彼の民の王国にとっての第一相続人であったアメンヘルケプシェフは、悲劇的にも奴隷の神によって生命を奪われた、かの帝国の長子たちの魂の代表である。霊魂たちの集合意識は死の神に恩赦を乞い願い、アメンヘルケプシェフとして知られる痕跡霊と化した。アメンヘルケプシェフは死んでいる間も活動し続ける能力、死の効果とアンデッドの攻撃に対する守護、先頭における戦術的な判定へのボーナス、そして強力な正のエネルギーの爆発を解放する能力を与えてくれる。
伝説
アメンヘルケプシェフは玉座の相続人にして、当時の国王の息子、そして軍隊の指揮官であった。帝国は数千人の奴隷たちを抱え、奴隷たちは数多くのピラミッド、墳墓、そして宮殿を建築するために使役されていた。奴隷たちが反抗的であると、帝国は残忍な圧政を布き、彼らの信仰の自由を制限した。最終的に人々は反乱に立ちあがり、捕縛者たちを打ち倒すために、長らく抑圧されてきた彼らの神に呼びかけた。怒り狂った神は、数多くの災厄をもって帝国を討ちすえた―火、害虫、病、旱魃、その他もろもろの災厄をもって。最後の災厄は帝国の歴史においてもかつてなかった最も恐るべきものであった―異国の神は、帝国のすべての家族の長子を討ち殺したのであり、アメンヘルケプシェフもその中に入っていた。
長子を失った悲劇は、すべての世代の者をがっくりとうなだれさせ、絶望をもたらした。さらに悪いことに、墓泥棒や敵対する侵略者たちが新しい墓を冒涜し、死んだ息子たちの死後の安楽をも破壊した。これらの霊魂は怒り狂った。異国の神とその民に対する怒り、自己満足のために彼らを裏切った者たちへの激怒、死後の安楽を妨害した墓泥棒への憤怒。霊魂たちは死の神に、彼らを時空の彼方へと追放してくれるよう願い、その願いは叶えられた。こうして彼らはそれ以上傷つけられることはなくなったのである。これらの霊魂は、現在アメンヘルケプシェフとして知られる単一の結合された存在として実在世界から追放されている。
特殊条件
呪縛を行なう際に君がアンデッドであるか、最大ヒット・ポイントが減少しているか、消耗状態を受けているか、何らかの原因で能力値が減少しているなら、アメンヘルケプシェフは出現せず呪縛することはできない。生きているクリーチャーだけがアメンヘルケプシェフを呪縛できる。
霊の発現
アメンヘルケプシェフが発現するとき、胴体が金と宝石で置き換わっており、儀式用の装身具で囲まれたハンサムで日焼けした男性の戦士が棺の中に入った姿で出現する。石の棺の蓋は数フィート下の床の上で壊れて転がっている。突然、この戦士が棺の中でぱっと起き上がる。彼はまるで複数の男性と少年たちの声を集合させたかのような声で苦痛の叫びをもらす。彼の肉体は爆発して、何千ものさまざまな年齢層の男性や少年たちの顔が重なり合った姿になる。それらの顔はいずれも黄疸にかかり、頬は陥没し、皮膚は腐肉の悪臭を漂わせている。彼らはほんの僅かの間唱和して泣き叫ぶと、すぐに融合して再び戦士の姿を取る。その戦士は自らの棺にもたれかかり、死んだようにじっとなる。
徴候
君は死者のような外見になる。黄疸にかかったような皮膚、陥没した頬、眼の下のたるみ、そして硬直した動きになる。君はかすかに腐敗と防腐剤の臭いを漂わせるようになる。
影響
君はアンデッド、死霊術士、そして死霊術系統の呪文と効果を見過ごすことができない。君はあらゆる機会を捕らえて、アンデッドを殺害しようとし、死霊術呪文を使用していると感じるあらゆる人物と協力することを拒否する。君は間違いなく、そうした人物に苛々し、多くの過ちを見つけて彼らと戦う理由を探そうとする。
付与能力
アメンヘルケプシェフを呪縛している間、生きている者を治癒し死者を傷つける強力な正のエネルギーの爆発を解放することができ、死亡あるいは瀕死状態ですら活動でき、さまざまな死霊術系統の効果とアンデッドの攻撃に対する完全耐性を得るとともにこの完全耐性を味方に付与し、そして君や君の味方の戦闘能力が著しく強化されるオーラを生み出すことができる。
生命の爆発
1アクションで君を中心とする半径30フィート球形の範囲に正のエネルギーの爆発を発生させる。この範囲にいる君の味方(君自身を含む)はヒールの効果に加えてグレーター・レストレーションかレッサー・レストレーションのいずれかの効果を受ける(それぞれの効果を受けた者がどの効果を受けるかを決定できる)。一度使用するとアメンヘルケプシェフとの契約を結び直すまでは再び使用することはできない。
死の遅延
ヒット・ポイントが0になっても君は気絶状態にならずに通常通りに行動することができる。この状態でも通常通りに毎ターンの開始時に死亡セーヴィング・スローを行なわねばならない。3回失敗すると通常通りに死亡する。3回成功するとその時点で容体安定化して気絶状態になる。一度この能力が発動すると小休憩を取るまでは再度発動することはない。
長子の守護者
君は消耗状態に完全耐性と[死霊]ダメージに対する完全耐性を得る。またアンデッド・クリーチャーによってもたらされる恐怖状態、麻痺状態、毒状態、病気、[毒]ダメージに対する完全耐性を得る。君の使用するすべての武器はアンデッド・クリーチャーに対しては魔法の武器として扱われる。これは常時機能している効果である。
君は1アクションで1人の味方のクリーチャーに接触することで、同じ能力をそのクリーチャーに付与できる。こうして能力を付与することは呪文に対する場合と同様に精神集中を要し、最大1分まで持続できる。
戦の嗣子
君の周囲60フィート以内にいる君の味方のクリーチャーは、“クリーチャーをつかむ”ときと“クリーチャーを突き飛ばす”ときの判定に有利を、また、機会攻撃を行なうときの攻撃ロールに有利を得る。
最終更新:2020年11月15日 16:33