第5巻 喪失~FALLEN~
小説第5巻 喪失~FALLEN~
古の天界編、完結
差別化、絶対服従と支配、気に入らないものは神の名において討伐せし大神ゼウス
二度と彼は元には戻らない――それを確信した六聖獣たち
叛く事は赦されぬ天使たちが、それを覆す
平和を取り戻すために、天使たちは牙を剥く
絶対神である筈の、今では悪神に成り果てたゼウスに……
■データ
ISBN978-4-86134-287-5 C0193
定価:本体629円+税
発行:株式会社フロンティアワークス
ついに大神ゼウスとの全面対決を決意した六聖獣。その一方、地上ではパンドラに
よって開け放たれた「希望の箱」のせいで暴動が起こりはじめ、天界でもゼウスが
不審な動きを見せていた。
そこで、六聖獣は天界と地上の二手に分かれて行動を開始するが――。
それぞれの信念を胸に、天使たちの最後の戦いが始まる。
『古の天界編』ついにクライマックス!!
喪失……絆と愛、そして“さだめ”
天空城ごと無間地獄に何昼夜も封じ込められていたゴウ、レイ、ガイ、ルカ、そして巻き込まれる形になってしまったキラ
その氷攻め苦にあっていた彼らが力を合わせて何とか脱出、生還し、その一方で、ゼウスに囚われていたユダを救い出すことに成功した。
彼らが身を寄せたのは、まだ天空城に居住を移す前の、かつてのユダの自宅
驚異的な回復を見せるも、ユダの精神的なダメージは計り知れぬほど大きかった
思わぬところで、自らの封印された記憶と秘密を知ってしまったルカもまた、その胸中は穏やかではなかった
自らの出生と、それに対する様々な思い……口には出さぬまま、静かに時は過ぎて行った
ユダの回復までは、表向きにはごく普通の暮らしを続け、とても反逆の欠片なぞおくびにも出さぬ彼ら六聖獣
大人しく反省をしているようにも見えるようだったが、その胸中では、数々の悪業を好き放題してきたゼウスを討ち取るべく静かに画策していた
開け放たれてしまった「希望の箱」の影響が、様々なところに現れていた
その地上への影響――特に動物たちへの影響を最小限に抑えるべく、彼らの心を鎮めること
そして、偶然にも知ることになった対の獣神具の存在……
もっと強大なる力が欲しい……ゼウスを討ち取るための、もっと強い力を……
偶然にも、光と闇――2本の青龍剣を手に入れたゴウが感じたあの日の感覚は、それを満たすのに最適なものだと思われた
かつて、ガイがお仕置きされたときに放り込んだと言う天空城の小部屋にあった書物の中に、4つの獣神具にはそれぞれ対になるものが存在すると言う記載があったことで、彼らはそれを手に入れようとしていた
だが、その在り処などは一切判らず、時は流れ行く
そんな折、眠りから覚めた聖者が彼らの元を現れ、獣神具の話を持ち出した
聖者には一方ならぬ好意を抱いていたゴウを筆頭に、シン、レイ、ガイもまた、聖者には好意を抱いていた
その彼が、ゼウスを討ち取るのなら対になった獣神具が必要だと言い、その隠し場所さえも打ち明ける
最初こそ、それを不穏に思っていたシンも、皆の血気に邪念を持ったことを詫び、皆と共に対の獣神具をその手に取る
しかし、それは、揃えてはいけないもの――やがて、闇に心が支配されてしまうと言う代物で、聖者はその秘密を知っていながら、彼らにそれを持たせたのだった
中位天使たちが六聖獣の側に多数つき、密かに討ち入ろうとしていた六聖獣の計画を覆す事になった
古に、ルシファーが天を二分する戦いを仕掛けたのと同じことが起ころうとしていた
それだけは避けたかったユダだったが、皆の気持ちはそれを避けて通るわけには行かないもので、否が応でも、光の天使は先人と同様の道を辿る事となる
4人にだけ与えられていた獣神具
8つ揃えてから、彼らに妙な言動が現れ始めていた
普段なら絶対言わないような言葉、普段なら絶対しないような行動に、心をひとつにしたはずの六聖獣の絆が揺らいでいく……
彼らは気付かなかった――それが仕組まれた事であると言うことと、ある意味操られていると言う事に……
気付いたときは、もう、既に、自分たちは――ユダとルカ、そして集まっていた中位天使たちはボロボロだった
脆くも崩れてしまった六聖獣の絆、分裂した彼らを目にして、戦いを続ける事などできはしなかった……
最終更新:2008年11月28日 02:02