1 覚醒~めざめ~
Angel Chronicles 1 覚醒~めざめ~
2008年7月発売
石化された四聖獣、堕天したユダとルカがとうとう動き出す
六聖獣の新たな物語が今ここに登場!
STORY
天界を二分する戦いから数百年。
ゼウスはパンドラと共に永の眠りに入り、女神が天の守りを委ねられていた。
天使たちの位階を取り払い守護天使たちとの交流を深め、平安と博愛が訪れた天界。
しかしもういなくなってしまった、この平安を最も望んでいた天使たちのことを想い、彼らを救う術がないか女神は模索していた。
いなくなってしまった天使たち……。四聖獣は石化ののち下界の各地に封印され、ユダとルカは堕天し地獄の頂点へと立っていた。
恐怖を与える振る舞いに疲れ、ゼウスと同類なのではないかと憂いを隠せないユダとルカの前に地獄を脱出するチャンスがとうとう訪れる。
そんな中、地上では嵐で波に飲まれた海賊カミュの宝が引き上げられており、帝国博物館の館長ピラトはその中にあった石像「背徳のモニュメント」に強い関心を寄せる。
まるで生きているかのようなエナジーを発するその石像の元に、天使サキが現れて……。
ちょっと踏み込んだStory
天を二分した戦いは、ゴウたちが獣神具の魔に囚われてしまい、神側についてしまったことで、ユダたちの敗北と終わった
その責を首謀者であるユダとルカに負わせ、彼らを殺害するよりももっと苦しめる結果となる堕天と言う形を取り、ゼウスはふたりを地獄へと封印した
しかし、地獄で魔王となっているルシファーとは相容れぬことを根本的に悟っていた二人は、図らずも地獄を二分させた
そして、神側についたかと思われていた残る四聖獣たちは、その獣神具の魔から開放されていた
けれども、ユダとルカを助ける機会を窺いながら、心を痛めつつも意に反しながら彼らを罵倒する毎日
そんな彼らに気付いたのが女神だった
彼女は、かつて自らを石化封印したミカエルを目覚めさせて、四聖獣たちを石化封印させることをゼウスに進言する
このままでは、残された四聖獣たちが再びゼウスに反旗を翻すやも知れぬ事を感じた女神は、一時的にでも、その矛先が彼らに向かわぬよう石化封印させるように進言していたのだった
一時は天界にあった彼ら四聖獣
しかし、ある日突然、ゼウスは天の福音が示したと四聖獣の石像を地上の各地へと埋めてしまう
それからしばらくして、突如ゼウスはすべてが詰まらぬとして、地下御陵に身を沈め、深き永い眠りについた
自らの役目の代わりを女神に託し、パンドラを伴って……
その際、女神は自分には親衛隊がいるゆえ神官たちは要らないと神官制度を廃止させた
ゼウスが眠りについたことを機に、大神の代行となった女神は様々なことを自らの命で行った
今まであった位階を取り払い、ゼウスが制定する前のように変えた
人間を守る立場の守護天使の存在をゼウスが嫌っていたため、交流断絶させていたのを復活させた
女神としては、以前からやりたかったがゼウスがいたためにできなかったコト
「平和な天界」を再び創りあげようと、様々なことを行っていく……
そう、その世界こそ、「平和な天界」こそ、天を追われた彼らが一番望んでいた世界だった
ただただ、天界が、そして世界が平和であるように――それしか、彼らは望んでいなかったと言うのに……
倒したゼウスの替わりに自らが神になろうだの、この天界を支配しようだの、そんな野望は欠片ほども持ち合わせていなかった彼ら
けれど、いにしえの平等で平和だった天界を知るがゆえ、そんな時代を取り戻したかっただけだったのだ……
ゼウスが永の眠りについて、様々な力が弱まっていった
彼がそれを知らずして眠りに付いたはずはない――それを思うと、ゼウスの真意を知りたくなる、かつては側近まで勤めていた現在の魔王ルシファーだった
天界では、ミカエルが四聖獣たちの地上封印のヒントとなるべく、星の采配――天の福音を記した石版をなんとか見つけ出す
と同時に、地獄にいるタケルもまた、同様の事を読み取れるようになっていた
「時が、動くかもしれんな……」
意味深な言葉を発したルシファーの真意はどこにあるのか……
朝早く、キラはいなくなったマヤを探して海辺を彷徨っていた
目を覚ますと、傍に寝ているはずのマヤの姿がなかった
それまでも、幾度となく「朝の散歩」と称して出歩くことの多かったマヤだが、今日のキラは、「いつものごとく」とは思えなかったらしい
胸騒ぎを覚えるのか、マヤを必死に探すも、一向に手がかりさえも見つけられずにいる
焦るキラの前に、浜辺に行き倒れの男が打ち上げられていたのを見つけてしまう
助けてくれと懇願する男に、キラは取り付く島も与えない
そんな問答を繰り返しているうちに、海から何かが吹き上げられた
視界を遮られたその中に、人影がふたつ現れたのだ
キラは驚いた
それは、こんなところで会うとは思ってもみなかったユダとルカの姿だったから
ユダは打ち上げられていた男、カミュを助けて、その自宅まで送っていった
一方ルカは、キラの助けをするべく、マヤを探す手伝いを……
その頃……地獄界には、ある人物が訪れていた
いや、正確には訪れたのではなく、連れてこれらた――と言うべきだろう
かつてミナトの小国で出会ったまま、別れも告げられずに別れてしまった巫覡のタケルとの再会
しかし、彼は既に、普通の人間ではなかった
その事を、マヤは知っていたのかどうか
玉座に佇む、漆黒の長髪の美しき現魔王は、この日を待っていたのかもしれない
今まですれ違いはあれども、なされなかった邂逅の時が突如として現れたのだ
「ようこそ。わが地獄界へ……。愛しのマヤよ……」
それは、はじめて我が子の成長した姿を見、自らが父である事の名乗りをあげた瞬間でもあった……
最終更新:2008年11月27日 01:51