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海難の書:第2章「船旅」

多くの海洋冒険は、船旅を中心にして物語が展開する。大量の商品が流通する港湾の間を渡航する日常的な作業、秘密の海賊の隠れ家を求めて海岸沿いを捜索する場合、神秘的な浮島を求めての探索、大海を超えて新しい地を探して海図を作成するという大胆な遠征といったものだ。
大海を超えて旅を繰り広げることは、冒険の一部として行なわれることもありうるし、それ自体が冒険そのものにもなりえる。特に海図に示されていない、未知の危険な水域への旅は、まさに冒険そのものと言って過言ではない。英雄たち一行は深海の恐るべきモンスター、邪悪な脅威に脅かされている神秘的な島々、荒れ狂う恐るべき嵐、難破、その他何ダースもの形態の災難に遭遇するかもしれない。


風と天候

船旅の成否を決定するのに重要な役割を果たすいくつかの要素の1つとして、船がその旅路の間に遭遇する天気も重要な要素である。快適な風は素早く容易な旅をもたらすことになるが、嵐や凪は、最高度に熟練した船乗りですらイライラさせられるものとなる。船で旅を行う際には海上の天候が問題となるが、海上の天候は陸上の天候とは異なっている。下記の「表:海上の天候」は『Dungeon Master’s Guide』の第5章にある「表:天候」に置き換わるものである。
船旅を開始するとき、その旅路の天候状態を決定するために「表:海上の天候」でロールすること。このロールの結果で、その日の気温、風力、降水が決定される。
いったん天気の組み合わせをロールして決定したなら、それらは1d6日間変化せずに維持される。

表:海上の天候
d20 気温
1~14 その季節の通常の気温
15~17 通常よりも華氏で1d4×10度寒い
18~20 通常よりも華氏で1d4×10度暖かい
d20
1~2 凪(風なし)
3~9 微風(風速10マイル未満)
10~16 軟風(時速10マイル~20マイル)
17~20 再度d20ロール
1~12 強風(時速20マイル~50マイル)
13~19 暴風(時速50マイル~75マイル)降水量のロールをd10+10で行う。
20 台風(時速75マイル以上)降水量のロールをd6+14で行う。
d20 * 降水量
1~2
3~9 なし(晴天)
10~12 なし(曇天)
13~17 小雨か軽度の降雪
18~20 大雨か重度の降雪
* 暴風の場合はd10+10、台風の場合はd6+14をロールする

気温

その季節の通常の気温についてはキャンペーン世界の設定に応じてDMが決定するが、一般的には「表:気候帯と季節に応じた通常の気温」の通りである(もっと極端に気温が変化する地域もごく普通に存在する)。華氏100度を超える場合は極端な熱気、華氏0度を下回る場合は極端な寒気となる。

表:気候帯と季節に応じた通常の気温
気候帯 春/秋
寒冷 華氏10度(セ氏-12度) 華氏40度(セ氏4度) 華氏70度(セ氏21度)
温暖 華氏40度(セ氏4度) 華氏60度(セ氏16度) 華氏80度(セ氏27度)
暑熱 華氏60度(セ氏16度) 華氏75度(セ氏24度) 華氏90度(セ氏32度)

極端な寒気
気温が華氏0度を下回るときには、寒気に晒されたクリーチャーは毎時間の終了時に難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗すると1レベルの消耗状態を得る。[冷気]ダメージに対する抵抗か完全耐性を有するクリーチャーは自動的にこのセーヴィング・スローに成功し、また防寒用の装備(厚いコート、手袋など)を着用しているクリーチャーや、寒冷な気候に生まれつき適応しているクリーチャーも同様に成功する。

極端な熱気
気温が華氏100度を上回るときには、熱気に晒され、飲み水を得ることができないクリーチャーは毎時間の終了時に【耐久力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗すると1レベルの消耗状態を得る。この難易度は最初の1時間は5で、それ以後の追加の1時間毎に1上昇する。中装鎧や重装鎧を着用しているクリーチャー、あるいは厚い衣服を着用しているクリーチャーはこのセーヴィング・スローに“不利”を受ける。[火]ダメージに対する抵抗か完全耐性を有するクリーチャーは自動的にこのセーヴィング・スローに成功し、暑熱な気候に生まれつき適応しているクリーチャーも同様に成功する。

:無風状態である。帆船は全く進むことができない。櫂を持つ船は凪であっても通常通りに航行できる。
微風:帆船は通常通りに進むことができる。櫂を持つ船も通常通りに進むことができる。
軟風:帆船は通常より若干素早く進むことができる。櫂を持つ船は通常通りに進むことができる。
強風:強風は遠隔武器攻撃と聴覚に依存する【判断力】〈知覚〉判定に“不利”を与える。また強風は裸火を吹き消し、霧を吹き散らし、非魔法の手段による飛行をほとんど不可能にする。強風の中で飛行するクリーチャーはそのターンの終了時に着地しなければならず、さもなければ落下する。
強風の中で船旅する船舶の船長は難易度15の浸水判定を行わなければならない(「強風の中の船旅」参照)。
暴風:暴風はすべての面で強風と同様に扱うが、その中を船旅する船舶の船長が行う浸水判定の難易度は18である。また、暴風の場合の降水量のロールはd20ではなくd10+10で行う。
台風:台風はすべての面で強風と同様に扱うが、その中を船旅する船舶の船長が行う浸水判定の難易度は20である。また、台風の場合の降水量のロールはd20ではなくd6+14で行う。
風向き:具体的な風向きを決定するために「表:風向き」でロールすること。

表:風向き
d20 風向き
1~12 卓越風
13 北風
14 北東風
15 東風
16 南東風
17 南風
18 南西風
19 西風
20 北西風

風向きは、風の吹いてくる「元」を表す;北風なら北から吹いてくる風を意味する(それゆえ風は南に向かって吹く)。
卓越風:もし風向きが“卓越風”であったなら、それはその場所のその時季における最も一般的な方向の風が吹いていることを意味する。たとえば、広い海は季節的な貿易風――特定の緯度において数ヶ月間に渡り、特定の咆哮から吹き付けてくる強力な風で、それを使えば海を比較的簡単に渡ることができるようなもの――を持ちうる。

強力な風は荒れた海を引き起こし、下手くそな操縦の船を危険へと押し流し、上手な操縦をされている船ですら打ちのめし、沈没させることができる。高風は、船のサイズと風の強さに応じて、船を危険な海に投げ出す。船は乱暴に揺らされ、荒れた海の水が甲板を洗い流し、そして浸水の危険さえありうる。
風が強風以上の結果であり、降水量が大雨か重度の降雪を示した場合、高波を伴う嵐となる。嵐に巻き込まれた乗組員はすべての陸地を見ることができなくなり、嵐の中では水先案内判定、操船判定、そして浸水判定に“不利”が与えられる。

強風の中の船旅

強風以上の風の中では毎日1回、船が浸水しなかったかどうか確認するために浸水判定を行なわなければならない。
判定に失敗すると船は浸水し、その日は風に流され、航行することができない。海岸線に沿っていたなら暗礁や陸地に乗り上げてしまうかもしれないし、大洋の真ん中であれば見知らぬ海域まで流されてしまうかもしれない。浸水判定の難易度は風力に応じて決まり、また前述の通り、嵐の中では判定に“不利”が課される。

風力 浸水判定の難易度
強風(時速20~50マイル) 15
暴風(時速50~75マイル) 18
台風(時速75マイル以上) 20

浸水した場合、概ねその風向きに従った方向に、その風速での最大移動速度で1d6時間に渡って流される。このようにして流されている間、甲板上には何度も大波が押し寄せ、1時間に1回、船長は同じ難易度に対する浸水判定を繰り返し行なわなければならない。この判定に失敗すると、船は船殻ポイントと推進装置ポイントの両方に3d12[殴打]のダメージを受け、成功するとその半分のダメージを受ける。もし3回続けて浸水判定に失敗したなら、受けたダメージに関わらず、その船は転覆する。第3章の「転覆」の項を参照。
流された先に陸地があった場合、船は船殻ポイントに6d12[殴打]ダメージを受けて座礁する。座礁した場合、その後は浸水判定を行なう必要はないが、嵐が過ぎ去るまでの間、毎時間3d12[殴打]ダメージを船殻ポイントと推進装置ポイントの両方に受け続ける。
この時間が経過した段階で風と降水量についてロールし直すこと。強風の海域を抜ける可能性と嵐が去る可能性があるためである。もしそこが再び強風以上であれば再度浸水判定を行う必要があり、同じことを繰り返す必要がある。軟風以下の海域に出た場合は、そこで水先案内判定を行い、成功すれば元の航路を見出すことができ、通常の航海に戻ろうとすることができる。水先案内判定に失敗したなら、さらに1d6時間の間海の中で迷うことになる。
ヒット・ポイントが0になった船舶は破壊されて沈没し始めることになる。
碇を下ろす。もし浸水したときに碇を下ろすのであれば、押し流されることはなくなるが、浸水判定は行なわなければならない。また、浸水判定に5以上の差で失敗すると、碇を繋ぐ鎖が切れてしまい、船は漂流し始める。
乗組員と乗員。浸水した船が漂流している間、1時間毎に船長が行なう浸水判定に失敗したとき、乗っている者たちはそれぞれ、浸水判定と同じ難易度の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわなければならない。船長が浸水判定に成功した場合、その1時間の間はこのセーヴを行なう必要はない。
マストや帆桁の上にいる者がこのセーヴに失敗すると、落下の危険性がある。その者がリアクションを取ることができるのであれば、同じ難易度の【筋力】〈運動〉か【敏捷力】〈軽業〉判定を行なうことができる。成功すれば近くにあったロープや帆などの索具に捕まり、事なきを得る。リアクションを取ることができないか、あるいは判定に失敗した場合、マストや帆桁の上から落下して落下ダメージ(一般的な帆船では4d6[殴打]ダメージ)を受け、波にさらされる甲板上に伏せ状態で着地する。その者は再度、波にさらされる甲板上にいる者として【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわなければならない(下記参照)。なお。このリアクションを使ってフェザー・フォール呪文の発動やその他リアクションで可能なその他の行動を行なうことにしても構わない。
波にさらされる甲板上にいる者(通常、船の乗組員はそうした場所にいる可能性が高い)がこのセーヴに失敗すると、波にさらわれ甲板上を転がされて2d6[殴打]ダメージを受ける。もし5以上の差でセーヴに失敗したなら2d6[殴打]ダメージを受けた上で船外まで流される。その者がリアクションを取ることができる状況にあるなら、同じ難易度の【筋力】〈運動〉か【敏捷力】〈軽業〉判定を行なうことができる。成功すれば舷側に掴まって船外には押し流されない。リアクションを取ることができないか、あるいは判定に失敗した場合、波にさらわれて船外に押しやられ、落水する。落水に関しては第4章の「船外への落水」を参照。
船室内や船倉内など、波にさらされていない船内にいる者がこのセーヴに失敗した場合、激しい船の揺れで転倒し、1d6[殴打]ダメージを受ける。

降水量

Precipitation
霧が発生すると、視界は0フィートになり、すべては重度の隠蔽に包まれる。凪か微風の場合、霧は2d6時間で晴れる。軟風の場合、1d6時間で晴れる。強風よりも強い風が出ている場合、霧はすぐに吹き散らされてしまい、船旅に影響が出るほどに持続することはなく、実質的に晴天か曇天と同じ扱いになる。
小雨や軽度の降雪そのものは隠蔽にはならず、【判断力】〈知覚〉判定にも影響を及ぼさない。
激しい降雨や降雪の範囲の中にいるあらゆるものは、軽度の隠蔽となり、この範囲内にいるクリーチャーは視覚に依存する【判断力】〈知覚〉判定に“不利”を受ける。また激しい降雨は裸火を消し、聴覚に依存する【判断力】〈知覚〉判定に“不利”を与える。


水先案内

見知らぬ海にいる船は、特徴のない砂漠や深い森の中で迷った旅人と同じように、道に迷って絶望的な状況になるだろう。君たちがどこにいるのか把握し続ける事と、君たちが行こうとしている場所へどのようにして行くのか、これは多くの水夫たちにとって困難な挑戦である。

海で迷う

海を行く船舶は、陸地が見えるときは航海がより簡単になるため、できる限り海岸に沿い続ける。船舶から陸地が視界に入っている限り、船舶が道に迷う可能性はない。そうでなければ、船舶の水先案内人は推測航法(船の旅した方向と距離を追跡する方法)と太陽や星に頼らざるを得なくなる。
陸地が見えない状況(灯台などの道標のない夜間を含む)にあって、DMが適切だと判断したとき、船が航路をそれたかどうか決定するために、水先案内判定を行なわせること。通常は1日に1回だけ判定を行なうが、夜間航行を行なう場合には夜間に再度1回判定を行なう。難易度は次の通り:

表:海での水先案内
状況 難易度
晴天で見渡す限り陸地の見えない状況 10
曇天で見渡す限り陸地の見えない状況 15

水先案内判定に成功したなら、船は海で迷うことなく望んでいた方向に移動する。もし判定に失敗したなら、意図せずして間違った方向に移動してしまい、海で迷ってしまう。水先案内人は船が1d6時間をうろうろした後に迷っていることに気付き、元のコースに戻ろうとするためにこの判定を再度行うことができる。
陸地に沿って航海している船舶であっても、天候によっては陸地を見失うことがある。また夜間に航海をしようとする場合にも陸地が見えなくなってしまう。船からの視界は「表:高さに応じた視界」に基づく。曇天ではこの距離は半減する。雨や霧では陸上にいるのと同じ程度にまで減少してしまう。小雨では4分の1、大雨では3d6×10フィート、霧であれば視界は0フィートにまで減ずる。

表:高さに応じた視界
視点の高さ ―――――観察対象―――――
人間大のもの 小さなボート 帆船や海岸線
水面 3d6×20フィート 0.4マイル 1マイル
甲板 0.4マイル 2マイル 4マイル
クローネスト 1マイル 4マイル 10マイル
飛行者 1マイル 12マイル 24マイル


航行

船は、たいていは櫂(漕ぐ)か帆で移動する。最も単純なものは、肉体的なエネルギーを消費する必要がある、漕ぐという方法である――しかし、バイリームやトリリームで見られるもののように、複数の漕ぎ手を組み合わせている場合には熟練の漕ぎ手長の差配を必要とする。その一方で、帆走には風と海洋の状態についての鋭い理解力と共に、卓越風の効果を最大限にするよう考えられた航行操船をやってのける熟練の手を必要とする。

漕ぐ

先に書いた通り、バイリームやトリリームのように、複数の櫂で船を漕ぎ進めるには、途轍もない技量と、関わってくる全員の調整が必要とされる――とりわけ、漕ぎ手長の手を必要とする。一般に思われているのとは反対に、奴隷は大型軍船を漕ぐ仕事にはつけられない。なぜなら彼らは必要とされる技量も熱意も持ち合わせていないためだ。実際、そうした軍船の漕ぎ手は非常に高い訓練を受けた専門家であり、白兵戦にあたっては兵士としても勇敢に戦うことが期待されている。
1日の移動(櫂):キャラクターたちは1日に8時間ボートを漕ぐことができ、消耗する危険をおかせばそれより長い時間漕ぐことができる(『Player’s Handbook』の第8章にある「強行軍」のルールに従う)。ダンジョン・マスターは、その船の移動速度に8を掛けることで、櫂を動力とする船(あるいは帆と櫂の両方を用いる船)が1日に旅する合計距離を容易に決定することができる。従って、ペンテコンター――その移動速度は3.5である――は1日に合計で28(3.5×8)マイルを旅することができる。
最適人数を下回るが、最小人数以上の乗組員がいる場合、通常通りに航行することは可能であるが、翌日の朝を迎えたとき(大休憩を取り終えたとき)、乗組員は1レベルの消耗状態を得る。大休憩を取り終えれば通常通りに1レベル分の消耗状態は回復するが、前日に最小人数での航行を行なっていた場合、その日の朝には再び1レベルの消耗状態を得る。つまり、大休憩を取ることが可能である限り、毎日1レベルの消耗状態であり続けるが、もし大休憩を取ることができなかったり、強行軍を実行したり、その他の消耗するような活動を行なったりした場合には、消耗状態が進行することもある。
最小人数を下回る場合、航行不能である。船は潮流に乗って流されることになる。
潮流の影響:河川を航行するボートや、強い海流に乗っている船舶はその潮流の影響を受ける。船舶の航行に影響のあるほどの流れのある箇所では、下流に向かって進む場合にその流れの速さに応じて1~3mphを加える。上流に向かって進む場合には同じ数値だけ速度を減少させること。処理を簡単にするために、潮流の影響は帆だけを使って推進する船舶には適用せず、櫂を使って推進する船舶にのみ適用される。ただし、帆による推進ができなくなって漂流船となった場合にはすべての船舶が流れに沿って押し流される。

PCが小さなボートを漕ぐ

海洋冒険の途中で、PCたちは小さな船舶――たとえば漁船やスキフ――を漕ぐ必要性に迫られることに気付くかもしれない。キャラクターたちは1日に8時間漕ぐことができる。彼らは消耗する危険をおかすことで、この限界を超えて働くことができる。
8時間を超えて旅する追加の1時間につき、各キャラクターはその時間の終了時に【耐久力】セーヴィング・スローを行なわなければならない。この難易度は10+8時間を超えた1時間につき+1である。セーヴィング・スローに失敗すると、キャラクターは1レベルの消耗状態を受ける。
加えて、キャラクターは、難易度10の【筋力】〈運動〉判定を行なうことによって、彼のボートの漕いで進む移動速度を上昇させることができる。成功した場合、そのキャラクターが彼のボートの移動速度を50%だけ上昇させたことを意味している。そのキャラクターは彼がその向上したペースを維持することができたかどうか見るために、1分毎に新たに判定を行なわなければならない。いったんそのキャラクターが判定に失敗したなら、彼は小休憩を取り終えるまで再び移動速度を向上させようと試みることはできず、それまでは半分の移動速度でしか漕ぐことができない。このような速いペースを維持し続ける絶対的な最大時間は30分までである。
いったん、冒険者たちがその移動速度の上昇を停止したなら(【筋力】判定に失敗したか、最大時間制限に達したか、あるいは停止する選択を行なうかしたなら)、彼は小休憩を取り終えなければならない。
櫂と帆の両方で移動する:帆を張って移動するあらゆる船(たとえ補助の漕ぎ手を有していても)は帆船として扱われる。風力がその基本移動速度を修正する(下記参照)。

帆走

帆走する船舶は移動するために風によって生み出される自然の力を利用するため、いくぶんか卓越風のなすがままといった部分がある。強風は長旅を大きくスピードアップすることができるし、また希望する航路と適切な風向きに応じて、最短の旅路ですら遅らせ、危険なものにすることができる。
風向きと船の進行方向を8方向の1つで表す:北、北東、東、南東、南、南西、西、北西である。また、風の吹いてくる方向に対する船の進行方向のずれ具合を風上、向かい風、横風、追い風の4つに分類する。
風上とは風が吹いてくる方向であり、この方向に帆走で進むことはできない。
向かい風とは風上に対して45度ずれた方向を示す。たとえば北風に対する向かい風は北東と北西である。
横風は風上に対して90度ずれた方向を示す。北風に対しては東と西である。追い風とは風上から135度、180度、225度ずれた方向を示す。北風に対しては南東、南、南西である。
帆走移動と風:「表:帆走移動と風」は帆走する船舶の移動速度に対して風の与える影響を説明している。
帆走する船は風上に向かって航行することはできない。
帆走する船は向かい風に対してはその風力による航行速度への修正を適用した後の数値の半分の移動速度で航行することができる。
帆走する船は追い風に対してはその風力による航行速度への修正を2倍にして適用することができる。
たとえば、強風を受けて航行するコグ(移動速度2mph)はその移動速度に対して1時間あたり2マイルが加算されることになり、合計して4 mphの移動速度になる。向かい風方向には2 mphで、横風方向には4 mphで、追い風方向には6 mphで進むことになる。
1日の移動(帆のみ):最適な乗組員が乗り組んだ帆船は、櫂で進む船舶よりも1日あたりで遥かに遠くまで移動することができる。前者は停止することなく24時間旅することができるためだ。この間、乗組員たちは交代で休憩を取っているものと見なす。したがって、キャラベル――その移動速度が(風力と風向きによる調整を受けた後で)2mphであるなら――は1日の間に合計48マイル(2×24=48)旅することができる。
最適人数は下回るが、最小人数以上の乗組員をそろえた船は1日に12時間だけ旅することができる。最小人数を下回る乗組員では1日に8時間だけしか旅することができず、さらに半分の移動速度でしか旅することができない。

表:帆走移動と風
帆走移動速度修正
航行不能
微風 +0 mph
軟風 +1 mph
強風 +2 mph
暴風 +3 mph
台風 +4 mph

夜間に碇を下ろす:もし帆船が夜間航行する代わりに、夕暮れから夜明けまで碇を下ろすのであれば、1日に12時間だけ航行することとなり、その1日の最大移動距離を決定するために基本移動速度に12を掛けること。前述の通り、夜間航行する場合、夜間に再度の水先案内判定を必要とする。たとえ陸地沿いに航行していたとしても、夜間には陸地を見失うため、水先案内判定を必要とする点に注意すること。
夜間に碇を下ろすことは、しばしばたとえ船の乗組員が夜通し航海することができる知識と装備を備えている場合であってすら賢い選択となる。昼間であれば容易に見つけることができる危険のいくつか、たとえば浅瀬、砂嘴、そして暗礁などは、夜間にはほとんど全く見えなくなってしまう。


最終更新:2017年09月29日 22:15