「あっ!?……あっ!?……あっ!?」
自分の上げる声の調子が前と以前と変わってきてしまっている気がする。揺れる前髪の間の
ひたいに汗のしずくを感じながら、ぼうっとした瞳で、逃げるようにあちこち辺りを見回しながら、
体育倉庫の古いマットの上で横向きに肘を張り、持ち上げられた剥き出しの片足を大きく広げ、
後ろから保坂先輩に両脚の中心を丹念に突かれながら、そうして身体を揺さぶられながら
こういう事全部になじんできている自分が怖いように感じていた……
仕方ないのかも。多分慣れてきているのではなく身体全体が飼い慣らされてきているのだ。
……保坂先輩と……保坂先輩のあれに
痛かったのはずいぶん前のことで、今では先輩の物を出し入れされている時の感触も大分違う。
むしろ毎回その感覚が変わっていく驚きに頭の方がついて行けなくて、されている最中の瞳の色が
いつも身体の奥から伝わってくる先輩の物の感触を確かめているような様子の色になってしまう。
頻繁に舌を求められるので舌を半分出した口が半開きになってしまい漏れ出る吐息が抑えきれない。
時々その声が半泣きになってしまう。
たぶん本当に泣いてしまっていて瞳が濡れているのだろう。そうすると半開きの唇をこじ開けて保坂先輩の
舌が深く差し入れられ、同時に先輩の下半身の動きと出し入れが一層激しくなり、そしてそうなると
結局わたしは、何で自分がこんなことをしているのかまったく何も考えられなくなってしまうのだ。
困り顔で外に突きだしたままの舌、柔らかく濡れた舌で先輩の顔をあたりかまわず舐めながら、
射精されるまで。でも今はまだそれほどではない。
それにしてもこの人はいったいどういう人だろう。結局、これでされるのは今回はこれで3日連続になる。
呼び出しの時、「今日は」と言ったのにそれにどういう意味があったのか。これでは明らかに「今日も」だろう。
どのみち此処へ来て両肩に手を置かれ目を合わせた瞬間に説得は諦めたのだけれど。
どうみても話が通じる人の目ではなかったのだ。
「……っ!?先輩?そこはもうやめてください……わたし弱いんです本当にっ!?」
その保坂先輩は今、わたしを横向きの後ろ抱きにして身体の下側になった腕を胸に回して剥き出しの乳房を弄り
顔をわたしの耳の後ろに近づけ、そこからうなじ、首筋から胸元の辺りを所構わず舐め回している。いつもと反対の
立場だ。感じやすいところなのに悪いことに今日の保坂先輩はそこがお気に入りのようなのだ。
背後の先輩の首の後ろに腕をまわしてしがみついて剥き出しの胸を反らせている恰好のわたしはさっきから
必死に止めてと訴えているのだが話を聞いて貰えない。というかこの人はしている最中もずっとあっちの世界へ
行ったままだ。まさかというかどうしてというか少し所ではなくちょっと怖い。
でもどうしてと言えば……どうしてこの人はわたしの弱い所に気が付いたのだろう。
前回はそんな素振りは全く無かったのに。
一方で妄想中の先輩はそんなこちらの様子にはおかまいなしで話し続ける。
「ふむ。やはり上着を脱がせたのは正解だったな。
こうしていると背中のシャツ越しに俺の熱い体温と鼓動が伝わって来るだろう? それに……
こうして密着していると……すごく匂うな。何というか生物的な鼻を突くエロい匂いだ。
どういう匂いだろう?これが乳房の匂いと体臭が混じり合った匂いという奴か?」
(エロいって、に、匂うって、お、女の子に……なんてことを言うんですか!)
わたしは半泣きになってそう抗議したかったけれど唇が情けなく震えただけだった。
だって確かに下着を抜かれた白いブラウスの上は、下の乳房が透けて見えてしまうほどわたしの汗か…何かで濡れて
しまっている。それに……両脚の中心から出ているものの匂いも。確かに今、この部屋に入ってくる人が居たら、
入り口のあたりで蒸せ返るような女の子の身体の匂い……わたしの匂いに驚いてしまうかもしれない。
されている最中の女の子の匂い。だってでも元々この部屋はそういう部屋だったのではないか。
羞恥に顔を赤らめながらわたしは考え続けることで先輩の腰の動きが伝えてくる感覚に抵抗した。
今日何回目?身体の限界が近い。天井近くの明かり取りの小さな小窓しかないこの部屋は、薄暗くて
裸の姿がぼんやりと白く光って見えて、先輩の言う自分の身体の匂いとその部屋の光景とでなんだか
……他の部屋でするのより、自分が逝きやすくなってしまっているように感じる。それに、このままこの先輩相手に
話をただ聞いていたのではこちらの頭がおかしくなってしまう。
そもそも旧校舎のここは、入学して間もない右も左も解らないような新入生の女の子が先輩の2年生男子たちに
連れ込まれたりしたりする場所だという噂だ。2年生女子にもなってこんな場所に連れ込まれたというだけで、
もし周囲にその事がばれたらその女の子は馬鹿だということになって普通に学校生活を送れなくなってしまう。
確かにどうして自分がこんなことをしているのか何も考えられなくなってしまっている今のわたしには
似合いの場所かもしれないけれど、それでも、その原因の当人にこんなことを言われながら
されてしまうのは……
最終更新:2008年02月23日 21:11