【名前】藤井蓮
【出典】Dies Irae -Acta est Fabula-
【性別】男
【年齢】16~17歳
【名ゼリフ】「時よ止まれ。お前は美しい――ああ、言い切れるさ。楽しかった、楽しかったんだ。
       こんな世界、殺し合いの中でさえ。
       俺は、SOS団のみんなと出会えて満足だ!」
【支給武器】スマートフォン@現実、アロンダイト@スーパーロボット大戦Z

【本ロワでの動向】

原作マリィルートより登場。
既にマリィと想いを交わし合った後、流出前より参戦。
平和主義者でなんてことのない日常を大事にしている…こう書けばギャルゲを問わず主人公にはよくあることだが、蓮の場合はそれが行き過ぎているのが個性になっている。
その異端さは、「愛すべき一瞬を永遠に味わいたい」という渇望を世界に流れ出させ、自身と共に過ごしたいと思う者以外の時を完全に停止させてしまうほど。
蓮と蓮が愛したものだけによる誰も失わず何も変わらい世界。
新たな生命が誕生する可能性が殆ど無い永劫停止の世界は、本人も嫌悪する通り、地獄といっても過言はないだろう。
また「失ったものはもう二度と戻らない」「失って戻ってくるものに価値はない」など独特の価値観を持ち、「だからこそ今あるものを大切にするべき」として、非常に仲間思いな反面、仲間以外にはいっそ冷淡でさえある。
ロワで喩えるのなら、仲間を失わないためなら、マーダーを容赦無く殺しにかかり、仲間以外の者たちの犠牲も黙殺してしまう、それが藤井蓮である。


本ロワでは見せしめとして幼馴染を殺されてしまうという最悪のスタートを切る。
日常の象徴である幼馴染を失った蓮は、前述の価値観故に、玲愛ルートの如く幼馴染を取り戻したいとも思うことさえ自分によしとできずに葛藤。
そんな心身状態で「奪られたら、奪り還せ!」を信条とする奪還屋の美堂蛮と出会ってしまったため、互いに心底反発。
ロワとしても厨二としても珍しい、チートな対主催同士による能力抜きの本気の殴り合いへと発展する。
互いにこいつが気に食わないと、その一念だけで殴りあう二人。
が、そこに全てを台無しにするかのごとく強者大嫌い球磨川禊が乱入。
『そんなの失ったことも奪われたことも、なかったことにすればいいじゃないか』
死すらなかったことにでき、死者すら蘇らせられるクマーからすれば、本気の提案だったのだが、聞いた二人は激怒。
蓮は取り返しがつかないからこそ失ってしまったものには価値があるのだと叫び、蛮は奪われたものを大切と思うのならばこそ奪り返すべきなんだとし、共に“なかったことにしてしまうこと”を拒否。
「「てめえはお呼びびじゃねえんだよ!」」と男同士の喧嘩に割って入ったクマーを意図せず息のあってしまったパンチにより一蹴。
互いに気概を削がれ、下手に相手の本音が分かってしまったせいでもう一度殴り合う気にもなれなかった二人は決まりが悪そうにしながらも拳を下ろすことに。
「悪かったな。その、そっちの気も知らずに八つ当たりしてさ」「言い訳すんな! ……テメェにとって譲れねえとこだったんだろが」
こうして、なんだかんだで手を組むことになり、通称カドケウス(双頭の蛇)コンビを結成。
互いに蛇を象徴とするこの二人、言い忘れていたが共に男ツンデレである。
これより先二人は、友情でもないし当然愛情もない、けれど確かに絆はそこにある。
友達というより仲間、まるで主人公とライバルかのような不思議な関係を築くこととなる。

そのまま続く話で涼宮ハルヒと遭遇し、一方的にSOS団の団員にされてしまう。
ハルヒに自らの武器であり愛する人でもあるマリィが支給されていたこともあり、蓮にとっては戦力的にも精神的にも大きなプラスとなった。
ただし平和な日常を愛する蓮と退屈を嫌い不思議を探すハルヒとでは水と油であり、蛮との喧嘩に引き続き、またしても諍いを起こしてしまう。
流石に手を上げることはなかったものの、マリィの静止も聞かず、うんざりする蛮を尻目に、二人して延々と口喧嘩を繰り広げる。
結果、御機嫌斜めになったハルヒがチームより一時離脱。
蓮は蓮で探しに行かないのかと問われても、いいんだよあんな奴と拗ねるばかりであったが、鬼柳京介の襲撃にあい事態は一変。
在りし日の自分とチーム・サティスファクションをハルヒとSOS団に重ねた鬼柳により、目の敵とされ、拐われるハルヒ。
蓮は未だにぐずっていたものの、奪り返したものが本当に無価値かどうか教えてやると蛮に引っ張られ、鬼柳と対峙する。
戦いの最中、鬼柳がダークシグナーという冥界の王に蘇らされた死人であることを知る。
“失った物は戻らない。だからこそ今あるものを大事にしたい”蓮には死者の生を認められるわけがなく、カードゲームとの戦闘経験のある蛮の援護もあり、地縛神を滅ぼした。
しかし、愛すべき一瞬に留まれず、本当に大切に思っていた仲間も失ったことで、不満足に陥っていた鬼柳自身に対しては、自らの在り得た末路として思うところがあった様子。
ハルヒが無意識ながらも鬼柳を現世に引き止めた時は、複雑な心境ではあったが、鬼柳の仲間入りと刹那オブサティスファクション団の設立には反対しなかった。
鬼柳主催のデュエル教室の傍ら奪還もたまには悪くなかったろとしたり顔で声をかけてきた蛮に対しても、素直でないながらも頷いていた。
原作からして自分とは正反対の未知を求める人物を親友としていただけあり、蓮はSOS団の仲間達に対しても憎からず思うようになっていく。
尚、その親友の未来の可能性である天魔・宿儺の名が放送で呼ばれた時には、訳がわからぬままに一筋の涙を流し、マリィやハルヒを心配させた。

結成後しばらくして新メンバーとして加入したアーチャーとも、同じ事を永遠に繰り返すことのどこがいいのか理解に苦しむと呆れられつつも、平和な日常の尊さを知る者同士、良い感じで付き合えていた。
ハルヒや鬼柳の暴走時には主に蓮とアーチャーの二人が抑え役になっており、貧乏くじも二人で引いていた。
また、どんな聖遺物でも使いこなせるという蓮の特性上、アーチャーの投影とは相性がよく、ただでさえチートなSOS団のチート化が一層進むことに。
蓮の渇望は防御に特化していたため、非戦闘要員であるハルヒを護ることも苦ではなかった。
そのため、外敵に対してはほぼ無敵といっていい対主催集団だったが、思わぬ危機が内側から生じてしまう。
イエス・キリスト東風谷早苗らと合流したことで、ただでさえ揺らいでいたハルヒの常識の壁が決壊し、能力の暴走が頻発しだしたのだ。
閉鎖空間が次々と発生し、神人の対処に駆り出されるSOS団達。
ことここにいたり、ハルヒの異能が自分たちのものと同じ渇望から生じたものであると推測した蓮は、ハルヒに自らの渇望を正しく認識させ、それが周囲にどういった影響を与えるかを考えさせることで、能力が制御できるよう促す。
偉大な先人であるキリストの導きもあり、ハルヒがある程度能力を制御できるようになったため、なんとか事なきを得る。
この一件で蓮自身もまた、自らの能力が流出した時の影響を考えだすこととなる。

記憶を取り戻した夜神月とデスノートを巡る騒動では、月を疑う蛮の肩を持つ。
そのためハルヒと再び剣呑な雰囲気になってしまうが、蛮の危惧したとおりに月が人殺しであったことがキリストのおかげで発覚。
創造による時間停滞により月がデスノートに名前を書くことを妨害し、蛮によるノートの奪取をアシストする。
自らの能力ゆえに月の死体から回収したスタンドの矢の危険性を理解したため、これを破壊した。
信じていた月に裏切られ、目の前で初めて人に死なれたハルヒの慰めにも尽力。
前述した性格もあり、ヨハネ・クラウザーⅡ世達と合流した時は一貫してハルヒ側に立っていた。

ともすれば対主催集団の内部分裂に発展しかけた諍いは偶然にもシックスのおかげで終息。
誤解が解け対主催は一致団結するも、各地でマーダーが大規模な厄災を引き起こしていたこともあり、一度、チームを分けてそれぞれに対処して回ることとなった。
蓮は遠目にも分かる規模で繰り広げられていた黄金大戦を幕引くことを決意。
賛同してくれたSOS団の皆と共に原作からの因縁を終わらせようと、ラインハルト・ハイドリヒとの決着に向かうも、そこに天魔・夜刀が顕現。
夜刀本人の弁とそれを裏付けるアーチャーの存在により、夜刀が未来の自分であることを否が応にも認めざるを得なくなる。
meaning of birth。生まれた意味、そして生きる意味、生き恥をさらした意味。
許せない、認めない、消えてなるものか。
もはや未来への希望は繋いだ。それでも生き恥をさらせというのなら。
愛しい者を守りたいと渇望しながらも守れなかった自らへの悲憤――それだけが我が全て。
その全てをぶつけてくる自分自身に、全てを奪われ、それでも女神への愛に生きた夜刀に、蓮もまたマリィへの愛を叫ぶ。
奪わせない。俺の女は、絶対に奪わせない。
それはかつて夜刀自身も抱き、されど叶わなかった想い。
その渇望を叶えてみせるというのなら、この俺を超えてみせろと、遂に太極・無間大紅蓮地獄が展開される。
蓮もまた、自らの完成形である夜刀との戦いを通じて至った流出・新世界へ語れ超越の物語で対抗する。
激突する2つの時間停止の理。
渇望は同じであれど、年季を得た分地力では圧倒的に上である夜刀に蓮は次第に追い込まれていく。
けれども、全てを奪われ独りになってしまった夜刀とは違い、蓮にはマリィが、そして本来得るはずのなかったSOS団という仲間までいた。
絆というレギオンと力を合わせ、随神相として天使と悪魔の羽を持ち無限の剣を鱗とする百眼の青き双頭の蛇を生み出す。
かつて自らがラインハルトを打倒した時を思い起こさせる既知のような未知に思わず瞠目する夜刀。
互いの随神相と自身をも賭した全身全霊の一閃の打ち合いに於いて刹那といえど出遅れてしまった事実は余りにも大きかった。
そして己が首に伸びる女神の抱擁を夜刀が振り払えるはずもなく、ここに人間<<刹那>>が神<<永遠>>を打ち破る。
それは新世界へと語る超越の物語。
愛した女神の在りし日の姿を奪り返した夜刀が、刹那に還るのを仲間達と見送った。

時を同じくしてラインハルト以外の全マーダーが各対主催達の手によって撃破される。
とはいえ、対主催側の消耗も激しく、強敵であるラインハルトととの戦いに万全を期すために、一休み入れることに。
原作での約束から、仲間達との打ち上げに一段と思い入れのある蓮は、鬼柳がマーダー時代に襲っていた巴マミと一本満足で速攻和解している姿にツッコミを入れたりしてはいたが、なんだかんだでマリィ共々ハルヒや鬼柳のノリに合わせ大いに楽しんでいた。
蛮やアーチャーと確かに笑い合っていた。

されどどこまで行っても彼らは刹那で、永遠ではなくて、団欒の時間にも終わりがある。
首輪解除に合わせ、ラストマーダーであるラインハルトを残しつつも、突如主催者より最終決戦の始まりが告げられる。
大極に手をかけた主催者を倒すには、大極に至っている者の力が必須であると夜方により伝えられていた蓮達は、ラインハルトとの決着を天野銀二達に任せ、黒のカリスマとの決戦に挑む。
蓮はアーチャーと協力し、ハルヒ達非戦闘要員の防御を担当。
蛮の邪眼の効果を、涅槃寂静・終曲による体感時間の引き延ばしで倍増させたりとサポートにも力を発揮し、黒のカリスマが駆るカオス・レムレースを一切の犠牲を出さずに撃破する。
しかし、それだけでは黒のカリスマは、否、ジ・エーデル・ベルナルは終わらなかった。
太極への旅人を称するジ・エーデルは、次元力により並行世界の自分を呼び出し、持久戦を展開。
延々と蘇り続けるジ・エーデルに対し、蓮達は次第に消耗し、追い詰められてしまう。
頼みの流出による時間停止も、ド・マリニーの時計@デモンベインシリーズで対策してくるジ・エーデルを捕らえ切れない。
“座”に至り、神として流出すれば、ド・マリニーの時計を持ったジ・エーデルといえども時間停止できはするが……。
夜刀との戦いを通して、自分の流出のろくでもなさを知った蓮には、自分が神になるという選択肢はなかった。

なればこそ人として、蓮は刹那に手を伸ばす。
ハルヒ達を護るために崩れ落ちる蛮。
絆を育んできた彼の死に一瞬動きを止めてしまった隙を突かれ、蓮もまた意識不明の重症を負ってしまう。
夢に見しは永劫停止の理が流出した世界。
悪夢に苦しむ蓮に、しかし、

「もしもテメェが言うようなろくでもねえ未来が来たとしても、俺達ゲットバッカーズが失われた刻を奪り還してやる」

どこかから声が響き、世界は色を取り戻した。
蓮は気付く、これが美堂蛮による四度目の邪眼が遺してくれた夢なのだと。
そして蛮の存在が忘れ去られるよりも早く目を覚ました蓮は忘れてやるものかと消え去ろうとしていた蛮の存在した記憶を停止させる。
蛮だけではない。
マリィが、ハルヒが、鬼柳が、アーチャーが、藤井蓮にとっての宝石だった。
愛すべき刹那だった。

「時よ止まれ、お前は、お前達は美しい」

イカれた戦争バカ達に日常をめちゃくちゃにされて、その上今度は殺し合いなんかに巻き込まれて、ふんだり蹴ったり甚だしかったけれど。
こんなにも、強く思える気持ちを知ることができたから。こんなにも、楽しかった時間の刹那で満たされているのだから。
ああ、言い切れるさ。楽しかった、楽しかったんだ。こんな世界、殺し合いの中でさえ。

「俺は、SOS団のみんなと出会えて満足だ!」


既にしてド・マリニーの時計は、アーチャーの命を賭けた投影により効果を相殺されていた。
故に未だ太極に至れていないジ・エーデルに、蓮の全身全霊の流出から逃れるすべはなかった。
自らの止血に回していた時間停止さえ、ジ・エーデルの停止へと回してしまったがために、蓮は座に至るより先に命を落とし、時を止められたのは本当に一瞬だったのだけれど。

彼が愛した宝石たちが、鬼柳京介をはじめとした彼を愛した仲間たちが、藤井蓮がもたらしてくれた起死回生の刹那を逃すはずがなかった。

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最終更新:2013年11月27日 23:02