自作SSをパロッたもの。内輪ネタ多め。


ふぅ、もうすっかり夜だね。
今日は新月で月も出ていないし外は真っ暗だ。


・・・・・・なんだい、セワシくん?
あそこにある「アレ」がなんなのか知りたいって?

そうだねぇ。
アレはセワシくんが産まれるずっと前にあったものだから知らないのも無理はないか。

アレは説明するにはまず「彼女」の説明をしなきゃいけないね。
タイムマシンで何度も君のクソメガネジジイ、のび太くんの子供の頃の時代に行ってるから、のび太くんの友達の「映画の時だけきれいになるジャイアン」はもう知ってるよね?
彼女はそのジャイアンと深く関わった肉便器なんだ。

話をしよう。
あれは僕が22世紀に帰る前、のび太くんと一緒に暮らしていた頃。
くじで当てた小惑星でねじ巻きシティーを作り、その星を狙う凶悪な脱獄囚と戦う前・・・・・・
いや、銀河超特急でドリーマーズランドへ行き……ってなに?
台詞回しがエルシャダイのルシフェルのモロパクリじゃないかって?
黙って聞けや。地球破壊爆弾ぶつけんぞ!



その日は僕ことドラえもん、のび太くん、しずかちゃん、坂本くん、マンソン、そしてジャイアンのいつもの5人で空き地で遊ぶ約束をしていたんだ。
ところが僕らが空き地につく前にジャイアンが血相を変えて僕とのび太くんのところへ走ってきた。
ジャイアンによると先に空き地に着いていたんだけど、そこで傷だらけの女の子が倒れていると言っていた。
急いで僕らが空き地に向かうとジャイアンが言った通り、のび太くんたちより二まわりくらい年上の女の子・・・・・・「彼女」が裸で倒れていたんだ。

・・・・・・オイ、裸と聞いて何エッチなこと考えてるんだよセワシくん。
当事者としてはかなり深刻な問題だったんだぞ。
彼女の体はまるで戦争の最前線にでも行ってきたみたいに全身ボロボロの傷だらけで血まみれだった。
放送コードのせいで胸とか股には謎の光が入って結局見えないし。
しずかちゃんの全裸入浴シーンを惜しげもなく全国放送していた時期もあったのに、いったい誰がこんな時代にしたんだと、僕らは憤った。
ついでにせっかくの機会だから無駄に大きい胸は三人で揉んどいた。
揉むだけなら放送コードに引っかからないなんて全くけしからん。

ジャイアンは既に空き地の近所に住んでいる神成さんに救急車を頼んでいたけど、あのジジイ間違えて消防車呼びやがった。
消防員も間違えて死にかけている彼女に放水するし怪我人に鞭打って何がしたいんだ。
なんて思ったら四次元ポケットから出したどこでもドアで空き地と病院に直接繋いで運び出す前に心停止したんだが、これもー無理だわって諦めかけたその時、髪が白黒に別れてて肌の色がキカイダーやあしゅら男爵みたいに分かれてる厨二病っぽいおじさんが彼女を手術して助けてくれたんだよ。
やぁ~いったいどこの手塚作品のキャラだろうね~(棒読み)。
手術に成功した代金として20億払えとかのたまってたけど、領収書は骨川家にツケておいたからひとまず安心だね。
スネ夫のポケットマネーならそれくらい楽勝だろう。

で、なんやかあって「彼女」は小学館に移籍するハメに。
だからジャイアンと僕らはキャラデザが八重樫から藤子に変わった彼女に寂しい思いをさせないために、僕らが彼女の「心の友」になってあげることにしたんだ。



それからしばらくして彼女のケガも治り、元気になって病院から退院した。
タイムパトロールの計らいで戸籍や住む場所、ダイミダラーみたいな義手も手配された。左側にバランス悪くなりそ……
そして彼女は生計を立てるためにジャイアンの紹介もあって、ジャイアンの雑貨店で働くことになった。
ジャイアンのママはこんな若い子に仕事なんてできるのかと内心心配していたみたいだけど、彼女は真面目に一生懸命働いた。
それだけでなく見た目より体力もあり、明るくて前向き、オマケに若くて美人ときてる。
彼女のおかげで雑貨店は大繁盛して、いつの間にか彼女は店の看板娘と呼ばれて町の人に親しまれるようになった。
……スケベなロリコンどもめ(ボソッ)

ただ働いて学校に行くだけじゃなくて、彼女は僕らとも交流してくれた。
一緒に遊んでくれたこともあったし、彼女が本気を出したら隠れんぼや鬼ごっこで勝つのは秘密道具のハンデがあっても難しかったな。
いや~、それにしても忍転身と命駆は目の保養になった。
のび太くんたちに勉強も教えてくれたよ。
家庭教師が美人で優しいとのび太くんもスネ夫も鼻の下を伸ばしながらやる気を出していて、しずかちゃんが呆れてたな。
大人の勉強? 薄い本の読みすぎだセワシ。
とは言いつつ、しずかちゃんも女の子同士の知り合いができておめかしとか二人で楽しく語り合ったそうだけど。
しずかちゃんに命駆を教えた彼女は間違いなく神。セワシは見れなくて残念だね(笑)
それから彼女はお寿司も作って祝いの日には必ず振る舞ってくれた。
特に彼女の作る太巻きは絶品で、どら焼でもないのに僕は何本もおかわりしたよ。
美少女じゃなくてがおまえが太巻きに齧り付くんじゃねーよって? 鉄パイプでも食ってろセワシ。

僕ら5人に優しくしてくれた彼女だけど、命の恩人と思い込んでいるジャイアンは特に気にかけている様子で、まるで本物の姉弟みたいに一緒にいることも多かった。
ジャイアンが悲しんでいる時は背中をドロップキック、彼が乱暴や悪戯を働いた時はジャイアンスイングもした。
喧嘩をしたこともあったけど、二人の仲は誰が見ても良好だったね。
ジャイ子ちゃんも家族にお姉ちゃんができたみたいで喜んでいたんじゃね?(適当)

そういえばジャイアンの乱暴さが鳴りを潜め始めたのも彼女が現れてからだな。
ジャイアンを精神的な意味と息子的な意味で大人にしていったのも彼女のおかげかもね。
まあ、のび太とスネ夫がジャイアンに「彼女のことが好きなんだろ?」とか「大きいおっぱいに見とれちゃって」とか言ってからかった時は、二人ともジャイアンにコテンパンにされた挙句、どっかの虐待好きのおじさんに連れていかれたけど、今思うとあの二人の出来事が例のホモビのモデルだったんだなあれ・・・・・・ひで 野比のび太説。


大人の都合で僕は未来に帰ることになるけど、彼女とジャイアンの話は続く。
ここから先は大人になったのび太くんとしずかちゃんからノリスケ、つまり君と全く関係ないハイエナから僕に伝わった話になる。


君のおじいちゃんとおばあちゃん、大人になったのび太くんとしずかちゃんが結婚して間もない頃、二人にジャイアンから電話が届いた。

ジャイアンが「彼女」にプロポーズしてOKをもらい、二人が結婚することになったと。
以前から二人が付き合っていたことはわかってたし、彼女はしずかちゃんやジャイ子ちゃんに恋愛相談を持ちかけることも多々あったから、周囲はいつかは二人がくっつくと思っていたらしいけど正にその通りになったわけだ。
おそらくのび太くんとしずかちゃんが結婚した時にジャイアンの昂ぶった好意に火がついてプロポーズを切り出せたらしい。
なお、出逢いはマッチポンプ。

そして多くの友人や家族に祝われて二人の結婚式はのび太くんとしずかちゃんの式にも負けないくらい盛大に執り行われた。
僕は未来に帰ってたからね、参加できなかったのは悔しいな(棒)。
その結婚式も賑やかでとっても面白かったそうな。
ジャイアンが歌い始めた時はあわや大惨事になるかと皆肝を冷やしたけど、通りすがりのクラウザーさんが「おまえたちに本当のレイプを教えてやる」と説得してくれたおかげで惨劇は免れたよ。
それだけでなく結婚式の料理に混じってジャイアンが作ったシチューが皆に振る舞われた時は彼の料理の腕を知るのび太くんたちは青い顔をしてたけど、彼女がジャイアンも真っ青な料理の仕方を教えてくれたおかげで元のシチューの方が食べられるレベルまでにはなっていたらしい。
愛の力って凄い。
てゆーか、ジャイアンシチューは普通に食える料理って出川哲朗が言ってた。

結婚式の出し物には擬似的なヴァーチャル空間を使ったテレビゲームもあったらしい。
二人が大手ゲーム会社の知り合いがいるスネ夫に頼んで用意してもらったそうだ。
当時としては最新鋭の技術で作られたらしく、それで遊べたのは二人のお願いを快諾してくれたバンダイ様々だね。

話の筋書きは彼女が考えたらしく、カオゲイ王の使命の下、女神ヤンディーレの力を授かった勇者ジャイアンが三人の親友と共に魔神ヒゲダムの復活を目論む魔女ノブヨタラコから姫である「彼女」を取り戻すっという話で短いながらも実写映画デビルマンばりに凄く面白かったらしい。
ちなみに参加者もとい編成はジャイアンを主人公にのび太くん、しずちゃん、出木杉くんの四人。
のび太くんはケツ♂を安心して任せられる銃使い、しずちゃんは回復のサバ折りで味方を支えるモンク、出木杉くんは元が「もうあいつ一人でいいんじゃないかな?」ってチート性能だから遊び人で調整、そして腕っぷしの強いジャイアンは戦士……かと思ったら忍者だった。
彼は裸の方が強くなる忍者の特性が男らしくて気に入ったそうだね。葉っぱ一枚なくていいウィザードリィネタ、ウホッ。
ちなみに僕もNPCとして眉毛キノコタイツ、画伯、エフィ、平坦、十兵衛ちゃん、2Pカラー、氷属性、マザコン、レシート爬虫類という近衛兵たちをまとめあげる騎士隊長という形で登場した。
でも二つ名が「王国の青い狸」って……ぶち殺すぞ(´・ω・`)。
まあ、大人になった彼女から忘れられることなく、僕も彼女の「心の友」になっていただけ良しとしよう。

物語は出木杉くんと出木杉くんと出木杉くんの協力もあって悪い魔女と魔神は倒され、ジャイアンと彼女は幸せなキスをして終了、と淫夢四章丸パクリなエンディングで幕を引いた。

華やかな結婚式も終わりに近づき、御開きになる。
その前にジャイアンと彼女は結婚式に来てくれた人たちにあるものをプレゼントした。

それはサボテンだった。

贈る花と言えば愛を象徴する赤いバラが一般的で、ずんぐりむっくりしてトゲの生えているサボテンなんて結婚式にはミスマッチに思えるかもしれない。
実際、花に詳しくないのび太くんも最初はそう思ったらしい。

だけど違うんだ。
大事なのは見た目じゃなくて、サボテンの花言葉にあった。

サボテンの花言葉は「偉大」「燃える心と暖かい心」、そして「枯れない愛」なんだ。

サボテンは過酷な地域にもめげることなく生えていることからこれらの花言葉がつけられたそうな。
サボテンは寿命が長くて、ちゃんと育てれば20~30年は生きられる。
彼女とジャイアンは二人で枯れない愛を育むことへの誓いと、心の友たちにも愛する者と一緒にサボテンを育てることで愛を枯らさないようにして欲しいという願いを込めて、贈ったそうだ。

元の世界に帰れなくなった「彼女」はジャイアンという伴侶を得て、結ばれた二人は愛を育むことができた。
そして、かなりの難産にもめげずにヤサシくんという子宝にも恵まれ、家族で幸せに暮らしましたとさ。

ししまい。




ふふ。
セワシくんにも庭にある「アレ」が何なのかそろそろ察しがついたかな?

そう、アレはどこぞのメガネの馬鹿が液体肥料を薄めずに原液そのまま使って枯らした、ジャイアンと「彼女」の結婚式の日に二人から贈られた時のサボテンの代わりにその辺から拉致ってきたサボテン植物魔人の月元くんなんだよ。
誰そいつって? ロワに一人は出る不幸キャラというか、wikiにオリロワ5とオールリピロワにキャラ項目できてるから読みなよ。
リピ2016じゃ見せしめもやってたよ。変態仮面しか悲しまなかったけど。
あ、ついでにセットで元祖不幸オリキャラのアラリアちゃんもセットでお付けしてたよ。お得だね!
のび太くんとしずかちゃんも、話の中の二人のように枯れない愛を育んだ、これはその証ということにしてくれ。
そして親や子へ愛の証である月元くんを枯らさないようにパパさんとママさんもしっかり育て、その間にも枯れることはなかった。
セワシくんが誰を愛することになるのかわからないけど、次にこの不幸キャラを育てるのは君の番になるね。
そして孫から曾孫、その次の代まで月元くんを育てて託して欲しいというのがのび太くんとしずかちゃん、ひいては「彼女」とジャイアンのささやかな願いなんだ。
ええ? 中身は人間だから不味いだろ? しらねーよ。

心配するなよ、君がいざ育てる番になったら月元くんの育て方を教えるよ。
僕はもちろんやらないからアラリアちゃんに丸なげする。
とりあえず200年は持たせてみようよ。
大丈夫、心の友の贈り物はそのくらい余裕で持つさ。
想いがこういう形で何世代も受け継がれていくなんて素敵でしょ?
あ、200年持たなかったらアラリアちゃんオシオキするから。うぷぷぷぷ……



あ、そうだセワシくん。
この前、ドリーマーズランド行きのチケットが当たったんだ。
今度、友達とドラミを誘って一緒に遊びに行こうよ。

オススメのアトラクション?
のび太くんと行った西部劇の星は楽しかったけど、今度は淫夢の星に行ってみたいな。

――セワシくんはドリーマーズランドへ遊びにいけることを嬉び、さっそくドラミや仲の良い友達に連絡するために居間を出ていった。
チケットが期限切れと気づかずにはしゃぐ彼を見ていると僕も自然と嘲笑った。

ふと、窓の外を見るとさっき話した庭にある月元くんに花が咲いていることに気づいた。
少し前から蕾をつけていたから近い内に咲くだろうとは思っていたけど、セワシくんに「彼女」の話をする前はまだ蕾のままであったから、話している内に咲いたのだろう。
この偶然に心なしか「彼女」の話をした月元くんが気を良くして花を咲かせてくれたと思えなくもない。

サボテンに白く開いた花は本当に綺麗で僕は思わず息を飲み、しばらく眺めていた。


それは何も見えなくなりそうな闇の中に咲いた一輪の光。


その花は悪乗りのあげくネタが滑って寒くなり、微妙な空気の中でも力強く逞しく咲き誇り、ネタが切れた人を笑顔にしてくれる月明かりに似た優しく輝く光のようだった・・・・・・















「「もうお家に帰して……(涙)」」←月元・アラリア

HAPPY END?

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最終更新:2017年04月04日 15:18