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『夜の愛し仔と怪獣娘と時々オバケ』


(キャラ) 羽鳥智世、宮下アキ、風郎太




あちこちで血生臭い殺し合いが巻き起こりつつあるバトル・ロワイアル会場。

その片隅で………

「…………」

オレンジ色の髪にブレザー姿の寝ぼけ眼をした少女が一人、街灯の明かりを頼りにしてとぼとぼと夜道を歩いていた。

「……」

歩き続けた先に、寝ぼけ眼の少女は小さな公園へとたどり着いた。
ブランコと滑り台とシーソーしか遊具が無く、あとは公衆トイレとベンチしかない……本当に小さな公園だった。

「!」

公園に入ってすぐ、寝ぼけ眼の少女はベンチに人が座っているのに気がついた。

赤い髪に左手だけの手袋が印象的な、自身と同い年位の少女だった。

「……」
「あ、あの……」
「!?」

突然寝ぼけ眼の少女に話しかけられ、赤い髪の少女は目を丸くする。

「と、隣……良いかな?」
「ど……どうぞ」

赤い髪の少女から許可を貰うと、寝ぼけ眼の少女は赤い髪の少女の隣に腰を下ろす。
ただし、二人の少女の間には人一人分のスペースが開いていた。

「え、えっと……君も参加者、なんだよね?」
「うん……でも、人殺しをする気は無いから、安心して」

寝ぼけ眼の少女からの問いかけに、赤い髪の少女は恐る恐るといった様子で頷いた。

「あ、うん……えっと、ボクは宮下アキ。友達からは『アギラ』とか『アギちゃん』って呼ばれてるよ」
「……私はチセ、羽鳥智世。よろしくね」

寝ぼけ眼の少女……アキと赤髪の少女……智世の二人は、自己紹介を済ませるとそのままベンチに座ったまま、再び口を閉ざした。

「「……」」

アキも智世も傍目からは冷静沈着、に見えたのだが……

(き……)
(気まずい……!)

………内心では、もの凄く気まずい思いをしていた。

片や智世は、人ならざる存在を惹き付ける『夜の愛し仔(スレイ・ベガ)』と呼ばれる特異な存在であると共に、イギリス在住の本物の魔法使いの弟子(兼未来の嫁)。
片やアキは、『カプセル怪獣 アギラ』の魂をその身に宿した怪獣娘。

出自も能力もバラバラだったが、共通して『初対面の相手との能動的なコミュニケーション』という物が余り得意な方ではなかった。
しかも、今二人がいるのは殺し合いの場。
初対面の相手と気軽に仲良くなれるような環境ではない。

「「……(どうしよう………?)」」

相手とどんな話をすべきなのか分からず、
智世もアキも互いをチラチラと見ながら黙りこんだまま、ベンチに座り込んで数分が過ぎていく……。

……と、その時であった。

「もしもーし」
『?』

不意に背後から声をかけられ、二人はつい振り返った。
そこには……

「バアッ!!」
『うわああぁぁ!!』

大人の背丈程の巨大な髑髏が血走った目で二人を睨み付けており、二人の少女は思わず悲鳴を上げたのだった。

「……へっへっへっへっへっ」

突然現れた巨大な髑髏は、まるでイタズラが成功した子供のような笑い声をあげると……

「……よっと!」

……一瞬にして、青い繋ぎの服を着たアキや智世よりも一回り程年下に見える金髪の少年に変化したのだった。

「驚かしてゴメンな。女の子が二人して思い詰めた顔してたから、和ませようと思ってさ」

金髪の少年は屈託の無い笑顔を浮かべている。
突然の事態に智世もアキも言葉が出ない。
そこへ智世が少年に声をかけた。

「き、君は……?」
「オイラは、オバケの風郎太。よろしくな♪」
「お、オバケ……?」
「うん、オバケ」

少年……風郎太は満面の笑みを浮かべながら、自身を『オバケ』と自称した。

魔法使いの弟子(兼未来の嫁)として、普段から妖精や精霊といった『人ならざる存在』と親しくしている智世であったが、
自ら『オバケ』と名乗る者と会うのは初めての事であった。

「……でも足あるし、頭に三角形の布も無いよ?」

その一方、アキは風郎太を指差しながら、
いささかトンチンカンな発言をしたのだった。

「いや、それは『オバケ』じゃなくって『幽霊』の特徴だから」
「………?」

アキの発言に風郎太は真顔でツッコミを入れるが、アキはまたも首を傾げた。

「えっと……『オバケ』も『幽霊』も同じじゃないの?」
「いやいや!全然違うから!?」
「あ、あのね宮下さん……」
「『アギラ』でいいってば」

その後、智世と風郎太は『オバケ』と『幽霊』の違いについて、アキが理解できるように詳しく説明したのだった。

☆☆☆


風郎太のおかげ(?)で、幾分気持ちがほぐれた智世とアキの二人は、風郎太も交えて三人で情報交換を開始した。
だが………

「『超人』に……『超人課』?……ごめん、聞いた事ないや」
「『怪獣娘』……『GIRLS』……そんなの、聞いた事ないけど……」
「『魔法使い』って……輝子さんの仲間か?」

……お互いの『常識』があまりにも違い過ぎて、3人の頭上には大量の?が浮かんでいた。

アキは自らを『国際怪獣救助指導組織、通称『GIRLS』に所属する怪獣娘の一人』と説明したが、智世も風郎太も『GIRLS』という組織だけでなく、『怪獣娘』の存在すら知らなかった。

アキが怪獣娘について、『過去に地球に出現した怪獣の魂を宿した女の子の事』と説明して風郎太は一応理解したのだが……智世にとって『怪獣』とはテレビや映画の中だけの『架空の存在』であり、それが実際に出現したなんて話は一度も聞いた事がなかったのだ。

同じく、智世が自分について『イギリスで修行している魔法使いの弟子』(※嫁云々は話がややこしくなるので伏せた)だと語っても、アキにとって『魔法使い』とは『絵本の中だけの存在』という認識だったし、風郎太にいたっては「魔法使いって、魔女っ娘の仲間かなんかか?」とか真顔で聞いてくる始末だ。

そして、風郎太は自らを『人々の平和を守る『超人』達を守る超過人口審議研究所、通称『超人課』の一員』と語ったのだが………やはりアキも智世も『超人課』なる団体を全く聞いた事が無く、そもそも『超人』というものに関しても、テレビや映画等に出てくるいわゆる『正義の味方』的な『架空の存在』としか認識していなかったのだ。

「えっと……ところで、今年は何年か分かる?」

智世が話題を変えようと、何気なくそんな質問をすると……

「えっ?『神化45年』だろ?」

風郎太は真顔でそう答えた。

「し、『しんか』………?」
「えっと……しんかって、何?」

風郎太の返答に、アキと智世はまたしても首を傾げた。

「何って……今年の年号に決まってんだろ?」
「えっ?いや、今年の年号は『平成』だよ?平成29年」
「……はぁ?『へいせい』?なんだそれ?聞いた事ねぇな~」

アキからの返答に今度は風郎太の方が首を傾げる。
二人の話を横で聞きながら、智世の背中に何か……吹雪が吹き荒れる荒野を裸で歩くような冷たい感覚が走った。

「え、えっと……できれば、『年号』じゃなくて、『西暦』で言ってくれると、助かる……かな?私、今日本じゃなくてイギリスで暮らしてるから」
「えっ?えっと『西暦』だと……確か……」

風郎太は少し考えた後に答えた。

「……19××年くらい、だったかな?」
『えっ?』

風郎太の言葉に、アキも智世も目を丸くする。

「な……何言ってるの?今は2017年だよ?」
「……はぁ?」

アキが口にした年代に、今度は風郎太が目を丸くする。

「ね、ねぇ?そうだよね?」

アキは見るからに困惑の表情を浮かべながら、智世に同意を求める。
だが……智世の顔はアキ以上に青ざめていた。

「い、いや……私がここに連れて来られる直前に見たカレンダーには……『2023年』って書いてあった……」




『………どういう事(だよ)?』

お互いの常識だけでなく、時間の認識すら異なっている。

更に詳しく確認してみれば、アキと智世は19××年代の日本の年号は『神化』ではなく、『昭和』だと認識していた。

一体これはどういう事か?

その時、智世の脳裏にある事が浮かんだ。

「……別の世界」
『?』

智世が口走った言葉に、アキと風郎太は首を傾げる。

「つ、つまり……私達はそれぞれ『似ているけど全く違う別の世界』……『パラレルワールド』とか、そういう感じの場所からここに連れて来られた。だから、お互いの『常識』も『時間』も、全然違う……そういう事、なんじゃないかな?」
『………』

あまりに突拍子も無い話だったが……アキも風郎太も、確かにそう考えるとつじつまが合う気がしていた。

過去に怪獣が出現し、その魂を宿した『怪獣娘』が存在する世界。
世間一般から隠された場所で、『魔法使い』が実在している世界。
『昭和』の代わりに『神化』という年号が採用され、『超人』的な存在が人助けを行っている世界。

少なくとも、アキや智世、それに風郎太は全く異なる3つの世界から連れて来られたと考えれば……全てのつじつまがぴったりと合った。

「なんだか……SF映画みたいな話だね?」
「……まぁ、どっちかって言ったら、『ファンタジー』か『オカルト』だけどね」

アキのこぼした感想に智世は苦笑いを浮かべるしかなかった。

「えっと……つまり、あれがああだから……」

一方、風郎太は智世の話を理解しようと、必死に頭を動かしていたのだった。

☆☆☆


「………で?これからどうするんだ?」

それから数分後、
智世の話をどうにか理解できた風郎太が、アキと智世に今後の方針を聞く。

「どうする?って言われても……」
「……どうしようか?」

アキと智世はお互い顔を見合せながら、首をひねる。

進んで人殺しをするつもりは無い。
だからといって、この会場から脱出する為の手段も方法も思い付かない。
そもそもアキも智世も、自分から能動的に行動するのはあまり得意ではなかったのだ。

「「…………」」

アキと智世はまたしても、黙り込んでしまう。

そんな二人の様子に、風郎太は頭を掻きながらため息を漏らした。

「はぁ~………あのさぁ、一々考えこむ度に難しい顔して黙り込むの、止めようぜ?一応ここ、『殺し合い』の場なんだし」
『ウッ……』

風郎太に痛い所を突かれてしまい、アキと智世は苦い顔を浮かべながらその意見に納得する。

ここは殺し合いの場。
殺人に嫌悪感や拒否感を持つ者ばかりとは限らない。
中には『どんな願いも叶える』という甘い誘惑に乗る者もいるはずだ。

それにもしかしたら……自分たちの友人や知り合いも、この会場のどこかにいるかもしれない。

『………』

そこまで考えて、アキと智世は互いの顔を見合せながら静かに立ち上がった。

「えっと……とりあえずこのスマホで参加者名簿を確認しよう。それでもし、名簿の中に知り合いの名前があったら、探して合流しよう」
「……うん。私もそれでいいよ」

アキが今後の方針を決めると、智世もそれに同意し、二人は顔を見合せながら笑った。

「よーし!んじゃあオイラは、この会場から出られるまで、二人の事を守るぜ!違う世界の人でも、『超人を守る』のが超人課の仕事だからな!」

風郎太はニッカリと笑いながら、自身の胸を叩いた。
その姿を見ながら智世は苦笑する。

「『超人』って……私は『魔法使い』であって、超人なんて凄いものじゃないよ?」
「ボクも『怪獣娘』だから、どっちかって言えば『超人と戦う方』だよ」
「問題ねぇよ。オイラの入っている超人課じゃあ、宇宙人でも怪獣でもロボットでも妖怪でも魔女っ娘でも、『人間より凄い力を持ってて、その力を人間を助ける為に使う奴』は、み~んな『超人』って扱いだからな♪」
「………なんか『アバウト』っていうか、結構『いい加減』なんだね」
「………確かに」

風郎太の語る『超人』の定義に、少し唖然となるアキと智世であった。


【羽鳥智世@魔法使いの嫁】
[状態]:健康、風郎太のおかげ(?)で少し気持ちがほぐれた
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:帰りたいけど、人殺しはしたくない
1:名簿を確認して、知り合いがいたら合流する
2:宮下さんと風郎太と行動する
3:……私は『超人』じゃなくて、『魔法使い』なんだけどなぁ?
[備考]:アニメSEASON2第1話開始直前から参戦。
アキと風郎太より、『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』世界と『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』世界に関する大まかな情報を入手しました。
『使える魔法』及び『竜の呪い』関連の制限は、後の書き手さんにまかせます

【宮下アキ(アギラ)@怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~】
[状態]:健康、風郎太のおかげ(?)で少し気持ちがほぐれた
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:人殺しはしたくない
1:名簿で知り合いの名前があったら、探して合流する
2:智世ちゃんと風郎太君と行動する
3:ボクは『超人』じゃなくて『怪獣娘』だよ?
[備考]:アニメ第二期からの参戦。
智世と風郎太から『魔法使いの嫁』世界と『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』世界に関する大まかな情報を入手しました。
現状、ソウルライザーが無いと怪獣娘に変身できません。

【風郎太@コンクリート・レボルティオ~超人幻想~】
[状態]:健康、頭を使って少し疲れた
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:人殺しはしない
1:超人課の一員として、アキと智世を守る
2:知り合いがいたら合流する
3:違う世界の人でも、『超人』を守るのが超人課の仕事だ!
[備考]:神化45年頃(第一期終盤(神化43年)から第二期序盤(神化46年)の間)からの参戦。
アキと智世から『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』世界と『魔法使いの嫁』世界の大まかな情報を入手しました。
アキと智世を『違う世界の超人』と認識しています。
制限により違う姿に変身しても首輪は外れません。
その他、細かい能力制限等は、他の書き手さんにお任せします。









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最終更新:2026年07月17日 23:33