痕跡霊:アンシティフ

アンシティフ
Ansitif the Befouler/汚し手のアンシティフ

痕跡霊レベル7

“汚し手”のアンシティフは、あらゆる宗教的信仰を毛嫌いしており、アビスのデーモン・ロードを呼び出す信仰魔法に抵抗する力を付与し、冒涜をもたらし、火の浄化の力への抵抗を与えてくれる。

伝説

“汚し手”アンシティフは、オビリスの没落に引き続いて台頭し、現在では“第六の積み薪”として知られるアビスの第21層の支配権を速やかに奪い取った古代のタナーリ・ロードであった。大部分のデーモン・ロードが真の神の力を渇望したのに対し、アンシティフは真の神性の存在に対して激怒していた。ほとんどの神格と直接対決することなどできはしない“汚し手”は、神聖な場所を堕落させたり、真の神格に捧げられたレリック(聖遺物)を汚したりすることを怒りの捌け口としていた。彼の権力の絶頂期には、アンシティフの領土には数多くの宗教のレリックや、アビスに引きずり込まれて堕落した寺院の廃墟が散在していた。
彼が幽閉されるまで、アンシティフはサキュブスの一団の中で享楽に耽っており、また彼はマルカンテトの最初の恋人たちの中の1人でもあった。リリトゥになった最初のサキュブスは彼らの間から生まれたといわれており、新たにその地位に就いたサキュブスの女王が、彼女の召し使いたちを変質させるのに必要な儀式を明らかにするために、“汚し手”の堕落の性質を密かに引き出したのだと言う。
何世紀も前、アンシティフは、マルゴスと呼ばれていた強力なオビリス・ロードを狩り出し、破滅させるために6体のタナーリ――“七つの苦悩”シンドシラ、“虎の王”フェレクスジャ、“黒水のロード”イクシニクス、“砕かれた”クィジナー、“黒のプリンス”リンドルズト、そして“暴風雨”ウェジンダシュタラ――が作った同盟に参加し、彼の精髄をアビスのあちこちに撒き散らした。この同盟の勝利は、栄光よりも大惨事をもたらした。この事件はアンシティフと彼の仲間たちを権力の中心から追い払い、日和見主義のデーモン・ロードたちは、この同盟のメンバーをそれぞれ順番に暗殺したり、追放したりしていった。“汚し手”の場合、彼の最も強力な将軍であるカルドゥムという名前のバロールがアンシティフを裏切り、彼をアビスの第73層の暗黒の井戸に幽閉したのであった。その後、カルドゥムはバロール・ロードの称号を名乗り、今日もそれを維持している。

特殊条件

アンシティフは、彼の秘文を真の神格の壊れた聖印の残骸を使って描くことを要求する。

霊の発現

君の前にある秘紋が火を噴き、大量の閃光が外側へ放出され、すぐそばにある聖遺物、聖印、あるいは他の信仰の象徴を焼き焦がす。次第に、裁断の周囲で炎が一体と化し、その前面に暗く、鼻につくような煙を吐き出す。煙の中心で、飛び交う閃光が遊離した大口を形成し、言葉を話し始める。

徴候

君の頭髪と皮膚は、あたかも僅かな時間火に接触したかのように黒ずみ焼け焦げる。

影響

アンシティフの影響下にあると、君は真の神格に捧げられた聖遺物の存在に対して怒りを感じるようになる。汚し手は、君が発見した真の神に捧げられたあらゆる聖遺物を破壊するか盗むかするように要求する。


付与能力

アンシティフは君に真の神格と対抗する冒涜のパワー、神格の信心深い奉仕者の呪文に抵抗する力、そして一時的に君の神格をはねつけ、君自身をアビスのデーモン・ロードへの担保とする力を与える。アンシティフが“第六の積み薪”を支配していた時代を思い起こさせるため、“汚し手”は君に火に対する完全耐性を与える。

冒涜の声

君はディヴァイン・ワード呪文を発動することができる。一度この能力を使用したなら、大休憩を取り終えるまで再びそれを使用することはできない。

信仰への抵抗

君はクレリック呪文やそれに類する魔法効果に対するセーヴィング・スローに“優位”を得る。

火への完全耐性

君は[火]ダメージに対する完全耐性を得る。

デーモンの奴隷

君は1分かけて90フィート以内の君が見ることができる、誰にも占有されていない空間に、脅威度6以下のデーモン1体を招来する。君は呪文に対するのと同じように精神集中をし続けなければならず、最大で1時間までこの効果のために精神集中を続けることができる。このデーモンは、0ヒット・ポイントまで減少するか、持続時間が終了したときに消え失せる。
招来されたデーモンはそれが存在している間、君と君の仲間に対して中立的である。招来されたデーモンの分のイニシアチブを1回ロールし、それ独自のターンを持つ。君がそれに対して下したあらゆる音声による命令(君はアクションを必要としない)に、それらがその属性を侵害するものでない限り、それは絶対服従であるが、デーモンは服従すること事をひどく苦痛に感じる。もし君がデーモンに対して何の命令も下さなければ、それは自らの意志でこの世にできる限りの破壊をもたらそうと行動し、その破壊の対象には君自身や君の仲間たちも含まれる。いったんこの能力を使用すると、大休憩と取り終えるまでは再びそれを使用することはできない。
『Monster Manual』記載のデーモンの中で、脅威度6以下のクリーチャーとしては、ヴロック(脅威度6)、クアジット(脅威度1)、シャドウ・デーモン(脅威度4)、チャズミー(脅威度6)、ドレッチ(脅威度1/4)、バルルグラ(脅威度5)、そしてマネス(脅威度1/8)がいる。


最終更新:2019年12月12日 00:46
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