第十四話 姫との出会い
雪鎖「さてと、どうするかな」
先に食料を買いだめしようか?
それとも、調達してこようか?
クエストでも・・・・。
雪鎖「んじゃ、改めてクエストに行きますか」
◇森◇
雪鎖「こんな場所に森があったのか」
ガサガサ
雪鎖「お出ましか?」
??「・・・」
雪鎖「・・・・・」
おそらく今の俺の頭の上には、?マークが5つほど浮かんでいるだろう。
そこにいたのは、同い年ぐらい(?)の女の子だった。
しかも、かなり傷を負っている。
雪鎖「えーっと・・・・」
少女「ん?」
少女は
こちらに今気づいたのか、不思議そうにこちらを見ている。
雪鎖「大丈夫・・・・ですか?」
少女「大丈夫です」
バタン
言ってるそばから倒れてるじゃん。
大丈夫じゃないでしょ。
雪鎖「かなり重症だな」
少女「そ、そんなことないですよ。これぐらい・・・」
少女は立とうとして、体制を崩した。
雪鎖「うわ!?」
バタン
雪鎖「いったた・・・・」
そして、目の前の光景に唖然とする。
少女が、俺に覆いかぶさるような形になっていた。
雪鎖「ちょ、ちょっと!?」
声をかけても、少女は起きる気配がない。
気絶しているようだ。
雪鎖「・・・・・・・・」
なんだか、心臓が・・・。
いやいや、変なことを考えるな、俺。
平常心、平常心。
少女「すぅ・・・・・・」
気持ちよさそうに寝るなよ。
仮にも、俺の上だぞ?
雪鎖「どうしたもんか・・・」
少女は、見た目以上に重かった。
おそらく、周りにつけている無駄に硬そうな鎧のせいだろう。
もとい、鎧はかなり傷がついていた。
雪鎖「しょうがないな・・・」
少女の背中に手を当てる。
まるで、抱いているような感じになってしまった。
雪鎖「治療ぐらい、してやるか」
手から緑色の光が出る。
少女「んっ・・・・んぁ・・・・あぁん・・・」
変な声出すなよ。
雪鎖「まったく、どうしてこんなに傷を負って・・・・・」
ガサ
雪鎖「ん?」
ガサガサ
雪鎖「うわ、まずい」
この気配は、間違いなく人だ。
こんなとこ、視られたりしたら・・・。
雪鎖「ちょっと、起きてくれませんか? 起きてください」
少女「すぅ・・・・・」
寝てるよ、この子は。
ガサガサガサ
雪鎖「えーい、こうなれば・・・」
手を地面につける。
雪鎖「<結晶化>」
そして、触れた場所から徐々に凍っていく。
数秒後には、俺と少女は、氷の中に入っていた。
これなら、周りからは見えないだろう。
雪鎖「しかし、こんな森の中に氷があったら、不自然だよな」
少女「すぅ・・・すぅ・・・・・」
しかし、気持ちよさそうに寝ているな。
なんだかかわいいな。
月夢もかわいかったけど。
いや、周りには結構、かわいい子はいたよな、たぶん。
少女「ん・・・・・んん・・・」
あれ、起きちゃう?
いや、変な誤解されないといいけど。
少女「ん・・・・ん?」
雪鎖「お目覚めですか?お嬢様」
とにかく、どいてくれません?
って、あれ?顔が真っ赤になってる。
少女「い・・・」
雪鎖「え? ちょ!?」
少女「いやぁぁぁ!!!!!」
パチン!!
雪鎖「いってぇ・・・・」
思いっきりビンタされた。
ひでぇな・・・。
少女「あ、あああああなた! わ、わわ私に何をしたの!」
何もしてないです。
雪鎖「ただ治療しただけじゃないか・・・」
あとは・・・・氷で囲んだ?
ある意味、ここは密室だ。
雪鎖「・・・あぁ・・・」
変な誤解されてるよな?
されてないわけないよな。
少女「あ、あなたには、礼儀というものがないのですか!」
雪鎖「それはこっちがいいたいよ。 君が倒れた時、俺の上に覆いかぶさるような形になってたんだぞ」
少女「なっ!!」
雪鎖「ってか、そろそろどいてくれないかな」
少女はまだ、俺の上にいた。
そして外からは、人を探すような声も聞こえてくる。
少女「あ・・・・」
少女は今の状態に気づいて、顔を赤くした。
少女「あ、あわわ、あわわわわわわ」
慌てふためいている。
まったく、重いっての。
雪鎖「そろそろ、氷、溶かしてもいいかな?」
少女「ま、待って!!」
雪鎖「え?」
今度は何だ・・・。
少女「あ、あと少しだけ、このままで・・・」
雪鎖「それはつまり、氷を溶かすなと?」
少女「は、はい」
雪鎖「何故?」
少女「外にいるのは、城の兵たちだと思います」
雪鎖「たしかに」
外には鎧を着て走り回っている兵がいた。
少女「私は、あの城から逃げてきたんです」
雪鎖「話が見えないぞ」
少女「私はあの家に生まれた、長女なのです」
雪鎖「マジか・・・」
少女「はい。 私は長い間、あの城から出られず、外の世界をまったく見ないまま、生きてきました」
つらかっただろうな、それは。
少女「私はもう、あの城には戻りたくありません。 私はこのまま、普通に暮らしたいんです」
雪鎖「なるほどねぇ・・・」
少女「あ、そうだ、あんたの名前は?」
雪鎖「ああ、俺は白井雪鎖。君は?」
桜「私の名前は「春之 桜」です。 桜って読んでください」
雪鎖「桜さん、一体なんで・・・」
桜「さ・く・ら」
雪鎖「・・・桜?」
桜「そうそう」
雪鎖「桜、一体なんでこんな森の中に?」
普通、逃げてここまではこないだろう。
桜「懸賞金を、賭けられちゃって」
雪鎖「そりゃ、未来の皇女だからな」
桜「だから、町では私、目立つし」
雪鎖「その鎧は、一体どこで?」
桜「逃げ出す前に、ちょっと訓練をしてたんだよ。 訓練の途中で逃げ出してきたから、この格好で・・・」
雪鎖「大体の事情はわかったよ。 それで、どこか行くあてはあるの?」
そういうと、桜は首を横に振った。
桜「それを今、探してるんだけど・・・」
雪鎖「一緒に来るか?」
桜「え?」
まあ、旅するだけだが。
雪鎖「って言っても、俺は、旅をしているだけなんだが」
桜「旅・・・ですか」
雪鎖「ああ、いや、嫌ならいいんだ。 ただ、そのほうが、外の世界も多く視られるだろうと」
桜は困ったような顔をしていたがすぐに、
桜「本当にいいんですか?」
雪鎖「ああ、俺は別にかまわないが」
笑顔になった。
桜「では、一緒にいきます」
雪鎖「さて、そろそろ出るか?」
桜「そうだね」
氷に手を当てる。
雪鎖「解除」
氷は徐々に解けていく。
そして、完全に溶けた。
兵1「姫がいたぞ! 謎の男と一緒だ!」
雪鎖「さて、すこし下がっててくれ」
桜「大丈夫なの? あれでも、一応訓練された兵だよ?」
雪鎖「任せろって」
兵1「両手を頭の上に組み、地面に伏せろ!」
雪鎖「従うとでも?」
ガスッ
兵1「ぐあぁぁぁ!!!」
雪鎖「さて、次は誰だ?」
兵2「発砲許可を出す!全員撃てぇ!!」
ガガガガガガガ
雪鎖「<雪雨>」
ギギギギギ
桜「うわぁ・・・・」
雪鎖「さて、フィナーレだ」
手を前にかざす。
雪鎖「3ヶ月ぐらい、眠ってろ。 <雷架>!」
ビリリッビリリリリリ
ギュイィン
バタン
雪鎖「さてと、めんどくさいが、運んでやるか」
桜「い、今のはなに!?」
雪鎖「瞬間的に電流を相手の体に流して、神経を麻痺させた。 衝撃で、3ヶ月ぐらいは起きれないだろう。 起きたとしても、4ヶ月は動けないだろうな」
兵を全員一箇所にまとめる。
雪鎖「行け」
一度にまとめてテレポートさせる。
桜「多重能力者なの?」
雪鎖「たぶんな」
実際、俺の能力は分かっていない。
学園に入学するときに受けた試験では、ランク不明の「月」属性の魔法だといわれた。
雪鎖「さて、これからどうするか・・・」
桜「食料とかは、あるの?」
雪鎖「ああ、料理とかは一通りできるからな。材料があれば」
最終更新:2011年11月14日 13:25