Astaroth, Diabolus/ディアボルス
痕跡霊レベル4
“ディアボルス”(ラテン語で“悪魔”)とも呼ばれるアスタロトは、デヴィルに対する深く不変の憎悪を持っており、フィーンドの間を通過する能力、彼らの悪魔的な防御を無効にする能力、そしてアビス版の地獄の業火で敵を焼き尽くす能力を与えてくれる。
伝説
このかつては予言の能力を持った強力なデーモン・ロードであった存在は、アーカのウィンド・デュークとの戦いにおいて“混沌の女王”の側に立って戦っていたが、追放されてしまった。流血戦争の初期において、アスタロトはバートルの軍勢に潜入し、階級を上げて地獄の会計係にまで上ったことで、“ディアボルス”という二つ名を獲得した。結局、彼の正体はアークデヴィルのガーゴスによって見破られ、アスタロトはアスモデウスの怒りから逃亡せざるを得なくなったが、彼のスパイ行為によってデヴィルの戦争の業績は計り知れない損害を受け、地獄の軍隊がアビスの軍勢に対して明白かつ決定的な勝利を収めることも妨害されたのである。
アビスに帰還する際、アスタロトは空中浮遊する燃える石でいっぱいの蒸気に包まれた階層へと逃げ延びた。九層地獄の主による避けられない復讐に備えて、アスタロトは彼自身を神へと変質させることを望んで、その予言の力を使い、数え切れない世界において定命者のカルトを養成し始めた。いくつかのケースでは成功したに違いないが、彼の悲劇を妨げるには不十分であった。結局アスタロトは、アスモデウスの命令を受けたガーゴスによって殺害されてしまったのである。彼の前任者から引き継いでいる名前を奪い取った上に、地獄の第10の君主はアスタロトの神性をも奪い取ったのである。
特殊条件
アスタロトは、最近火で焼け焦がし、その後冷たい水を掛けた石がちな場所に彼の秘紋を描くことを要求する。
霊の発現
アスタロトのぼやけた姿が、蒸気の雲のようにその秘紋から立ち上り、ゆっくりと竜のようで羽根のある翼を持ったハンサムな人間の姿へと凝り固まっていく。彼の肉体がゆっくりと地獄の業火で燃やし尽くされると共に、彼の蛇のような舌がぱちんと神経質に音を鳴らす。
徴候
君は硫黄の悪臭を放ち、君の目は曇った薄膜で覆われる。
影響
アスタロトの影響によって、君は理由ははっきりしないが破滅が差し迫っているかのように感じ続けるようになり、いつもむっつりとした宿命論者のようになる。アスタロトは彼に破滅をもたらしたデヴィルたちに対する復讐を望んでいるため、彼は君が戦闘に参加するときにはいつでも、他のあらゆる者に優先してデヴィルを攻撃するように要求し、君がであったあらゆるデヴィルと戦いを開始することを要求する。
付与能力
Granted Abilities
アスタロトは未来を見通す能力、アビスの炎で燃やし尽くす能力、フィーンドの間でうまくやり抜く能力、そして銀製でない武器に対する防御を持つクリーチャー(多くのデヴィルが含まれる)に対して攻撃する能力を与える。
黒の炎
君が発動する[火]ダメージを与える呪文は、[火]ダメージに対する抵抗を無視する。加えて、君が発動する[火]ダメージを与える呪文のダメージをロールするとき、ダメージ・ダイスで出た1の出目を2として扱うことができる。また、君は1回だけアスタロトを呪縛するときに消費した呪文スロットを使ったかのようにファイアーボールを発動することができる。いったん使用すると大休憩を取り終えるまで再びこのようにしてファイアーボールを発動することはできない。
神託
君は儀式としてディヴィネーション呪文を発動することができる。通常通りに構成要素と儀式としての発動時間を必要とする。
蛇の舌
君は〈ペテン〉技能、と変装道具に対する道具への習熟を得る。フィーンドと関わる場合に〈ペテン〉技能を使ったり、変装道具への習熟を適用した能力判定を使用したりするときには、2倍の習熟ボーナスを加算することができる。
銀の接触
素手攻撃を含め、君が行なうあらゆる武器攻撃は、ダメージに対する完全耐性や抵抗と関わる際に、あたかも銀製の武器であるかのように扱われる。
アスタロトの3つの顔
D&D多元宇宙にはアスタロトの名を持つ次元的存在が少なくとも3つ存在している。1つの名前を共有する強力な存在というのは珍しいものではなく、名前を共有することで定命の者による招来の確率を減ずることができるためだ。アビスではアスタロトは強力なデーモン・ロードであり、今は死んでいるが契約魔法を通じて接触することが可能である。バートルの九層地獄ではデーモン・ロードのアスタロトを殺害してアーチデヴィルから神格へと転じ、それ以来の別名として彼の名を使っている存在である。最後に“不当なる堕天使”アスタロトという名の堕天使が存在し、その者も同様に痕跡霊と化している。この記事ではアスタロトと名乗っているデーモン・ロードの痕跡霊について記述している。
最終更新:2019年12月12日 00:42