『Savage Tide』の増大に対し、この連載記事では、プレイヤーである君たちに、生き残るのに必要な秘訣、要領、そして小道具を提供する。『Dungeon』誌ではDMに対して『Savage Tide』を運用していくのに必要な卑劣なプロットやずる賢いモンスターを提供していく一方、この『Dragon』誌では、君たちがあっさりやられてしまわないようにするための方法を提供する。今月の記事では、君たちにこのシリーズの全体像を提供し、開始地点であるサザリン市についての簡単な紹介、そしてそこにあるより重要な
勢力陣営のいくつかを案内する。
Savage Tidingsの全体像
これからの1年以上にかけて、それぞれの『Savage Tidings』では、特技や呪文から、地域ガイドやキャラクターのアイデアなど、君たちのゲームを実り豊かなものとする非常に幅広い選択ルールと情報を提供していくことになる。この記事はいくつかの構成要素に分かれており、冒険キャンペーンの流れに適切な場面に応じて言及される。主要な構成要素としては下記のようなものがある。
君は何を知っているか:
このセクションの目的は、君たちに君たちの周囲の状況や敵についての基本的な理解を与えることにある。君は、この記事に書かれているすべての情報について、一般的な知識であると見なすことができ、その対象となる事柄に興味のあるほとんどすべての者が知っているものと見なすことができる。
地域ガイド:
最初のいくつかの号の記事においては、この部分はこの冒険を行なわれる周辺地域についての情報を与えてくれるものである。これらの地域は良く知られているため、この情報のすべては簡単に獲得でき、いつでも利用できるものである。より謎めき、知られていないような周辺情報については、対応する地域ガイドには載せられていない。
代わりのPC:
キャラクターが死に、また最初のキャラクターがこのキャンペーンのイベントに深く関わっているような場合、途中参加の新キャラクターはあまり重要な役割を果たせないかもしれない。このセクションでは、君の新キャラクターが進行中の冒険に参加するための背景情報や因果関係などを提供する。
新ルール:
この記事では、この冒険キャンペーンを通してキャラクターが利用できるようになるであろう新ルールや特徴について提供する。新しい種類の動物の相棒、装備品、そして呪文などのすべてが、この記事において見出されるであろう。
勢力陣営:
勢力陣営は君のキャラクターが参加することができる強力な組織である。君に豊かな背景情報を与えてくれるだけでなく、これらのグループはその勢力陣営内で昇格する助けとなる仕事を与えてくれたり、特定のランクに達すると恩恵を与えてくれたりもする。
勢力陣営アップデート:
既存の勢力陣営をアップデートし、彼らの内部活動についての情報を提供する。これらのアップデートは、各組織の利益と責務を変更するものであり、新しい環境に適応したカスタマイズを行い、そのメンバーに特殊な機会を与えるものである。
関連する冒険:
これらの記事の多くは、現在進行している冒険に関する情報が含まれている。君のキャラクターがその冒険に関わるまで将来の号も予約しておく方が良いだろう。この心遣いについてはDMが手助けしてくれるだろうし、また各号にはその記事が関連する冒険がどれであるのかが記載されている。
君は何を知っているか:サザリン市
サザリン市は既知の世界の辺縁に位置しており、果てしなきアメディオ・ジャングルの広がりの前に存在する人類の拠点の最前線である。交易の中継地であり、15,000人以上の人々が生活を営んでいる――海賊行為、疫病、悪天候、そしてモンスターによって悩まされている文明世界の砦である。このキャンペーンは、君の開始時のキャラクターはサザリン市の地元民である事を想定しており、この都市のことについて、あらかじめある程度の情報を知っていることが期待される。この記事では、君のこの新たな故郷の町について知ることが必要になるであろうあらゆる事柄、すなわち主要な店舗と酒場についての完全なリストから、著名な地元住人の名前や、現在、通りや酒場で人々の口にのぼっている噂話について、提供するものである。この記事をざっと見て、君のキャラクターの故郷の地区を選択すること。
サザリン市自体は“暁の評議会”と呼ばれる7つの貴族家で成るグループに支配されており、それぞれがこの都市の7つの地区の1つを代表している。さらに、各地区はその大部分の市民たちが共通した信仰を有している。君がキャラクターを作成するとき、君は出身の地区の貴族と宗教について心に留め置くべきであるが、同じ神格を選択しなければならない訳ではないし、君の地区代議士の味方をしなければならない訳ではない。
あらゆる面において、サザリン市は工業都市である。7つの地区はすべて、単純な食糧雑貨店から、ポーション屋、短剣専門店、特殊なペットを扱うペットショップ、そして魔法のアイテムの市場といった特殊な店舗まで、幅広い店舗の大きな通りで特徴付けられる。習慣性のある麻薬、危険なモンスター、奴隷、その他の犯罪的なサービスといったものを除き、サザリン市のどこに行っても売買されていないというものは少ない。違法な製品を探している者は、この都市のよりいかがわしい場所においてそれらを売買できる場所を見つけることができるが、通常、この都市にいくつかある闇市の場所を知るためには、何らかのコネを必要とする。
サザリン市(大きな都市):
伝統的;属性 中立にして善;
人口 15,650;
混成状態(77%人間、6%ハーフエルフ、5%ハーフリング、4%ノーム、4%ドワーフ、2%エルフ、1%ハーフオーク、1%その他)
Azure District
青空地区はサザリン市の真の海岸通りである。青空地区は2つの街区、つまり東街区と西街区から成っており、またその住人の大部分はこの都市の下層階級である。青空地区の西街区は主に都市内の水路に関わる者たちで占められており、一方東街区は捕鯨業者たちが居住している。
Champion’s District
闘士地区は、兵士、剣闘士、傭兵など、この都市の創始者の1人、コード神の聖職者にしてかつての王、テラクニアンと同じ道を歩む者たちの地区である。闘士地区は貴族地区とはそれほど良い関係とは言えない関係であり、ここの市民たちは、彼らこそがこの都市の正当なる指導者であると考えている。
Cudgel District
棍棒地区は、元来は居住地区である。地方警衛隊と聖カスバート寺院による警戒のおかげで、ここはサザリン市で最も安全な場所でもある。棍棒地区の住民はそのことを知っているが、それでもなお、彼らは軟弱な人々ではない;彼らは攻撃の脅威に対して不断の警戒を続けている。
Merchant District
サザリン市の心臓部であり、そしてまた恐らくはその魂の部分は、商人地区にその拠点をしっかりと築いている。訪問者がやってきて最初に訪れる地区であり、しばしば常に訪問者が必要とする唯一の地区でもある。商人地区の店舗や市場で見つけられないものはほとんどなく、その酒場は(少なくとも公然の)この都市の城壁の内側で最上のさまざまな食物と飲料を提供してもてなしてくれる。
Noble District
サザリン市の支配は常にテラクニアン城で担われてきており、オーレン・テラクニアンの裏切りとその結果数年にわたってシー・プリンス国の支配下に入っていたにも関わらず、この貴族地区は、伝統的にこの都市の支配者階層地区であると考えられている。他の地区では、貴族地区は退廃した場所であり、この地区が彼ら自身の不道徳によって落ちぶれることを切望している。
Shadowshore
比較的小規模であるにも関わらず、おそらく暗闇海岸はサザリン市の地区の中で最も悪名高い。闘士地区の影に寄り添うように位置するこの細長い通りは、長らく盗賊たちとあらゆる種類の犯罪者にとっての避難場所となっている。通常、ここに住んでいるのは貧しい人々か、自らの財産を自分で守りぬくことができる人々だけである。おおむね平和が維持されている限り、警備隊は暗闇海岸のことについては全く諦めてしまっている。
Sunrise
棍棒地区と同様に、旭区は元々居住地区であるが、旭区の市民の多くがサザリン市周辺に点在する数多くの荘園を経営しているおかげで、彼らはその隣人よりも一般的にはやや上等な暮らし向きをしている。
最終更新:2017年03月25日 00:26