薔「…私はこんな感じのを作ったよ」
そういって薔薇水晶は1枚の紙をテーブルにおいた。
蒼「へぇ、薔薇水晶の作る歌って興味あるなあ。」
翠「そうですね、確かに今までの歌は蒼星石と水銀燈が作った奴が多かったです。」
雛「ヒナは今回初めてお歌作ったのよー?」
銀「そ、そうかしら?」
何故か妙に落ち着きが無い水銀燈。
普段の彼女からはなかなか想像ができない姿だ。
紅「水銀燈。貴女さっきからどうしたの?」
銀「べ、別になんでもないわ!気にしないでぇ。」
金「この顔は嘘をついている顔かしらー!?」
蒼「またコアな部分を……。」
蒼「じゃあ薔薇水晶も出してくれた事だし、皆で読んでみよっか?」
銀「だ、大丈夫かしら……。」
薔「…銀ちゃん。期待してて。」
銀「何をよ……。」
薔「私の願い。それを形にしたのがこの歌。」
作詞 薔薇水晶 タイトル無し
永久に続くと思っていた 貴女と過ごした大切な日々
心を蝕む闇さえも 怖いと思う事は無かった
二人の思い出を辿る様に この枳殻を見上げてみても
私を今でも縛り続ける あの日の貴女はもういない
懐かしき貴女の香り いつまでも胸に残る
揺楽凛(ユラリ)舞い散る あの花弁に 私はそっと願い続ける
逢イタイ思ヒ 届けて下さい 今も心が貴女を呼ぶの
揺楽凛(ユラリ)舞い散る あの花弁に 二人の影がそっと重なる
零レル思ヒ 心を溶かして 何時か貴女に会えますように
私は今を生きて往く 二人の夢を叶える日まで
揺楽凛(ユラリ)舞い散る あの花弁に 私はそっと願い続ける
愛タイ想ヒ 叶えて下さい 今も貴女を忘れていない
願望(ネガイ)託して あの花弁に 私はそっと想い続ける
流ルル泪(ナミダ) 心を溶かして 何時か貴女に会えますように
何時か貴女と笑エルように
銀「え――。」
紅「待って薔薇水晶、これは」
薔「水銀燈。」
薔「貴女は何も悪くない。贖罪なんて間違ってる。」
薔「あの人は今も生きている。貴女の中で、ずっとずっと。」
薔「日陰にいる必要なんて無い。胸を張って空を飛んで。」
薔「――それが私の願い。」
不意に訪れる沈黙。
そして、その場にいる全員の視線が水銀燈へと向けられる。
銀「……ばか。解ってるわよそんな事。」
薔「…ごめんね、勝手な事して。」
銀「馬鹿な事言わないで。ああもう、ちょっとトイレいくわよ。」
薔「…やっぱり怒ったかな。」
紅「大丈夫よ、薔薇水晶。あの子なら大丈夫だから――。」
銀「薔薇水晶、なにしてるの?アンタもいくのよ?」
紅「ほら、行ってらっしゃい。」
翠「な、何がなんだかさっぱりです……。」
雛「ヒナもわかんないのー……。」
金「こ、これは薔薇乙女発足以来のミステリーかしら!?」
蒼「真紅、あの二人に何があったの?」
紅「今の時点では、私の口からは何も言えないわ。」
これは私が話をするべき問題ではないと思う。
水銀燈が自分から言い出せるまで待ってあげて欲しい。
翠「あまりこういう言い方はしたくないんですけど……」
翠「話をしてくれないって事は、翠星石達が信頼されてないって事なんですか?」
紅「勿論違うわ。信頼しているから言い出せないのだと思うの。」
金「気にする必要なんてないかしら……。」
雛「でもでも、水銀燈、とっても嬉しそうだったのよー?」
紅「何時になるかは解らないけれど、あの子は必ず話をしてくれるわ。」
紅「だからそれまで待ってあげて頂戴。宜しくね。」
私がそう言うと、皆はそれ以上は何も聞かずに納得してくれた。
私達は良い友人を持ったわ。ねぇ、水銀燈?
紅「さて、そろそろ次に行くわよ。」
翠「こ、この状況で ですか……?」
金「極限レベルの出しにくさかしら……。」
蒼「そ、そうだね。それにあの二人もまだ戻ってきてないみたいだし。」
雛「でもでも、早く皆の歌みたいのー。」
翠「すぐに見せるからちょっと待つですちびちび!」
紅「そうね。」
蒼星石の言うとおり、水銀燈と薔薇水晶はまだ戻ってきていない。
そんなに時間がかかるとは思わないけれど、あの二人の事だ。もしかするかもしれない。
蒼「じゃあ、次に出す人だけ決めて少し休憩しようか。」
紅「そうね。誰が出すの?」
翠「え、えっとじゃあすいせ――。」
金「ちょーっと待つかしら!ここはカナの出番かしら!」
蒼「またこのパターンなんだ……。」
翠「い、いいですよ。先に金糸雀が出すといいです!」
金「言ったわね翠星石!この素晴らしさにひれ伏すがいいかしら!」
紅「はいはい、休憩にするわよ、休憩。」
最終更新:2006年06月08日 02:33