な事になる、って言ったほうが正しいんだけど。」
そう言うと左門さんは、ポケットから何かを取り出して、ふりふりとゆらしながらわたしのほうに見せつけてきた。
あれは……カセットテープ?
「これは僕の支給品なんだけどね。全く何の変哲もないただのカセットテープなんだよ。
こんなのを支給するよりも、食べ物とか乗り物とかくれればいいのに…」
なにかぶつぶつとつぶやいたあと、「まあ、それは今は置いといて」と話をもどし、
「君は確か、この場所で人を集めて、チームを作ってるんだよね。」
「うん。だって、わたしにできることは、みんなをいっしょにすることだけだし。
みんなでいっしょになれば、つらいことも、かなしいことも、せんぶのりこえられるから。」
「へーえ。まあ、集団心理っていうのはバカにできないからね。
っていうか、今の人間社会は集団心理に支配されてるといっても過言じゃないんだけど。」
左門さんがむずかしいことばをつかっているけど、わたしにはよくわからないなあ。
でもなんとなく、ほめてくれていることはわかった。
「欲深い人間が、欲に正直に動いて、弱い人間を操る。
それが人間の社会さ。勉強になったろ?」
まあ、きみにはひつようないか、といったあと、こんどはなにかの機械をとりだした。
「御託はさておき、このカセットテープには君の『真実』が入ってるんだよ。」
そして、テープは機械の中に入り、音がなりだした。
それは―――
『…ザザッザッ…今日…わたしは…ザッ…』
「この声って……」
『いじめのしょうこ…ザザッ…ろくおんします。』
テープからは、わたしのよく知る声がながれ出ていた。
男の子がみんなを仕切る声。
新しいあそびにみんながもりあがり、わきおこる笑い声。
「このテープはとある学校の、4年2組という教室で起こった出来事を記録している。
まったくひどい内容だよ、本当に小学生のやることかい?この「かいぼう」っての、間違いなく女の子の服脱がしてるでしょ。」
みんなみんな知っている。だってこのお話は、
『どうですか、僕の考えた新しいあそびは』
初代ソラと一緒に遊んだ時の、
『―――蜂屋さん!』
わたしがいる4年2組の、「わんこ」であそんでいる時のお話だから。
『ほんとうのわんこになったみたい。とってもかわいいよ。』
テープから、わたしの声が聞こえる。ほかのみんなといっしょにきろくされていたみたい。
なるほど、左門さんがわたしのことをしってたのは、このテープを聞いたからだったんだね。
それにしても、みんなで初代ソラとあそんでいるときのきろくがのこっていたってことは少しおどろいた。
そっかぁ、ソラもちゃんと、わたしとむきあってくれていたんだね。
「どうかな?正直、この場所で聞いた君の評判と比べると、明らかにきな臭い位置にいるんだよねー。
この君にそっくりな名前と声をした子。一体全体君とどういう関係があるのかナァ~?」
テープを止めた左門さんが、わたしにへんなこえではなしかけてきた。
左門さんは、このテープにきろくされている「蜂屋さん」が、わたしなんじゃないかって、うたがっているみたい。
「ううん、違うよ。」
だからわたしは、ちゃんとはっきり教えてあげた。
「そのテープに録音されている声は、「蜂屋さん」は、まちがいなくわたしだよ。」
すると左門さんは、いままでのニヤニヤわらいをこらえて、そのあとしんけんなかおをして、わたしにむきあった。
「そう…じゃあ、このテープに記録されていることは、ぜんぶ事実なんだね…」
そういって、左門さんはゆっくりとわたしにゆびをつきつけ、高らかにさけんだ。
「証拠はすべて揃っている……。犯人は蜂屋あい!お前だ!」
「……………」
「……………」
「あれれ~?びっくりしないのかい?これ割と衝撃的だったと思うんだけど。」
「うん、びっくりしたよ。だって、ここにこんな物があるなんて、思ってもみなかったもの。」
左門さんはわたしにさしていた指を下げてまた話し始めた。ひょうしぬけしたー、っていいたそうなかおをしている。
というより、はんにんっていわれても。そのときと今はぜんぜんかんけいしないのに、わたしはどうすればいいの?
「いやいや、じゃあもっと大きくリアクションをしてくれよ。ほら、昼飯を食べている最中の人達に殺人現場を見せつける類の番組では、
こうやって真実を突き付けられた時の犯人はみんな蹲って許しを請いたり、
あるいは逆上して無駄な抵抗をしようとするじゃない?そういうのを期待してたんだけど。」
「そんなこといったって、わたしはちゃんとみとめたよ?そのほかに、わたしがしなきゃいけないことってなにかあるかな?
それに左門さんは、わたしにいったいなにをしてほしいの?」
左門さんがなんでわたしをここにさそってきたのかわからない。わたしとお話したかったのかな?
でも、それならちょくせつあいにくればいいし、わざわざお手紙をおくるよりもわかりやすい。じゃあ、なんのために?
なにをしたいのかよくわからない左門さんに、わたしはしつもんをしてみた。
すると、かえってきた答えはとってもたんじゅんで、へんてこだった。
「わかった直球に言うね、僕は君が大嫌いだ。だから君には地獄へ落ちてほしい」
「僕はね、「欲深い人」が大好きなんだ。」
左門さんは、うれしそうにかたりだす。
あたらしい「わんこ」をつれてきたときのみんなみたいなかおをして、
「大人も子供も、おねーさんも。人間である以上心の底に欲を隠し持っているんだ。
だから僕は、恥ずかしげもなく、欲を隠さずに生きている人が大好きなんだよ。」
そこで言葉を切った左門さんはわたしのほうをふりかえって、
「でもね、欲を隠した偽善者は反吐が出るほど嫌いなんだよ。」
はきすてるようにいった。
「君の評判は知っている……「天使」って呼ばれてるそうじゃないか。ぴったりなあだ名だよねぇ。
かわいい顔して、ほかの子たちを率いるカリスマ性も持っている。
頭もいいし運動もできる。周りの大人から見たら文句なしの優等生…」
ざっ…ざっ…、と砂をけりながら、左門さんがゆっくりわたしのところへ歩いてくる。
「そんな君はとても大きな欲を持っている。だけどそれは、仲間内にしか見せることはない。
周囲の大人たちには仮の仮面を被っておいて、「良い子」であろうとする。」
とってもふゆかいそうなかおをした左門さんが、つばをはきすてた。
「吐き気がするよ。気持ち悪い。そんな生き苦しい人生にしてどうなるっていうのさ。」
「そうやって、周りの評価を、大人からの評価を下げないようにして、欲の為に動き続ける。自分は手を汚さずに。
ここまで建前だらけで本音を隠した人間のどこが「天使」だってんだ。薄皮一枚剥いたらヘドロつまってるじゃん。」
あいかわらず左門さんが言っていることはわからないけど、こんどはほめてくれてはいないようにかんじた。
「蜂屋あい。天使であり続ける君が秘めている「欲望」ってのを、僕に聞かせてくれよ。」
それが、左門さんがわたしにききたいことだったのね。
だったらはじめから、ふつうにきいてくれればよかったのに。
わたしは、自分のもっている「よくぼう」をはなしてあげた。
「わたしはね、もっと、もーっと、いろんな人の色が見たいの。」
この世界に、コロシアイにまきこまれてから、わたしはたくさんの人の色を見た。
のび太くんのおとななのかこどもなのかよくわからない、ちゅうとはんぱな色。
吉影さんの、おかしな色と、おだやかさをもとめようとしている色がまざりあった色。
安藤さんの、まわりが純白にぬりつぶされても、独り自分の色を持ちつづけている黒色。
そして……ああ、これはダメ。わすれよう。頭がおかしくなりそう。
あのおじいさんは、いいもわるいもかんけいなく、ふゆかいな色だった。あれなら、いつの日かソラが吐いた"げろ"を見ていたほうがまだましかな。
でも……いい色も、変な色も。いろんな色の人と出会えたことは、ちょっとうれしいな。
いままでの場所では見たことがなかった、たくさんの色。
そう、菜々芽ちゃんともまたちがう、深く暗い深海みたいな色。そんな色をしている人に出会えた。
この場所でも友達をつくった。それはみんなを安心させてあげる意味もあった。4年2組みたいな楽しいクラスをつくる意味もあった。
―――だけど本当の目的は、安藤さんを、安藤さんのゆるぎない、吸い込まれるような黒色を見るためだった。
わたしの友達をふりきって、もうすぐわたしの所にたどりつく……ことはなく、きえてしまった。
そのときの、純白の中でまったく変わることなく、きえるまでかがやきつづけた黒色が、安藤さんの色が消えていくそのいっしゅんが、好きになった。
―――とても……きれい。
色は真っ黒なのに、いままで見たあざやかな色にもまけないくらい、きれいだった。
わたしはもっと、色が見たい。
「……子供ってのはなんでこう、物事を抽象的に伝えてくるのか、ややこしいなあ。
つまり君の―――蜂屋あいの持つ欲望は、いろんな人のもつ気持ちや生き方を見てみたいってことかな。」
友達が増えるのも嬉しいけど、たくさん遊ぶのも楽しいけど、
「ゆらゆらゆらめく心の炎。強く心をゆさぶると、色がかわってきらきらゆれる。」
にんげんって、とてもこわれやすいけど、とってもたのしいから。
「わたしは、いろんな人の色をみるのが、大好きなんだよ。」
「……ふぅん。」
わたしがこたえると、左門さんはすごくつまらなそうなかおになっていた。
「左門さんは人の「よくぼう」が大好きなんじゃなかったの?」
「残念だけど、君の持つ欲は高尚すぎて理解できなかったよ。」
そういったあと、左門さんはにっこりとほほえんだ。
「でもこれではっきりした。蜂屋あい、君はとんでもないクソガキだ。
君が死んだら地獄に行くことはまず間違いないね。」
そういって左門さんが、からだごとうしろをむいてごそごそとしはじめた。
「左門さん、なにをしているの?」
「君の仮面の下を晒しに行く。君が「良い子」でも「天使」でもない、
「悪魔」みたいなヤツだってことを、なるべく多くの人たちに知ってもらうことにするよ。」
そのことばをきいて、わたしはいつかの菜々芽ちゃんがいったことばを思いだす。
野呂瀬先生が優ちゃんとカンケイをもってる、ようにみえるしゃしんが学校のモニターにうつったときに、
たった一人だけ、4年2組のしわざだってみんなに伝えた菜々芽ちゃん。
左門さんは、わたしがいままでやってきた「しんじつ」を、ほかのみんなに教えようとしているのかな。
つまり……
「左門さんも、わたしとあそんでくれるんだね。」
安藤さんや菜々芽ちゃんとおなじように、左門さんの心の色がかわるところを見れるんだ。
「ん?いやいや、どっちかっていえばこれから君が「もてあそばれる」ことになると思うよ。
それとも僕にはこの拡散希望な情報を広められないとでもいうのかな。」
「くすくす……だって……」
『大広場にチョークで書かれた、魔法陣みたいなものがあって―――』
『そいつ余裕しゃくしゃくでーす、って感じの顔だったけど、実際はなーんにも起こんなくてさ―――』
のび太くんがいっていた言葉を思い出す。
「左門さん……うそつきなんでしょ?」
大きな「まほうじん」を描いて、「まほう」がつかえると言いふらしていたこと。いい話があるといってわたしをここによびだしたこと。
どっちもうそだ。左門さんは「まほう」をつかえないことをのび太くんにおしえてもらった。
わたしをここによんだのは、テープをきかせるため。ぜんぜんいい話じゃない。
「うそつきさんのいうことなんて、だれも信じてくれないと思うんだけどなぁ。」
「僕がうそつき?だとしたらどうなるっていうんだい?
例え僕がうそつきだって、このテープの中に入っている証拠が変わることはないんだ。」
「だから?」
左門さんがあまりにもあたりまえなことを言ったから、おもわずききかえしちゃった。
「君の仲間がこのテープの内容を聞けば、心のどこかに疑いとか疑問とかができてしまうよ。
そしたら君は、いままでみたいに「良い子」として扱われなくなる。」
「ううん、そんなことないよ。」
わたしはだんげんする。
「だってわたしは、「みんなをしんじている」から。」
「みんなをしんじて「がんばる」ことをつづければ、「みんな」はいつもかならずわかってくれる!」
「はあ、都合のいい解釈もいい加減にしてほしいね。世界は君を中心に回っているわけじゃないんだから。」
べつにそんなにすごいことをかんがえてるわけじゃないよ?
わたしはみんなのことが大好きだし、みんなもわたしのことが大好きだと思うの。
みんなはきっと、そのテープはにせもの、左門さんはわるもの。そうしんじてくれる。
「……どうやら君は、僕が何をしたところで自分の地位は揺るがないと、根拠もなく信じているんだね。
好きだよ。そういう理屈では語れない自信ってやつは。見ていて滑稽だからさ。」
そういうと左門さんは、またえがおになった。
それは、さっきまでのにせもののえがおじゃない、ほんとうに楽しそうなかおで、
「じゃあ、面白いものを見せてあげるよ。」
そう言って左門さんがとりだしたものは、さっきまで読んでいた本だった。
その本を大きくひらいて空に向ける。
そして左門さんのゆびがぱちんと音をならすと―――
「――え?」
開いた本から、火の玉が飛び出してきた。
「そういえば自己紹介の時に言い忘れてたね。」
「僕、召喚術士やってます!趣味は悪魔の召喚です!」
「うそ……」
うそ……だって、みんなは、左門さんは「まほう」なんかつかえないって……
「この本ね、えーっとなんだっけ、「唾と蜜」?だったかな。興味ないから読んでないけど、ホラ見てよ。」
左門さんがわたしに見えるように本のページをひらいてつきつけている。
よく見てみると、本にかいてある文字の上に、さらにべつのもようがかかれていた。
「君を待っている間に、この本のいたるところに魔法陣を書いておいたんだ。」
パラパラとめくられるページのところどころに、さっきとおなじ、よくわからないもようがかかれている。
「こうやっておけば好きな時に即召喚可能!ちなみにこいつは下級の悪霊ウィルオウィプス。こうやって……」
BANG★
左門さんがゆびをふると、火の玉がおどるようにとびまわって、
とんできた火の玉が、わたしのちかくにあったくまの乗り物をばらばらにした。
「気に食わないヤツ消し飛ばす時便利だよ!」
こんなふしぎなできごとがあったのに、左門さんはさっきとおなじちょうしでわたしにはなしかけている。
左門さんのかおを、しぐさを、たいどを、いろんなところをみて。
わたしは、左門さんはほんとうに「まほうつかい」で、わたしのことがとてもきらいだ、ということがわかってしまった。
おもわず、うしろに足がうごく。
「…………」
「おっと、さっきまでの子供らしい振る舞いはどうしたのかな?
僕の予想では、「わーほんとうにまほうがつかえるんだーあこがれちゃうなー」って大喜びしていたのに。」
左門さんが一歩あしをふみだす、それとどうじに、わたしは一歩うしろにさがる。
左門さんはわらっている。
「大丈夫だよ。ウィルオウィプスは今僕の制御下にある。勝手に暴れまわったりはしないよ。
今こいつらができることは、僕にとっていらないものを消し飛ばすくらいだ。」
わたしに近づきながら、本のページをめくって、火の玉をどんどん出していく。
左門さんはわらっている。
「そういえば君、いろんな人の色が見たいって言ってたよね。それ聞いてからずっと聞きたかったけど、僕は一体どんな色なの?」
火の玉は左門さんのまわりをくるくるとびまわっている。左門さんはそれらをじゆうにあやつれるんだろう。
左門さんはわらっている。
「大丈夫だよ!君が答えるんだから。正解を知っているのは君だけだし、言いよどむ必要は何一つないよ!」
左門さんはずっとわたしにえがおをむけている。
どうしよう、左門さんはきっと、あの火の玉をわたしにぶつけようとしてる。それはいやだ。
じゃあどうすればやめてくれるんだろう。左門さんの色を教えてあげたら、やめてくれるかな?でも、きっとだめだ。
わたしには見える。左門さんの、すごくくすんだ"ほこり"みたいな色が。
左門さんは、かつてみたあらたちゃんのおとうさんみたいに、とってもきたない色。
ふつうに見たままの色をおしえても、左門さんはまんぞくしないかもしれない。もっと火の玉をふやしちゃうかもしれない。
もっと、左門さんがなっとくしてくれるようなせつめいをしようと、いろいろ考えて―――
あのおじいさんを……おじいさんの色を思い出してしまった。
「ううっ…」
とたんに、あたまがいたくなる。
「どうしたの?どうして教えてくれないんだい。君はかつての自分が行った悪行を僕に話してくれただろう?
だったら言えるよ!君なら言える!怖いもの知らずの君の心なら!」
きがつくと、左門さんの火の玉がふえたせいで、暗くなりかけていた公園は昼間みたいにあかるくなっていた。
こんなはずじゃなかったのに。
わたしがはなしていたひとは、左門さんは、世界のどこにでもいる、うそつきさんだったはずなのに。きたない色の人だったはずなのに。
いま、わたしの目の前にいる「まほうつかい」は、夜を昼にかえちゃうくらいにすごいちからをもっていたんだ。
わたしはわたしの色が見えない。でも、まちがいなく左門さんよりはきれいな色をしている。
わたしのいのちの色が消えるときは、例えば菜々芽ちゃんみたいな、もっときれいな色の人に消してもらいたい。
だからわたしは……にげだした。
みんなのところにもどるために。
きたない色の人からにげるために。
* * * * * *
もともと小さかった背中が、僕のいる公園から逃げ去ることによって更に小さくなっていく。
にしても、普通あそこまで脅かしたら泣き出してしまうはずなのにな。やっぱりあの子は普通じゃないや。
あの子は僕を「うそつき」と評した。多分、例によって集団を利用した情報ネットワークのおかげだろう。
僕がこの会場においてやらかしたことも聞き及んでいたに違いない。
いつも通り悪魔を呼んで戦わせたり盾にしたり城を作らせたりしようと思ったけど、魔法陣は反応せず、一方的にボコられて逃げ出したあの時。
なにも知らないヤツからすれば、僕は知性の足りない馬鹿か、ありもしない力を見せびらかしてハッタリをかます詐欺師に映っただろう。
あの子は、僕に対する判断に間違いが2つある。
1つ目の間違いは、僕が「召喚師」ではないと思っていること。
異常な身体能力や魔法みたいな不思議な力を持ってる輩がぞろぞろいるこの殺し合いでは、おそらくそういった力に制限がかけられている。
超人のワンマンゲームを防ぐためって理由もあるんだろう。超人はいつもと調子が合わないまま戦わざるを得ないって訳だ。
でも、僕が聞いた限りではあの子は無能力者。……あの子をそう分類していいかはわからないけど、ただの一般人だ。
もともと持っている力を制限されて使えなくなってる、なんて想像もできないんじゃないか。
仮に僕みたいに不思議な力を持っているのなら、彼女も制限のことに気づいていただろう。
そこが一般人との違いだ。もともと出来たことがいきなり出来なくなるなんて、実際に経験しないとわからないよ。
……だからこそあの時、僕は無様な醜態をさらしてしまったわけだけど。
そして2つ目の間違いは―――
「……悪いな、左門さん。協力とか言いながら、力を借りっぱなしで。」
ちゃんとこの場所に「いい話」を持ってきていたということだ。
……但し彼にとって、だけどね。
「大丈夫だ、問題ない。そもそも、僕は君みたいに欲望に素直な人間が大好きなんだよ。」
公園に生えている茂みの中から、のっそりと体を出してきた男の人―――
安藤潤也さんに返事をする。
「たとえそれが、金への欲でも性への欲でも復讐のための欲でも、自分を曝け出してくれるなら大歓迎さ。」
「あ、ああそう。改めて左門さんは、普段だったら絶対関わりたくない人だって実感したよ。」
そういって安藤さんは僕のことを若干死んだ目で見つめてくるけど、彼にこんな態度をとられる筋合いはないと思う。
別段僕は蜂屋あいという女の子に興味を持っていなかったし、今のいままで顔も知らなかった。
ただまあ、実際に会ってみたら僕の嫌いな人間像にバッチリ当てはまってしまったのがあの子の運の尽きだったかな?
だからこそあの子のことを教えてくれた……いや、「あの子を追い詰めることを僕に依頼」してきた安藤さんには感謝しておこう。
「でも、やっぱり協力してくれたのが左門さんでよかった。まさかそんなカセットテープが支給されてたなんて。」
安藤さんの視線は僕の持つテープに向いている。
「正直聞いてて気分がいいもんじゃなかったし、実質ハズレになるんだろうけど、いやはや分からないものだね。
僕がこれを支給されてなかったら、「小4女児をシバくのに協力しろ」なんて話には協力しなかったよ。」
「言い方が……まあ、確かにそう考えると、ほんとラッキーだったんだな、俺。」
「それに、あの子をここまで追い詰められたのも、君がいたからこそだと思うよ?」
そもそも、あの子に手紙を送るために糸成1号を使ったわけだけど、あれに特定の人物を追跡するような高度な機能は備わっていない。
でも、あの子のもとに辿り着けたのがただの偶然って訳でもない。
糸成1号には玩具の弾を撃つ銃以外にも、カメラが仕込まれている。
付属されてるカメラから映像を受信して、リモコンにうつった映像を見ながら遠隔操作しつつリアルタイムで走行。
分かれ道に辿り着いたら方向を安藤さんに指示してもらう。
彼の持つ能力によって、どういう道筋をたどれば蜂屋あいに出会えるかの答えがわかる。
安藤さん無しではまずあの子に会うことすら叶わなかったわけさ。
「まあ、そう、だな。俺がいなきゃあ何も始まらなかったんだもんな。うん。」
何やら考え込み始めた安藤さん。心なしか安堵の表情を浮かべているように見える。
なんでだろ?ひょっとして何もしないってことに対して何かトラウマでも持っているのかな。ま、僕には関係ないか。
とりあえず出しっぱなしにしてたウィルオウィプスをしまっておこう。薄暗くなってきた中少し目立ちすぎちゃったな。
「あの子は、僕の大嫌いな「偽善者」だった。笑えるよね。あの子僕が「うそつき」だから誰も信じてくれないなんて言ってたんだよ?
いい子ぶって大人を騙して、周囲を騙して、自分は手を汚さず取り巻きにばっかり命令していじめてたあの子のほうが、よっぽど「うそつき」じゃないか!」
いや本当に清々しい気分だよ。この感覚を、ぜひ元の世界で天使ヶ原さんを相手にして味わいたいなぁ。
さて、それじゃあ安藤さんに、約束を果たしてもらうとしよう。
「まあとりあえずやることはやったし、僕も今すごくいい気分だ。
このいい気分を汚されたくないから、とっとと見返りを頂戴な☆」
安藤さんは不愉快そうに顔をしかめていたけど、すぐに作業を開始してくれた。
「それじゃあ、地図を出してくれ。今から俺の能力で探してみるから。」
僕が言われるがままにデイバックから地図を出すと、安藤さんがペンで地図を9分割するように線を引いた。
なるほど、こう使うのか。確かにこれなら安藤さんの能力も使える。
「じゃあいくぞ。探すのは……「天使ヶ原桜さんの居場所」でいいんだよな?」
* * * * * *
俺はがむしゃらに林の中を走っていた。
ただ前に進むだけの動きでは障害物をよけるための軌道が確保できず、
俺と同じ速度で迫ってくる木の枝や葉っぱなんかが俺の体に傷を増やしていく。
でも知ったこっちゃない。だって俺はまだ生きているんだから。
「痛みを感じる」というのは、生きている存在の特権みたいなもんだ。
正直神様にはもうちょっとましな感覚にしてほしかったと常々思っていたが、
今回は一層、こんなシステムを作りやがった神様をぶん殴りたくなる。
兄貴が死んだ……。しかも、二回も。
一度目は、いったいどんなことが起こり、何が起こって死んだのか、全くわからない。だから俺もその原因を探していた。
だがこの殺し合いに巻き込まれて、兄貴は再びこの世に呼び出されて……二度目の死を迎えた。
どうして死んだのかその原因がわからないけど、兄貴は二回も、死ぬほどの痛みを味わったのだ。
だから俺が感じている痛みなんて大したことはない。むしろ、この痛みを感じなくなるまで―――――
そこまで考えが及んだ瞬間、急速に思考が冷えていくのが分かった。
足が止まり、次に膝を地に着けて、最後に拳を思いっきり大地に叩き付けた。
「………ッ!…………ッ!」
大声で泣き叫びたかった。胸につかえている感情を、全部空に向かって吐き出したかった。
だが、俺の理性はその行為を「敵に見つかるリスクを増やすだけ」という根拠とともに押さえつけ、結果体を動かすことで発散しようとする。
兄貴が死んだのに、俺の生存意欲はいまだに働き続けている。
無様に生きながらえようと、姑息に思考を働かせている。
なぜ、俺は生きているのか。なぜ、兄貴が二回も死ななければならなかったのか。
兄貴の一度目の死の時も、俺はたくさん弱音を吐いて、毎日泣いて、へこたれた。
それでも半年のうちに何とか立ち直って、兄貴に何があったのかを調べる決意ができた。
だけど、人の死なんて、何度あったって慣れるもんじゃない。
むしろ、希望が見えていた分、もっと強いショックを受ける。
その体現者が、今の俺だ。これが、兄貴を二度失った男の末路だ。
「………このままじゃ、ダメだ。」
指から先が無くなったんじゃないかと思うくらいに痛みを訴える拳を収め、その辺にあった岩に腰を掛ける。
「俺が何もしないまま、出来ないまま死んだら、兄貴に怒られるじゃないか。」
兄貴は、きっと無駄死になんかじゃない。
このバトルロワイアルで、兄貴は自分が信じるものを貫こうとして、役割を果たすために戦って、その結果命を落としたんだ。
一度目の死だってそうに違いない。
……なら俺は?兄貴は戦った。俺は今、戦えているのか?
何か、俺ができることは無いのか?
考えろ。
「考えろ。」
考えろ。考えろ。
「考えろ。」「考えろ。」「考えろ。」
考えろ。考えろ。考えろ。
「考えろ。」「考えろ。」「考えろ。」「考えろ。」「考えろ。」「考えろ。」
「蜂屋あい。」
兄貴が戦った敵。
「蜂屋あいを、殺す。」
兄貴が成そうとしたことを、俺が引き継ぐ。
「兄貴の、仇を討つ。」
兄貴の戦いを、なかったことにしてはいけない。
迷いが吹っ切れると、思考がクリーンになっていく。
今までの自分の行いを今になって思い返すと、恥ずかしくなるくらいの間抜けだ。
綺麗になった思考回路のまま、現状、そしてこれまでの出来事を振り返ってみる。
目下の問題は、めちゃくちゃに走ったおかげで現在位置が分からなくなっていること。
次に、蜂屋あいを殺す方法。子供だからと言って甘く見てはいけない。少なくとも戦った兄貴が命を落とすほどの敵だ。
「……俺の能力……1/10=1……だっけか。」
この殺し合いで発覚した、俺の持つ特殊能力。
十分の一の確率を必ず当てる。ただそれだけの能力。
俺は思いついたことを試すことにした。
地図を取り出し、9分割になるように線を引くと、その地図をじっと見る。
「………なんとなく、ここ、か?」
直感的に、地図から自分の現在位置にあたりをつける。成功しているならこの辺が今俺のいる場所なのだろう。
俺が導き出した現在地を、今度はさらに9分割にしてにらみつける。
「…………あー、わっかんねぇ。」
だが今度は、ぴたりとここと思い浮かべることが出来なかった。
九分の一の更に九分の一では、俺の能力は発動しないらしい。
無理やり位置を指定しようとしても、それは普通の勘と同じ、あてずっぽうになるだろう。
本当に大体ではあるが、位置情報を得た俺は林を抜け、街に辿り着いた。
辺りにはそれなりに高い建物が多く、周囲を見渡し辛い。
だが俺にはそんなことを気にする必要もなかった。灰色の建物が並ぶ中、仲間はずれの青色を発見する。
自分の現在位置を確認した後、俺は二回、能力を使ってみた。
「蜂屋あいの居場所」、そして「俺に敵対しない人の場所」。それらは、先ほど俺が引き当てたエリアと同じ場所を示した。
正直「俺に敵対しない人」は期待してなかった。だが今は確かにここにいる、と確信している。
それがどういう意味か……正直考えたくないから、それについては深追いしないでおく。
「おい、そこのあんた。」
「……ん?」
そして俺は、おそらく俺と敵対しないであろうその人物に接触する。
「……お願いだ、俺に力を貸してくれ!」
「へえ?出会ってそうそうそんなこと言われても、イエスとは答えられないなあ。
君、ギブアンドテイクって言葉知ってる?」
「……俺の能力を使えば、探しているもののおおよその位置が分かる。」
こうして俺と左門さんは出会った。
* * * * * *
「……よし、ここだ。この辺に天使ヶ原さんはいる。」
どうやら能力は発動したようだ。自信満々に地図の上を指さしている。
だが、安藤さんの示したエリアは、ここからは大分遠い。そんでもって、示された範囲もかなり広い。
「………うーん、まあ頼んでおいてなんだけど、あんまり凄い能力じゃないね。大体この範囲大雑把すぎない?対して探す労力変わらないと思うんだけど。」
「そんなこと言ったって、俺の能力は十分の一までしか確定できないし……
それに、完全にあてずっぽうで探すよりも、大体の位置を把握していたほうが探しやすいでしょ。同じエリアにいたのにすれ違い……ってこともあり得るんだし。」
なんか言ってるけど、この情報がもはや僕にとって価値がないという結果は覆らない。だって遠いじゃん。
サモナーの体力は生まれたての小鹿に等しい。故に合流は絶望的だといえるだろう。
「あーあ、結局天使ヶ原さんとは出会うこともなく、天使ヶ原さんが惨たらしく殺されてしまうのかぁ~。」
「えぇ!?いやなに決めつけちゃってるんだよ!というかその人が死ぬ前提なのか!
確かに距離はあるけど、どこかで乗り物を調達するなりすれば、きっと会えるって!」
「だって、わかるのは天使ヶ原さんの『居場所』でしょ?君が示したのが『天使ヶ原さんの死体のある場所』である可能性もあるじゃないか。」
「う……、そ、それは……」
どうやらそこまでは考えが及ばなかったらしい。
前回の放送から大分時間が経っている。次の放送で天使ヶ原さんが呼ばれる可能性は十分にある。
だからこの考察を決定づけるには実際に会うしかないのだが、僕にそんな義理はない。
安藤さんは僕の意見に即答できずにどもっているので、もうちょっと煽ってみることにした。
「そうやって自分の能力を過信し過ぎるのはよくないね。できると思い込んでが・・・駄目っ・・・ってなったらあっというまにお陀仏だよ?
まずはできることじゃなく、『できないこと』から考えていったほうがいいんじゃないかな?
それともできないことが多すぎて考えるのを放棄しちゃった結果なのかな?」
「ドヤ顔で大悪魔召喚しようとしてでかい落書き残すだけの結果に終わった人に言われたくねえよ」
「うんっ!即答できるってことは元気が出たみたいだね!
それじゃそろそろあの子を追いかけたほうがいいんじゃない?お友達と合流したら厄介だよ?」
的確に痛いところを突かれたが僕の華麗なトークスキルで話題をすり替える。
悪魔を従えるのには会話と交渉は大事だからね。まあ僕は魔法陣で一発だけど。
「っ!ヤバイ!じゃあ俺もう行くよ!左門さん、協力してくれてありがとう!死なないように祈ってやるからな!」
「ハァ、君、召喚術士舐めてんの?僕がバリバリ悪魔を召喚できたら、世界なんてあっという間に滅ぼせるから。」
「はははっ本当に最低だなあんた!じゃあな!」
安藤さんが走り去って、公園には再び静寂が訪れていた。
誰もいなくなった公園の中にいる僕は、とりあえず近くのベンチに腰掛けた。
「ふぅ……」
思わず口からため息が漏れる。
安藤さんは、あの子に追いつけるかな。僕とおしゃべりしていたせいで、結構時間を食っちゃったけど。
僕は手元にあるリモコンに視線を落とした。リモコンに付属した画面には、街中の風景が流れている。
あの子が持ったままの糸成1号本体から、映像を受信しているからだ。
たしか、ここから結構離れたところがこんな感じの街並みだったはず。あの短時間でここまでくるなんて、小学生の足にしてはかなり速い。
「まあ、安藤さんが追いつけたなら追いつけたで面白そうだから別にいいけど、
せっかく僕が時間を稼いであげたんだから、出来れば逃げ切ってほしいなぁ。」
別に蜂屋あいの味方な訳じゃない。ただ単に僕個人の都合により安藤さんから引き離してあげた。
「やっぱり魅力的なんだよね。あの子は。」
そういって、あの子に思いを馳せる。
大人びた風格の中に幼い可愛らしさを併せ持ち、そこに混ぜ込まれた酷く自己中心な我欲を潜めて。
そんな歪さを可愛らしい容姿と雰囲気で包み隠しているかのような不思議な少女。
ふいに、消し忘れのウィルオウィプスが僕を照らしてきた。
あの時の、あの子からようやく、子供らしい反応を引き出せた時の事を思い返し、思わず頬が緩む。
もう使わないウィルオウィプスを消すと、公園に再び暗さが戻ってきた。
「まだ死なないことを祈ってるよ、蜂屋あい。」
誰もいない公園の、ほんのり薄暗くなってきた闇の中に、ぽそりと呟いた。
「君が傷ついて、裏切られて、醜い姿をさらすまで。
一人でも多くの参加者に、君の本性を伝えてあげないと。
確実に地獄に送ってあげられるように……ね。」
僕はベンチから重い腰を上げる。いつまでも座っていたかったがしょうがない。
あの二人を観察するのも楽しそうだけど、これからの行動方針を考えないといけないな。
だが、ついさっきまでウィルオウィプスを飛ばしたり大声で騒いだりしたこの公園には、危険な参加者が集まってくるかもしれない。
地図を眺めて次の目的地を考える。そのついでに、まだ生きているかどうかわからない、僕の大嫌いな人に向けて言葉を呟いた。
「天使ヶ原さん。僕はここで君じゃない、「もう一人の天使」に出会ったけど……」
誰かが言っていた。蜂屋あいは天使だ、と。
だが、実際のところ彼女は「悪魔」であった。自分勝手な欲を手に入れるために一クラス全員を巻き込んで変えてしまった。
それでもあの子は、周りの人にとっては「天使」だった。
「やっぱり天使なんていないんだね。」
【蜂屋あい@校舎のうらには天使が埋められている】
[状態]:精神的疲労(大)
[装備]:ナイフ@現実
[道具]:基本支給品、不明支給品、 糸成1号本体@暗殺教室
[思考・状況]
基本行動方針:いろんな人の「色」を見たい
1: きたない色の大人から逃げる。
2: みんなと合流する
3: 安藤さんの色、綺麗だったなあ
[備考]
※ギャグ勢であるじーさんの心の色を見ました。
それによるダメージは計り知れません。
※魔法などの不思議な力の存在を容認しました。
但し、それらには大体制限がかかっていることは知りません。
【左門召介@左門くんはサモナー】
[状態]:疲労(中)
[装備]:糸成1号のリモコン@暗殺教室
[道具]:基本支給品、カセットテープと再生機器@校舎うら、「罪と罰」@魔王、チョーク数本
[思考・状況]
基本行動方針:とりあえず生き残る
1: 蜂屋あいと安藤潤也が今後どうなるか見てみたい
2: 天使ヶ原さんを探す?
3: 制限?主催者マジ許さねえ
[備考]
※ネビロスのようなネームバリューのある悪魔召喚は制限されています。
どの程度の悪魔まで召喚できるかは後続の書き手さんにお任せします。
今現在召喚したことのあるのはウィルオウィプス、です
※潤也から情報をもらいました。
【安藤潤也@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:全身に切り傷、一周回って冷静
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品、
[思考・状況]
基本行動方針:兄貴の仇を討つ
1: あいを殺す
2: 兄貴……
3: 殺し合いを止める?
[備考]
※参戦時期は7巻、第二章「潤也」が始まる少し前からです。
※1/10=1の能力に制限があるかどうかは、後続の書き手さんにお任せします。
最終更新:2016年12月20日 22:14