「って、いくらなんでも遅すぎるかしらぁぁぁ!!」
真紅がライブハウスについて一番最初に聞いたのは金糸雀の絶叫だった。
「わ、悪かったのだわ、金糸雀」
あまりの剣幕と、流石に自分でも贈れすぎたと思ったため素直に謝る真紅。
「…で、ちゃんと会えたのかしら~?」
「…えぇ」
溜息を一つついて金糸雀は微笑んだ。
「さぁ、もうみんな楽屋にいるかしら~。速く行って、早速リハかしら!」
「わかったのだわ!」
真紅は急いで楽屋に飛び込む。
楽屋の中ではすでに本気モードの水銀燈、雪華綺晶、蒼星石が練習を始めており、翠星石はお決まりのイメージトレーニングを行っていた。
…薔薇水晶は鏡を見てニコニコ笑っていた。水銀燈に貰った眼帯が余程嬉しかったらしい。
「あっ!真紅やっと来たのぉ!!」
いちご大福を頬ばっていた雛苺が叫ぶのをきっかけにみんなが真紅のほうを見た。
「みんな、遅れて悪かったのだわ」
申し訳なさそうに真紅が頭を下げると…みんな意地の悪い笑顔を作った。
「真紅…」
「これ、なぁ~んだ」
薔薇水晶&水銀燈がそう言って携帯の画面を真紅に見せる。
「!!?」
そこには真紅とJUMの姿が…
「ど、どうしてこれを!!?」
「偶然ねぇ~帰りに見つけたのよぉ」
水銀燈はニヤニヤ笑ってる。
「まったく、男と会って遅刻とは…それでもローゼンメイデンのヴォーカルですかぁ?」
「翠星石、そんな風に行っちゃ悪いよ…ププ」
「えへへ…真紅…ラブだね…エヘヘ」
みんなにそんな感じで冷やかされ、真っ赤になる真紅だった。
そんなこんなで、やっとリハに入るローゼンメイデン一同。
「あら?きらきー、ギターの音色がいつもと違うわねぇ?」
「あっ、このギターですか?実は偶然拾ったんですけど…予想通りイイ音色です…」
雪華綺晶はそう言って美しいギターソロを弾いてみせる。
「へぇ~、私も負けてられないわねぇ…」
その音を聞いて闘志を燃やした水銀燈は自らのギターであるモッキンバードカスタム(通称、銀ちゃんスペシャル)を巧みに操る。それに対抗して雪華綺晶が…と、超高速&壮大なギターソロ合戦を繰り広げる。
「…ちょっと、二人とも…それじゃぁ私が練習できないのだわ…」
イントロの最中からこの状態なので、真紅はいつまで経っても歌に入れない。
いつもなら怒鳴り込むところだが、さっきのダメージでそこまで出来なかった。
「「やれやれ…」」
意外と常識人な翠星石&蒼星石は苦笑いしてその様子を見ていた。
ちなみに薔薇水晶は未だ眼帯の嬉しさで放心状態、雛苺はデス声の発声練習中である。
ひょっとしていつもこんなことしてるのかというと、その通りである。
さすがローゼンメイデンというかなんというか…
「これでホントにライブできるのかな?」
蒼星石が呟く。
「…まぁ、いつもの事ですぅ」
翠星石も呟き…
「えへへ…」
そこに薔薇水晶の笑い声も入って…
「「はぁ…」」
二人は溜息をついた…
ライブまでもう余り時間がないのだが…
最終更新:2008年05月31日 17:17