【名前】ゲルトルート・バルクホルン
【性別】女性
【出典】ストライクウィッチーズ
【スタンス】不安定→対主催

【人物】

カールスラント(現実で言うところのドイツ)空軍軍JG52第2飛行隊所属のウィッチにして連合軍第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ(501JFW)のメンバー。年齢は18歳→19歳。階級は大尉。(本国では少佐。またロワ後に放送日時が決まり、現在放送されているRtBにおいても少佐になっている)
固有魔法は「筋力強化」。ストライカーユニットの補助が無い状態でも大の男を容易くのしたり、地面に埋まっている鉄骨を引き抜ける程の効果を持つ。
かつての戦いで祖国カールスラントをネウロイに制圧され、更に妹のクリスを守れずに意識不明にさせてしまった事がきっかけで、本編当初は自暴自棄に陥り自分を顧みない戦い方をしていたが、宮藤の説得やミーナの叱責により立ち直っている。ちなみに妹以外の家族構成は不明。
軍規や規律を重視し(ただしハルトマン以外にはあまりそれらを押し付けようとはしていない)自分にも他人にも厳しい現実主義者。それ故に自分が失敗してしまった時は自分を責め続けてしまいがちで、背負い込みがちな傾向がある。
普段はカールスラントの軍人として冷静かつ理性的な行動をしようとしているが、本質的には熱くなりがちな性格で、自分の感情に振り回されるタイプ。感情的になると周囲が見えなくなってしまう悪癖がある。またヘタレで照れ屋な一面もあり、妹属性な相手に対して極端に弱いシスコンでもある。
ハルトマンやミーナには「トゥルーデ」という愛称で呼ばれている。
(以下本項目ではトゥルーデ表記とする)
主人公である宮藤に対しては、当初は苦手意識を持っていたものの、1期4話にて命を救われた結果仲は良好に…と言うかすっかり妹分として可愛がるようになった。
通称は『ヴァイス・フュンフ』(ドイツ…もといカールスラント語で云う白の5番、という意味)

【本ロワでの動向】

参戦時期は不明だがエピローグから考えるに「ストライクウィッチーズ 劇場版」以降からだと思われる。
オープニングにて主催に反抗した宮藤が見せしめとして殺害されてしまいそれに激昂。ハルトマンの制止も聞かずに、ストライカーユニットを取り上げられているにも関わらず固有魔法を使って、ルール説明を行っていたユーハバッハ及び天津垓に殴りかかろうとする…も、届く前に首輪を爆発させられ見せしめとして殺害されてしまう。
しかしどういう訳か宮藤とは違い主催の手によって蘇生された。(実際は蘇生された訳では無いしそもそも死んでもいないがこれについては省略)
訳もわからず蘇生され、ロワ会場に転送させられる直前に彼女が見た光景は、泣き叫びながら宮藤だったものに縋り付くサーニャの姿と、目の前で起きた出来事を受け入れられずに呆然と、かつ泣き出しそうなくらいに悲痛な表情を浮かべているハルトマンの姿だった。

トゥルーデ(……どうして……どうして宮藤が死んで、私だけがのうのうと生きているんだ……?)

登場話にて会場に転送された後、呆然とそう考えながら支給品を確認しないまま近くを歩いていると、2〜3歳程年下に見える少年が崖から飛び降りようとしている所に出くわしたので急いで止めに入る。

トゥルーデ「おい待て、早まるなっ……!」
少年「……離してください……僕にはもう、生きてる理由なんて……!」

力づくとはいえ自殺はどうにか止めれたものの、少年は完全に生きる気力を失っている状態であった。
少年が抵抗を諦めるまで待った後、とりあえず自分の名前と所属を伝えたトゥルーデは、彼の反応を待つ事にした。

暫くすると、少年はぽつぽつと言葉を発し始める。
自分の名がキラ・ヤマトだと言う事や、大切な相手が見せしめとして殺された事、そして自らの境遇についてを…。

彼の話はトゥルーデにとってはにわかには信じがたいものだったが、殺し合いという現状のせいか、不思議と信じる事が出来た。そして全てを聞き終わった後、トゥルーデは憤りを感じていた。何故彼のような何の罪も無い少年がそんな理不尽な目に遭わなくてはならないのか…と。例え彼が犠牲の果てに生まれた命だとしても、その罪は彼ではなく、彼をスーパーコーディネイターとやらとして生まれて来るようにした研究者達の方にあるのではないかと…彼女はそう思った。
そしてカールスラントの軍人として、彼を───ヤマト少尉を守らなければならないと、トゥルーデは決めた。今、彼を守れるのは自分しか居ない…そんな自分が弱音を吐いてはいけないとも。彼女は心折れたまま、更に無理に無理を重ねようとしていた。

その後、彼女達はカズマと遭遇する。性格的に反りが合わずに口論になってしまうも、口論の中で無理をしているのを見抜かれ「お前は今、泣いていい!」と言われる。

「私は…私は無理などしていない!」

そう反論しようとしたトゥルーデだが、自分でも気が付かない内にポツリポツリと涙を零し始めていた。宮藤を助けれなかった悔しさや、仲間に対する申し訳なさから来る自責の念に押し潰されそうになりながらも、無理をし続けていたトゥルーデにとって、その言葉は救いとなったのである。
そのまま暫し涙を零した後、(宮藤の為にも、こんなところで折れては居られないな……)と思い、トゥルーデは何とか立ち直る。
立ち直った後はカズマにキラの境遇や状況を伝えたり、カズマに名前を間違えられた事に怒って口論になったり、性格の違い故に事あるごとに反発し合ったりしていた。
だがトゥルーデ側はカズマを仲間として認めていて、カズマもカズマで反発し合いながらも、満更でもない様子であった。

道中でフレイと芹沢博士と遭遇した時は、三人の中で最年長(キラとカズマは16歳なのに対して、トゥルーデは19歳)なのもあり、先頭に立って情報交換を行った。この時フレイに拒絶されてしまい、更に曇ったキラに芹沢博士やカズマと共にフォローを入れている。

その後夜王鳳仙と遭遇。吉原を力で支配し、地球人はとっくに天人の前に屈した去勢された狗同然と嘲笑う鳳仙に怒りを抱いたトゥルーデは、カズマと共に自らも戦おうとするが制止され、彼にキラの事を任される。

(せめて、ストライカーユニットさえあれば私も……!)

と歯痒い思いをしながら二人の戦いを見守るが、激突の末、カズマは首輪によって課せられた制限にすら反逆し、瞬間的に最終形態になり、そのまま鳳仙に自慢の拳を鳳仙のツラにぶち当てて振り抜く。

カズマ「見下してんじゃ、ねえええええええっ!!!」

しかしカズマはその直後に、拳を突き上げたまま斃れてしまう。
咄嗟にトゥルーデはキラと共にカズマの元に駆け寄るも、彼は既に事切れていた。
二人して膝をつくが、(自らが深傷を負った事もあり)鳳仙は黙ってその場を去った。傍らに居るキラが、静かにカズマの反逆の意思を継ぐ決意を呟く中、トゥルーデは何も出来なかった悔しさや無力感と、仲間を失った喪失感を感じながらも、再び決意を固めた。

「……すまない、カズマ……
お前の事は忘れない、お前や宮藤の分まで……私達は戦ってみせる!」

カズマの遺体をキラと一緒に埋葬した後は、改めて彼と情報交換や支給品の確認などの話し合いを行う。最初トゥルーデは彼をヤマト少尉呼びしていたが、その過程でキラ呼びに変わったり、こんな会話が交わされたりするくらいには彼と仲良くなっていた。

キラ「…ところでバルクホルンさん、その……」
トゥルーデ「どうしたんだ?キラ」
キラ「……どう見てもパンツですよね、それ……」
トゥルーデ「これはズボンだ、パンツでは無い」
キラ「……やっぱりどう見てもパンツにしか」
トゥルーデ「断じてパンツでは無い…だから恥ずかしくなど無いのだ!」
キラ「そ、そうですか……」

話し合いを終えた後、二人は周囲の散策に出た。暫く散策をしていると、彼女らの前に焦燥した様子の芹沢博士が現れる。キラと共にフォローを入れつつ、彼によって、イリスにフレイが取り込まれてしまったという情報と、フレイ共々取り込まれた加古川飛流という青年曰く、イリスは古代人による遺伝子操作で生み出された生物兵器なのだという情報を知る事となったトゥルーデは、フレイだけでなくイリスも救いたいと言うキラに同意し、救出の為に作戦を考え、そして行動を開始した。
その過程でプロヴィデンスガンダムや、自身のストライカーユニットであるフラックウルフ Fw190D-9を発見している。

その後善のレーベンやガメラ、マルタと合流し、トゥルーデ達はフレイ救出、及び深淵を与えられたイリスの浄化戦に挑む事となる。
(なお合流時には、善のレーベンに距離を取られて困惑を見せている。彼が距離を取ったのは女性が苦手故だったのだが…トゥルーデはそうとは知らずに少し落ち込みかけた。誤解自体は決戦前に無事解けている)
イリスとの戦いは熾烈を極めた。トゥルーデはレーベンが乗るフリーダムガンダムやキラが乗るプロヴィデンスガンダムと共に果敢に猛攻を仕掛けるも、イリスは怯む素振りすら見せない。このままではいずれ押し負けてしまう…とトゥルーデ達が危惧したその時だった。チノスレのチノが仕掛けた爆弾により、爆破されて降って来たノヴァの破片がイリスに直撃したのは。

イリスは初めて怯んだものの、その隙はたった一瞬だった。しかし彼女達には、その一瞬の隙さえあれば十分だった。フリーダムとプロヴィデンスが一斉射撃をするとほぼ同時に、トゥルーデは煙幕弾をイリス目掛けて発射し、撹乱させると同時に内部に突入し、フレイを救出しようとする。それだけでは突入は不可能だったが、その間にノーマークとなっていた芹沢博士が支給品の通り抜けフープを使う事で、どうにかトゥルーデは内部に突入する事に成功した。

ノヴァの破片による負傷と取り込んだGウイルスの影響によりイリスが巨大化し、それ以外の取り込んだ力の影響などにより内部がダンジョン化する中、暫く内部を捜索していたトゥルーデはフレイを発見する。救出しようと接近を試みるが、衝撃波により吹き飛ばされてしまいなかなか近づけない。
そこで彼女は、持って来ていた簡易通信機を使ってキラに通信を繋ぎ、彼の呼びかけをフレイに直接届かせようと試みる。

トゥルーデ「っ…聞こえるか、キラ!」
キラ「バルクホルンさん、フレイを発見したんですね?」
トゥルーデ「ああ。だが衝撃波のような何かが発生していて近づけない…私も何度も近づこうとしたが、その度に吹き飛ばされてしまった。」
キラ「吹き飛ばされたって……大丈夫なんですか!?」
トゥルーデ「私は大丈夫だ、この程度の傷…さしたる問題ではない。……とにかく、このままでは彼女を助けられない。それでだ、この通信器を介してお前の声を届けようと思う。」
キラ「僕の声を…?」
トゥルーデ「お前の声なら、もしかしたら彼女に届くかもしれない……やれるな?キラ。」
キラ「……はい、今度こそ僕は……フレイを助けるんだ!!」

そう言って呼びかけ始めたキラの声をフレイの近くに届ける為にトゥルーデは、簡易通信機を守りながら、衝撃波をギリギリで回避か防御出来る距離を保ちつつフレイの元に近づく。
幾ら彼女と言えど、全ての衝撃波をシールドで防ぎ切る事は出来ず、全てを避ける事も出来ない。故にトゥルーデは徐々に身体に傷を負っていく。しかしそれでも、彼女は痛みに耐えながら諦めずに踏み止まり続けた。彼女の脳裏には、最期まで戦い続けた反逆者(トリーズナー)の姿が浮かんでいた。

そんな中、キラの呼びかけによって意識を取り戻したフレイが明確に叫ぶ。

「――私を助けて、キラ・ヤマト!」
と。
その声にキラは応えた。

「――ああっ! 今度こそ、救ってみせる!」
と。

これにより、救出作戦は最終段階を迎えた。
フレイが叫んだ思いによりイリスの動きが緩慢となったのだ。
外で善のレーベンが最期に使った融合により、プロヴィデンスとフリーダムが一つとなり「プロヴィデンスフリーダムガンダム」という新たな希望が誕生する中、トゥルーデは来るべきフレイ救出の為衝撃波を避けつつ準備を行う。
そして───ついにその時が来た。

キラ「バルクホルンさん!僕の代わりにっ、内部の状況をお願いします!」
トゥルーデ「ああ…!任せておけ、キラ!」

ドラグーンをイリスの懐に忍び込ませたキラは、出力を絞った上でピンポイントでフレイが居る核をレーザーメスの要領で切り落とし、彼女とトゥルーデをドラグーンに乗せて奪取させようと試みていた。しかし、いかなスーパーコーディネイターと言えど、イリスの内部までは流石に見えない。なのでトゥルーデ自身がキラの目の代わりとなって、ドラグーンの出力や当てる位置を調整する為の情報を伝える必要があったのだ。トゥルーデはフレイを気遣いつつ位置情報などをキラに伝えていく。その間にガンダムに同乗していた芹沢博士がキラにフレイを傷つけないメスの入れ方をアドバイスし…作戦は決行。そして見事に成功を果たした。
この場にいる誰一人が欠けていても、救出作戦は成功し得なかっただろう。

その後、核を失ってイリスが弱体化したのもあり、プロヴィデンスフリーダムを以ってキラは深淵イリスを圧倒していく。作戦は成功した為後はこの邪神を何とかするのみ…となった。
この状態ならイリスを深淵ごと倒す事は可能である。しかしキラ達の、トゥルーデ達の目的はイリスを『倒す』のでは無く、イリスを深淵から『救う』事なのだ。

その為の最後のパーツは既に揃っている。ガメラとラインを繋いだ事により冠位クラス:グランドライダーと化したマルタと、そのマルタが己を代償にする事により放つ事が出来るガメラの最強必殺技『ウルティメイト・プラズマ』。

───それは聖人マルタの祝福により、邪悪を浄化し正しきモノを救済する力となし、そして深淵という摂理より自由を取戻せし救いの機神(ガンダム)は、ヴァイス・フュンフ(白の5番)の加護と、或る博士の願いを受け取った。

そしてここに、深淵を浄化し、厄災なる神を正しき姿に導かん――

『愛を知る優しき守護神よ、絶望の摂理より自由を取り戻さん(ウルティメイト・プラズマ・フリーダム・フルバースト)』


放たれた浄化の閃光は邪神を邪神たらしめし深淵のみを浄化して行く。
閃光が明けると、そこには卵が一つ残されていた。それが意味する事は…イリスの浄化に、成功したという事である。

フレイの救出とイリスの浄化という目的を見事果たしたトゥルーデ達。しかし先の戦いでレーベンは犠牲となり、そして今、目の前でマルタも消滅しようとしていた。元より無理に無理を重ね続けた結果の必滅。しかし聖女は悔いを見せる事無く、消えゆく最中にトゥルーデ達へと言葉を掛けて、自分に今まで付き添ってくれた守護獣ガメラに感謝を述べた後───英霊の座に戻って行った。

トゥルーデ「……ありがとう、聖女マルタ…あいつの…キラの願いを叶えてくれて……!」

その後は無事にフレイと仲直り出来たキラを影から見守って、
「…よくやったな…!お前ならフレイを救えると信じていたぞ、キラ!」
と…そうキラに言いながら笑顔を見せていた。彼女がキラに笑顔を見せるのはこれが初めてであり───このロワが始まって以来、彼女が初めて笑顔になった瞬間でもあった。

ちなみにその裏で、時系列の違いやそれによって生じた引け目によって「キラには自分よりトゥルーデのようなもっと相応しい女性がいる」と思ったフレイが身を引く事を選んでいたのだが、トゥルーデはその事には全く気付いておらず、結果としてフレイを何度もやきもきさせる事になっていた。

そしてキラ達と共にアークグレンに合流、ハルトマンやサーニャと再会を果たす。
彼女達が立ち直り、宮藤の分まで主催と戦う決意を固めている事に安堵していた。

主催戦が始まる前は、彼女達にキラ達の事を紹介したり、サーニャの命を救った沙慈とうらぎり君にハルトマンと共に礼を言いに行ったり、ハルトマンの仲間であり恩人でもある常磐ソウゴ達を紹介されたりもしている他、作戦の立案に関わったりと色々と動いている。
またこの時に、ハルトマンから「自らの妹の為に」殺し合いになった相手(深海マコト)を止める事ができなかったという一件も聞かされている。

部隊の分担や、首輪解除の為の準備などが終わったトゥルーデ達は主催打倒へと向かう。目的地はヤキン・ドゥーエ。そこにこの殺し合いを開いた主催達が陣取っているとの情報を得たのだ。
首輪を解除すると、地中から主催の一人である涅見子の操る竜の子シェオルに襲われるという懸念が残っていたが…これについてはアークグレンやエターナルを大地から遥か離れた空中に跳ばし、そこで首輪を解除する事によりシェオルを回避する事に成功した。
そのままヤキン・ドゥーエ内部に突入していく対主催達が乗った戦艦だが…ここでそれを迎撃するように、ユーハバッハの『聖別』や要塞ヤキン・ドゥーエの迎撃機能が作動した。
しかし――宇宙に飛び出していたガメラの自らを顧みない体当たりにより、ヤキン・ドゥーエの外壁は破損し戦艦が侵入出来る程の大穴が空いた。対空砲火機能も停止し更に『聖別』も一時的に停止する。
そしてトゥルーデ達は、地上へと堕ちて行くガメラに感謝の意を抱きつつ、内部へと突入した……筈だった。

ふと気が付くと、トゥルーデは家に居た。傍らには幸せそうな表情を浮かべながらすやすやと眠っている妹クリスの姿もある。
(…何処なんだここは…?私の故郷の家にそっくりだが…カールスラントはまだネウロイに制圧されている筈だ…)
そう朧げな意識で考えていると、扉を叩く音が耳に聴こえて来た、そしてその音の主の声がトゥルーデの耳に入った瞬間…彼女の意識は完全に覚醒する事となった。

宮藤「バルクホルンさんっ、居ないんですか?返事してくださいよ〜」

(……何故だ?何故お前がここに居るんだ…!?……宮藤は……宮藤は私達の、目の前でっ………!
───ああ、そうか。これは…私が見ている夢なのか。
現実で有れば、どれほど良かったんだろうな……だがもう、現実に宮藤は居ない……居ないんだ……)

こうしてトゥルーデは、自分が夢を見ている事に気付いたのであった。
気付いた以上は、すぐにでも目を覚ます事は可能だった…だがその前に、彼女は宮藤の前に姿を現す事を選ぶ。

宮藤「もー…居るなら早く返事してくださいよぉ、バルクホルンさん」
トゥルーデ「……すまない、宮藤……」
宮藤「ふぁうっ!?…ど、どうしたんですかっバルクホルンさん…?いきなり抱き締めたりして…なんというか…今日のバルクホルンさん、変ですよー?」
トゥルーデ「……暫く、しばらくっ…このままでいさせてくれ…」

例え夢だったとしても、二度と会えなくなった妹分と会う事が出来たのは、トゥルーデにとっては嬉しかったのだ。彼女の目からは涙がまた溢れていたが…宮藤は気付きこそすれ何も言わず、されるがままで居た。
そして暫くした後、彼女は宮藤から離れた後、
「ありがとう宮藤……お前が居てくれたから、今の私が居るんだ……お前を、クリスと会わせたかったよ……」
とだけ伝えて、夢から目覚めた。心残りはもう無い。生きていればクリスとはまた会える。カールスラント奪還も果たす事が出来るのだから…。

サーニャ「バルクホルン…さん…?…起きれたんですね、良かった…」

夢から覚めた後、トゥルーデは先に目覚めていたサーニャに声を掛けられる。
彼女はホッとしている様子であったが、何処かまだ心配そうな様子でもあった。泣き腫らした跡があったが…トゥルーデは敢えて触れずに傍らを見る。
「……ぐすっ…みや…ふじっ…ごめん…なにも…出来なくって……助け、られなくって……うぅっ……」
そう寝言を言いながら、涙を流すハルトマンが居た。いつものように「起きろハルトマン!」と言って叩き起こす事は出来た。だが今のトゥルーデはそうしなかった。
(私やサーニャは乗り越えられたんだ…ハルトマンが…エーリカが乗り越えられない筈がない)
と、思ったからであった。
暫し後、欠伸をしながらハルトマンも目覚める。トゥルーデの思った通り、彼女も乗り越えて見せたのだ。
ホッとしたそんな彼女にトゥルーデは一言だけ声をかける。
「…大丈夫か、ハルトマン…」
と。
言われたハルトマンは…一瞬だけ黙った後、
「ん…心配かけてごめん、さーにゃん、トゥルーデ…。もう…だいじょーぶだよ」
そう微笑んで答えた。

「…3人揃って生き残って…元の世界に帰って…宮藤の分まで、生きなくっちゃね」
とも。

突入した対主催に幸福な夢を見せていたのは主催の一人エラスによる物だった。しかし対主催達は、自力で目覚めたり、目覚めた者が他の眠っている者を起こすなどの行動により、しょう太などの犠牲を払いながらもこれを打ち破る。
(ちなみにトゥルーデはハルトマンが起きた後、心配になってキラを起こしに行こうとした、が……彼は自力で夢から目覚めていた。複雑な表情を無自覚の内に浮かべるトゥルーデを陰から微笑ましく見守るサーニャと、ニヤニヤしつつも見守るハルトマン…な事になっていた模様。)
そしてとうとう各々が主催達に挑もうとする中…トゥルーデは今まで行動を共にして来たキラ達と別れ、ハルトマンやサーニャ、ソウゴ達と共に主催へ挑む事になる。

トゥルーデ「…その、なんだ…フレイの為にも…死ぬなよ、キラ」
キラ「はい…バルクホルンさんも、無理をし過ぎないでくださいね?」
トゥルーデ「…わかってる。私は宮藤や…カズマ達の分まで生きなければならないからな。
…お前だって、ラクスやカズマ達の分まで…生きるんだろう?」
キラ「勿論です…!」
ハルトマン「…だいじょうぶだよキラ、トゥルーデのことはわたしがしっかり見とくからさ、安心して!」
トゥルーデ「おいハルトマン!急に出て来て急に会話に割り込むなっ!」
ハルトマン「にししっ、ごめん、…ごめんってばトゥルーデそんな怒んないでよー!」
キラ「あはは…で、では…」
トゥルーデ「…あ、ああ、また会おうキラ…芹沢博士達にもよろしく頼む」

会話を交わしハルトマンに一通り怒った後、トゥルーデ達は主催を捜索する。(ハルトマンがいきなり割って入って来たのは本人曰く「トゥルーデは自分の気持ちに鈍感過ぎるしさー、キラは天然過ぎるし…見ててまどろっこしくなったからだよー」との事。なおトゥルーデは全くピンと来てない様子であった)
途中で1000%…もとい天津垓を模したヒューマギアを撃破した後の飛電或人と紅霞と合流し、警戒しながらサーニャの固有魔法を利用して、暫く移動していた所に、滝沢直人から通信が入る。彼曰く、図書館にあった資料の中に主催に関する情報と思わしき記述が有ったと云う。情報を交換しようと持ち掛ける直人の提案に乗ろうとした…その時であった。
トゥルーデ達側に本物の天津垓が現れ、それと同時に直人側に、主催の一人であるリュウヤ隊長の手によって操られているタイムシャドウが襲撃を仕掛けて来たのは。これによりトゥルーデは断片的とは言え主催に関する情報を得る事が出来なくなってしまった。
そんな中彼女達は天津と対峙する…しかし

ソウゴ「天津…!」
天津「生憎私は今立て込んでいるものでしてねぇ、君達の相手は『彼女』がしてくれるそうですよ…では。
…飛電或人は私が倒すべき相手だ。『貴女が』殺すような事をしては行けませんよ…?」
『彼女』「…了解。私の全ては天津社長の為に」

そう言って(後半部分は『彼女』にだけ聴こえるようにヒソヒソと言った)『彼女』を呼び寄せると、天津は何処かへと消えていった。

「…と、言う訳だ。全ては天津社長の為に…お前達をここで処分させて貰うからな」

主が去った後、『彼女』は冷徹に、トゥルーデ達その場にいる対主催にそう言い放つ。

その声を聴いて、トゥルーデ達3人は目の前に居る仮面を被り強化服に包まれている少女の正体に気付く…いや、気付いてしまった。

ハルトマン「…その、声は……!……なんでっ、なんでだよ……!!」
トゥルーデ「どうしてだ…どうしてお前が、ここに居るっ…!?」
サーニャ「…エイ…ラ…?……なんで、なんであんな人に従ってるの!?」

目の前に居る少女の名はエイラ・イルマタル・ユーティライネン。スオムス空軍のトップエースなウィッチにして、連合軍第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ(501JFW)のメンバーでもあり…サーニャにとっては自らが変わるきっかけを作ってくれた内の一人にして親友と言える存在であった…そんな彼女が今、トゥルーデ達の前に敵として立ちはだかっていた。

天津の所業に怒りを見せながらも、まずはエイラを止めようと試みゼロワンメタルクラスタホッパーに変身した或人を、彼女は紅霞共々一蹴、そのまま天津が向かったであろう方角へと殴り飛ばしてから彼女は、トゥルーデ達と相対する…。
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最終更新:2024年01月18日 22:24