ロワイアル×ロワイアル@ ウィキ内検索 / 「マシュマロのような舐め心地であった」で検索した結果
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マシュマロのような舐め心地であった
マシュマロのような舐め心地であった ◆1yqnHVqBO6 遊園地を歩きまわる一人の少女がいた。 彼女はアリスゲームという名の殺し合いにおいて雪華綺晶に体を奪われた敗北者。 肉を、実体を求められローザミスティカと人工精霊を遺し、喰われた身。 彼女が恐れるのは鞄の中で永遠に目覚めることのない孤独という名の暗闇に囚われること。 だから、戦士はローゼンメイデンの本能とすら言えるアリスゲームを捨て、 孤独を奪ってくれた大切な日常を守る道を選んだ。守るために闘った。 彼女の願いは皆が傷つかず、戦わないでいられる世界。 そして最期にその思いを姉である真紅にローザミスティカと共に託した。 だが託した願いが果たされるより先に、彼女はこの地で再び体を手に入れ、 再び殺し合いをすることとなった。 少女がソレに気づいたのは出口に向かおうとする際に メリーゴーランドの側を通りがかったとき... -
馬の名前でも間違えるのは失礼
...様の託児所! マシュマロのような舐め心地であった 雛苺 王様の託児所! シュナイダー -
【金色のガッシュ!!】
...名 作者名 016 マシュマロのような舐め心地であった ◆1yqnHVqBO6 029 馬の名前でも間違えるのは失礼 ◆9n1Os0Si9I 030 王様の託児所! ◆1yqnHVqBO6 055 混迷する少年少女のバトルロワイアル ◆W91cP0oKww 058 優勝者達のエピローグ ◆1yqnHVqBO6 073 君に触れて未来が変わる ◆CFbjQX2oDg 092 鏡を見ながら人を殺そう ◆1yqnHVqBO6 113 強制型エンターテイメント判明 116 HAPPY END’s FRAGMENTS 121 黒炎のベルセルク~What a ugly warrior~ ◆W91cP0oKww ゼオン・ベル 6(6) No 登場話題名 作者名 011 修羅の雷 ◆.SDSaRdZEA 038 雷帝の調教 ◆CFbjQX2oDg 057 絆を結び/憎しみを放つ ◆W91... -
元ネタ【000~050】
...の決め台詞 016 マシュマロのような舐め心地であった 017 爆炎と砲火の中で 018 あなたは今どこで何をしていますか 癒月の楽曲「you」の一節 019 403 Forbidden 「アクセスが禁止されています」表示エラーの意 020 覚めない悪夢 021 ジジイは飛ぶよ、どこまでも アメリカの民謡の日本語訳版「線路は続くよどこまでも」 022 GUNS SAW HANDS 023 蕾 024 LittleBastard 025 両手に薔薇? ことわざ「両手に花」 026 鬼ごっこ 027 Rest In Peace 028 ロワとアヒルと仮面ライダー 『仮面ライダーOOO(オーズ)』のサブタイトル風? 『アヒルと鴨のコインロッカー』のもじり? 029 馬の名前でも間違えるのは失礼 030 王様の託児所! ドラマ「王様のレストラン」 031 迷い 032 銃... -
魔法少女ティオ! Set up!!
...チョメ!! 投下順 マシュマロのような舐め心地であった 白色のキャンチョメ!! 時系列順 マシュマロのような舐め心地であった GAME START ティオ 蕾 GAME START 吉良康介 GAME OVER -
【ローゼンメイデン】
...名 作者名 016 マシュマロのような舐め心地であった ◆1yqnHVqBO6 029 馬の名前でも間違えるのは失礼 ◆9n1Os0Si9I 030 王様の託児所! ◆1yqnHVqBO6 055 混迷する少年少女のバトルロワイアル ◆W91cP0oKww 058 優勝者達のエピローグ ◆1yqnHVqBO6 078 金色の彼に花束を 088 歩くような速さで ◆W91cP0oKww 095 そして誰かいなくなった ◆1yqnHVqBO6 096 けれど彼は前を見る -
元ネタ【001~100】
...の決め台詞 016 マシュマロのような舐め心地であった 017 爆炎と砲火の中で 018 あなたは今どこで何をしていますか 癒月の楽曲「you」の一節 019 403 Forbidden 「アクセスが禁止されています」表示エラーの意 020 覚めない悪夢 021 ジジイは飛ぶよ、どこまでも アメリカの民謡の日本語訳版「線路は続くよどこまでも」 022 GUNS SAW HANDS 023 蕾 024 LittleBastard 025 両手に薔薇? ことわざ「両手に花」 026 鬼ごっこ 027 Rest In Peace 028 ロワとアヒルと仮面ライダー 『仮面ライダーOOO(オーズ)』のサブタイトル風? 『アヒルと鴨のコインロッカー』のもじり? 029 馬の名前でも間違えるのは失礼 030 王様の託児所! ドラマ「王様のレストラン」 031 迷い 032 銃... -
【000~050】
...介 D-2 016 マシュマロのような舐め心地であった ◆1yqnHVqBO6 雛苺、シュナイダー A-7 017 爆炎と砲火の中で ◆W.z0w51WN2 雨流みねね、北岡秀一 D-5 018 あなたは今どこで何をしていますか ◆9n1Os0Si9I 我妻由乃 D-5 019 403 Forbidden ◆IRxFfnsX8c ヒミコ、美神愛 F-1 020 覚めない悪夢 ◆itvYmzV0Ds 蒼星石、宇谷九一郎 D-1 021 ジジイは飛ぶよ、どこまでも ◆1yqnHVqBO6 津幡共仁 D-7 022 GUNS SAW HANDS ◆1yqnHVqBO6 ヨキ、ハード G-1 023 蕾 ◆CFbjQX2oDg ティオ、ブック D-2 024 LittleBastard ◆Royal54O0k 乾志摩夫 G-6 025 両手に薔薇? ◆1yqnHVqBO6 金糸雀、平清、戦場... -
第一回放送までの本編SS
...介 D-2 016 マシュマロのような舐め心地であった 雛苺、シュナイダー A-7 017 爆炎と砲火の中で ◆W.z0w51WN2 雨流みねね、北岡秀一 D-5 018 あなたは今どこで何をしていますか ◆9n1Os0Si9I 我妻由乃 D-5 019 403 Forbidden ◆IRxFfnsX8c ヒミコ、美神愛 F-1 020 覚めない悪夢 ◆itvYmzV0Ds 蒼星石、宇谷九一郎 D-1 021 ジジイは飛ぶよ、どこまでも ◆1yqnHVqBO6 津幡共仁 D-7 022 GUNS SAW HANDS ヨキ、ハード G-1 023 蕾 ◆CFbjQX2oDg ティオ、ブック D-2 024 LittleBastard ◆Royal54O0k 乾志摩夫 G-6 025 両手に薔薇? ◆1yqnHVqBO6 金糸雀、平清、戦場マルコ A-1 026 鬼ごっこ ◆CFbj... -
◆1yqnHVqBO6
...、吉良康介 016 マシュマロのような舐め心地であった 雛苺、シュナイダー 021 ジジイは飛ぶよ、どこまでも 津幡共仁 022 GUNS SAW HANDS ヨキ、ハード 025 両手に薔薇? 金糸雀、平清、戦場マルコ 028 ロワとアヒルと仮面ライダー 霧島美穂、杉村弘樹、キャンチョメ 030 王様の託児所! 天野雪輝、ガッシュ・ベル、雛苺、シュナイダー 032 銃の重さ、引き金の軽さ、理想の儚さ 七原秋也、真紅、レオパルドン・パピプリオ 035 未来日記 見ない日記 意味ない日記 レオナルド・エディアール、我妻由乃 037 さあ歌え。妹讃歌だ。 ミツル 039 未知との遭遇 カントリーマン、城戸真司、朧 041 I want to cry for you 秋山蓮、桐山和雄、水銀燈 044 側に立ち、防るもの 翠星石、薬師寺天膳、ノール、乾志摩夫、来須圭悟 045 虚者/強者 チ... -
爆炎と砲火の中で
...通の鍵。 マシュマロのような舐め心地であった 投下順 あなたは今どこで何をしていますか マシュマロのような舐め心地であった 時系列順 あなたは今どこで何をしていますか GAME START 雨流みねね 化物語 《バカシモノガタリ》 GAME START 北岡秀一 -
歩くような速さで
歩くような速さで ◆W91cP0oKww 「やあ、気がついたかい」 薄ぼんやりとした視界が次第に明瞭になっていく。そして耳に入るのは低い男の声。 雛苺はぱちぱちと眼をまばたきをした後、ゆっくりと辺りを見回した。 「ここは……どこ?」 「遊園地の待合室だね。大丈夫、ここは安全だからさ」 「誰かが襲ってきても僕と弘樹が追い返すから」 杉村が見せた笑みはシャイで無愛想ながらも精一杯見せたものだった。 怖がっているのなら安心させなくては。出来ることならば彼女の不安を取り除いてあげたい。 そう思った結果、笑みが出てきたのだ。 キャンチョメもそれに付随して元来の明るい性格からなる快活な笑みを見せた。 「……おうまさんは? ガッシュは? 雪輝は? あの大きな龍は? ヒナ達は一体どうなったの?」 その何も知らぬ言葉に杉村はすぐには返答出来なかった。 ... -
水のように優しく、華のように激しく
水のように優しく、華のように激しく ◆CFbjQX2oDg まだ満月が空を支配しているころ、ローブを纏った少年が悠々自適に歩いていました。 少年は神に代わり全てを支配するために、失った妹を取り戻すために歩みを止めません。 だけど、少年が歩むと決めた道は一方通行です。 ゴールを間違ったからと行って戻ることは出来ません。一度進んだ道を簡単に変えることは出来ません。 なので少年は道を間違えないように、しっかりと下調べをし、より確実にゴールに辿り着ける道を探すことにしました。 少年は何かに導かれるようにある地点へ辿り着きました。 そこで少年が見つけたものを見て微笑みを浮かべます。 「ほぅ…これはおもしろそうだ」 少年は色々な道を模索しています。 今思いついた行為もその一つ。 何かが壊れる音がした後、少年はまた歩みだします。 ◇ ◆ ◇ ... -
”0(チャラ)”ンポランな未来
”0(チャラ)”ンポランな未来 ◆1yqnHVqBO6 ――理想はいらない。決して信じない。 天野雪輝はそう思う。 傍らに歩くウマゴンを強く意識しながら。 陽が上り、時刻は既に朝を過ぎ。 A-6はもう禁止エリアになっている。 あの時、遊園地にいた仮面の男と雛苺が どうなったのかはわからない。 仮面の男は名前を知らないから死んでいたのかもしれないが 雛苺はまず生きているだろう。 移動を始めた時は 未来日記が再会を予知するかと思ったがそれもない。 あれだけ大きな火があがったのだ。 他の参加者が集まりかねない 遊園地からはもう離れたのかもしれない。 ウマゴンを見捨てて。 雪輝達がとった進路は途中で敵に足止めされても 安心して対応することができるB-7 を経由してB-6にある橋へと至るもの。 一直線に東を通らなかったのは地図... -
ニートの異常な恐怖~また俺は如何にして働きたくねえと思うようになったか~
ニートの異常な恐怖~また俺は如何にして働きたくねえと思うようになったか~ ◆1yqnHVqBO6 躱す。躱す。 坂本は必死にボルキャンサーの攻撃を避ける。 無様であろうとも坂本には確信があった。 逃げ続けることで理解したものがあった。 この蟹の化物は生き物と言うよりは 何らかのプログラムに基づき行動している。 つまりはゲームの敵モンスターに近いのだということを。 ならば坂本にとっては相性の良い化物と言える。 ゲーマーが強敵に勝つのに必要なのは繰り返し。 そしてそこから導き出す攻撃への対処法を 脳ではなく条件反射のレベルで体に叩き込むこと。 それに成功したら凄腕ゲーマーの反射速度は対プラウザ限定で光速をも上回る。 だから躱す。躱す。 そして必死に相手の攻撃パターンを 坂本の脳内でチャートとして組み立てていく。 ... -
第一放送
第一放送 ◆1yqnHVqBO6 すべての参加者がそれを見ただろう。 鏡、窓ガラス、水たまり、川、水。 そして、首輪。 反射するほどに磨き抜かれた首輪。 あらゆる映すものに影が現れるのを。 「我が子らよ。まずは祝福しよう。 お前達は生き残った。他を殺し。裏切り。 ときには手を結びながらもここまで生き残った。 だが、“願い”の成就へはまだ遠い。 まだだ。 戦え。闘え。 闘わなくては願いが叶うことなどない。 お前達に未来が齎されることなどない。 死亡者の発表を始めよう。 ワタル。是方昭吾。三村信二。吉良康介。甲賀弦乃介。シオ。水銀燈。 ヒミコ。霞刑部。美神愛。我妻由乃。ガッシュ・ベル。宇谷九一郎。 子よ。愛しき我が子らよ。 以上のものが死んでいった。“願い”の半ばで死んでいった。... -
銃の重さ、引き金の軽さ、理想の儚さ
銃の重さ、引き金の軽さ、理想の儚さ ◆1yqnHVqBO6 糞のような思い出が詰まりに詰まった分校を出た二人。 前と同じスタート地点のハズなのに見える風景は随分と違っていた。 そう思う七原秋也の肩に下げられているのはリュックサック。 そして、背中に背負っているのは大剣。 かつての彼ならば持ち運ぶことにすら苦労したであろうがかつての殺し合いから脱出した後、 アメリカで鍛えに鍛えた体のおかげで持ち歩くことができた。 この剣は真紅と出会い、周辺を探した際に見つけた物。 何故こんな学校にこのようなものがあるのか不思議に思ったが 彼女の支給品を見るとあったのはハリセン一つ。 どう考えてもふざけているとしか思えない代物であったことから この剣が彼女への支給品だったということなのだと二人は思うことにした。 真紅が何か特殊な力を感じると言っており、特殊... -
First bet
First bet ◆W91cP0oKww (しかし、ライダーは俺以外全滅か……これはラッキーとでも言うべきことなんだろうね) 強い風が吹きすさぶ荒野。生命なき大地で北岡秀一は悠々自適に足を進めていた。 北岡は顔を顰めながらもこれから先の方針について考えを巡らせる。 城戸真司。秋山蓮。霧島美穂。浅倉威。香川英行。 自分以外の仮面ライダーは皆この世界で生命を散らした。 それについてはどうでもいい。そう、どうでもいいことだ。 城戸真司、霧島美穂の名前が呼ばれた時に少し胸に痛みが走ったが許容範囲内、十分に耐えられる。 綺麗事を謳えばその先は闇しかない。 特に城戸真司はいい例だ。 愚直に過ぎたその正義、他人を助けるために、ライダーを護るために戦うといった自己犠牲が彼を死へと誘った。 (まったく、何考えてるんだか。死ねば、そこで終わりなのにね) ... -
優勝者達のエピローグ
優勝者達のエピローグ ◆1yqnHVqBO6 『虎』と『馬』が場をところ縦横に駆けながら戦っているのとは 対称的に我妻由乃とガッシュ達の状況は膠着していた。 雛苺が由乃の隙をつこうと茨を発現させているが その隙そのものがなく。 無理矢理押さえこむにも由乃の限界知らずであろう狂気が 攻撃の結果の予測を困難にさせていた。 ガッシュならば銃弾の嵐をかい潜り由乃を攻撃することもできるだろう。 しかし、それはあくまでも相手の生死を問わなかった場合のことだ。 百戦錬磨、 少なくとも闘いを宿命付けられたガッシュと雛苺。 その二人ですら由乃につけいることのできない一番の理由は彼女が持つ異常なほどの勘の良さ。 攻撃の出始めを予知していたかのような速度で的確に潰していくその様は デュフォーや清麿と同じアンサー・トーカーとすら思えるほどである。 だが... -
WE ARE ONE
WE ARE ONE ◆Royal54O0k 死後の世界のことを最後に考えたのはいつだったか。 両親に物語を聞かされた時であったか。 最愛の人を失った時でだろうか。 『裏』が出た時か、同級生を撃ちぬいた時であろうか。 自分が死ぬ寸前の時か、それとも一度もそのようなことを考えたことはなかったのか。 桐山和雄は、ふと、そのような事が頭がよぎった。 何ら意味が無いことであろう、だが不思議にもそれを実感せねばならぬ事柄が、自身に起こっている。 天国や地獄、あるいは転生、そして永遠の無。 これらのことがよく著されている『死後の世界』と呼ばれるものだ。 生前の行いにより逝く場所が決まっていると言うが、果たして今のこの状況はどれに属すのであろう。 天国か―― 『最期の一人になれば死者の蘇生など何もかもの願いが叶う』と言う、現在の大東亜帝国では到底... -
ロリータ・リロード(少女装填)
ロリータ・リロード(少女装填) ◆1yqnHVqBO6 「僕にも魔本が読めたとはね。さすがに少し疲れたよ」 「わたしもビックリしたわよ。どうなってるのかしら」 「力を持った百人の魔物の子供達」 「それがどうかしたの?」 「魔界には百人しか子どもがいないのかい?」 「そんなわけないでしょ」 「へえ、じゃあ選ばれし百人ってわけだ」 「選ばれた方はそれどころじゃないわよ」 「どうしてだい? 光栄なことじゃないか」 「どこが光栄なのよ?」 「君は王であることを許可されたんだ。知恵ある大人達によってね」 「…………」 「ひょっとして難しかったかい? ならこう言おう。君は――――」 ……………………………………………………………………………………………………。 「死体はもう流されてしまったみたいだ」 水上コロシアムの探索に時間をさいた二人。 ... -
私が彼の迷いを忘れないように
私が彼の迷いを忘れないように ◆W91cP0oKww 「三村……」 足を地に付けて跪いた秋也の目の前にあるのはすでに生を終えた肉塊。元は三村信史と呼ばれた人の成れの果てだった。 「おい起きろよ三村。俺、あの時より強くなったんだぜ? 銃の扱いや格闘技だって上手くなった。 お前の十八番だったパソコンだってさ、そりゃあお前ほどじゃないぜ? でも見違えるぐらいにはいろいろと出来るようになったんだ」 ゆさゆさと揺するが返事はなかった。返答替わりに黒い煤がポトリと地面に落ちるだけ。 恐怖におののいて開いたままの目には生気はなく、つんつん逆立っていた髪はしなっと垂れて見る影もない。 黒焦げの身体。本来の肌色は黒く染まり、顔はもはや判別できそうになかった。 だけど秋也にはわかってしまったのだ。これが、この死体が三村信史であるということに。 証拠は耳に付けている... -
だってその手は比類なき悪だから
だってその手は比類なき悪だから ローゼンメイデンとは無意識の海を力の源とする。 世界の外で、全てと繋がる広大な茫洋な大海原。 人は己の領域を小さな海として持ち。 薔薇の乙女は契約を結んだマスターを介して、その海から力を得る。 魔物と薔薇乙女は同じ力を元にし。 機械の賢人ヨキは海から自我の芽生えを得た。 幻界は無意識の海にて産まれ。 ヒトは多種多様な世界で生きていく。 唯一つ、誰によって光を与えられたのかを意識の底に刷り込まれて。 世界は消えていこうとしている。 ワイルドセブンを見送った後、三人が闘ったフィールドは崩れ落ち。 桐山とめぐは頂上から崩れ落ちていく黄金螺旋階段を降りながら戦っていた。 天野雪輝、時空王である彼の力で創りあげた理の要は 構築者の退場で呆気なく崩壊していった。 下界に広がる世界はもはや異邦の闇に包まれて。 ... -
お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ!
お願い、死なないで天膳さま! 小四郎やお幻婆との約束はどうなっちゃうの? ここを耐えれば、ゲームに勝てるんだから! ―「薬師寺天膳死す」― デュエルスタンバイ! 大きく円を描く通路。 何度か明滅を繰り返す建造物。 オンバから聞いたところによると名前は蜘蛛の糸。 空から垂らされる糸そのものの外観を持ち。 上空のどこに根本があるのか 見極めることができない巨大な建物。 隠れる素振りを見せることなく。 堂々と存在を誇示して爆音を響かせ二輪自動車で爆走するのは 真っ赤な鎧と仮面を纏った白髪鬼。 「誰も来ないとはどういうわけじゃ?」 ハンドルに手を付けず腕組みする鉄雄的なスタイル。 爺には似つかわしくないファンキーなライディング。 不満気に呟くのも無理はない。 オンバから聞いた情報によるとコトとは このゲームを開くために尽力... -
深海からの天体観測
深海からの天体観測 Question、昔むかしのお話でもあり、つい最近のお話でもある男の子の物語。 その少年はいつもひとりで周りを眺めていました。 可能性を自ら遠ざけて、同じくひとりだった神さまと語り合っていました。 けれども、そんなある日、世界は滅びることになりました。 どうすることもできません、世界に寿命が訪れたのです。 沢山の人が自分の為に世界を救う殺し合いに赴きました。 少年も殺し合いに巻き込まれました。 弱かった少年は、すべてを失います。 すべてを失った少年はようやく勇気を持ちました。 少年は世界への復讐を考えて、最後にただひとりの女の子との未来を求めました。 少年はどうなりましたか? 世界にも、運命にも攻撃された少年は、 ... -
April Fool (四月馬鹿)
慣れない家屋。 尿意を催した朧はカントリーマンの案内で厠へと案内されていた。 厠にある便器は見慣れたものとはまったく違う形状をしていたが カントリーマンが丁寧に説明してくれたのが朧にはありがたかった。 尻にあたる便座かばぁというものが粗末な布地でもたしかな心地良さを味わわせてくれ、 人心地ついた朧はゆっくりと息をついた。 心身がようやく落ち着くと朧の心に想い人の姿が浮かぶ。 (弦之助様…………) 「ここがバトルロワイアルの世界かい」 もの思いに沈んでいた朧は誰もいないと思っていたはずの場から声が聞こえたことに ギョッとして身を強ばらせる。 カントリーマンも城戸真司の看病をしながらとはいえ周囲の警戒を怠ってはいないはず。 それを潜りぬけてここまで来たということはかなりの手練であろうことは間違いない。 忍びの素質にはとことん... -
ぬくもりのなかであたしを殺して
ぬくもりのなかであたしを殺して ◆W91cP0oKww 「さて、行くぜ!」 マルコは地面を強く踏みしめて、身体を前へと傾けた。 その勢いは普通の人間では絶対に出るはずのないもの。 防人としてアムルタートによる恩恵を受けたマルコだからこそ生み出せる勢いだ。 「先手必勝ってなぁ!」 そのままブックの間合いに入ったマルコは、右腕を前へと突き出した。 何の変哲もないただの右ストレート。 だが、その勢いは光速。躱すのは容易でない。 「くくっ」 それが普通の人間であればの話だが。 今、相対しているブックは旅人の中でも宝玉を四つ集めている実力者である。 得ている力は並のものでは収まらない。 「偉そうに語った割にはその程度の力しかないのかい?」 ブックは、軽く身を横に傾けることで右ストレートを躱し、お返しとばかりに同じく右ストレ... -
増えるジジイに逃げるジジイ
増えるジジイに逃げるジジイ ◆1yqnHVqBO6 ジジイが空から降ってきた。 白髪鬼はパピーを抱えながら窓を突き破り、病院へと入った。 場所は普通の病室。あるのは殺風景なベッドだけ。 白髪鬼は散乱した窓硝子の破片を踏みしめ、ベッドまで歩き。 ベッドに破片がかかっていないのを確認するとパピーをそこに横たわらせた。 そして、融合を解く。 白髪鬼の体を滝のような汗が濡らしていた。 慣れない護神像の使用。 パピーのために可能なかぎり振動を与えないよう注意しながらの最速の維持。 人智を超えた未知の力の最大限の行使は 老体である白髪鬼から確実に体力を奪っていた。 白髪鬼はパピーの傷を手当てしようと物資を探しに部屋を出ようとした。 ドアへと歩き、ドアノブを回そうとするその寸前に ドアが蹴り飛ばされたような勢いで開けられる。 ドアを... -
鎌鼬の夜
鎌鼬の夜 ◆EASY8BNCiM 「ぬぅ……殺し合いとは」 名簿に視線を落としながら、筑摩小四郎は一人、呟いた。 緑が生い茂るこの空間に、今の所気配は感じられない。 「天膳様に姫様まで……」 名簿には『薬師寺天膳』と『朧』の名が、確かに刻まれている。 両名共に、伊賀鍔隠れの忍であり、彼が絶対の忠誠を誓う者達だ。 小四郎は顔をしかめる。 何故、お二人が『ばとる・ろわいある』などと言う馬鹿げた争いに巻き込まれなくてはならないのか。 天膳様も、姫様も伊賀鍔隠れを支える忍。 伊賀と甲賀、両一族の命運を分ける忍法勝負に勝ち残る為には、無くてはならない存在なのだ。 ――こんな場所で、殺されていい訳がない。 (お守りせねば……) 主君の死。それ即ち、従者の死。 一刻も早く二人を見つけ出し、被害が及ばないように護衛しな... -
両手に薔薇?
両手に薔薇? ◆1yqnHVqBO6 「大体の話はわかったかしら。変平」 「いや、その呼び方は勘弁してもらえへんかな」 奇抜な服装群から手品師のような服装を選んだ変態、もとい平は苦笑をしながら言う。 つい先程までの喜劇がようやく静まり、お互いの情報を公開できるレベルで交換した。 その結果わかったのは両者が形は違うが殺し合いという名のゲームを中断され 新たなゲームへと参加させられたということ。 nのフィールドや生きる人形の存在は平にとって衝撃らしかったが、 彼も今の科学では実現できないと思われていた物をいくつか目にしてきたようなので 金糸雀が言うことを全く信用しないということはなかった。 得た情報から平が拉致の仕方が超常的であったことからゲームのホストは ローゼンメイデンでいうところの“お父様”が絡んでいるのではないかという疑いを口にしたが、 あんな下... -
人間/人形らしく
人間/人形らしく ◆1yqnHVqBO6 ローゼンメイデンには宿命がある。 姉妹同士の殺し合い。相手の核を奪って集め。 最後には究極の少女になる。 一面見渡すかぎりの白。 その上を滑る、滑る。 雪は深く。 どうやら城に近づくにつれて 深度が増しているようだった。 まるで孤島のようだと それを知って平と金糸雀は思った。 二人が乗っているのは簡易なソリ。 城にあったテーブルを加工したもの。 継ぎ接ぎだらけの出来栄え。 そんなもので雪原を抜けようとは すわ、運動力学への卑猥な挑戦かと 笑われかねないものだが。 雪がどのように積もっているか。 この舞台が凡そどれくらいの広さか。 マルコとの情報交換で知っていた 二人は雪の海で難破するとは思わず。 楽観的な予測を立てていた。 ... -
修羅の雷
修羅の雷 ◆.SDSaRdZEA 「お前、その本を読んでみろ」 と、そのガキは言った。 オーケー、落ち着け俺。取り乱すんじゃあない。ザ・サードマンはうろたえない。 そう……まずは俺の置かれた状況から考えてみよう。 まず、俺の名前は三村信史だ。 城岩中学校3年B組、出席番号19番。 身長172cm、体重59kg。自分で言うのもなんだが、中学生にしちゃ長身かつ均整の取れたスタイルだと自負している。 得意科目は英語に数学に技術家庭科、苦手科目は国語と社会科。 バスケットボール部に所属していて、運動神経には自信がある。 よし、俺は冷静だ。頭は回っている。夢を見ているわけでもない。 ……いや、待て待て。これじゃ自己紹介しただけじゃねえか? 落ち着け、落ち着くんだ! Be coolだ三村信史……! 2,3,5,7……そう、素... -
歪む世界!? 空から飛来する黒い影!
歪む世界!? 空から飛来する黒い影! ◆CFbjQX2oDg “あの”ガッシュが殺し合いに乗った。 オレとガッシュは魔界の王様を決める戦いで戦ってきた敵同士だ。 ガッシュと初めて出会ったのは遊園地だ。 弱そうな外見と裏腹に中々強いやつだった。 でも、オレとゾロボンのコンビに手も足も出なかったぜ。 …………ティオが助けにきてそのときは負けちまったけどな。 次にあいつに会ったのは東南アジアでオレがレインってやつを勧誘しようとしていたときだ。 オレの名前を間違えるし、関係無いといったのに邪魔してくるし、オレの最強呪文をあっさりと打ち破るし。 ロデュウ様が助けに来てくれなかったら危うく魔界に送還されるところだったぜ。 ガッシュはいつだって『ともだち』のために自分を犠牲に出来るやつだと思っていた。 だから、あいつにはオレにもいない『ともだち』を... -
ロワとアヒルと仮面ライダー
ロワとアヒルと仮面ライダー ◆1yqnHVqBO6 茶道の稽古にでも使われそうな屋敷を出た杉村とキャンチョメ。 彼等の行動方針は仲間を探すということで一致した。 キャンチョメと情報交換をした際に彼が参加していたという魔物の子達の闘いを聞いた。 その存在は杉村の理解の埒外ではあったが、 キャンチョメの術を目の当たりにしたこともあり深く追求することはしなかった。 この会場には他にも似たような殺し合いに参加していた者達が 集められているのかもしれないと思ったが今の時点でそう断定するのは早過ぎる。 キャンチョメのような存在に会った以上、欲しいのは情報。 彼の仲間はガッシュとティオ、そしてゼオンというそうだが彼等と会うことで新たに手に入る情報もあるだろう。 そして同じ魔物であり、危険人物と言えそうなのが……パピプリオという子供。 あまり驚異となりえそうな魔物では... -
LittleBastard
LittleBastard ◆Royal54O0k 【とあるプロレス好きが語る、『小人症レスラー』】 え、なに? 小人症レスラー? 小人症レスラーって言うと、日本で言うなら『ミゼットレスラー』のことか。 まあ逆にアメリカじゃあ『ミゼット』が差別用だからそのまま『リトルピープル』 って呼んでるらしい。 まあどっちが正しいか正しくないかは俺にはわからんがな。 そうだな、ミゼットレスラーか。 まあ、昔は女子プロレスのダークマッチとか第一試合とかの興行開始直後に 会場の雰囲気を温めていたそうだよ。 あ、ちなみにダークマッチって言うのはテレビ放送されない試合って意味ね。 でもまあ人によっちゃあ女子プロよりもこっちを見に来た人もいるみたいだけど。 え? なんで伝聞形式かって? そりゃあ、俺が生まれたときには... -
強制型エンターテイメント判明
強制型エンターテイメント判明 四方を配線コードに囲まれての明滅する PCが明かりのない視界の中、 複眼の昆虫めいた様相を見せる。 四角の隅には用途不明の棒が突き立ち。 配線が巻きつけられている。 「粗末なリングだよ」 「キーシャー!」 甲高い叫び声が聞こえた時には既にベルデは 北岡の目の前へと飛びかかっていた。 だがそれは北岡にとっては何度も体験したこと。 遠距離からの攻撃が専門なゾルダを相手にするならば 距離をいかに潰すかというのは誰もが考えること。 今はもういない城戸真司、龍騎も愚直に試した戦法だ。 失望とともに鼻を鳴らすと。 北岡の手に握られた銃が火を噴く。 狙いは既にベルデへと定められている。 弾丸はベルデの眉間を真っ向から貫くだろう。 しかし、宙に飛んでいたベルデは不規則な動きで 空か... -
シュナイダー
【名前】シュナイダー(ウマゴン) 【出典】金色のガッシュ!! 【種族】魔物 【性別】男 【口調】一人称:メルメルメ~ 二人称・三人称: メルメルメ~ 【性格】 【能力】 《呪文一覧》 《呪文効果》 『シュドルク』 全身を鎧で覆い移動速度を上げる。ゴウ・シュドルクがこれの上位呪文なため使用頻度は極端に少ない 『ゴウ・シュドルク』 全身を鎧で覆い、さらに一角獣のような角が生える。さらに移動速度が上がり、身体能力が強化される。若干だが空中移動も出来るようだ 『ディオエムル・シュドルク』 炎を宿す一角と全身を覆う鎧を装着する。ウマゴンが制御しないと敵味方問わずに周囲のものを焼きかねない危険な術。勿論、移動速度も強化されている。炎の盾や槍を生成して攻撃することが出来る。炎を身に纏うことにより貫通力を増した突進攻撃もある 『シン・シュドルク』 強力な角、鎧に加... -
トラーギッシュ
トラーギッシュ ◆1yqnHVqBO6 ――命を奪えば。人は何かを永遠に喪う。 少なくとも。彼女は確実に喪うだろう。 音。響き、雪の大海原が波打つ。 だが波は水のように元に静まることはなく 天高く舞い上がり陽の光に照らされる。 楽士である金糸雀。 音を操る彼女の最も強大なアドバンテージは 最低速度の高さだろう。 音を使う以上。 それは人間の反応可能な速度を 軽々と飛び越える。 そして金糸雀は音を練り、 形を変えることができる。 ときには波の形。 ときには弾の形。 果てには槍にも。 彼不可視の攻撃は 浅倉威をたしかに惑わせていた。 仮面ライダーナイトの ミラーモンスターも音を攻撃に使うが それは獣が牙を剥き、獲物に突き立てる粗雑さに留まるもの。 全くの未知の力を振るう相手。 だが、浅倉... -
側に立ち、防るもの
側に立ち、防るもの ◆1yqnHVqBO6 薬師寺天膳が死んだ!! これは何という驚くべき事態! 彼奴は伊賀忍をとりまとめる優れた忍者だ。 里の者の多くが尊敬している人間である。 剣の腕は冴え、知略に優れ、弁も立つ。 頭領である御婆も朧との祝言を何度検討したかしれぬ。 まさに忍者の中の忍者! 男の中の男! 抱かれたい伊賀忍NO.1! それほどの男が死んだのである。 これを驚愕すべき事態と呼ばずになんと呼べばよいものか。 天膳は流れる川にプカプカと浮かんでいる。 それを見つめるのは子供と見紛うほど小さな老人だ。 乾志摩夫はその死体が何処に行くかを見届けようと思った。 水は生きて行く上で必須なものだ。 つまりは水路があるところに参加者が集まるということだ。 川は恐らく地下水道を通り、水路は会場中に伸びているはず。 状況をつかむにも参加者... -
月の光、うつつの夢
月の光、うつつの夢 ◆S33wK..9RQ 「二度目、ってジョークにしちゃ笑えないな……。ご丁寧にも学ランも着せてくれてさ」 真っ暗な学校でそう独り言を呟く。 真夜中に明かりをつけてしまってはゲームに乗った奴らの格好の標的になる、とアイツから教えてもらったのを思い出す。 窓から漏れてくる月明かりが自分を照らす。この学校の周辺で明かりの代わりになるのは月ぐらいだろう。 肌に冷たい空気が突き刺す。もっと厚着をさせてくればいいのにな、畜生。 二度目、というのは自分が参加させられたクソッタレなゲームに殆どルールが同じだったからそう表現したのだ。 戦闘実験第六十八番プログラム。そう呼ばれていたものに自分は参加させられた。 政治に関して全体主義の体制をとる『大東亜共和国』の戦闘シミュレーション、だったか。あの時はクラスメイトと仲良く殺し合いだったな。あまり思い... -
Dear My Friend
Dear My Friend ◆1yqnHVqBO6 白髪鬼、津幡共仁は頭に穴が開いた少年を見下ろしていた。 空は陽が上がり、死体の状況と死体の素性を余すことなく伝えてくれる。 同行していた子供が腰を抜かし、怯えてしまったほどには。 子供、パピーを抱きかかえ、 死体から離れた壁に寄り掛からせてから。 津幡共仁は死体を検めた。 額に空いた銃創。 銃弾に突き破られた皮膚の周囲は焦げていた。 そして、この創穴からすると小口径の弾丸だ。 頭を持ち上げて死体の後頭部を見ると 銃弾の出口があった。 ならばと、津幡共仁は射線上、 突き当たるであろう 壁へと歩き、辺りを調べた。 「やはり、か」 見つけた弾丸は大きくひしゃげていたが 間違いなく.38スペシャルと呼ばれるものだった。 パピーが目覚める前、自らを覆うアーマーを叩いた... -
A Boy(?)Meets A Girl(?)
A Boy(?)Meets A Girl(?) ◆1yqnHVqBO6 「あの~、そこの人~?」 彼がその場所に到るまでに通過したのは街道や草原。 地図を見ると近くに街があるようだが 彼が生まれ育った場所を考えるに顔見知りの多くは砂漠を目指すだろうと考え、 南を目指すことにしていた。 途中でソレを見つけたのは普段その色が砂漠育ちの彼には馴染みがなかったことと、 巻き込まれている殺し合いという状況が感覚を鋭敏化させていたことが大きいだろう。 林、木が密集している場所。緑が集まった場所に自然と出来る物。 砂の色に慣れていた少年に草木の持つ力強い緑色は些か刺激が強すぎ、 だからこそ、その中にある違和感を見つけることが出来たと言える。 視線を向けると慌てたように木の後ろへと隠れた物体。 しかし、完全に隠れることは出来ずどうしてもはみだしてしま... -
女の世界
女の世界 ◆1yqnHVqBO6 途方に暮れたような顔で住宅街の中を歩いていると 二人の女が近くの路地から飛び出してきた。 「助けて!」 縋るような声と共に制服を着ている少女か女か区別がつかない方が是方昭吾 に抱きついてきた。 もう一人の女はどんな目にあったのだろうか。 さして高価ではなさそうであるがそれでも 彼女の年頃ではまず普段着に選ばないであろう着物が乱れ、 乱れた髪は彼女の顔にかかり、 俯いた顔とともに表情を判断するのを困難にさせていた。 「私達、襲われていたの。後ろの彼女は私と一緒に逃げてきたのだけれど 女だけじゃどうしても怖くて……ねえ、おじ様。一緒に行動してくださらない?」 「お、お前さん達も殺し合いの参加者か?」 保護を求め、拠り所にするかのように老人である是方の腰に手を回した彼女は首を振る。... -
最後の放送/半分の月が微笑う
最後の放送/半分の月が微笑う 燃える空は矢のように過ぎ。 紅は濃紺に沈んでいく。 風は重く、湿り、血の匂いを湛え。 それは鉄の意志の生贄が生きた証であり。 果実が血を養分に熟れ始めた兆しでもあった。 それぞれの首輪に誰かが映った。 映しだされたシルエットは小柄な人。 いいや、小柄とすら言えない小動物の大きさ。 「…………チー」 喋った。いや、これは鳴き声だ。 言葉や意志を見出せる者はこの世界に何人いるか。 電子音は下界の参加者の鼓膜を通じて動揺に落とした。 「はいはい、君じゃ誰もわからないからね」 電子音を囀る小動物、プラの脇に手をやって持ち上げた。 新しく現れたのは気の弱そうな何処にいても不思議ではない少年。 「もう放送はできない。 記録者は喰われてしまったし。 “願い”を蓄える赤き血の神の像も黒い影、コ... -
レボリューション(下)
レボリューション ◆1yqnHVqBO6 「これで5人だ」 絶望、 そのさらに先の虚無。闇。 それを目の当たりにしても心が折れぬ人間など―――― 咆哮。それは王というよりも野獣に似ていた。 今の今まで倒れ伏していた幼き雷帝、 ゼオンが身体中の力を掻き集め、立ち上がる。 「ノール、水流をあの子とミツルの周りに展開させるんだ!」 来栖がゼオンの復活を予測していたかのような自然さで ノールに指示を出す。 「オーケー!」 水がゼオン達の周りを龍のようにとぐろ巻く。 「魔本をよこせ少年!」 高ぶった心はそのままに。 王として相応しい修羅の心を十二分に備える ゼオンはそれが正しい指示として来栖に魔本を投げ渡す。 その速度。まさに豪速球。 だがそれを空中で見事にキャッチした七原が来栖へとそのまま放る。 ... -
蕾
蕾 ◆CFbjQX2oDg 月明かりが照らす草木が生い茂った道を、小さな少女が一人歩いている。 ピンクを基調としたワンピースの様な服に、赤いカーディガンを胸元の大きなブローチで留めている。 背丈の半分ほどまで伸びたピンク色の髪の毛は、少女の幼さと可愛らしさの演出に一役買っている。 だが、少女の足取りは重い。 女の命とも言える顔には酷い怪我をしている。先程“人間の男”に襲われて出来た傷だ。 樹齢数百年はあろう巨大な大木をみつけ、その幹の麓で休むことにした。 支給された水を飲みながら昂ぶった感情を落ち着けようとする。 魔界の王を決める100人の魔物の子による戦いに選ばれたティオ。 人間界で最初に出会ったのは魔界時代の友人だった。 その友人に裏切られ逃げ続ける毎日、パートナーの恵以外もう誰も信じられなくなっていた私に訪れた転機。 それ... -
恋人
恋人 あ あ 、 全 部 嘘 だ け ど 。 何かが刺さる音と、呻き声。 きっと、彼らは選択肢を間違えた。 そこに在るのは。 胸にナイフが突き刺さり、苦しそうに藻掻いているワイルドセブンと。 「七原さん、認めますよ。確かに、僕は皆を救うことなんてどうでもいい。 自分自身が、幸せになれるならば……他は全て不純物だ」 どこか、悲しそうに笑う雪輝だった。 その笑顔は今までのような満面の笑みではなく。 儚さを含む、年相応の少年の素顔。 「ユッ、キー……お前、どう、して……?」 「確かに、貴方の言葉は届きました。理解もしました。僕が全てを救うだなんて思っていないことも。 これ以上、人を殺したくないって気持ちも。全部、全部。わかっています」 そこに演技なんてなかった。天野雪輝の心の底からの本心... -
さあ歌え。妹讃歌だ。
さあ歌え。妹讃歌だ。 ◆1yqnHVqBO6 ミツル……芦川美鶴の妹である芦川美鳥はとても優しい女の子だった。 花を愛し、両親を愛し、兄を愛した。そして何より人の笑顔を愛した。 そんな優しい少女も悲劇と呼べる運命により死んでしまった。 最愛の妹を喪った悲しみから、兄である美鶴は旅人ミツルとして多くの屍を築き。 その果てにある勝者の褒美を願った。 彼の願いを叶えるためのバトルロワイヤルは荒野に囲まれた墓地から始まる。 大きな月が彼の金髪を照らし、不思議な色合いにする。 彼が身に纏う魔術師のようなローブは場所も相まって 着用者をさながら時の流れから離れた賢者のように見せていた。 だが月明かりに照らされた荒野の墓地に立つ魔術師である少年は 叙事詩にでも出てきそうなその外見に相応しい悟りを持っていない。 胸にあるのは善悪を超えた欲求。 運命を変えたいという身... -
薬師寺天膳は大体で5、6回死ぬ
薬師寺天膳は大体で5、6回死ぬ ◆1yqnHVqBO6 水路が行き着く場所。 そこは本来、海や川に合流するための道筋だ。 だからこそ、乾はあの哀れなドザえもんの後をついていき、 ある程度の地形を把握しようとした。 地図を見る限りではここは孤島のような場所ではなく、 乾が住んでいた市街地のように一エリアを封鎖した形に近い。 ならば一定のセオリーに基づいた場所に辿りつくはず。 だが結果は乾の推測とは大きく違ったものだった。 水は規則正しく道として流れるものだった。 だが。 「ここは?」 長らく優雅に水をたゆたうドザえもんだったが 死体はいつしか、それ自体が意思を持つように流れに逆らった移動を始めた。 歩を進めると地下水路の内にふさわしい暗さをもっていた内観は 清潔さを感じさせる白く無菌室のような内観へと変わっていき。 それとは反対に... -
鬼ごっこ
鬼ごっこ ◆CFbjQX2oDg 会場の極寒地域に存在する犯罪者を収容する施設、刑務所。 本来の意味でこの施設が使用されることは、おそらくこのゲーム中には無いだろう。 そこに幽鬼の様に立つ男が一人。彼が元々行っていたライダーバトル、そのスタート地点も刑務所だった。 彼がやることは変わらない。神崎士郎や今回の影の男の言っていた“願い”を叶える権利には一切興味が無い。 男の望みは会場に連れて来られた時点で既に叶っている。 『永遠の闘争』 影の男が興味深いことを言っていたのを覚えている。 ――ここには様々な世界で己の欲望の為に醜く争っている者達を集めた 口角が自然とつりあがる。おそらく仮面ライダーだけでない戦う力を持った人間を集めたのだろう。 12人が相手では物足りないと思っていた。戦う相手が53人に増えたのだ。 ハハハ... - @wiki全体から「マシュマロのような舐め心地であった」で調べる