この章では船上にいる乗員たち個人に影響を及ぼす行為や状況に関連するルールを掲載すると共に、一般的な船員たちのデータに関しても記述する。
船外への落水
荒れた水面は泳ぐ者に【筋力】〈運動〉判定を要求するが、水面下5フィートを超えて潜った場合には荒れた水面の影響は受けない。漂流物や他の浮遊するアイテムに捕まれば、浮かび続けるための判定には“優位”が与えられる。
落下
これは君の生命にとっての危険となりうる。もし君が船外に落下したなら、船から1d6+5 フィート離れた地点に水しぶきをあげて着水する。もし君が押されて船外に投げ出されたなら、船から2d6+5 フィート離れた地点に落下する。もし君が水に向かって跳躍したり飛び込んだりしたのであれば、君が跳躍できる最大距離までの任意の地点で水に入ることができる(『Player’s Handbook』の跳躍に関するルール参照)。
もし君が落下するか押されて船外に投げ出されたなら、難易度10の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわなければならない。セーヴに失敗すると通常の落下と同様に落下距離10 フィート毎に1d6、最大で20d6 の[殴打]ダメージを受ける。セーヴに成功すると落下距離が40 フィート分だけ短かったものとしてダメージを決定する。
もし自発的に飛び込んだのであれば、自動的に落下距離は40フィート分だけ短かったものとしてダメージを決定する。
水泳
水泳移動速度を持たない場合、1 フィート泳ぐ毎に追加で1フィート分の移動コストを要する。
荒れた水面で泳ぐ場合には【筋力】〈運動〉判定を要求されるが、その難易度は10以上である(嵐であれば15以上)。
もし君が移動している船(あるいは体当たり攻撃や引っ掛け鉤掛けに参加している船)の5フィート以内にいるなら、水面は荒れているものと見なされ、難易度10(あるいはそれ以上)の【筋力】〈運動〉判定を行なわなければならない。
こうした状況での判定に失敗すると、そのラウンドは移動できず、自分の頭を波間の上に出し続けておくことだけに全力を尽くすことになる。このとき、5以上の差で失敗すると、手にしている物をすべて落としてしまう。
魔法による支援を受けているのでないなら、キャラクターは1日にまるまる8 時間泳ぐことはできない。水泳している1 時間毎に、キャラクターは難易度10 の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗すると1 レベルの消耗状態を得る。
水泳移動速度を持つキャラクター――リング・オヴ・スウィミングや同様の魔法を持つキャラクターを含む――はペナルティを受けることなく丸一日泳ぐことができ、『Player’s Handbook』にある通常の強行軍のルールを使用する。
水中
君は息を止めていることができる限り水中を泳ぐことができる(下記の「溺れ」参照)。君の水中での水泳移動速度は水面での水泳移動速度と同じである。
深い水を通って泳ぐことは、水圧と冷たい温度といった事柄ゆえに、高高度を旅することに似ている。水泳移動速度を持たないクリーチャーについては、水深100フィートよりも深い場所において水泳に費やした1 時間ごとに、消耗を決定する際に2 時間分として扱う。水深200フィートよりも深い場所での水泳1 時間は4時間分として扱う。
鎧と盾
一般的に、重装鎧は船上ではまるっきり一般的ではない。重量物は最も忌避すべき要素とされる傾向がある――65ポンドのフル・プレートを着たまま船外に落下することは通常は死を意味する。ときおり、戦闘に赴く兵士は戦いの際に軽装鎧や中装鎧を着用することがあるが、ほとんどの場合、水夫は鎧を着用しない。幸運な少数の者(通常はPC や重要なNPC)は彼らのAC を向上させる魔法のアイテムを有しているが、ほとんどの水夫は彼らの元々の【敏捷力】に頼る。
〈隠密〉に“不利”を受ける鎧を着用している場合、水面の状況や水の状況に関わらず、また水泳移動速度を有するかどうかに関わらず、毎ラウンド難易度10(あるいは水面が荒れている場合などはそれ以上)の【筋力】〈運動〉判定を行なわなければならず、その判定には“不利”を受ける。この判定に失敗すると、そのラウンドは移動できず、自分の頭を波間の上に出し続けておくことだけに全力を尽くすことになる。このとき、5 以上の差で失敗すると、手にしている物をすべて落としてしまう。
また、着用している鎧に応じて、判定結果に関わらず毎ラウンド下に沈んでいくことになる。ただし、判定に成功した場合(あるいは元々判定を必要としない場合)は水泳による移動速度に等しい分だけ上方向にも移動できるため、その分で沈む距離を相殺できる。この沈み込みは水泳移動速度を持つかどうかに関わりなく発生する。
下方向への沈み込みのため、上方向への移動は困難になる。逆に下方向への移動は容易になる。
盾
盾を使用している場合、水泳のために行なう【筋力】〈運動〉判定に“不利”を受ける。
盾を外すためには1 アクションを要する。
軽装鎧
軽装鎧を着用している場合、毎ラウンド下方向に1フィートずつ沈んでいく。
たとえば基本地上移動速度30 フィートのキャラクターは水泳することに成功した場合には毎ラウンド15 フィート移動できるため、この沈み込みを完全に相殺できる。
軽装鎧を脱ぐには1分(10ラウンド)を要する。誰かの助けを借りる場合、この時間は半分で済む。あるいはアクションとして難易度10の【敏捷力】〈軽業〉判定に成功した場合は成功したラウンド以降、誰かの助けを借りることなく時間を半分で済ませることができる(さらに誰かの助けを借りてもさらに時間を減少させるということはできない)。
中装鎧
中装鎧を着用している場合、毎ラウンド下方向に10フィートずつ沈んでいく。
たとえば基本地上移動速度30フィートのキャラクターは水泳することに成功した場合には毎ラウンド15フィート移動できるため、この沈み込みを完全に相殺できる。
中装鎧を脱ぐには1 分(10ラウンド)を要する。誰かの助けを借りる場合、この時間は半分で済む。あるいはアクションとして難易度15の【敏捷力】〈軽業〉判定に成功した場合は成功したラウンド以降、誰かの助けを借りることなく時間を半分で済ませることができる(さらに誰かの助けを借りてもさらに時間を減少させるということはできない)。
重装鎧
重装鎧を着用している場合、毎ラウンド下方向に20フィートずつ沈んでいく。
たとえば基本地上移動速度30 フィートのキャラクターは水泳することに成功した場合には毎ラウンド15フィートしか移動できないため、たとえ泳ぐことに成功しても徐々に沈んでいってしまう。“早足”アクションを取ることによって、さらに15フィート移動できるため、その場合は沈まずに済む。
また、水泳移動速度30 フィートを持つクリーチャーであっても、重装鎧の着用に必要とされる【筋力】を満たしていない場合には移動速度が10フィート減少し、20フィートになってしまう。そのため、沈みこまないまでも、“早足”アクションを取るなどしなければ、上方向への移動は不可能になる。
また、〈隠密〉に“不利”を受ける鎧(重装鎧はすべてが該当する)は水泳移動速度を有する場合であっても毎ラウンド“不利”を付けた【筋力】〈運動〉判定を要するため、判定に失敗したラウンドには20フィート沈むことになる。
重装鎧を脱ぐには5分(50ラウンド)を要する。誰かの助けを借りる場合、この時間は半分で済む。あるいはアクションとして難易度15の【敏捷力】〈軽業〉判定に成功した場合は成功したラウンド以降、誰かの助けを借りることなく時間を半分で済ませることができる(さらに誰かの助けを借りてもさらに時間を減少させるということはできない)。
溺れ
水中で息を止めて1+(【耐】ボーナス)分経過した後、君は気絶状態に陥り、ヒット・ポイントは0に減少し、標準のルールに従って死亡セーヴィング・スローを行ない始める。しかしながら、もし容態安定状態になったとしても問題がある。もしそのまま水中にいるなら君は容態安定状態を維持できない。そのため君は再び死亡セーヴィング・スローを開始しなければならない。これは君が何らかの手段で救い出されない限り、君が死亡するまで継続される。
水中戦闘
参照用に『Player’s Handook』の第9 章「水中戦闘」に記載されている内容を再掲する。
近接武器攻撃を行なうとき、水泳移動速度(生来のものであれ、魔法によって与えられたものであれ)を持たないクリーチャーは、その武器がダガー、ジャヴェリン、ショートソード、スピア、あるいはトライデントでない限り、攻撃ロールに“不利”を受ける。
遠隔武器攻撃は目標がその武器の通常射程を超えた距離にいるなら、自動的に失敗となる。たとえ通常射程の範囲内にいる目標に対する場合であっても、その武器がクロスボウ、ネット、あるいはジャヴェリンのように投擲する武器(スピア、トライデント、あるいはダートが含まれる)でなければ、攻撃ロールに“不利”を受ける。
水中に完全に没しているクリーチャーと物品は、[火]ダメージに対して抵抗を得る。
乗組員
船の乗組員たちは航海と海戦を切り抜けていくことによって成長していく。
NPC 乗組員と経験ボーナス
船を操る際、船長と舵手を除く乗組員は全員で一体として扱われる。彼らはチームとして経験を積んでいく。彼らの乗組員として経験の度合いは-1~+3の数値で表される“乗組員の経験ボーナス”として表現される。この数値は彼らが船に乗り組んでいる間、彼らの行なうあらゆる攻撃ロール、能力判定、セーヴ、AC、そしてヒット・ダイスに加算される。
初心者/Landlubbers(経験ボーナス-1):これらの者たちは航海経験が少ないか全くない者たちであり、うまく技量を発揮できる望みがない。陸者(おかもの)とも呼ばれる。初心者の乗組員による航海はしばしば非常に危険である。奴隷の漕ぎ手の乗組員は通常はこの分類に当てはまる。
新米船員/Scurvy Rats(経験ボーナス+0):これらの者たちはいくばくかの航海経験を持ち――しばしば短距離の航海を2 回くらいこなしている――ある程度ましな技量を発揮することが望める。この程度の経験を持つ水夫たちの中には、しばしば人殺しやその他の悪漢たちが含まれる。よく訓練を行ない、まともな扱いをし、やる気を高めているなら、奴隷の漕ぎ手の乗組員はこの分類にまで上昇しうる。
海の兄弟/Mates(経験ボーナス+1):本職の水夫(海洋航海を生活の糧とする男女)はこの分類に当てはまる。海の兄弟はある任意の場所で見つかるほとんどの水夫の大部分を構成している。彼らは有能で、従順で、申し分ない忠誠心を持つ(船長が彼らを正当に取り扱う限り)。
熟練水夫/Mariners(経験ボーナス+2):これらは高い経験を積んだ水夫たちである。しばしばこれらの乗組員はいくぶんか年をくっており、長年に及ぶ海の旅によっていくつかの傷跡――肉体的なものも精神的なものも――を持っている。彼らはしばしば2~3の途方もない物語を持っており、酒が入るごとにそれらを繰り言のように何度も話すかもしれない。
老練の船乗り/Old Salts(経験ボーナス+3):これらの数多の危難を乗り越えてきた男女は世界でも指折りの熟練水夫を表している。老練の船乗りは彼らの人生の大部分を海で過ごしてきた。彼らはしばしば頑固で、革のように固く、理屈っぽいところを示す――しかし決して船長や一等航海士には逆らわない。若い水夫たちはこうした老人が捏造するありとあらゆる空想的なホラ話に耐えている。ときに、彼らは給料に加えて船の航海から得られる何らかの利益についてちょっとした分け前(一般的に1 人分の分け前だけ)を要求する。
乗組員の成長
船の乗組員は30 日間の船旅をこなす毎に1 点の乗組員経験を得る。また海戦を1 回こなす毎に1 点の乗組員経験を得る。乗組員経験が次の表の値に達するごとに経験ボーナスは1 上昇する。
| 表:乗組員の成長 |
| 乗組員称号 |
経験ボーナス |
乗組員経験 |
| 初心者 |
-1 |
0 |
| 新米船員 |
+0 |
2 |
| 海の兄弟 |
+1 |
9 |
| 熟練水夫 |
+2 |
28 |
| 老練の船乗り |
+3 |
65 |
死傷者の回復
戦闘中に排除されたクリーチャーの全員が実際に死んでいる訳ではない。ある者は単に打ちのめされて気絶状態になっているだけかもしれない;また別の者は深刻な負傷によって戦闘意欲を失っているのかもしれない。もし船が沈没したなら、戦闘の間に排除されたすべてのクリーチャーは死ぬ(溺れやその他の不運によって)。そうでなければ、戦闘中に排除された乗組員には個別に死亡セーヴをロールすること。
乗組員のデータ
ここでは船の乗組員となる船乗りたちの一般的なデータを紹介する。基本となるデータはセイラーであり、そこに経験ボーナスが加わったデータのサマリーは「表:乗組員の経験」にまとめてある。
| 表:乗組員の経験 |
| 経験 |
ヒット・ポイント |
AC |
経験ボーナス |
習熟した【判】判定修正値 |
日給 |
| 初心者 |
5(1d8+1) |
10 |
-1 |
+1 |
2 sp |
| 新米船員 |
11(2d8+2) |
11 |
+0 |
+2 |
1 gp |
| 海の兄弟 |
16(3d8+3) |
12 |
+1 |
+3 |
2 gp |
| 熟練水夫 |
22(4d8+4) |
13 |
+2 |
+4 |
3 gp |
| 老練の船乗り |
27(5d8+5) |
14 |
+3 |
+5 |
4 gp |
最終更新:2017年10月11日 15:04