【名前】ヴァーミリオン・CD・ヘイズ
【出典】ウィザーズ・ブレイン
【性別】男
【名セリフ】
うまい話には裏がある。有史以来変わることのない、世界真理のひとつだ。

【本編での動向】
錬やフィアの名前を知っていたことから、少なくとも4巻以降から参戦したと思われる。

そんな彼が最初に目撃したのは、支給品のケーキに貪りつく銀時、ユーリ、ゴローちゃんの姿だった。
殺し合いの場であるというのに能天気に構える3人に呆れつつ、全員で情報交換を開始。
しかし、現代日本のゴローちゃん、ファンタジー世界のユーリ、リアル世紀末のヘイズ、色々と間違ってる銀さんの4人の持つ情報はてんでバラバラ、およそ役に立つものはなかった。
仕方ないので二人組に分かれて銀さんに同行、他の参加者を探すこととなる。
そんな中出会ったのは一般人のえる。しかしこれが曲者だった。
とかく何にでも興味を持つ好奇心旺盛な性格をしていた彼女は、ヘイズや銀さんも巻き込んで色々な場所や物に首を突っ込み続ける。「私、気になります!」の言葉は一時期二人のトラウマになりかけたほどであり、銀さんに至っては「こいつの疑問に答えられる名探偵探そうぜ……」などとげっそりした顔で呟いていた。
なお、この時は実際に名探偵のネウロに遭遇していたのだが、纏う雰囲気があまりにやばすぎたため会話もそこそこに別離している。

そんなあらゆる意味で殺し合いに似つかわしくない3人を襲ったのは、後ろ姿から銀時をラグナと勘違いしたジン=キサラギであった。

ジン「ハハッ!ついに見つけたよ、兄さん!」
銀さん「おいおい、人違いですよー、って刀こっちむけんな!危ないって!」
ジン「さぁ、今度こそ殺してあげるよ兄さぁぁぁん!」
銀さん「ヤンデレブームはとっくに過ぎてるんですがチクショー!」
ヘイズ「お前随分と物騒な弟いるんだな!?」
える「実の家族がこんなことになるなんて……一体どういう経緯があったのか、私気になります!」
銀さん「さっきから人違いだっつんでろぉ!?」

奇襲されたものの、元から剣技に優れる銀時と予測演算で60倍速みたいなふざけた加速度でない限りは生身で完封可能なヘイズのコンビはやけに噛み合っており、ジンという実力者相手に一歩も引かずに押し勝つことに成功。
さらにジンを追ってきたラグナの加勢もあり、ジンを撤退に追い込むことができたのだった。
なお、ジンに狙われるという理由で銀さんはラグナ率いるSOS団に引き取られることになる。

銀時(やっと離れることができたぜ……)
ヘイズ(この裏切り者がっ!)

しかして、両者の心情は決して穏やかなものではなかったそうな。

そうして銀さんとラグナと離れたヘイズとえるであったが、解散後時を経ずして辺りに戦闘音が鳴り響いていることに気付く。
もしやと思いラグナたちを追ってみると、そこには完全武装した>>4527ことニーナたんが杉田コンビと戦っていた。
主催も務めたことのあるニーナたん相手に流石に分が悪かったのか、意外にも苦戦する杉田コンビにヘイズも加勢するが……

ヘイズ「破砕の領域が効かねぇ……!? 野郎何を……」
ニーナ「伊達に主催やってるわけじゃないわ! あんたらの能力なんて最初からメタってるに決まってるじゃない!」

皮膚表面に龍使いの絶対情報防壁を刻み、情報解体のことごとくを無効化するニーナたんにヘイズも打つ手がなかった。
辛くも攻撃の全てを回避し、撃ち落としつつヘイズが叫ぶ。

ヘイズ「今から切り札を使う、その隙を逃がすな!」

そして弾かれる指の音と共に、ニーナたんの装備・外部装甲諸共半身が消飛んだ。
虚無の領域。
その圧倒的な演算速度故に使用後は3時間はI-ブレインの全機能が停止する文字通りの切り札。攻撃の隙を突くまでもなく、ニーナたんはその命を露と散らしたのだった。

戦いが終わり、駆け寄ってくる杉田コンビの無事な姿にほっと一息をつく。
そうして戦いに巻き込んだことを謝罪するラグナに、ヘイズは笑いながらこう言った。

ヘイズ「気にすんなよ、いつものことさ。死にそうな目に遭うのもいつものこと、それを切り抜けるのもいつものこと。もう慣れた」

そうして彼らは真に信頼関係を築くことができ、何かあったら呼んでくれというラグナたちに無線を手渡される。
そして両者は再び別れたのだった。

その後はえるにせがまれ情報制御理論や元の世界の情勢などを説明していたヘイズだが、I-ブレイン回復まであと少しというところで邪魔が入る。
ジン=キサラギの再びの奇襲。I-ブレインがなければ所詮鍛えた一般人に過ぎない彼に、超常の力を持つジン相手に戦える道理はない。
必死の思いでえるだけは逃がすことに成功するも、遂にジンに捕縛され、刀を突きたてられることになる。
ラグナたちの居場所を言え、そうすれば殺さないでおいてやる。そう嘯くジンに、ヘイズはしばし思い惑う。

わかっている。
おれは正義の味方じゃない。
この状況で何を迷う必要がある。
ヘイズは自分に言い聞かせ、何度も何度も言い聞かせ、
とうとう、叫んだ。

ヘイズ「誰が仲間を売るかよ、ブラコン野郎! あんま空賊舐めてんじゃねぇぞ……!」

そう啖呵を切ったヘイズに、失望した顔つきで刃を突き刺すジン。
あっけない最期だったな。そうヘイズが考えたとき……
雄たけびを上げて乱入してきたのは、他ならぬラグナと銀時だった。

ヘイズに手渡した無線から何も応答がなく、それどころか何か争う音が聞こえてきたことから、ラグナたちはヘイズのいるであろう場所までやってきたのだ。
そうして怒りに任せての杉田コンビの絶妙な連携攻撃もあって、再びジンは撤退を余儀なくされる。
すまない、俺の事情に巻き込んで、あまつさえこんなことに。
そう謝るラグナと、何とも言えない顔つきで自分を見つめる銀時を前に、しかしヘイズは笑みを浮かべる。

自分は甘いのだろう、と思う。
いつだってそうだった。
仕事を仕事と割り切れず、感傷に流されて危険を背負い込む。報酬をふいにして、貴重な装備を無駄にした挙句に、増えるのは生傷と借金ばかり。
もっと利口になれ――そう忠告されることもあった。
いつか死ぬぞ――そう諭されることも、たびたびだった。
だが、それがどうした。
それが賢いやり方だというのなら、おれはバカのほうがいい。
そうしなければ生きていけないというのなら、人生なんてろくなもんじゃない。
たぶん、どんなに頑張っても、オレは、こんなふうにしか生きられないのだ。
だからこそ―――

ヘイズ「眩しいな、空」

だからこそ、自分が死ぬのならこういうものなのだろうとわかっていた。故に、後悔など微塵もない。
雲上航行艦からではない、地上から眺める生まれて初めての本物の青空。それを目に焼き付けながら、異端なる空賊は静かに目を閉じるのだった。

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最終更新:2013年11月17日 21:11