今日の水銀燈は、何故か妙に機嫌が良かった。水銀燈の機嫌が良いという事は、とんでもない事の幕開けの合図だったのかもしれない。
『鏡に写るのは』
「ねぇ、蒼星石ぃ」
何やら紙袋を持った水銀燈が、上機嫌に蒼星石に話しかけた。
一方蒼星石はというと、ベッドの上で本を読んでいた。水銀燈の話に耳を傾ける為、意識を本から水銀燈に向けた。
「何?」
「お願いがあるんだけどぉ……」
「お願い?」
ふと、首を傾げた。
「この紙袋の中にある服を着て欲しいのよぉ」
「服?何の?」
「ひ・み・つ」
ニッコリと笑った水銀燈は、蒼星石に紙袋を渡した。よく分からないまま、蒼星石は紙袋を受け取った。
「着替え終わったら、私の部屋に来てねぇ」
「う、うん」
そのやりとりを済ませると、水銀燈はいそいそと自分の部屋に戻っていった。
「服、ねぇ…」
一人残された蒼星石は、とりあえず紙袋の中を覗いてみた。衣服である事は分かるのだが、覗くだけではよく分からないので、手に取ってみた。
「……!!…こ、これって……」
―――――
コンコン、と扉を開く音がした。と、同時によく知る人物の声がした。
「ぼ、僕だけど…」
「良いわよぉ、入って」
部屋の主である水銀燈がそう言うと、扉はゆっくり開かれた。扉の向こうには、涼しげな青いメイド服に身を包んだ蒼星石が、恥ずかしそうに立っていた。
「す、水銀燈…これは一体……」
「めぐがくれたのよぉ。貴方に似合うと思ってねぇ」
そう言うと、まだ部屋に入っていない蒼星石を抱き締めた。
「よく似合ってるわぁ」
「……本当?」
「えぇ。……目、瞑って」
暫く見つめていると、観念したのか瞼を閉じた。本人は口付けかと思うかもしれない。けれど今回は、別の理由があった。
ポケットから長めの布を取り出し、蒼星石の目元を覆った。目隠しをしたのである。
「な、何…!?」
「ちょっとねぇ。そのままジッとしてなさぁい」
突然の事に、どうしていいか分からずただあたふたしていた。そんな蒼星石を気にも止めず、お姫様だっこの形で抱き上げた。
「す、水銀燈!?」
「やっぱ軽いわねぇ」
そのまま自分のベッドの上に座らせた。未だ目隠しをされている蒼星石に向き合い、深い口付けをする。
「! んぅ…」
暫く舌を絡め、唇を離すと銀色のアーチが描かれ、下に落ちた。
ぼぅっとしている蒼星石の両腕を後ろに回し、そのまま拘束する。
「え…?」
「痛くない?」
「う、うん…」
自身も背後に回り、蒼星石の服に手を入れ胸を擦り始めた。
「んっ…はぁ…」
「くす…此処固くなってるわよぉ?」
指で胸の突起を摘んだり、潰したりすると、蒼星石の体はビクリと反応する。その反応が楽しくて、何回も繰り返した。
「ひぁっ…!ん、あぁ…っ…」
「……もう良い頃かしらぁ?」
突起をいじるのを止め、服を半分脱がせると、上半身が見える形にした。指で膝から太股を撫でてそのまま下着に触れた。
「あらあらぁ、ビショビショじゃなぁい」
「だ…だって…っ…」
「視覚が遮られてるから、いつもより感じちゃうのかもねぇ」
目隠しされているという事は、視覚が機能していないという事。そうすると、どうしても他の感覚が敏感になってしまう。
「まぁそれもあるんだろうけど……貴方、目隠しを楽しんでるぅ?」
「! ち、違…!」
「だってこんなに濡れてるのよぉ?」
下着を脱がせると、下着とそこの間には糸がひいていた。
「糸ひいちゃって…ヤらしいわねぇ~…」
「うぅ……」
見えてはいないが、水銀燈の言葉で状況が分かってしまったようだ。顔がトマトの様になり、俯いてしまった。しかしその動作は、水銀燈を興奮させるだけだった。
「!! ひぁぁっ…!だ、め…やぁぁ…!」
いつの間にか、背後から向かいあう形になっていた。蒼星石のそこに口を付けて、そのまま舌を這わせた。秘部に舌を入れたり、突起を軽く噛んだりした。
「やっ…やだぁ…きた、な…っぁあ…!」
「んく……汚くなんかないわよぉ?」
そう言うと、再び唇を奪い舌を絡めた。先程よりも長く、深く、熱く。
「ぷはっ……貴方の味がしたでしょぉ?」
「ん…はぁ……う、ん…」
その答えを聞いて満足そうに微笑み、額に口付けをを落とした。
「じゃ、そろそろねぇ」
再び背後に回り、脚を開かせいきなり二本の指を秘部に挿入させた。突然だというのに、そこは簡単に受け入れてしまった。
「あぁぁっ…ひぁ…!」
「ふふ、指に絡みついてくるわぁ」
挿入した指を、出し入れさせた。ゆっくりにしたり、時々早くしたりして。
「やぁっ…も、イっちゃぁ…!」
「もう?早いわねぇ」
くす、と笑うと、何故か動かす指を止めてしまった。
「す…すいぎ、とぉ…?」
「イくなら、目隠し外してからの方が良いでしょぉ?」
そう言うと、片手でしゅるりと目隠しを外した。漸く視覚が戻った蒼星石だが、一番に目に入ったものを見て、絶句した。
「………え………?」
目の前には鏡があった。その鏡には、上半身と下半身を露出させて、両腕を縛られ、秘部に指を入れられて感じる少女―――自分が写っていた。
鏡を呆然と見つめる蒼星石をよそに、水銀燈は挿入させていた指を再び動かし始めた。
「あっ…や、やだ…っやぁ…!」
「どうして?イきたいんじゃないのぉ?」
「ふぁぁっ…か、かが、み…い、やぁ…っ」
自分があえぐ度、鏡の少女もあえぐ。恥ずかしさがピークに達していた。
「だってぇ、こんなにも可愛いんだものぉ。自分でも見ていた方が良いでしょぉ?」
不適に微笑みながら、指を動かし続ける。もうわざとじらす事はなく、蒼星石の好きな所ばかり攻めた。
「っひぁ…やあぁあっ……も、も…!」
「イっちゃう?鏡の中の貴方もイきそうよぉ?」
「い、やぁっ…!言…わな、い…でっ……やぁああぁぁあ―――っ!!」
体を大きく痙攣させ、蒼星石は果てた。気絶したらしい彼女の顔を見ると、目尻から頬にかけて沢山の涙が溢れていた。
「……ちょっとイジメ過ぎたかしらぁ?」
苦笑いし、指でそっと涙を拭った。
「……ごめんなさいねぇ。次回はもっと優しくするわぁ」
そう呟く水銀燈の表情は、普段の彼女からは想像もつかない程、優しい表情だった。
end
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