番外編1-1 雪の鎖
そのときの僕は、きっと泣いていただろう。
記憶は曖昧だ。
ほとんど覚えていない。
でも、確かに僕は、ここで出会ったのだ。
悪魔と言う名の天使に。
雪鎖「・・・・」
歩いていた。
町の中を、ただ黙々と。
行く当ても無く、ただ町を転々としていた。
男性1「おい聞いたか、あの噂」
男性2「何だ?」
男性1「最近、妙な奴が町を転々としているらしいんだ」
僕のことか?
いや、何も事件なんておこしていないし、そんな噂をされるはずはない。
男性2「もしかして・・」
二人の男性はこっちを見ている。
僕か?
なんだか嫌な感じだな。
この町からも出ないとな。
しかし、もう行く当てもない・・・よな。
もう、覚悟はできているが。
ガン
雪鎖「あ、すいません」
男性3「気をつけろよ」
雪鎖「はい」
危ない。
考え事をしていたから、前をちゃんと見ていなかった。
男性1「おい」
雪鎖「え?」
なんだろう?
男性1「おまえ、スリか?」
雪鎖「違いますよ」
何を言ってるんだ?この人は。
僕は物を盗むような真似はしない。
雪鎖「うお?」
男性2「さっき盗んだものを出せ」
何も盗んでない・・・。
僕は、何もしていない。
雪鎖「盗んでないものを返せといわれても、無理ですよ」
男性1「なら、武力行使でいくぞ?」
素人だろうか?
この手の人は、結構いるんだよね。
慣れてしまえば、意外となんとも無いんだけど。
雪鎖「・・・・素人ですか?」
男性1「はぁ?」
雪鎖「あなた達、詐欺師ですね?」
男性2「なんだと?」
雪鎖「人をスリだと言って、金を出せと脅す。そして盗んでもいないような人から金を巻き上げては、逃げる。無論、相手はスリだといわれるので、反論ができず、だれも手を貸してはくれない。あなた達ばかり特をするわけです」
この手の奴らは、もうなれた。
はっきり言って、こいつらは素人すぎる。
もっとうまい奴もいたんだが。
男性1「なめんじゃねぇ!ガキが!」
雪鎖「ガキで結構ですよ」
前言撤回。
僕は、事件を起こしていた。
雪鎖「はぁ・・・」
やっぱり、こいつらは弱い。
横や後ろからならともかく、前から来た。
そして、こいつらは無能力者。
雪鎖「あなたたちに用はありません」
僕の能力、これは一般的に恐れられている。
液体を使った能力として、最も恐ろしい技。
男性1「!!!?!??」
これは相手の体内にある水分、いわば血や胃液を使うことも可能なわけだ。
雪鎖「これにこりて、もうやめることです」
男性2「く、くそガキがぁぁぁぁぁ!!!」
バンッ!
雪鎖「・・・それが何ですか?」
男性2「ば、化け物か!」
雪鎖「たかがハンドガンぐらいで、調子に乗らないでくれませんか?」
ベチャ
男性2「う・・うあ・あ・・ぁ・・・ぅ・・・うあ」
雪鎖「幸運に思ってください。あなた達はまだ生きています」
男性の腕を片方潰した。
腕の中の血を一部逆流させて、一箇所にためて、それを破裂させる。
男性1「ガキがぁぁぁぁ!! 調子に乗るなぁ!!!!」
グサッ
雪鎖「・・・痛いじゃないですか」
男性1「化け物がぁぁぁ!!!」
化け物、ねぇ。
確かに、僕は化け物だ。
そのせいで、僕は親に捨てられたんだ。
うらんでない。
雪鎖「・・・殺しますよ?」
言ったときにはすでに動いていた。
雪鎖「雪の鎖はもろいですから、あなたでも壊せるかもしれませんね」
男性1「ぐぅ!!ぐぁぁあ!!!」
いつの間にか、周りに人だかりができていた。
遠くからはサイレンが聞こえる。
雪鎖「僕は帰りましょうかね」
何処にだ?
自分で言ってておかしくなる。
雪鎖「さて、行くか」
最終更新:2011年11月03日 12:48