第1巻 起源~ORIGIN~
起源~ORIGIN~
いにしえの時代、天界は光に満ちた楽園であった。
天使ユダは、一際優れた力と誇り高い精神を持ち、同じ志の仲間達と大神ゼウスに
仕えていた。だが最近、ゼウスの命により天界には不穏な空気が流れ、ユダも
その命に疑問を持ち始めていた。
更にゼウスは地上の動物を支配する「六聖獣」候補にユダたちを選び……。
天使たちの壮大な編年史が、今始まる――
■データ
ISBN978-4-85134-177-9 C0193(限定版)
定価:本体1143円+税(限定版)
発行:株式会社フロンティアワークス
天使は大神のため息に愛を込めて創られる……
至上の楽園であった天界に、悠久の時から息衝いていた天使たち
穏やかな天界で、あまねく天使たちは大神の愛を受けて悠久の時を過ごしてきた
天使は神につき従うもの
神に叛く事など、ありえなかったもの……
しかし、時の流れは残酷すぎて……
ありえないはずのことが起きる
大神の心は、ある出来事をきっかけにして、皆の望まぬ方向へと進もうとしていた
それでも従わなければならぬのか
それでも神にとこしえの愛を誓わねばならぬのか……
誰もがそんなことを考えようとはしなかった
誰もが目に見える安寧に身を委ねようとしていた
けれど、未来の天界に一抹の不安を抱えていたものがいる
大神は、我々天使を何処へ導こうとしているのか……
見えぬ大神の心――燻る不安
杞憂だと言う声がある
天界は、いつも穏やかだ
猜疑は捨て去るがよい――それが最も利口なやり方なのだろう
大神の意のままに生きていく方が、きっと楽なのだ
導かれるままに、従い生きていく方が……
新たなる制定――六聖獣、誕生
大神ゼウスが制定せし天使たちの位階
力の差によって、上位、中位、下位と3段階に分けたのみならず、それによって住む所も与えるものさえも違えるようになった
かつては自由に行き来できていた場所でさえ、位階が制定されてからは、気軽に出入りができなくなっていた
それが例え、上位天使が中位天使のエリアに踏み込もうとしても――だ
心がざわめく――変わり行く天界
いや、変化が必ずしも悪になるとは限らない
遠回りをしてでも、いつかはいい方向へと進めるかもしれない希望は持っていたい……
叶わぬ夢ではないことを、切に願うだけだ
14人の上位天使の中から制定されるという「六聖獣」
六聖獣は、上位天使の更なる上の階級で、属性ごとに地上の動物たちを統べる役目を担う事になる
その候補となったのは、ゴウ、ユダ、ガイ、シン、キラ、レイ、シヴァ、マヤ、ルカの9人
次なる祝福の日、聖なる頂に到着した順6人に六聖獣として任命する――と
候補となったもの、外れてしまったもの、みなの胸中は様々
そんな最中、キラがマヤに祝福の日に天を降りようと言い出して……
最終的に六聖獣となったのは
麒麟のユダ、鳳凰のルカ、青龍のゴウ、玄武のシン、朱雀のレイ、白虎のガイ
の6人だった
最終更新:2008年11月28日 23:38