「かわいー!」
蒼夏(そうか)の持ってきた雑誌を見て、私たちは声を上げた。
今週発売されたファッション雑誌。今月は浴衣特集で、私とは到底縁のないようなきれいなモデルさんたちが載っている。
もうすぐ夏祭りか・・・。
「ねえ、みんなは夏祭り行く?」
凛(りん)が目をきらきらさせながら聞く。
「もちろん!今年はカナタ先輩と行くんだ~。実は昨日ね、誘ったらOKしてくれたの」
「いいな~、亜紀は。ウチは彼氏いないもんね・・・」
「いいじゃん凛。一緒に行こーよ!」
蒼夏はあんなに可愛いのに、未だに彼氏がいないらしい。今年もきっと、10人くらい誘って行くのだろう。
「ねえ、美沙子も行くでしょ。」
「え?」
私はふと我に返った。
「夏祭り。一緒に行こ。」
「私・・・やめとく。」
「え、どうして!?」
蒼夏は私も行くと確信していたらしく、目を見開いて驚いていた。
「べ、勉強とか忙しいし・・・」
「ふーん。美沙子ったら夏休みまで勉強するんだ。すごいね。」
本当は勉強なんかするわけがない。でも、本当の理由なんて言えなかった。
「あたしね、星野君が好きなんだ。」
1週間前、凛のその言葉を聞いていたからだ。
星野君に夏祭りに誘われたのは、つい昨日のことだった。
「急に呼び出してゴメンな。」
「いいよ。・・・あの、話ってなに?」
「今度の夏祭り、一緒に行かない?」
「・・・え?」
「お前のこと・・・好きなんだ。」
びっくりした。と同時に。凛の言葉がよみがえる。
「あたしね、星野君が好きなんだ。」
少しの間、考えた。でも結局、断れなかった。
「いいよ、一緒に行こう。」
そして、夏祭り当日。
最終更新:2008年02月16日 18:22