【名前】ムゲン団総帥(ユウリ)
【出典】ポケットモンスター ソード・シールド+ふたばちゃんねる
【人物】
闇堕ちした女主人公ユウリのスレネタの1つ。
表向きはガラル地方のチャンピオン・ファッションリーダー・ムゲンコーポレーション名誉会長と三足の草鞋を履く才色兼備な女性だが、
裏ではムゲン団総帥としてムゲンダイナのエネルギーを利用して過去に飛び、片思いの相手・ホップと仲が良かった頃に戻ろうとする。
10代前半の外見をしているが、実年齢は42歳。ムゲンダイナのエネルギーが影響したのか年を取らなくなっている。
【ロワでの動向】
ホップの息子・ホープとの戦いでムゲンダイナを倒された直後からの参戦。
「最後の一体」を所持していたのだが、実質自分の完全敗北を悟っている。
殺し合いの場で最初に出会ったのは数奇にもムゲンダイナであった……
とはいえ所持トレーナーは記録されておらず、自分のムゲンダイナとはまた別個体と判明したのだが。
このムゲンダイナの力を借りれば、当初の目的である「過去をやり直す」事自体は可能になるのだ。
ただしそれは、完全敗北したムゲン団の過ちを繰り返してしまうことを意味する。
もし繰り返せば、手を伸ばしてくれたホープ達の意志に唾を吐くことになってしまう。
だからムゲン団としてではなく、ガラル地方のチャンピオンとして殺し合いの打破を決意する。
しかし、その決意を嘲笑うかのように、ユウリが否定したムゲン団の思想を、集う者達は賛同し求め縋ったのだ。
姉を亡くした三ノ輪鉄男、恋人を亡くしたまつざか梅、妻も託された子犬も全部失った
ジョン・ウィック……
集まってきた人の過去に戻りたいという悲願を切り捨てることもできず依然葛藤を抱えながらも
ムゲン団を再結成、首領として動かざるを得なくなってしまった。
なおムゲンダイナの方は上記のように世界線は異なるものの、自分を孤独から救ってくれたトレーナーとして忠誠を誓っており、
ムゲン団への協力が第一方針だったりする。
ムゲン団としてまず勧誘したのはレナード・テスタロッサ。
しかしレナードの目的は今の世界を滅ぼして自分たちが望む世界に変える事、反りが合わなかったのか勧誘は失敗に終わる。
次に勧誘したのはジョニィ・ジョースターとエックス(@ポケットモンスターSPECIAL)のコンビ。しかし、
「ぼくは確かに過ちをおかした……
けれどその結果ジャイロとも出会えたし、何より歩んできた道をなかったことにして逃げ出すようなクズには戻りたくないんだ」
とジョニイに断られてしまう。
『歩んできた道をなかったことにして逃げ出すようなクズ』
ジョニイには責める意図はなかったのだが、今の自分を示す言葉はユウリの内心に深く突き刺さった。
この程度で心が揺れてしまう様ではムゲン団の皆を引っ張ることなんてできないんじゃないか…と心が揺れる。
しかしそんな中まつざか先生がネズミくんの急襲を受け刺殺されてしまう。
ユウリの腕に抱えられる中、まつざか先生は息を引き取った。
「会いたいわ…徳郎さん…」
彼女の最後の言葉は呪いのように、ユウリに重くのしかかった。
同時にジョンも過去改編の障壁となる対主催を襲撃し、ドクター・キリコを殺害した、と報告が入った。
みんな、自分に関わって、ムゲン団に関わったがために、命を絶ち、命を奪う。
ならばその期待に応えなければ、何のために死んだのか。何のために手を血で染めたのか。
それぞれの思惑にムゲン団という鎖が絡まっていった結果、必ず優勝して過去を変えなければならないという強迫観念に囚われるようになった。
この時鉄男が発見した資料から『複合天元超克 アンバース』を知り、関連するタワーをムゲン団拠点に据え本格的な活動に動き出す。
これと同時に最終兵器(@ポケットモンスターSPECIAL)の存在も認知。
最終兵器とは文字通り周囲の生物を死に絶えさせる絶大な威力を持ち、かつてカロス地方一帯を滅ぼした代物である、と記されていた。
これを用いれば障壁となる者達をこの会場から消滅させて、目的達成も同然と言えよう。
「ムゲン団以外の皆さん、残念ですがさようなら……か……」
しかしこれは起動のための莫大なエネルギーが必要、けれどもムゲンダイナは犠牲にしたくない、
というわけで別のあてを探すことが当面の目標となる。
そんな中であった、血の気の失せた少年・うずまきナルトと出会ったのは。
放っておいてはいけないと、ユウリは善意からムゲン団拠点に連れていき、暖かいコーヒーを飲ませ落ち着かせる。
やがてナルトは俯きながらもポツポツと語り出した。
このナルトもまた、多くの友や仲間を亡くした。
元世界のチームメイトで最も近い異性であった春野サクラが、自分の目の前で首輪が爆発し死んだ。
殺し合い開始時、バート・シンプソンやゾロリと出会い行動を共にしていたが、突如として周囲に濃霧がかかり、
死んだサクラはじめ三人の仲間たちがボロボロで近付き呪詛を呟いて襲ってきた。
「ゾロリ先生危ねえ!」
少なくともナルトは(実際は三人とも)襲い掛かる敵(幻)も殺す気はなく、肩や足を狙ったつもりだった。
ナルトはナイフをクナイの要領で放って……
「……え?」
ナルトが幻から醒めると、そこには自分が投げたナイフが喉元に刺さったバートと、眉間を弾丸で打ち抜かれたゾロリが横たわっていた。
幻が何だったのかは分からないが、バートを殺したのは、自分だ。そして自分がナイフを投げたがために、ゾロリも死んだのか。
罪悪感と後悔を抱いてナルトはあてもなく彷徨う。
さらに、切磋琢磨し合ったライバルそして仲間・うちはサスケと直前に知り合った同郷の濃ゆい男・ロック・リーもまた死亡したと
放送で無情にも伝えられた。
「バートはさ、この場で知り合った俺の最初の友達なんだ。髪の毛がツンツンしてて、ヨーヨーとスケボーが上手くってさ…………」
「ゾロリ先生は、キツネのような人間でさ……俺ってば、何かとキツネに縁あるよな……頭もよくって、首輪を外そうと頑張ってくれたっけ……」
「ムゲンのエネルギーでムゲンのみらいを、ムゲンのエネルギーでムゲンのかこを。
ムゲンダイナの力なら過去を変えて辛い今を変えられる。
ナルトくん。ムゲン団に力を貸して。キミみたいな優しい子が、悲しむ未来を歩んじゃいけないから」
「ユウリ……お前の、いや、アンタの話、俺にも乗らせてくれってばよ」
さながら本編で後にマダラの無限月読を受けた時のような虚ろな目を浮かばせて、ナルトはムゲン団の思想に頷いた。
新たな仲間であるナルトに対しユウリはジョン同様斥候として、障壁となる者たちを始末する任務を与える。
ちなみにナルトの参戦時期は中忍試験最中、死の森に向かう間際と判明した。
もしこれよりもう少し後であるガマブン太の口寄せに成功した時点、すなわち九尾のチャクラを引き出すキッカケを掴んだ後からの参戦だったら、
木の葉の里を滅亡寸前まで陥らせた九尾の力を最終兵器に充てられると志願し、起動を成功させていたかもしれない。
しかし、ムゲン団の暗躍に暗雲が立ち込め出す。
人の身でありながら死を悪戯にばら撒こうとするユウリを、ハデスが神として裁きを与えんとして立ち塞がったのだ。
相手は神を名乗るだけあって、ムゲンダイナ相手でさえも追いつめられる力の差。
他の戦闘要員であるナルト、ジョンがいればまだマシかと思われたが、生憎ナルトは上述の通り出払っており、ジョンは斥候からの帰還途中。
加えてハデスの同行者である紺野純子とイキリトからもムゲン団の思想を
「過去に戻って今をなかったことにしようとするなんて、間違ってます」
「アスナ似の彼女が出来る前に戻るとか正直困るw」
と両断され心身共に追いつめられて…
「分かってる…分かってるよ…たとえ過去に戻れたとしても、こんな顔じゃホップに会えないね…」
「だけど、まつざかさんが、ジョンさんが、鉄男くんが、ナルトくんが、ムゲン団の皆がつらい過去を私が変えるのを待っているから…」
「だから、だから…ッ」
「消してええええええッッ!!!ムゲンダイナァァァァァァァァァァァッ!!!」
「夢幻の邪魔をするもの皆、みんなァアアアア!!!!」
髪をかきむしりながら絶叫するユウリ
それに応えるようにムゲンダイナがムゲンダイマックスを発現させて…
そして、それは起きた。
突如3条の光線にムゲンダイナが貫かれ呆気なく爆散。
そして、爆散の余波で消し飛んだ鉄男。
「え……なんで?ムゲンダイナ、どこ行っちゃったの?鉄男くんは?」
しばらくはムゲンダイナが死んでしまったという事実の理解に至らずキョトンとしていたが、
その下手人(獣)であるキングギドラが舞い降りて、分かってしまった。
「ムゲンダイナアアアアアアアアアアアア!!!私のあああああああああ!!」
最後の希望を奪われ、絶叫し取り乱すユウリ。その姿はガラルのヒーローとは程遠いものであった。
キングギドラから放たれた光線にあわや呑まれるところ、幸い霧雨魔理沙によって助けられる。
だがユウリは無我夢中でハデス達から、ギドラから、逃走した。
頼みの綱のムゲンダイナが死んだ。まつざか先生も死んだ。鉄男も死んだ。ジョンはムゲンダイナが殺された途端に掌をかえして逃げ出した。
残る仲間はナルトだけ。
忍者を名乗るにはいささか派手な橙色の服を見かけ、必死で駆け寄ろうとする。
しかし目にしたのは――
「ご、悟空って言ってたっけ…… 俺もおまえみたいに仲間や友達を守りたかったってばよ……――」
対峙していた孫悟空との死闘で、ナルトが胸を貫かれ息絶える瞬間だった。
「――――――っ!~~~~~~~っ!!」
声にならない声を上げながら、来た道を引き返しなりふり構わず逃げる。
もしナルトに駆け寄っていれば悟空と稀神サグメに確保され身の安全だけでも保障されたかもしれない。
しかし、仲間も友も何もかも失い、彼女の精神は崩壊寸前に追い込まれ、まともに考えられる状態ではなかったのだ。
逃走する中何度も躓き転び、顔も服も血や泥にまみれグシャグシャになる。
今の彼女がガラルにいたとしても、目の前の少女があのチャンピオンでモデルでもある彼女と同一人物であると気付く人はごく僅かであろう。
よろよろと屍人のように彷徨うユウリであったが、彼女の目に輝かしくそびえ立つ「柱」が映る。
「ムゲン……タワー……」
ガラル地方の象徴である、シュートシティの時計塔・ムゲンタワーが何故かこの会場に姿を現していた。
主催側が計画発動の一端のため構築した『物理の柱』、それがこの場のムゲンタワーだったのだ。
理由はともあれ、その懐かしい光景から安堵感を覚え、肉体的精神的ショックから来る極度の疲労もありユウリは意図せず眠りについてしまった。
数時間経って目が覚めた後、あまりにも酷い外見だったと自覚し一先ず洗顔を行う。
サッパリしていた中、何事か対主催の集団がムゲンタワー目掛けて駆け付けてきた。
『概念の陣』『精神の門』と同様『物理の柱』が建てられるのを阻止しないと元の世界への影響を止めきれない。
そのため『物理の柱』、すなわちこのムゲンタワーを破壊しなければならない、と対主催組は告げた。
破壊させるわけにはいかない、とユウリは立ちふさがる。
苦し紛れの悪あがき、と言われればその通りであろう。
しかしムゲンタワーは、もはやそれだけがユウリに残された「夢幻」の象徴なのだ。
ユウリのただならぬ様子に対主催組の一部は戸惑いを覚え、また別の一部は構ってられるかと倒そうする。
混乱が見えだした対主催組を、一人の少年が制した。
その少年はユウリにとっても見覚えのある、以前ジョニィと同行していた……
「君は……」
「対決だチャンピオン…貴女の夢を終わらせるよ」
少年・エックスはかつてポケモンバトルの強さのせいで心に傷を受けて引きこもってしまった過去があり、
同じく圧倒的なポケモンバトルの強さのせいでホップのチャンピオンになるという夢を踏みにじってしまったのではと
後悔し叫ぶユウリに理解できるところもあった。
だからこそユウリの呪縛を解くために、チャンピオンという夢幻を終わらせるために、
ポケモントレーナーとしての道を一度は捨てたエックス自らがチャレンジャーとして、ポケモンバトルを申し込んだ。
辛いことがたくさんあったけれどそれでも未来を歩こうとするエックスと、ホップたちに置いていかれて過去にすがり続けたユウリ。
タワーへと駆けて使徒達と戦いだす他対主催を尻目に、トレーナー二人の戦いの火蓋が切って落とされた。
ユウリが出したポケモンは、彼女自身のウールー。
ガラル地方でポピュラーな進化前ポケモン。そしてホープとの戦いの「最後の一体」。
ホップの一番最初の相棒もまた、ウールーだった。せめて彼との繋がりを残しておけるように、捕まえたままのポケモンだった。
しかしこのウールーは……『夢幻』を意図せず取り込んだのかユウリの意思に答えたのか、
ムゲンダイナのような姿に変貌を遂げていた。
エックスが繰り出すのは、幼馴染ワイ・ナ・ガーベナとこの場で再会し託された、彼自身のリザード「サラメ」。
エックスの気持ちに応えるようにリザードン、そしてメガリザードンXへと進化する。
メガリザードンXの炎にのまれムゲンダイナの殻も焼かれて、レベルがたったの3のウールーでは持ちこたえられるはずもなく…
▼ウールーはユウリをかなしませないともちこたえた!
「……どうして?」
その光景を見たユウリは、消えてなくなりそうなか細い呟きを零す。
エックスは答える。
「ウールーもあなたのことが好きだからだよ」
ガルーラのガルはエックスが閉じ籠っていたときもいつか外に出てくれると待っていてくれた
ブリガロンのマリソはエックスがやる気のなかったバトルでも負けたくないと頑張りを見せてくれた
サラメはエックスの心に応えてメガシンカを成し遂げた
このウールーも同じだ
エックスのポケモンと同じでユウリのことが好きだったんだ
ずっとモンスターボールに閉まわれていても、いつかいっしょに
旅をしてくれるとかわらずに信じて待っていた
ユウリとの未来を信じていた
ホップに会う資格もないと思って
ムゲン団もムゲンダイナもいなくなって
それでも自分の傍にいてくれるポケモンがいてくれた
そしてユウリはウールーを抱き締めて
チャンピオンでも、ムゲン団首領でもない
どこにでもいる初恋の終わった女の子として、
ようやく泣くことができた
◇◇◇
エックスとのポケモンバトルで憑き物がおちたユウリ
しかし会場の崩壊が生じ、巻き込まれそうになったエックスを庇って奈落の底に飲まれてしまう。
落ちる寸前にウールーの入ったモンスターボールをエックスに投げ渡して、
「この子をお願いね。わたしの代わりに一緒に旅をして、未来を、明日を与えてあげて…」と
ほのかに微笑みながら、消えていった。
最終更新:2024年08月24日 12:48