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ミルクティー

ミルクティー

作:青奈

「晴耕雨読」という言葉にならって、雨の日は本を読むことにした。
図書館から何冊か借りてきたが、なかなか先に進まない。というより、進めない。
昔から読書嫌いのせいだろうか・・・。
読書好きの親友は、「その場のシーンが想像できて面白いよ~」なんていったりするが、その“想像”が出来ないのだから、面白くも何ともない。
今まで彼氏が出来なかったのは、そのせいだという説もある。
“想像力”がない女性は好かれないと。
(本当はそんなこと信じてない。だって・・・)
20ページほど読み、私は本を閉じた。もう読むつもりはないから、枝折なんかしない。だが、その20ページという中途半端な数字が、余計に先を気にさせる。
でも、まあいい。
先なんて、自分で想像すれば良いのだ。

「姉ちゃん、ミルクティー飲む?」
「あ、いいよ。自分で入れるから。」
何が気に入らなかったのか、弟が溜息をつく。
「男の親切は素直に受け入れる!そんなんだからいつまで経っても彼氏出来ないんだよ。」
そのとき、携帯の着信音が鳴った。
「・・・もしもし?え、今から?分かった!」
ハイテンションで私はコートを羽織る。
「ちょっと行ってくる!」
「何処に?」
「デート。・・・あっ、ポットのお湯残しといてね。帰ってきてから飲むから、ミルクティー。」
弟は口をポカンと開け、その場に立ち尽くしていた。
「姉ちゃん、彼氏いるの?」
「3日前からね~」
そう。私が「想像力のない女性は好かれない」なんていうつまらない噂を信じないのは、こんな私でも彼氏が出来るってことを知ったから。

温かいミルクティーを頭の中に浮かべながら、私は家を飛び出した。
最終更新:2007年12月21日 13:44
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