終わりは間近だ! 世界の終末ではないが、それに極めて近いと言える:『Savage Tide Adventure Path』の終わりは、そもそもの始めからプレイしている人たちにとっては、単にあと数回のゲームセッションという事に過ぎない。この壮大な冒険では、これまでのすべてのイベントについて覚えているということはないかもしれないし、もしかするとここまでに数人のPCを失っているという事もあるかもしれない。ここでは、サヴェッジ・タイドが発生する前に何が起こるのかと、君のキャラクターたちを次にどこへ連れて行くかについての道案内を示している。
これまでに起こった出来事
これまでの出来事では、ヴァンデルボーレン邸とサザリン市から“恐怖の島”へ、さらには次元界の向こうまで一歩ずつ君たちを導いてきた。君たちは“大口”におけるアビスの無数の大軍勢との最終決戦の準備を整えた――定命の者に可能な限りの準備に加え、船頭のカロンの助けと大魔道師イグウィルヴからのヒントを得て異次元の味方をも集めた。しかしここまで君たちを導いてきたのは何だっただろか?
名誉などない
随分と昔の話だが、すべてはラヴィニアが彼女の一族の金庫へ安全に到達するのを手伝うよう君たちに依頼し、その後、行方不明の弟ヴァンサスを探してくれるよう依頼をしたときに始まった。君たちは鸚鵡島で彼を発見したが、そこで彼は君たちを地下のトンネルに閉じ込めたのだった。君たちはそこから脱出し、それから“ロータス・ドラゴン団”という盗賊ギルドがまさにサザリン市の海の交易路を支配下に収めようと準備を整えていることを見出した。ああしかし、ヴァンサスにはほんの僅かな時間差で逃げられてしまった。
ブリーワグの先制攻撃
“ロータス・ドラゴン団”のギルドホールで見つかった文書に記されていた場所、クラーケン入り江を君たちは探索した;そこは人食いの海賊と数多くの危険な生き物たちが走り回る混沌の場であった。病魔に侵され、怒り狂う獣たちとの戦いには貴重な時間を浪費することになったが、君たちは傷つきつつ洞窟を切り抜け、ハーリス・ジェイヴェル船長と遭遇した。彼女はヴァンサスに対する復讐のために一等航海士とブリーワグの徴集兵をサザリン市に送り込んだことを告げた。時間とのレースが始まり、君たちはカイウース神に対する勝利を祝うフェスティヴァルの真っ最中のサザリン市へと帰還した。君たちは竹馬乗りの暗殺者たちを切り抜け、ブリーワグとその一味からラヴィニアを救い出した。
シー・ワイヴァーン号航海記
しばしの休息の後、感謝の気持ちいっぱいのラヴィニアから君たちにさらなる仕事がもたらされた。シー・ワイヴァーン号に帆を張り、“恐怖の島”にあるファーショアへの重要物資の貨物を運送することになった。タモアチャンの遺跡に立ち寄った後、君たちは“緋色団”による封鎖線を突破し、古なじみの敵が密航しているのを発見した。サルガッソ海の真ん中で海藻棲の怪物を発見し退治したが、君たちの船は嵐に捕まり、“恐怖の島”の北岸に難破することになった。
あっちもこっちも怪物だらけ
もはや航海に耐えないシー・ワイヴァーン号を前にして、君たちに残された唯一の選択肢はジャングルに踏み入って行くことだけであった。恐竜やテラー・バードたちと遭遇しつつ、生き残りの乗客乗員の安全を守りつつの行軍となった。遠くに見える山脈から何度もガーゴイルの一団による襲撃が繰り返された。島の内陸部に奥深く入って行ったところで、君たちの仲間のひとりがバルルグラ・デーモンによって誘拐された。誘拐者を追って行くと“プリンス・オヴ・デーモンズ”デモゴルゴンの社へ導かれ、そこでバルルグラと彼の邪悪なハーレムとの戦いになった。
恐怖の潮流
社のデーモンを倒した後、君たちはファーショアに辿り着いたが、そこはまさに海賊たちの攻撃を受けている真っ最中であった。君たちは防衛者たちを手助けし、ラヴィニア・ヴァンデルボーレンと再会した。しかしこの海賊たちは斥候に過ぎず、“深紅の艦隊”がファーショアを略奪し、壊滅させるべく向かって来ている事を知った。君たちはこの入植地の防衛準備を手伝い、島の原住民との同盟関係を締結し、恐竜たちと戦い、シー・ワイヴァーン号を回収して修理し、オーマン人の神のアスペクトを打ち倒した。“深紅の艦隊”が押し寄せて来たとき、君たちはラヴィニアの堕落した弟ヴァンサスと剣を交え、彼を打ち倒したのだった。
光なき深淵
“深紅の艦隊”の捕虜から聞き出したことによれば、シャドウ・パールは“恐怖の島”の北端からもたらされているという。君たちはそれらの製造を阻止するべくその場所へと船で向かった。そこで、君たちはもっとずっと深い場所で行われている作業を手伝っているトログロダイトたちを見つけた。君たちは“恐怖の島”の地底深くへと進み、オーマン人の時代に遡る古代の守護壁を超え、マングレルフォークとアボレスたちが潜んでいる深淵の暗黒の中へ進んでいった。1体の幽閉されているアボレスが、かつてアボレスが支配していた狂気の都市ゴリスモルガにおいてコプルーたちが作り出しているシャドウ・パールを破壊する方法について教えてくれた。コプルー・ベヒーモスとその長老たちが権力を握るこの島の地底深く、そこにある1基のジッグラトの中で、君たちはそこに足止めされていた異形の存在と戦い、アボレスたちを阻止していた守護壁を破壊し、シャドウ・パールの製造元を破壊した。
滅びし偶像の都市
ファーショアに帰還するや、またもや君たちはラヴィニアからの話を聞くことになった。このたびは、宣教師とこの島の中心部に移籍と関連する謎めいた封印についての懸念であった。君たちは中央高地に巣食うデーモンたちがもはや彼らの都市に留まっておらず、外に拡散し始めていることを知った。中央高地と禁断の島への旅には数多くの危険が伴った。たとえばとんでもない大きさのクロコダイル、デーモンに関わりあるスキンウォーカー、そして強大なワストリリス・デーモン――これらすべてが不浄な寺院を守護していた。危険が君たちの進行を止めることなかったが、デーモンと魔法を投射してくるスキンウォーカーたちの数は途轍もないものであった。この寺院はデモゴルゴンのアスペクト、カーラのねぐらであり、また彼のペットのデーモンたちのねぐらでもあった。カーラの死によって、初めて君たちに向かってデモゴルゴンの注意が直接的に向けられた。
スカットルコーヴの蛇
その直後、君たちは複数のシャドウ・パールがすでにこの島から出荷され、スカットルコーヴ市へ運ばれていることを知った。ファーショアにおいて、ラヴィニアは今やアンデッドと化した弟ヴァンサスによって誘拐されてしまっていた。クラーケン入り江のハーリス・ジェイヴェル船長がスカットルコーヴ市において会うことができないかと尋ねてきた。そこで彼女はラヴィニアが捕らわれている場所を説明できるかもしれないという。君たちがその依頼に従ってその都市に到着すると、君たちはユアンティの待ち伏せにあった。ラヴィニアを見つけるため、君たちはハーリスを救出し、感謝と有益な情報の両方をたっぷりと持つ彼女は、そう遠くない場所に“深紅の艦隊”の本拠地があることを告げた――ただし、そこは魔法的な遮蔽で守られていた。その地にて、君たちは海賊、罠、バリスタ、そしてヤグノロスと戦いつつ道を切り開き、“深紅の艦隊”の指導者、“冷たい船長”ワイザーの下に辿り着いた。さらに、君たちはラヴィニアがアビスにおけるデモゴルゴンの階層“大口”の監獄に連れ去られていることを知った。さらに悪いことに、数ダースのシャドウ・パールが世界中の都市に拡散してしまっていること、そしてデモゴルゴンがアビスにおける儀式によってそれらをすぐにでも起動させるつもりであることが判明した。とはいえ、本拠地の次元界にいるデーモン・ロード本人をどのようにして阻止すれば良いというのだろうか?
大口の中へ
勇敢にも君たちは“大口”へと乗り込み、ヴァンサスの後を追ってアビスの大洋を横切り、監獄島“裂けた怒り”へ向かった。この監獄島を発見するためには何らかの手助けを必要としたが、オルクスの部下たちからの助言に従い、君たちの航海は最終的に正しい方向に向かうことになった。その地に到達すると、君たちはヴァンサスと何ダースものデーモンたちを打ち倒し、ついにラヴィニアを救出したが、彼女はデモゴルゴンの弱点を知る者ではなかった。リッチのオルゴスはデモゴルゴンを阻止しうる秘密を知る追放されたデーモンがいると告げた――彼のかつての恋人シャミ・アモーラエだ。彼女は全く別の監獄に囚われているという。
暗黒の井戸
“裂けた怒り”よりもさらに深い監獄“暗黒の井戸”には神々やデーモン・ロードたちが囚われている。パズニアにあるブロークン・リーチの町を支配するサキュバス、レッド・シュラウドに近づいた君たちは、シャミ・アモーラエは“暗黒の井戸”の捕囚となるまで、彼女はデモゴルゴンと逢引きをしていた事を知った。“堕ちた愛欲の井戸”まで旅をする君たちは、チャズミー、アビサル・グール、それを上回る邪悪と戦うが、最終的に“掴み手”アハズゥの助けを得てシャミ・アモーラエを解放した。彼女を自由にしたことへの見返りに、シャミ・アモーラエはデモゴルゴンの分裂した精神の秘密を明らかにした。不幸なことに、彼女の解放は魔法的な事前準備を起動することになり、ステュクス河に大穴が開き、幾人かのデモゴルゴンの部下たちがシャミ・アモーラエから秘密を聞き知っただろうあらゆる者を破壊しようと出現した。リトリーヴァーに騎乗したバルルグラの一団と戦い、忘却の雨が降る中を逃げることになった。
敵の敵は味方
ステュクス河における次元的な裂け目に腹を立てた船頭のカロンは、デモゴルゴンの敵を結集することの手助けを提供してくれた:ペレンランドの魔女王イグウィルヴ;エラドリン女王モーウェル;猛悪なるアンデッドのプリンス、オルクス;さらにはサッキュバスの女王マルカンテトまで。ステュクス河に沿った少々の旅を辿り、ユグドラシルを超え、君たちはデモゴルゴンが、プリンス・オヴ・デーモンズの本拠地階層を襲撃するような力をもたらす意志のある数多くの敵を持っていることを知った。交渉と力を見せつける方法を組み合わせて、君たちは同盟を結成し、この大義のために次元界全域から軍勢を集めた。“大口”の無限の軍に対する攻撃は計画というよりは、単なる自殺にしか見えないような代物であった。
アビスにおける味方
キャラクターたちは死ぬし、アビスにいるときは普通以上に死にやすい。ここでは君たちのパーティの死者の数がとんでもない数にのぼったときに使うための、選択肢となりうる腹心、代役、そして潜在的な代わりのPCたちの短いリストを提供している。
ブライト・ベネダル
アアシマールの騎士にしてソーサラーでもあり、ランタン・アルコンを使い魔としているこの人物は、デモゴルゴンに対する戦争を栄光を掴むチャンスと見なしている次元界の気ままな流れ者の1人である。デモゴルゴンと戦い勝利したあらゆる人物は皆の記憶に残ることだろう。ベネダルは最前線に立つつもりである。
皮剥ぎ魔導師レスタグ
ドレッド・レイスのウォーロックであるこのオルクスの従者は標準的な呪文の使い手の恐るべき代役となりうる。彼はアンデッドと死霊術について非常に多くを知っており、オルクスの軍団からの有益な情報源として役に立つことができる。彼はアンデッドのプリンスとPCたちとの間の招かれざる“連絡係”として姿を見せるかもしれない。彼は明らかに彼らを監視し、裏切りを防ぐためにそこにいるのだが、それでも彼はこの任務が成功することを大いに望んでいる。実に奇妙な仲間だ。
立法者の拳
強力なマルートのモンクである彼は、ステュクス河の流れを混乱させるデーモンの“犯罪者”に正義をもたらすことを目指している。これは実に大きな仕事であるが、一体全体、この討伐を開始するのにイネヴァタブル以上の適任者がいるであろうか?
六本指のレグ
このハーフエルフのアーケイン・トリックスターは次元界のあらゆる人物とあらゆる事柄を知っている地元のガイドとしてパーティに加わるかもしれない。次元界に関する深い知識とパーティの弱点を補完するいくつかの魔法を持つレグは、斥候や詐欺の技量で有能であることを証明するかもしれない。特に、正面突破がうまくいかないような場面では。
エピック級の味方
パーティが最近接近したNPCの1人や、このキャンペーンのエピック級の次元的パワーにふさわしいクリーチャーをプレイしたいのであれば、数多くのそれにふさわしい選択肢がある。君たちの死したキャラクターが崇拝していた神によっては、エンジェルや他の準神格が興味を持ち、彼の魂が助けなしには天国へ行く道が見つけられないときにその姿を見せる可能性がある。
アンドロス・フィアーノート卿
『敵の敵は味方』で登場した脅威度16のエラドリンのアンドロス・フィアーノート卿は倒れたPCにとって適切な代替者となりうる。もしかすると、これまでPCたちが遭遇した中で最も好ましい味方という訳ではないかもしれないが、彼の戦闘の技量とモーウェルの宮廷とのかかわりは彼を“大口”襲撃の最前線に送り込む可能性は高い。
脱獄者たち
“裂けた怒り”におけるPCたちの冒険の間に、このアビスの監獄から数多くの囚人が自由を手にしているかもしれない。彼らを捕囚にしていた悪漢に対する復讐を熱望するこれらの脱獄者たちは、一時的であるにせよ、有益な味方になりうる。
その他の来訪者たち
ソーラー、プラネター、あるいはヴァルキリーといったセレスチャルたちも同様に素晴らしい代替PCとなりうる。
次元界全域からの軍隊を集結したことで、秩序と善の次元界からほとんどありとあらゆる種類の来訪者がアビスの軍勢との戦いに集まって来るだけの理由を持ちうる。このアドベンチャー・パスの全過程を通してプレイした強力なPCに取って替わるようなものは何一つないだろうが、少なくとも、神話や伝説を出典とするようなセレスチャルの勇者や英雄的な人物で教化する可能性を考慮してみること。この大々的なフィナーレを見逃したくはないだろう。
偉業の証
偉業の証は20レベル・キャラクターが使用できる特別なパワーである。デモゴルゴンとの戦いを繰り広げる英雄たちにこそこうした恩恵はふさわしいものである。
デモゴルゴンとの最後の戦いに赴くことになるこのキャンペーン最後の冒険シナリオ『デーモンの大巨頭』が開始されると、偉業の証へのアクセスが解禁される。これ以降、各キャラクターは355,000XPを超えて30,000XPを獲得する毎に、1つの偉業の証を自ら選択して獲得することができる。
Savage Tideキャンペーンでは『Dungeon Master’s Guide』第7章に紹介されているすべての偉業の証を利用できる。また、偉業の証の代わりに“能力値上昇”か“新しい特技”を選択することも可能である。
加えて、このキャンペーンでは特別な追加の偉業の証を利用することもできる。これらについては下記に示している。これらの追加の偉業の証には習得にあたって前提条件が設けられているものがあり、そうした証は前提条件を満たしている者だけが習得できる。
すべての偉業の証は特記事項がない限りそれぞれ1回ずつしか習得できない。
暗黒の井戸の証
前提条件:偉業の証を1つ以上有していること。あるいは暗黒の井戸でアハズゥと契約を結ぶこと。
ウォーロックの“秘奥義”の9レベル呪文を修得しており、“魂の呪縛”のクラス特徴を有しているなら、エピック痕跡霊を1つ選択し、それを召喚して呪縛する方法を修得する。
この偉業の証は複数回修得できる。修得するごとに異なる痕跡霊を選択すること。また修得する毎に【耐久力】と【判断力】の値は2ずつ減少する。(この減少はいかなる手段によっても回復しない)。
怒りの竜巻の証
前提条件:偉業の証を2つ以上有していること。あるいは偉業の証を1つ以上有し、かつ怒りの竜巻の寺院の陣営値50以上。
君が“激怒”状態に入るとき2×【耐久力】修正値に等しい一時的ヒット・ポイントを得る。この一時的ヒット・ポイントは激怒終了と共に消え失せる。また、激怒状態にある間、地上移動速度は10フィート上昇し、高跳びや幅跳びで跳べる距離は2倍になる。激怒状態である間、恐怖状態と魅了状態に完全耐性を得る。
激怒中にボーナス・アクションでエア・エレメンタルに変身することができる。すべての装備品は新しい姿に融合して機能しなくなる。データ・ブロックはエア・エレメンタルのものに置き換わる。変身した時点で激怒は終了する。この変身は1分間が経過するか、別途のボーナス・アクションで終了させるまで続く。エア・エレメンタルのヒット・ポイントが0になった場合も変身は終了する。ダメージを受けた結果として変身が終了した場合、超過したダメージは本来の姿のヒット・ポイントに持ち越される。一度こうして変身したならば、大休憩を取るまで再び変身することはできない。
エネルギー包摂の証
君は宇宙に満ちる元素エネルギーと調和する。君が[電撃]、[火]、[雷鳴]、[冷気]ダメージのいずれかを与える呪文を発動するとき、そのダメージ種別をこれらの種別のいずれか別のものに変更できる。加えて、この証を取得するとき、君はこれらの種別の1つに対する完全耐性を得る。君の肉体はこうして完全耐性の対象として選択した元素に応じた特徴を呈するようになり、外見が変化する。さらに、君の周囲にあるあらゆるエネルギーはより不安定になり、火は激しく弾けて明るく輝き、風は恐ろしい勢いで吹き付けるなどだ。
エピック呪文の証
前提条件:9レベル呪文スロットを有していることに加えて、次のいずれかの条件を満たしていること:(1)偉業の証を2つ以上有していること;あるいは(2)偉業の証を1つ以上有し、かつ魔女看守団の陣営値50以上。
君はエピック呪文1つを修得する。修得したエピック呪文を発動すると大休憩を取るまで同じ呪文を発動することはできない。この証は複数回修得できる、。修得するごとに異なる呪文を選ぶこと。
神話的指導者の証
前提条件:偉業の証を2つ以上有していること。あるいは偉業の証を1つ以上有し、かつ暁の評議会の陣営値50以上。
君はアクションとして大声で叫び、君の60フィート以内にいて君の声を聞くことができる味方全員を激励する。その味方は通常であれば1回使用すると大休憩をとるまで使うことができなくなる能力1つ(味方自身が決める)について再び使用できるようになる(この方法で呪文スロットは回復できない)。一度使用すると大休憩をとるまでこの能力を再び使用することはできない。この証の能力をこの証の能力(他者が使ったとしても)で回復することはできない。
大船長の証
前提条件:偉業の証を2つ以上有していること。あるいは偉業の証を1つ以上有し、かつエメラルドの波頭団の陣営値50以上。
君が船長を務めているとき、君がその船の上で行なうあらゆる能力値判定について、d20のロールで9以下の出目が出たときには出目が10であるものと見なすことができる。
君が船長を務める船は非魔法の[殴打]、[斬撃]、[刺突]ダメージに対する抵抗を得る。また船は[電撃]、[火]、[雷鳴]、[冷気]ダメージに対する抵抗も得る。これらのダメージ抵抗は船上にいるこの船の乗組員と乗客にも適用されるが、船上にいる敵には適用されない。
タイタンの握力の証
前提条件:【筋力】15以上。
君は近接武器の“両手用”の武器特性を無視する。
君によって“つかまれた状態”にされている脅威度が9以下のあらゆるクリーチャーは、つかみ状態から脱出するための判定に自動的に失敗する。
多様性の証
前提条件:偉業の証を2つ以上有していること。あるいは偉業の証を1つ以上有し、かつオーマン人部族の陣営値50以上。
自分が有しているクラスの1つを選ぶこと。そのクラスについて、すでに選択しているものとは別に、もう1つのサブクラス(ファイターの類型、バードの楽派、パラディンの誓いなど)のクラス特徴を得ることができる。追加のサブクラスについては、そのクラス・レベルが半分(端数切り捨て)であるものとしてサブクラスの特徴を得る。
たとえば、1つ目のサブクラスが知の楽派で、2つ目のサブクラスが勇の楽派である20レベル・バードは、知の楽派の3レベル、6レベル、14レベルの特徴と、勇の楽派の3レベル、6レベルの特徴を利用できる。
超集中の証
前提条件:偉業の証を1つ以上有していること。
君は気絶状態や無力状態であっても精神集中を維持する。君は50未満のダメージを受けたときには精神集中のためのセーヴィング・スローに自動的に成功する。
道具習熟の証
君はすべての道具への習熟を得る。
同調の証
前提条件:偉業の証を2つ以上有していること。あるいは偉業の証を1つ以上有し、かつ探求者団の陣営値50以上。
君が同調することができる魔法のアイテムは1つ増える。(通常は3つではなく4つになる。アーティフィサーなどはクラスによって増加している分に追加して1個同調できるようになる)。
不死の勇者の証
前提条件:偉業の証を2つ以上有していること。あるいは偉業の証を1つ以上有し、かつゼルカルーンの角団の陣営値50以上。
[光輝]ダメージでもクリティカル・ヒットでもないダメージによって君のヒット・ポイントが0になった時、君は自分のヒット・ダイス1個を消費することでヒット・ポイント0ではなく1になるだけで済む。
魔道具一体化の証
前提条件:偉業の証を1つ以上有していること。
君が同調している魔法のアイテム1つを選択する(この選択は後で変更できない)。このアイテムは君個人の一部と化し、君の物質としての肉体の中に融合する。
今や君はそのアイテムの魔法的な力を利用するにあたって、それを手に持ったり、適切な部位に着用したりする必要がなくなる。君はアクションを使い、そのアイテムを自らの手の中に召喚するか、君の肉体の中に再び融合させるか、適切な部位に装着した状態にするか、あるいは不可視状態にすることができる。
そのアイテムに対する同調を解除している間はこの証の利益は失われる。
この証のために選択したアイテムがアーティファクトの場合、そのアーティファクトがもたらす小さな不利益な特性1つを選び、それを無視できるようになる(一度選んだ後は変更できない)。また、アーティファクトはその役目を果たすとこの世から消え失せることがあり、そうした事態が発生した場合、この偉業の証は失われ、代わりに任意の特技1つを得る。
君の肉体はそのアイテムに基づいた外観上の変化を引き起こす。たとえばニンバス・ボウを選択した場合には、そのキャラクターは全体的に神々しい様相を呈し、その頭髪は虹色に輝き、目は黒目が失われて目玉全体が黄金の球体と化す(視力に影響はない)。
エピック呪文
エピック呪文の証を取得することでエピック呪文を修得できる。
エピック呪文の効果に対するセーヴィング・スローの難易度や呪文攻撃ロールの修正値は、君が9レベル呪文スロットを有しているクラスの呪文発動能力値を使用して決定される。
それぞれのエピック呪文は固有のエピック呪文スロットを持ち、そのエピック呪文の発動にしか使用できず、各エピック呪文の呪文スロットは1個より増やすことは決してできない。大休憩を取ると、消費したエピック呪文スロットについてそれぞれd6をロールし、5か6が出るとそのスロットを回復する。
エピック呪文の修得は代償を伴い、それぞれの呪文の説明に記載されている。これはエピック呪文を修得したときに支払う代償であり、決して回復しない。
エピック痕跡霊
エピック痕跡霊の召喚と呪縛の契約については通常の痕跡霊と同様だが、下記の相違点がある:
- 呪縛するために呪文スロットは消費しない。
- 呪縛判定は必ず失敗し、常に1分を要する(1アクションで大急ぎで行なうことはできない)。
- 痕跡霊排斥の特徴で大休憩を取らずに追い出すことはできない。
次に起こること
この時点で、君たちはエピック級の偉業の証を手に入れるか、それに近いような位置にまで達している。君のキャラクターの技能や特技をどのように最適化するかを理解することには価値があるかもしれないが、戦闘の前夜にパーティに与えられたすべてのエピック級の装備品を確認し、いくつかの偶発的な事態への備えを行ない、必要に応じて腹心のプレイを計画することも価値があるだろう。もし君たちがレジェンダリィのアイテムを発見しているなら、今こそその詳細を知るためにコミューンやゲートを使うべきときである。また今こそ君たちが貴族、セレスチャル、ジンニー、あるいは大魔道師たちからこれまでに獲得したありとあらゆる恩寵の引き出しをすべて開け放つべきときでもある。今でなければ一体いつだと言うのか?
パラディンとクレリックは彼らの最後の儀式を準備するべきである。アビスで殺された者が魂を啜る大量のデーモンたちの中で容易に復活できるようにするためだ。各プレイヤーはこの冒険の後に彼がキャンペーンを続けたいかどうかについて何かしら考えてみるべきである。最後の栄光ある戦いは英雄の人生において偉大なる結末である;念のため、君のキャラクターのための最期の言葉を考えておくと良いだろう。できたら君のキャラクターがプリンス・オヴ・デーモンズを倒す人物となった場合の何か英雄的な言葉を考えておくと良いだろう。最終幕には数多くの軍隊とさまざまな活動が含まれているため、さまざまな将軍たちと意思疎通を図るための確実な使者や特使のシステムを準備しておきたいと思うだろうし、少なくとももっと広範囲の戦争で事態がうまくいったりいかなかったりした場合に彼らからの声を聞くことができるようにはしておきたいだろう。使い魔、メフィット、特使、センディング呪文――ニュースを聞きたい人々に伝える手段であればどんなものでもだ。あらゆる侵略軍にとってコミュニケーションは強力な資源となる;君たちも確実に準備を整えるべきだ。
さらにその先
このアドベンチャー・パスの終幕を迎えた先には何があるだろうか? 聖人の道、殉教者の道、多元宇宙における最悪の穴底での全滅――実際のところ、それを予測することは難しい。君たちのキャラクターが生き残り、デモゴルゴンに打ち勝って勝利した場合、君たちは巨大な悪を打ち負かし、シャドウ・パールの狂気から世界を救ったことを誇ることができる。ここからは2つの道がある:伝説の人物としてエピック級のキャンペーンを続ける道と、冒険者人生からの引退の道だ。
キャンペーンの継続は全く新しいレベルでの戦いが繰り広げられることを意味する:君たちの敵は残ったデーモン・ロードたち、各地に逃げ散ったデモゴルゴンの部下たち、善と秩序の勢力に復讐を果たそうとするその他の次元界勢力などであるかもしれない。かつての君たちの味方は君たちの敵になるかもしれない。どちらであれ、君の故郷での歓迎は君たちの期待していたほどのものではないかもしれない。君たちが奈落の底でデーモンたちと戦ったと言ったら、ほとんどの人々は君たちの言葉を信じようとしないかも知れない;事実としてその事を知っている人々は、明らかに強力で神格級の敵を作った君たちのような人物にはそれほど近づきたいと思わないかもしれない。継続されるキャンペーンはおそらく物質界を後にして、より大きな舞台で戦うことを意味しているだろう。君たちのグループがそれを望んでいるなら、やるべきことはたくさんある。(明らかに、七つの層なす天界山の1つへの引退は秩序にして善の英雄に与えられるものであるだろうし、混沌にして善なる英雄の下にはヴァルキリーがやって来て歓迎するだろう。その一方で、君は単純に自らの冒険のブーツを脱いで引退し、“扉の町”シギルにおいてジョッキを傾けても良いだろうし、何年も前、君たちのキャラクターがラヴィニアという貴族女性が言う事を聞かない弟のことでちょっとした助けをもとめているという噂を初めて聞いた町にある居酒屋に行くことにしても良いだろう。
最終更新:2020年11月16日 19:22