【名前】バスク・オム
【性別】男
【出展】機動戦士Zガンダム(オールカオスロワ2)

【設定】
元ロワについての詳細はこちらを参照。
なお、一年戦争当時にジオンの捕虜となった経歴を持ち、彼のトレードマークたるゴーグルは、捕虜時代に拷問で負った視力障害を矯正する代物であり、これが地球至上主義者として知られる彼の人格を形成する一因となって、反スペースノイド感情の大本となっている…と認識している人も多いが、これはメディアミックス作品により設定がバラバラであり、そもそもアニメ本編では言及されてない……が、このロワではその案を諸事情により採用された形になる。

元ロワであるオールカオスロワ2にて敗北した経験から、グリムニルを憎んでいる。
自分に付き従ったセイラが魔法少女として変身する手段がスマホ(アプリ・デュナミスフィア)にキスすることを知っている。
最終局面でグラーフにより暴走させられたが、その状態は本ロワより元に戻っている状態で殺し合いに参戦させられているとする。


【本ロワでの動向】
主催の計らいか偶然か、グラーフにそそのかされて陥った暴走状態からは脱した状態でこの殺し合いに招かれたバスク。
バスクはこのまま殺し合いに乗るか、と思いきや読者の予想を裏切り自分たちティターンズをケチョンケチョンにしたグリムニルの一員であるアッシュが司会役にいることを知って意地でも迎合してやるか、と対主催の立場を取ることになる。
……もっとも性根は変わってないので危険対主催には違いないが。

会場に転送され、さっそく支給品を確認するバスクであったが、ディパックに入っていたのは拳銃とバスクが個人的に関連が深かった魔法少女セイラのスマホ。
このままだとただの携帯電話だが、アプリ・デュナミスフィアが入ってることを確認。
セイラはこれにキスすることで魔法少女に変身していたが、ひょっとしたら自分も魔法が使えるようになるんじゃないか?と思ったバスクは試しにスマホに口づけしてみた。


              • 何も起きない



その時、通りすがりのアルトリア(旧架空学園4のキャストリア)にガッツリ見られて、「このオッサン気持悪ッ!(意訳)」とドン引きされ、大慌てで誤解を解こうとするバスクの絵面が序盤に見れたとかなんとか。

このままではただの面白いオッサンであったが、アルトリアが話している相手がバスク・オムと知ると警戒する。
実は架空学園4の世界では多少の差異はあるが、宇宙世紀と同じ歴史を辿っており、ティターンズがしでかした悪行の数々も同じである。

あとでスマホにキスしていた奇行に関する誤解を解いた(?)アルトリアの口からバスクへ説明されるが、大雑把な歴史は変わらないことがわかる。
ただティターンズが最終的に世間から叩かれてバスク自身も戦死してしまうことをアルトリアは喋ってしまう。
アルトリアなりに嘘や隠し事は本人のためにもならないと考えた結果であった。
また、自分たちもこの殺し合いに巻き込まれる前にバスクが参加させられていた殺し合いとは別の殺し合いに招かれ……イザクという男により敗北してアルトリアの世界の宇宙世紀は終末を迎えたことも教えられた。


流石にティターンズや自らの結末を知ったバスクは動揺するも、暫し考えた後…それでも元ロワにてティターンズを敗北させたグリムニルのアッシュには迎合してやりたくないと方針自体はそのまま対主催でいる方針は変わらずいた。
ただあわよくば参加者であるカミーユの抹殺を目論んでいる他に、帰還したらまずシロッコを排除しようとの悪巧みも赤いゴーグルの下でしていた。

本心は隠しつつも気を取り直して対主催としてアルトリアと組むことになったバスク。
主催がかけた術式で誰がどんな支給品を使ってもある程度は扱えるようにされてるみたいだが、流石に魔法少女は女性しかなれないみたいなのでアルトリアはバスクの持っていたセイラのスマホを譲ってもらう代わりにバインドワッパーという腕輪を渡した。

アルトリア「でも、この機械、あなたがさっきキスしてましたよね......表面を拭いて使うにしろ、なんか嫌な気分ですね......」
バスク「贅沢を言うなら返せ!
    私だって力を得られないならやりたくなかったわ!」

そんな漫才じみたやり取りをする二人の前に近づいてくるものが...

アロウ「ダメだ、抑えられない。逃げろ...!」

それは今ロワでも未だ殲滅者としての本能に抗いつつも、抑えられなかったバック・アロウであった。
アロウはバインドワッパーでブライハイト・ムガになり襲いかかる。
それに対してアルトリアは魔法少女に変身(使用ドレスはセイラのもの)、バスクもまた初めて使うバインドワッパーでブライハイトへと機装顕現する。
そのブライハイトの姿は真っ黒でムガよりも巨大な巨人。
あえて近い姿を例えるならサイコガンダムマークⅢに似た姿をとっていた。
元ロワでMAもどきのブラックヴォルフに乗っていたことで大型兵器の動かし方(というより自身の体とも言えるが)のノウハウも多少あったので、より有効にこのブライハイトを使うことができた。


結果を先に言ってしまうと、ブライハイトとなったバスクと魔法少女アルトリアは勝利しムガは倒れ、アロウは元の姿に戻った。
これはアロウの中で植えつけられた意思に抵抗していたため、ムガが実力を出しきれなかったことと、パワー攻めのバスクとバフデバフの使い手であるマジカミ系魔法少女の力を得たアルトリアの二人による作戦勝ちのためである。

一方、バスクは倒れたアロウにトドメを刺そうとするがアルトリアがそれに待ったをかける。
――自分の意思で殺し合いに乗っているわけじゃないアロウは殺すべきではないと。

しかし、アルトリアに構わず機装顕現が解けたアロウに拳銃でトドメを刺そうとするバスク。

バスク「甘いことを抜かすなアルトリア。
    その甘さがおまえたち騨羽院の生徒がイザクとやらに負けた敗因ではないのか?」
アルトリア「それは……!」

アルトリアが言い淀んだ瞬間、バスクは拳銃の引き金を引こうとするが。
それを白づくめの男が阻止した。

???「『憎むな、殺すな、赦しましょう』」
バスク「何者だ貴様」
月光仮面「……通りすがりのヒーロー、今は月光仮面とでも名乗っておこうか」

そして月光仮面(中身は変身能力を失ったオーマジオウ)に遅れてフェイもやってくる。
ちなみにフェイは元ロワでグラーフとの融合の際に記憶を共有したので知っているが、バスクは(グラーフに半ば利用されていたとはいえ)恋人のエレハイムを殺した男でもある。

バスクもここでは民衆(モブ参加者)の眼があったため、しかたなく月光仮面に従う形でアロウ殺害を諦めた。
結果的に街を守ったので無抵抗のアロウを殺すより、生かした方が民衆の支持を得られると考えた算段である。
フェイは元ロワでグラーフと融合して得た記憶から恋人殺しとバスクの悪辣さを知っているので、いきなりバスクの胸倉を掴むほど仲が険悪だったが、月光仮面から今戦いになるとモブ参加者も巻き添えになるのと中破しているシャイニングガンダムと変身できないオーマジオウではバスクのブライハイトに勝ち目がないと言われ、今はこらえることに。
エレハイム殺しに関しても、バスク自身はグリムニルに良いように使われただけであり、そもそもバスク暴走の原因は自分(の中にいるグラーフ)にもある故にフェイから引き下がった。

なお、似たようなやらかしをしたアロウに関してフェイは同情をしていたという。


ちょっと……というか十分ギスギスした空気のバスクたちであったが、同じ対主催仲間として月光仮面・フェイ・途中合流した錬・ヴィヴィと組むことになった。
パーティの主導権は若干、月光仮面に取られているのがバスクは気に入らなかったが、現状は傘下のモブ参加者兵士にティターンズの者がいないこともあり、流石に主導権争いに関しては自重した。



しばらく経って近隣の街エリアから謎の生体ドームによって参加者が消える事件が起きる。
調査によりそれがグランドギドラという怪獣の仕業だと知って、一行は討伐に乗り出そうとしていた。
グランドギドラはこれより前に木村によって食らった毒ガスが効いてるのか、山奥で身を休ませていた。
だが、そのすぐ近くに原子力発電所があるため、何かがあれば会場の大半が汚染されてしまう。

そこで月光仮面はゴクウブラックを倒したことによる報酬として、主催が用意した換金所で得た支給品である地球破壊爆弾を使おうとする。
この地球破壊爆弾は原作と違い、制限により直径5mしか爆破されないが、逆に言えばこの5mの中にさえ引き込めば地球破壊クラスの打撃を与えられる。
すなわち、当たりさえすればほとんどどの参加者でも殺せてしまう兵器である。
戦術家であるバスクは更に心臓や首の付け根あたりに発破させればいかなグランドギドラとて耐えられないだろうと予測し、バスクのブライハイトやフェイのシャイニングガンダム、モブパイロットたちの機甲部隊などの大型兵器の味方が陽動している間に月光仮面と錬の二人がギドラの弱点に爆弾を括り付け、発破する作戦を思いつき実行に移す。

しかし一行にはいくつか不安要素が……
バスクとフェイのいざこざでギスギス、アロウは再び殲滅者に戻る可能性があるので前線には出せず、拘束中。
そして、錬やヴィヴィにもとある問題があったのだが……これは後に語ろう。


フェイの恋人、エレハイムを殺したことに関してはバスクは一切の責任を感じておらず、普段ならフェイの方に殴りかかったところだが、基本プライド高く傲慢なバスクがアルトリアの話には耳を傾けるのが不幸中の幸いであった。
アルトリアに関しては元ロワで行きすぎた勘違いのせいとはいえ、自分に忠義を向けていたセイラを思い出して毒気を抜かれていつものペースを乱されてしまってる様子であった。
フェイ側は相変わらずバスクのことを認めておらず、裏切ったら容赦なく叩きのめすつもりだが、バスクが変われるならあるいは...とも考えていた。

余談だが、この後放送が流れ、カミーユの死亡が伝えられたことで内心ホッとした一面も。
しかしにっくきグリムニルのアッシュと参加者とは別のイザクの煽る声を聴いただけで安堵もまたすぐに苛立ちに変わるのだった。



そしてギドラ討伐戦前の一コマにて。
バスクとアルトリアが二人っきりになる局面があった。

バスク「参ったな…さっきの戦いで視力を矯正するゴーグルが壊れた」
アルトリア「ゴーグル外すと意外と優しそうな目をしてますね」
バスク「言うな。ゴーグルがないと部隊を指揮する時の威厳が減る」

アロウ戦の時に赤いゴーグルが壊れたらしいバスク。

バスク「この眼はジオンのクズどもの捕虜になった時にやられたものだ。
    まったく見えないわけじゃないが、間違いなく怪獣討伐の時には支障が出る」
アルトリア「では、これを使いましょう」
バスク「札か?」
アルトリア「これを貼れば私と視力を共有できます」

そう言って渡したのは、安価ロワ3にて視力を失った別世界線のアルトリアとライザが視界を共有した札である。

アルトリア「正直、私もフェイと同じくあなたを善人とは思っていません。
      ですが、あなたは自分の保身や利益を優先もしない『戦士』であるとも感じました。
      味方である限りは失うには惜しい人です。
      あとは…あなたが言うセイラに免じて、あなたを信じます」
バスク「ハッ、小娘が。言ってくれるではないか」

アルトリアはセイラとはタイプの違う少女……少なくとも自分に忠義は向けていないのは確かであったが、『戦士』としては認めていることに関してバスクは悪い気はしなかった。

バスク「戦士……か」

アルトリアの言葉にバスクは果たして何を思ったのか……



そして始まった怪獣グランドギドラとの総力戦


バスクが立てた作戦通り月光仮面を筆頭にギドラを良い感じに押さえ込んでいく対主催グループ。
フェイのシャイニングガンダムがスピードで翻弄し、逆にバスクのブライハイドがパワーと装甲でごり押す。
アルトリアにヴィヴィの援護、月光仮面に賛同してくれたモブ対主催がMSやその他機動兵器に乗って援護する。
特にアルトリアは件の札でバスクの足りない視力となり、バスクの戦いの助けとなっていた。

そしてグランドギドラは集中砲火の中でとうとうダウン。
その隙に月光仮面と錬の二人が地球破壊爆弾を急所にくくりつけて、ギドラを始末する




……はずだった。




ギドラのすぐ目の前まで来たところで錬が裏切り、月光仮面ことオーマジオウの腹を剣で刺し、倒れ伏させるまでは。

月光仮面「ぐふッ……」
フェイ「月光仮面!!」
アルトリア「!? 錬、なんのつもりですか!?」
錬「全ては計画通り」
バスク「貴様、まさか裏切るのか!!」

錬「捕食者(インポスター)に騙されたおまえたちが悪い」


錬は裏切った。
否、錬という男は最初からこのロワには存在していなかった(既に死んでいた)。
その正体は寄生する宇宙の人狼、ステルスマーダーのインポスターであったのだ。
そのインポスターの目的はグランドギドラを秘匿していた支給品である最新型クリーチャーボックス@オルカ2/オリシティで捕獲して自分の戦力に加えることだった。
ただ、参加者である以上捕獲するには一定レベルまで弱らせないとダメらしく、それをバスクたちにやらせるつもりのようだ。
しかも仙豆も持ってるため、ギドラ捕獲→仙豆喰わせて全快即使用という恐ろしいコンボまで考えており、全てはこのために対主催に合流し、利用していたのである。
バスクは裏切者にすかさずブライハイトのビーム攻撃を行おうとするが、フェイのシャイニングガンダムが止めにかかる。

バスク「おのれ! 邪魔をするな!」
フェイ「やめろバスク、今、撃てば月光仮面にも当たる」
バスク「だがこのままだと怪獣が奴の手に……!」

バスクもただ怒り任せに月光仮面ごとインポスターを葬ろうとしたわけではない。
今すぐにインポスターを殺さなければ、怪獣が隷属させられた上で復活させられるのだ。
そうなればこれまでの犠牲や苦労は水の泡、そんなこと月光仮面も望まないだろうとバスクなりの判断であった。
ところが

アルトリア「待ってください、何か様子がおかしい」
インポスター「ぐ……ぐあああああ!!」
バスク「何だ? 何が起きている?!」

クリーチャーボックスを投げこもうとしたインポスターの手がピタリと止まり、苦しそうに頭を抱えていた。
そして、インポスターは苦しまなくなったと思いきや、ボックスをしまうと同時に、仙豆をギドラに食べさせて完全復活させてしまった。
インポスターはというと、まるで主従が逆転したように、歩兵戦力に襲い掛かっていった。

フェイ「何を考えてるんだ奴は?」
ヴィヴィ「これでは手順があべこべ……まるで錬の方が操られているよう……」
バスク「まさか、あの怪獣には他者をマインドコントロールする力があるんじゃないのか!?」
アルトリア「そんな術があったなんて……」

バスクの予測は的中していた。
グランドギドラにはマインドコントロール能力があり、他者を操れる力を持っていたのである。
元ロワではシン・ギドラというギドラ自身にとっても好ましくない事態に陥ったため使用できなくなってしまったが、状態がリセットされた此度のロワで再使用が可能になったのである。
故に、誰もマインドコントロールのことを知らず、情報不足のまま戦うことになり、インポスターがその罠にハマってしまったのである。

そして月光仮面も気絶し、地球破壊爆弾は置き去り。
グランドギドラの猛反撃により、参戦したモブ参加者や機甲部隊も大半がやられ、バスクたちも大ピンチになる。
だが。

ジョゼ(コンパチキラー)「うわああああああああ!!」

この戦いに参戦した謎の巨人、コンパチキラーがギドラを殴り飛ばした!
後からやってきたアドヴェントの乗るマスターガンダムも含めて予期せぬ援軍の到着である。
しかし、それでもギドラの猛攻は止まらない。
光線が周囲に吹き荒れる
そのビームは後方のモブ参加者部隊と、アルトリアにもぶつかろうとしていた。

だが、そのビームは大きなロボット……バスクのブライハイトの巨体が盾となり被害は最小限に抑えられた
バスクとサイコガンダムを模したブライハイトに甚大なダメージを与えつつも……

アルトリア「バスク……私たちを助けてくれたんですか!?」
バスク「か、勘違いするな……視界を共有している貴様がいなくなると、眼が弱い私は力を発揮しきれん。
    それから包囲網が崩れれば今度こそ我々の負けだ。
    デラーズ・フリートやグリムニルにしてやられた時のようにはならん……」

ギドラを無情にもバスクたちに追い打ちの光線を撃ち込もうとするが、今度はアロウのムガが飛び出して守った。
そのムガはさらにアルトリアに寄生しようとしたインポスター本体を蹴り飛ばして撃破する。
アロウは暴走抑止のために拘束されていたが、ギドラの先の攻撃が後方に届いた結果、拘束が外れ、いてもたってもいられず、戦線に加わったのだ。
アロウに関しては思うところもあるが、今は他にいない頼れる戦力であった。
さらに瀕死の月光仮面も本来の力であるオーマジオウ――仮面ライダーの力をコンパチキラーに託すことによってコンパチクイーンに進化させた。
そしてコンパチクイーンを中心にグランドギドラと互角以上の戦いを繰り広げる一行。

しかしアルトリアと後ろの軍団を先に守ったバスクだが、バインドワッパーが砕けかけていてこれ以上戦ったら死亡するリスクがあった。
仮に機装顕現を解いて逃げれば生き残れるかもしれない、だが、バスクは自分が死ぬのも覚悟の上で勝利を手にする道を選んだ。

コンパチクイーンが参戦してくれたことで一見優勢に見えるが、デラーズ紛争での苦い思い出から安心はできない。
たった一気のMAと一人のパイロットのせいで戦況をひっくり返されたこともあったのだ。
故にギドラは確実にトドメを刺し、ここで徹底的に潰さねばならぬ、と、バスクは戦士の覚悟を持って挑んだ。
アルトリアはそんなバスクの覚悟を見通してか、彼の肩に乗る。
彼女には最後まで彼の目として戦う所存だった。だが、やはり怯えは残るのか足が震えている。

バスク「怯えるなアルトリア!」
アルトリア「バスク……」
バスク「奴に勝てぬようでは主催にいるイザクにも勝てんぞ。
    大丈夫だ、ここに『戦士』がいる。
    おまえはただ、私の目として働いてくれ」
アルトリア「……ありがとう」

アルトリアの足の震えはいつの間にか止まっていた。



妨害するインポスターを撃破してこの場にいる者全員がギドラに集中できるようになった。
だが、コンパチクイーンのカラータイマーが点灯…変身の制限時間が近づいてきている。
ギドラとの決着をつけるには今しかない…討伐隊は最後の攻勢に出る!

まずは己の身と引き換えにしてでもギドラを倒す決意を抱いたバスクが突撃。
ギドラの攻撃でダメージを受けながらもサイコガンダムMk-IIIを模したブライハイトの必殺技、ブラストアッパーをギドラに叩きこむ。

バスクに続くように各機がギドラに攻撃を仕掛ける中、アルトリアはフェイとアロウが見つけて渡した地球破壊爆弾をギドラに投げつけた…


アルトリアはバスクの眼として、危険を顧みずに決着がつく寸前まで肩に乗っていた。
しかし彼女が爆弾を投げ込んだ直後、バスクは肩からアルトリアをつまんで投げて味方にキャッチさせた。

アルトリア「バスク・オム――?!」
バスク「ここまで近づければ、もう“眼”は必要ない。
    おまえはここで降りろ」

ブライハイトに放たれる引力光線に限界寸前まで追い込まれるバスク。

アルトリア「限界です! 離脱してくださいバスク!」
バスク「小娘は黙っていろ。
    兵士には……いや、男には退けぬ戦いがあるのだ!

    もう、ティターンズの隆盛もシロッコの殺害も、エゥーゴの壊滅もどうでもいい。
    こいつにだけは死んでも勝つ!

    私の戦いを見ておけ、アルトリア!
    後世がなんといおうが、ティターンズは……誇り高き地球の守り手なのだ!!
    逃げて負けて生き恥を晒すくらいなら、死しても勝って名誉を掴んでくれる!!」

打撃を受け朦朧とする意識の中でバスクは脳裏に幻聴を
……否、確かに、聞き覚えのある少女の思惟が走った。

   『――バスク大佐!ここです!』

バスク「セイラ・ソデシロ、私を導いてくれたか……
    信じるぞ、そこに打ち込めば勝てるのだな!」


思惟に従ってギドラの肉体にクリーンヒットする巨拳と大きく宙に浮くギドラ。
その効果は絶大で、殺しきるには足りないものの。
衝撃で右の頭は吐血、左の頭は失神、中央の頭に至っては首の骨が折れていた。

反対に限界を迎えたブライハイトはバスクのバインドワッパーと同じように砕け散った。
これによりバスクは命を落としたのだった。
……その直後にコンパチクイーンの必殺光線と地球破壊爆弾が加われば耐えられる者はいない。
グランドギドラはこの2つ……いや、3つの強力な攻撃によって消滅したのだった。




このバスクの決死の戦いによりフェイは戦闘中かろうじてイドを抑え込む。
それと同時に自分を恥じた…バスクですら己の意地を賭けて戦う男に変わることができたのに自分はオーマジオウ(月光仮面)の死やイドに振り回されていることに。
だが、それによりギドラ討伐により奮起することができたのだった。


アルトリアは見ていた。
長髪の少女と共にバスクが手を繋ぎ、その魂が天へと昇っていく光景を。
彼の死の前後まで視界を共有していたアルトリアの眼には確かに見えた。

アルトリアは涙して彼の形見であるゴーグルを拾い、戦いの中で破れた帽子の代わりに身に着け、共に戦ったモブパイロットたちと共に彼に向けて敬礼をした。


バスク・オムはこの殺し合いが始まる以前から冷酷な暴君であり、お世辞にも有能な人物とは言い難かったかもしれない。」
だが、この殺し合いでは殺した人数より守った人数の方が多いのも事実である。
例え一瞬の輝きであろうと、紛れもない英雄の一人。
そして誇り高き巨人の戦士(ティターン)でもあった。



―――――


時は進み、主催戦に移る。
新たな仲間と魔法少女のドレス『G・ドアーズ』を得た彼女は主催の一人であり進行役であったアッシュと相対する。




アッシュはアルトリアに向けて、かつて元ロワで蹂躙したバスクを徹底的にコケにして挑発する。

アッシュ「趣味の悪い眼鏡ですね。
     そんなにバスク・オムが気に入ったのですか?
     傲慢で無能、人格者でもなければスパイに容易く操られ、寝首をかかれたような情けない男なのに」

アルトリア「バスクは確かに傲慢で無能、卑怯で差別的で悪い大人で、偉ぶってるけどなんか抜けてる変なおじさんではあった」

アルトリア「だけど、魔竜をも恐れず立ち向かう男であり誇り高き戦士だった。
      あなたごときが、彼を馬鹿にする資格なんかどこにもない!!」


アッシュ相手に追い詰められたアルトリアであったが、彼女の精神に呼応するようにここでドレスが限定解除形態を開放する。
その名はG・ドアーズ Evo……またの名を『ムーン・G』

見た目はムーンガンダム+ランサーアルトリアのようであり、アルトリアの成長に合わせてドレスが進化している形であった。
そのドレスの力はアッシュを絶対の者としていたデバフや理の刻印をアヴァロンの力で全部はがされてしまい、サイコプレートのラッシュにより一転攻勢を受けたアッシュ。
ここは一度退いて態勢を立て直すべきだと、ワープを使って逃げようとするが仲間たちが逃げ道を塞いだ。



アッシュ「こ、これでは以前と同じーー」



アルトリア「剣よ白き月をともせ! 黒き巨人の咆哮と共に! エクスカリバー!!!」

アッシュ「私はまだ高みへは...うわああああああ!!」


聖剣と化した法器から放たれた極光が巨人のような腕のようになり、その魔力の波がアッシュを握りつぶすように覆い、灰にした。
バスク・オムの――巨人の戦士の魂は、確かに一人の少女に正しく引き継がれた……赤いゴーグルと共に。

タグ:

リピロワ2021
+ タグ編集
  • タグ:
  • リピロワ2021
最終更新:2025年05月21日 14:35