【名前】 ルサルカ・シュヴェーゲリン
【出典】 Dies Irae
【性別】 女
【年齢】 数百歳(外見は十代前半)
【名ゼリフ】
「あなた、自分はここで死なない人間だ、なんて思ってる?」
【人物】
外見は可愛らしい少女であるが、気まぐれに自分の快楽のためだけに他者を弄ぶのが趣味というサディスト。
その正体は黒円卓に所属する前から魔道に足を踏み入れていた生粋の魔女。長く生きてはいるが俗物であり、黄金練成がもたらす不老不死を目的に黒円卓に属している。
実は第二次大戦下においてロートス・ライヒハートという青年に自覚のないまま恋慕を抱いていたのだが、戦争により死別してしまっている。
前述の不老不死への渇望は、そんなロートスの「刹那を愛する」という言葉を追いかけ、自分が彼の愛する永遠の刹那になりたいという気持ちから来ている。
しかしいかんせん無自覚なので、不老不死を追い求める理由は単に死にたくないからだと誤解している。
能力は影に触れた者の動きを止める「拷問城の食人影」。元となった渇望は「他者の足を引っ張りたい」というろくでもないものだが、これは愛する者に先に行かれる嘆きであり、根底にあるのは純粋な愛である。
ちなみにルサルカは偽名であり、本名はアンナ。
【本ロワの動向】
共通ルートからの参戦。
優勝を目指すのも一興と考えるも、ラインハルトやマキナまでが参戦していることを知ると即座にそれを諦め、保身優先の方針で行くことを決める。
つまりは積極的に殺しはしないが対主催行動も取らない愉快犯的立ち位置であり、実際ルカさん相手に逆レをかますなど黒い意味でロワを満喫していた。

しかしそんな彼女も、ヴァンと出会ったことで大きな変革を迎えることとなる。

童貞臭がぷんぷんするヴァンに早速ルサルカは襲い掛かるも、直前にキアラという似たような存在に遭遇して警戒していたヴァンにかわされてしまう。
その上ルサルカが幼い容姿をしてたこともあり、「止めろ、はしたない! そういうことはお嫁さんになってから好きな男とやれ!」と言われてしまう。
が、実はルサルカが魔女になったきっかけの一つは魔女裁判にかけられた時に夫に見放されたからでもあり、嫌なことを思い出させた腹いせにと執拗にヴァンの言うところのはしたない真似をしにかかる。
しかし、常人離れした身のこなしで意地でも童貞を貫こうとする姿勢や言動にルサルカは強い興味を抱く。
こうして嫌がりつつ逃げるヴァンをからかいながら追いかけるルサルカという凸凹コンビが誕生するのだった。
どれくらい凸凹かというと、
誰にも追いつけない魔女と、延々と追い続けた男
夫に裏切られた女と、ただ一人を愛し続けた男
ビッチと童貞
という見事なまでの対極っぷりである。

その後は九郎やテリオンのいる大規模対主催グループに遭遇、九郎を誘惑して危うく18禁展開になりかけたり、蕎麦屋に立ち寄って妙に親近感を覚える二人と出会ったりなどしている。

そんな道中、段々観念してきたヴァンとの会話で彼が婚約者の敵討ちに生きてきたことを知る。
じゃあ黄金練成のついでに生き返らせてあげようか。ヴァンに対しそんな思ってもいないことをからかいとして言ってみるも、しかし返ってきたのは今までの無気力な彼らしくない拒絶であった。
「てめえもカギ爪と同じか?」
ヴァンが帽子を深くかぶり直してそれきり黙ったためその時は空気がぎくしゃくするに留まったが、後の呪怨城や主催者との戦いでルサルカは彼の答えを聞くこととなる。
死んだ人間は帰ってこない。お前は俺からエレナの死を奪うつもりか。
憎しみのままに復讐を果たしながらも、空っぽになることなく永遠の愛を叫びながら生き続けるヴァン。
愚直なまでのその思いにルサルカは相変わらずな軽い態度で対応するも、しかしその胸中では言い知れないナニカが湧き上がってくることを感じるのだった。

ロワが進むにつれ、ラインハルトや藤井蓮といった因縁ある強者が次々と脱落していくも、しかし優勝を目指そうという気には何故かならなかった。
それはヴァンとの触れ合いが関係しているのだということはわかっていたが、しかしそれが具体的に何なのかは自覚することができず、遂には主催戦に突入することになる。

合流したなのはに「いい歳してリリカル☆マジカルなんて恥ずかしくない?」などと言ってぐぬらせつつ、主催戦に赴くヴァンに同行することを決める。
お前のことだから安全地帯に引きこもるとばかり思っていた。そう呟くヴァンに、自分でもよくわからないと返しつつルサルカは自分でも理解できていない焦燥に駆られながら、戦いの場へと挑むのだった。

ヴァンとルサルカ、そしてリーゼロッテや弓塚さつきの挑む相手は黒騎士。それぞれが生半可な実力では勝ち目も見えない強敵ながら、ルサルカたちは優勢に戦いを進めていく。
しかし戦いの終盤、スペルビアの放つ斬撃が、ヴァンに向かう光景を目の当たりにする。
このままではヴァンは切り裂かれ、命を落とすだろう。しかしそんな予想とは裏腹に、そんなことは起きなかった。
ルサルカは、自分でも気づかないうちにヴァンを庇い、その斬撃を自らの身に受けたのだった。

事ここに至って、ルサルカは全てを理解する。

何故ヴァンのことがこれほどまでに気になっていたのか。何故彼のことを追い回していたのか。それが今はっきりと理解できた。
ロートス。彼とヴァンが、何故か重なって見えたから。かつて自分が恋情を抱いた男と――今更ながらにそれを自覚した男と、ヴァンがあまりに似通っていたから。

当然、外見や口調などはまるで違う。けれども、それを度外視して強く思うのだ。
ヴァンが自分に語った死人は生き返らないという思想。それはロートスの語った理想と根底を同じくするものだ。
愛する刹那を永遠に。死んだ人間は帰ってこない。過ぎ去った過去を追憶するその在り方を、ルサルカはヴァンの中に見て取っていたのだ。
だからこそ、ルサルカはふと、ヴァンに問いかけた。

ルサルカ「ねえ、あなたは今でも……刹那が、愛しい?」

誰かと過ごした一瞬を、誰かと紡いだ過去を。
それを今でも大切に思うか。そんなわかりきった質問をヴァンに問いかけた。

ヴァン「……何言ってるかさっぱりわかんねえよ」

それに応えるのは、ヴァンの苦々しい表情。
返ってきたのはそんなどうしようもない言葉だったけど、答えなんて言われなくても理解しているから問題はない。
それより今は、胸を駆け巡る幸福を押さえきれないのだ。

ルサルカ「ほんと……バカね、あなた……」
ヴァン「お前に言われたくはないな、アンナ」

そんな悪態を吐きながらも、しかしルサルカの胸中は満ち足りたものだった。
この刹那にようやく思い出せたロートスへの愛情。それがたまらなく愛おしい。
最期に掴み取ったこの想いこそが、ただ一人の女として、駆け抜けた刹那に追いついた証なのだと思いたい。
今、捕まえたのだと信じたい。
私は今、心だけ少女に戻って―――

ルサルカ「愛してるわ、ロートス……」

差し出された手を握り、そっと呟くのだ。
あの日伝えられなかった想いを、真実とするために。

ルサルカ「今度は……私が、先に行く……」

末期に見たのは幻想か、それ以外の何かか。
アンナ・マリーア・シュヴェーゲリンは、魔女ではなくただ一人の女として目を閉じるのだった。

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最終更新:2014年06月04日 14:50