【名前】 アドルフ・ラインハルト
【出典】 テラ・フォーマーズ
【性別】 男
【年齢】 27歳
【名ゼリフ】
「待ってろ…電ッ 今助ける…!! 道(そこ)を……退け!!」
「そうだな。もし、生きて帰ることができたら。その時はもう、嘘を吐かないで生きよう」
【本ロワの動向】
原作死亡後より参戦。
心臓が止まり、確実に自分は死んだのだという自覚があるにも関わらず生きた状態で会場に連れてこられた彼は、とりあえず現状を把握するために他の参加者を探すことに決める。
捜索を開始してまもなく、すぐ近くで戦闘音がすることを察知し急ぎ駆けつけると、そこにはヴィルヘルムに襲撃されている電とキラの二人の姿があった。
生粋のバトルジャンキー・人種差別者であるヴィルヘルムに二人を見逃すつもりは存在せず、故にアドルフは年若い少年少女を見捨てることができずにヴィルヘルムに挑みかかる。
戦いは一方的なものだった。
電撃を操るアドルフにヴィルヘルムはかつて自分が逃した獲物であるベアトリスを想起し、遊び気分だったキラ・電の時とは違い本気で殺しにかかってくる。対して能力自体はベアトリスの下位互換とも言うべきアドルフが、ベアトリスと拮抗可能なヴィルヘルムに敵う道理はなく、善戦するも肉体の節々を削られた末に地に伏せてしまう。
同胞相手とはいえ容赦はしねえ、ここで死ね。そう笑いながら腕を振り上げるヴィルヘルムに、キラと電すらアドルフの死は回避できないものと考えたが―――
―――一度停止した人の心臓は。魂が、生きる意志が、まだ其処に在れば。
―――再び熱く、現しく、鼓動を刻み始める。
それは望外の奇跡だったか、それとも必然か。アドルフの止まった心臓は電気マッサージにより再び動き出す。
最早死に体、戦闘はおろか立ち上がることすらできないような有様にも関わらず、それでもアドルフは決して諦めない。
護るッ!護るッ!!護るッ!!! こいつらをッ!!!
その一念、ただそれだけを寄る辺に傷だらけの雷神は再び立ち上がる。
だがいくら精神面で相手を上回ろうと、打倒するだけの戦力がなければ先ほどの二の舞となってしまうことは必定。
命運ここに尽き果てるか、ならば刺し違えてでもとアドルフが考えた瞬間。
ニコラ「輝きを持つ者よ。尊さを失わぬ若人よ。ならば呼べ、私は来よう」
黒い襟巻がたなびいて、閃光が奔る。―――雷鳴が轟く。
そこにいたのは
ニコラ・テスラ。狂気なりし《雷電王》。
助けを呼びに行ったキラにより救援に来た彼、奇しくもアドルフと同じ電撃能力者であるところの彼は迷うことなくアドルフの味方につく。
ニコラの援軍により形勢は完全に逆転。ここに至って聖書無双を開始したアドルフは、ニコラと共に見事ヴィルヘルムの撃退に成功したのだった。
戦闘終了に息をつくも、しかしアドルフが戦闘で負った傷は深く、中には致命傷となっているものまで存在した。
自分はここで終わる。最期に誰かを助けることができてよかった。そう述懐するアドルフと死なないでと泣きつく電、マモレナカッタ……と呟くキラの三人を前に、しかしニコラは平然と一言。
ああ、それならアテがある。と
負傷したアドルフを抱えた一行がニコラの案内のもと最寄の建物に入ると、そこにいたのは大蛇丸とジェレディの二人。
アドルフたちと会う前から二人に出会っていたニコラの紹介により、死に掛けたアドルフはG細胞と柱間細胞の移植手術を受けることとなる。
え、柱間はともかくG細胞は細胞の側に取り込まれるって?チート科学者が三人もいるんだから問題ない。
こうして魔改造手術により生還したアドルフは、ニコラの手により死亡フラグをクラッシュされたのだった。
手術を終えた後、大蛇丸・ジェレディの二人と別れた一行はチーム・雷神組を結成。以降最終戦まで一人も欠けることなく戦っていくこととなる。
なお、ヴィルヘルムとの戦闘で放った電撃の余波で死体となっていたジェイソンが蘇生したのだが、彼らがそれを知ることは終ぞなかった。
だがほっとしたのも束の間、一行はぷらずまと電を見間違えた海平に襲撃されることに。
生体レーダーを持つアドルフがいたこと、相手は一般人だったことから奇襲されることなく対処できたが、なにぶん相手は半狂乱で聞く耳持たず。銃火器を持つ海平を野放しにすることもできず、已む無く電が彼を返り討ちにすることに。
これ以降、電とよく似た外見を持つぷらずまに一行は頭を悩ますことになる。
そして次に遭遇したのは公害怪獣ヘドラ。ただそこにいるだけで破壊をばら撒く巨大怪獣を前に、アドルフはニコラやキラと共に戦いを挑む。
しかし強靭な生命力と再生能力、そして常時垂れ流される硫酸ミストに相性的に太刀打ちできず、キラが所有していた核ミサイルを煙幕代わりに撤退を余儀なくされる(核ミサイルはアーマードコアの機体と共に大蛇丸・ジェレディコンビから譲渡されたもの)。
なんとか逃げ延びた一行がたどり着いたのは殺し合いの場所には不釣合いな蕎麦屋。なんとそこには大量の対主催が生き延びており、アドルフ一行は暖かく迎え入れられたのだった。
以後、雷神組は蕎麦屋に篭り逃げ延びてくる対主催を保護しつつマーダーを撃退するという専守防衛のスタンスを取ることに。流石兄弟のパソコンを通じて姉妹の雷と再会する電や何故か簡易AA化して2ch勢に馴染むキラを横目に、真名瀬晶にフーゼレーク食べたいと無茶振りをかますニコラを代わりに謝罪しながら、アドルフは言い知れない安心感に包まれるのだった。
なお、間食として出された蕎麦に関しては「麺類と聞いて嫌な記憶が蘇ったが、さっぱりとした風味で美味しかった」と述べている。
その後は時折襲撃をかけてくるマーダーをレーダーで探知。雷神組の仲間や悟空、晶と共に撃退し続ける。
そんな戦いの中、アドルフはふとニコラに問いかける。
かつて自分は人に憧れた。だが自分を人間にしてくれた妻は畜生に堕ち、自分も獣に戻ることできない。そんなオレは一体何なのだと。
そんなアドルフの問いに、しかしニコラは何でもない風に答える。
ニコラ「何を言うかと思えば……お前は間違いなく人だとも。貫くべき信念と他者を守らんとする強い意志。無謀だとわかってもなお手を伸ばし続けるお前が、どうして人ではないなどと言えようか」
そしてニコラが周りを見るよう促すと、蕎麦屋の面々もまた同じようにアドルフのことを認めていた。
オラ難しいことはわっかんねえけど、オメエはすっげえ強いしかっこいいぞ。アドルフさんは私の命の恩人なのです。そんな難しく考えないで気楽に生きればいいんじゃねえの?。少なくとも俺らよりかずっと立派な人間だよな、フォローすると同時に自虐するとか流石だよな俺ら。
次々と暖かい言葉を投げかけてくる彼らに、アドルフはしばし呆然とするも、しかし同時にこうも思うのだ。
オレの人生と関わった奴はみんな好きだ。そしてそれは、こいつらとて同じことだと。
だからこそここにアドルフは改めて誓う。彼ら全員を生きて元の世界に戻してやるのだと。
それが死に損なった自分にできる、唯一無二のことなのだと。
そして迎える主催戦。乱戦による混乱で電が敵地に取り残されしまい、それを深海棲艦が取り囲む。
絶体絶命の窮地、多勢に無勢の状況に電が臆し、助けを求める声が響いた瞬間。
ニコラ「絶望の空に、我らが名を呼ぶがいい」
アドルフ「必ず……っ 必ず助ける……!」
輝く紫電が闇を切り裂く。
打ち崩れる深海棲艦に囲まれて、鋭く切り込む影が二つ。
全ての制限が取り払われ、遂に本領を発揮する二人によって深海棲艦の群れは蹂躙にも近い一方的な戦いを強いられる。
制限解除による電気騎士を操るニコラ、二種の細胞を埋め込まれたアドルフの前に、雑兵とも言うべき彼女らは敵にはならなかったのだ。
ちなみにこの際アドルフはまたしても聖書無双を開始するのだが、G細胞による再生効果と的確にフラグクラッシュするニコラのおかげで危うげなく戦闘を続行していた。
こうして二人は深海棲艦を圧倒、無事に電を保護することに成功する。
その間にも主催戦は進み、遂には全てが終結して元の日常に戻ることが可能となった。
しかしアドルフは元の世界に戻ることを拒否する。曰く、死人である自分がのこのこと戻るわけにはいかない、と。
ならばお前はどうするのだと至極真っ当な疑問を呈されるも、そこにニコラと電が割り込んできて―――
帝都防衛の要、横須賀鎮守府。
最近複数人の受け入れがあったその場所に、アドルフの精力的に働いている姿があった。
電が持ちかけた提案とは、行く宛てがないのならば自分たちの世界に来てくれないかというもの。
満たされぬ思いを抱いて魔に堕ちた深海棲艦と、それに対抗する艦娘たち。そんな自分たちをどうか助けてはくれないか、と。
戦力的な意味での打算ではない、純粋にアドルフと離れたくないがための電の提案に、アドルフが否と言えるはずもなかった。
こうしてアドルフは同じく艦娘たちの世界へとやってきたニコラ、レオ、拓巳、シンと共に横須賀鎮守府に所属することとなったのだ。
その強面と素っ気無い態度から当初は怖がられていたアドルフだったが、生来の優しさがすぐに露呈したことですぐに頼れるお兄さんとして艦娘たちに慕われることとなる。
元の世界と同じく戦いが日常となる日々。しかしアドルフの顔には後悔や苦痛の色は全く存在しなかった。
自分を慕ってくれる子らを守るために。アドルフは提督としての日々を送っている。
最終更新:2014年12月14日 10:24