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STORY - (2008/07/06 (日) 23:02:36) の編集履歴(バックアップ)


「おはようございます。和久津さま。キスしてよろしいですか?」
「だめ」
 これが三日前。
 平穏無事な朝、同級生とのたわいもない日常。

「いくわよ、いいわね、気合いを入れて!」
「物事は精神論より現実主義で!」
 その三日後。
 萌えるビルの屋上からダイブして、都市伝説の黒いライダーに追いかけられた。

 運命はいつだって問答無用にやってくる。
 自分たちをお構いなしに自分勝手に巡っていく。

 皆本るいは、家なし子だった。
 花城花鶏は、奪われたものを取り返すためにやってきた。
 鳴滝こよりは、消えた婚約者を探していた。
 茅場茜子は、父の不始末のとばっちりを受けていた。
 白鞘伊代は、ひとりぼっちだった

 そして。
 猫かぶりの優等生、和久津智は断末魔だった

 智には痣がある。
 宿命のような、運命のような、烙印めいた小さな痣だ。
 その痣は、きっと昔から、ろくでもない先行きを予告していたのだろう。

 死んだ母から手紙は届いて以来、
 地雷原に迷い込んだように引きも切らずトラブルが押しかける。
 宿命のように運命のように、
 涙目の智が出会った少女たちの身体には、智と同じ形の痣があった。


ノロワレた青春を駆け巡る、運命に選ばれた8人の少年少女の物語。
「皆元さんを頼りなさい。」すでに死んだ母から届いた封書。
それに従い智は探す。そして呪われた少女たちは出会い、運命を共にする共同体「同盟」を結成した。

「誰かのためじゃなく自分のために、自身のために」

「僕たちはひとつの”群れ”になる。群れはお互いを守るためのものなんだ」

いつか来る平穏無事な日々を夢見て、全身全霊で疾走するでこぼこだらけの少女たちは。
いつしか固い絆で結ばれていく。

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