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α-13

第十三話 桜の紋章

 ガガガガガ
雪鎖「何だ?」
 ガガガガガガ
光李「歯車?」
 ガガガガガッ
雪鎖「!? <雪雨>!!!」
 ドガァァァン!!!!
 ま、間に合った・・・。
雪鎖「はぁ・・・はぁ・・・」
 とっさに魔法を使ったので、かなりエネルギーを使っちまった。
小雨「何!?何なの!?」
雪鎖「<火化>!」
 ボオッ
雪鎖「<雷架>!」
 立て続けに使われる魔法。
 それによって、徐々にエネルギーは失われていく。
 もう、40%も残っていないだろう。
雪鎖「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・。っ、<透矢>・・・」
 せつめ、ひか、らいか、とうや。
 かなりエネルギーは消費している。
雨針「<雷神針刺>!」
 ギュゥゥゥン・・・・
 敵の体を針が貫く。
 しかし、敵はまだ無数にいる。
 大型の自立戦闘兵器。
雪鎖(「<桜吹雪>、我の使いしは、<千年桜>。持ちし物には、響く声と、唄を届けよ。散れ、」)
 意味は分からない。
 だが、これはかなり威力のあるものらしい。
 もう、これを使えばエネルギーは残らないだろう。
雪鎖「<雪桜青龍>!」
 ひどい頭痛がする。
 体の節々が痛む。
 立つことで精一杯だ。
 しかし、手を前にかざす。
 最終認証。
雪鎖「<朱雀青雪>」
 すざくせいせつ。
 目の前に広がる吹雪。
真「なっ・・・・」
 それは敵に触れると溶けて、酸へと変わる。
 触れた部分は溶ける。
小雨「雪・・・・」
 意識が・・・途切れる・・・・。
 ・・・・・・・・。
 ・・・・・・。
 ・・・・。
 ・・。

◇??◇

 ・・・
 何処よ?
 「やあ、また会いましたね」
 ああ、あなたは・・・。
 「先日の雪の紋章、ちゃんと持ってますよね?」
 ああ、これ・・・でしたっけ?
 「はい。ちゃんと持ってますね」
 ところで、あなたの名前は?
 「私は・・・・・・・・名前は無いです」
 え?
 名前が無いって・・・?
 「私には、名前がありません。全てのものに、名前が与えられるわけではないのです」
 じゃ、名前付けようか。
 「え?」
 「今、なんて?」
 そうだな・・・・・由香、とか?
 「え、ちょ、ちょっと、何ですか!?」
 名前だよ。
 名前ないと、呼びにくいじゃん?
 「た、確かにそうだけど・・・」
 だから、ゆいか。ね?
 「ゆ、ゆいか・・・ですか」
 そうそう。由香。
 「わ、わかりました。じゃ、ゆ、ゆいかで」
 うんうん。
 「って、そんな話をしにきたんじゃありません!」
 あ、そうか。
 いやー、ごめんごめん。
 「今回は、<桜の紋章>の試練に挑んでいただきます」
 <雪>に続いて、こんどは<桜>かよ。
 「あなたの『扉』、私達の最重要目標なんです」
 しらないし。
 ってか、なんで俺が『扉』を・・・・好きで持ってるんじゃないし。
 「だとしても、です。その『扉』を狙ってる人が、いるかもしれないんです!」
 そうなのか・・・。
 って、ん?
 「なんですか?」
 もしかして、あいつらが『扉』を狙ってるのか?
 <クローラック>に<イロール>、奴らは俺を狙っているらしい。
 「ちょっと待ってください」
 ??
 なんだ?
 「ああ、ありました。『扉』を狙っている団体のリストに、その二つが」
 ま、まじですか。
 「はい、マジです」
 うわー、めんどくさいことになりそうだー。
 「あなたは『扉』を守ってください。私達は、この団体の調査にあたります」
 ・・・逃げるか・・・。
 「え?」
 このままでは、ここにいるみんなに、迷惑がかかる。
 そんなの、嫌だ。
 「・・・・そうですか」
 「止めませんが、本当にいいんですね?」
 ああ、俺はここのみんなを守りたい。
 それに、これは俺の問題だ。
 しょうがないことなんだ。
 「分かりました」
 「あなたとは、寝ているときに会えるでしょう」
 「それでは、試練を言い渡します」
 ああ。
 「青き炎を、習得してください」
 ・・・・・。
 青き・・・・炎・・・。
 「あなたの元に資料を転送しておきます。それを読んで、習得してください。きっと、役に立ちます」
 わかった。
 そろそろ、眼が覚めるな。
 「はい。 私は、これで失礼します」
 またな、由香。
 「はい、雪鎖さん」

◇病棟◇

雪鎖「・・・・」
 周りには・・・。
 誰もいないな。
雪鎖「さてと・・・」
 資料に目を通す。
 <赤き炎>。
 「水華の青」の<杖>が必要。
雪鎖「冗談だろ・・・」
 まずは、<杖>を探す必要があるのか・・・。
 しかし、しょうがないか。
雪鎖「さてと・・・」
 旅立ちの準備をしないとな。
雪鎖「ふぅ・・・・はぁ・・・・・・ふぅ・・・・」
 上空に手をかざす。
雪鎖「<EN吸収>」
 周囲にある自然のエネルギーを吸収する。
 これ自体にもエネルギーを使ってしまう。
 約2%だ。
雪鎖「さてと、行きますか」
 瞬間移動をする。

◇寮◇

雪鎖「さて、荷物はこんなものかな?」
 幾千もの銃弾。
 そしてナイフに予備の刃。
 さらには手榴弾や睡眠ガスグレネード。
雪鎖「雪の紋章も、もって行くか」
 他には・・・。
雪鎖「あ・・・」
 初めて使った俺の相棒。
雪鎖「これは・・・」
 そして、初めて使った刀。
雪鎖「・・・・・」
 ダメだ。
 いつまでも感傷に浸っている場合ではない。
雪鎖「・・・・行くか・・・」
 再び瞬間移動で、今度は学園から出る。

◇校門◇

 現時刻は午前3時。
 誰も起きていない。
雪鎖「・・・」
 一度学園を見る。
 たくさんの思い出がある、この場所。
 仲間がたくさんいる、この場所。
 今では、姉さんもいる。
雪鎖「さて、いくか」
 いつまでもこうしてはいられない。
 この場所にいては、いけない。
雪鎖「さようなら。 そして、ありがとう」
 学園のみんなに。
雪鎖「本当に・・・・今までありがとう」

最終更新:2012年02月07日 19:20