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「You Know?」金糸雀ファイル~The Truth Story~のテーマ  ※クリックで演奏開始

Music  ピコピコ 氏
突然切れた電話に真紅はあの夜、謎の男達に襲われた事を思い出し
膝の震えが止まらなかった。横目で雛苺をチラリと見る。
能天気な雛苺はノートに落書きをして遊んでいる。
真紅はそんな雛苺を見ながら切れたばかりの金糸雀の携帯に電話をする。
―――プ~プ~プ~ッ
いくらリダイヤルをしても繋がらない。不安が恐怖となり震える指先で
釧山の携帯に電話をする。それは3回ほどの呼び出しで繋がった。
「釧山さん?私、真紅なのだわ…さきほど金糸雀から電話があって…」
真紅は迫った危機感を釧山に伝える。真紅の話を黙って聞いていた釧山は
落ち着くように話す。
「解った、こちらもホテルに向かっている所です。すぐ近くに来てますので
 とりあえず落ち着いて!そして我々が行くまで部屋を出ないように!!」
「解ったわ、早く来て頂戴!!」
そう言って真紅は電話を終えると雛苺のそばに行き優しく抱きしめた。

「おい、マズイ展開になってきたぞ、サイレン鳴らして急げバカヤロー」
「解りました!」
ハンドルを握る桜田刑事は窓からパトライトを天井に付けるとサイレンを
鳴らしホテルに向かってアクセルを踏み込んだ。

その頃、真紅と雛苺がいるホテルを監視していた黒いバンから3人の
男達が電気工事らしき作業服を着て裏口からホテルに入る。
「ミーディアムの部屋は?」
「はい、最上階のスイートです」
男達は短い会話のやり取りをしながら落ち着いた足取りで従業員用の
エレベーターに向かっていった。

「さすがマセラッティクワトロポルテね、うまく追っ手をマイたようデス」
「コ、コリンヌさんって何者かしらぁぁぁ~」
長いトンネルに入ったため話中に電波が途切れた携帯を手にしながら金糸雀は
ハンドルを握るコリンヌを横目で見ていた。
「そうね、金糸雀さんには言っておこうかしら。私は元DGSE(フランス対外治安総局)に
 所属していた人間よ」
「DGSEかしらぁ?」
「解り易く言うと特殊工作員、アメリカのCIAのフランス版ですネ。
 今はある企業に身を置いてマス。今回はある大物から雛苺さんを守る
 ように依頼されました」
「大物って韮澤先生のことかしらぁ?」
「いいえ、彼は仲介役です、依頼主は誰もが知っている大物デス」
そう言うとコリンヌはナビを見ながらハンドルを切ると真紅と雛苺がいる
ホテルが見えてくる。そしてその横をサイレンを鳴らしながら釧山と桜田が
のるパトカーが追い越していった。

「ん……!?」
「どうした?」
男達を乗せたエレベーターはあろうことか4階まで昇るとそこで止まってしまった。
焦る男達はトランシーバーでバンにいる仲間に連絡を取ろうとするが電源自体が入らない。

「おいおい、故障か?なんだ止まっちまうぞ?」
「オカシイですね釧山さん、周りの車も止まりそうですよ、それにあの信号も…」
「えぇいバカヤローが、そのまま路肩に止めてホテルまで走るぞ桜田ぁ!!」
ホテルまで数十mに差し掛かると突然サイレンも車も無線も使用不可能になっている。
それは釧山と桜田がのるパトカーだけではなく周りの車も同じように止まりそうになっている。
そのためホテル付近では小さな衝突事故が起き始めていた。

「あれ?カナのクアトロポルテが止まりそうかしらぁ、やっぱりイタリア車は
 故障しやすいかしらぁぁ~」
「いいえ違うわ、周りの車も止まりそうデス。これは……強力なEM効果デス!!
 車を捨ててホテルまで急ぎましょう金糸雀さん!!」

……これほどのEM効果を瞬時に発生させることなんて米軍でも不可能だわ、まさかッ!?

コリンヌは走りながらホテルの上空を見る。そこには不自然な形の雲がホテル上空にだけ
滞空するように浮かんでいた。
「金糸雀さん、急ぎましょうッ!!」

                    *

「ほよぉ?」
「なっ、何なの?」
ホテルの空調が、今まで点いていたルームライトが、そしてテレビが突然消えたのだ。
それに驚く真紅は雛苺から離れてルームライトのスイッチを数回ほどパチパチと操作してみる。
「ダメだわ、停電のようね……えっ? どうしたの雛苺?ねぇどうしたの?」
壁の設置されたスイッチから雛苺のほうを振り返る真紅はえも知れない光景に唖然とした。
いままでノートに落書きをしていた雛苺がスクッと立ち上がり天井のほうを
虚ろな目付きで凝視している。しかもそれだけでは無い、なんと床から数cmほど
雛苺が浮いているように見えたからだ。そして雛苺は両手を天上に向けて話しかける。
「はいなのぉ、うん、うん、ヒナは元気なのぉ、うわぁぁ~い、ヒナも一緒に遊びたいのぉぉ~」
ありえない光景に真紅は体が硬直したように動かない。
「雛苺……? ひぃな苺ォォォォ!!」
突然眩しいばかりの閃光が部屋を包むと真紅は雛苺の名前を叫んだ後、気を失ってしまった。

(以下執筆継続中)


最終更新:2008年04月05日 14:52