著:5スレ目163殿
修理の犬 その3の続き



躑躅ヶ崎館では諸将の居並ぶ中、先駆けて出陣する二人の将が信玄に謁していた。

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         (   )    (   )
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        (oVo_∪    (oVo_∪



(`・ω・´)昌景 「お館様上洛の露払いの為、山県三郎兵衛出陣いたします」

 ハ_ハ
(゚∀゚ )信友「天下を乱す信長の本拠に楔を打つべく、秋山伯耆出陣いたします」

ミ(´∀` (彡 信玄「うむ。 わしも数日したらお主らを追う」

 ハ_ハ
(゚∀゚ )(`・ω・´) 「はっ」

ミ(´∀` (彡 「奮戦せよ。 良き知らせを待っておる」

 ハ_ハ
(゚∀゚ )(`・ω・´) 「勿体無い御言葉。 有難く」


( ^ω^) 昌豊 (伯耆も普段の落ち着きが戻ったようだお)

ミ `Д´ 彡信春(あの二人を相手にする敵は少々不憫だな……)



諸将が去った後、昌信だけが再び戻ってきた。

(’ー’*) 昌信「お館様、御人払いをお願いしたく」

ミ(´∀` (彡 「……よかろう。 皆下がってくれ」


小姓や近侍が下がった後、昌信は切り出した。

(’ー’*) 「此度の移動では、常に輿を御使い戴きたい」

ミ(´∀` (彡 「しかし……」

(’ー’*) 「騎乗の風は病に堪えましょう。 まして冬の寒さ、お館様の御体に何かあっては……」

ミ(´∀` (彡 「輿は縁起が悪いぞ。 同じく西上した今川治部が信長に討たれたではないか」

(’ー’*) 「お聞き届け叶いませんか」

ミ(´∀` (彡 「……」

(’ー’*) 「承知しました。 では御庭を拝借仕ります」

昌信の発現は切腹を意味する。

ミ(´∀` ;(彡 「分かった。 輿を使おう」


(’ー’*) 「お館様の御賢察、昌信まことに嬉しく思います」

ミ(´∀` ;(彡 「おぬしと言う奴は……」

ぺこり、と平伏する昌信に信玄は苦笑いするしかなかった。



それから数日し、十月三日、ついに信玄率いる本隊の出陣となった。
内藤邸にも陣触れの法螺貝と太鼓の音が響く。

( ^ω^) 「お、陣触れの合図だお」

ξ(゚、 ゚*ξ 「終わったらさっさと帰ってきなさいよね!」

(;^ω^)  「いつも通りの挨拶だお」

( ^ω^) 「まぁ心配するなお、おツン。 無事の知らせをこいつが届けてくれるお」


    /⌒ヽ 
    (∪´ω`) 「わんわんお!」
  ノ) /ヽ=|
  \(_,,,_,,,)


( ^ω^) 「こいつの首に掛けてある竹筒に、油紙で包んだ書状が入ってるお」

( ^ω^) 「無事届いたら読んでほしいお」

ξ(゚、 ゚*ξ 「分かったわ……」

( ^ω^) 「では行ってくるお。 ゲン、行くお」

(∪´ω`) 「く~ぅん」



内藤屋敷の門前で昌豊を見送ったおツンに、一人の女が話しかけてくる。

リ・ω・川 「修理亮様も出陣なされましたか」

ξ(゚、 ゚*ξ 「これは三郎兵衛様の奥方様」

リ・ω・川 「男と言うのは、待つ女の気持など分からぬものですね」

ξ(゚、 ゚*ξ 「ええ……いつまで経っても」

リ・ω・川 「ともあれ、お館様並びに修理亮様の為、久しぶりにアレをやりましょう」



             *'``・* 。
           |     `*。
          ,。∩      *
          + リゝω・川  *。+゚ <えーぃ、えーぃ 修理亮様がたくさん、たーくさん
         `*。 ヽ、  つ *゚*        軍功をたてられますように☆☆リゝω・川 vキャピ
          `・+。*・' ゚⊃ +゚
          ☆   ∪~ 。*゚
 ノハヽ        `・+。*・ ゚丶l丶ヾ
ξ   )ξ やめて!
 i、  つ
 しーJ



( ^ω^) 「くしゅんお!!」

ミ; `Д´ 彡 「それはくしゃみか、修理?」

(;^ω^) 「う~、何か寒気がしたお」

(’ー’*) 「これから寒くなりますからな。 風邪を引かぬようお気を付け下され」

(;^ω^) 「勿論、分かってるお」

(’ー’*) (お館様は……?)

騎乗の将のしばらく後ろに信玄の乗る輿が行く。
昌信は信玄を心配し、時折振り返りながら進軍した。



信玄出陣の報は透波によって信長にもたらされた。

    |l                        | |_________|  |
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     |  |    |.二二二二.|:        |  |  ___.   |  |    |
     |  |    |l|     |l|:       |  |  |_|_| .   |  |    |
     |  |    |l| 布 天 |l|:       |  |  |_|_| .   |  |    |
     |  |    |l|     |l|:       |  | ルリ       |  |    |
     |  |     |l| 武 下 |l|:       |  | .ツ|lミ _____|_|    |
     |  |    |l|     |l|:       |  |  |.|. | .. .____.|    |
     |  |    |.二二二二.|:        |  | (_)  ̄| | }二{ .|    |
     |  |    0      0         |  | ̄ ̄ ̄. ..|(   )|    |
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二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
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         ┌─────────────────-┐
         |上様! 信玄が出陣した事がわかってます |
  r /ミ   ヽ└y――――――───────────┘
  Lヾ6 <●>)
   /   ヽ
  〈__ノっ
   ゞ三三))


( <●><●>)佐久間信盛 「去る三日、信玄本隊が甲斐を出陣したとの事」

(*‘ω‘ *)信長 「……で、あるか」

( <●><●>) 「まぁ我らと武田は未だに同盟を結んでます。 恐らくは徳川殿に向けての進軍かと」

(*‘ω‘ *) 「お前は秋山伯耆が美濃に向かって進んでるのを知らんのかぽっぽ」

(; <●><●>) 「そ、それは……わかってませんでした」

(#‘ω‘ *) 「もう良い、下がるぽっぽ」

(; <●><●>) 「は、はっ!」

佐久間信盛のいう通り、武田と織田は今なお同盟関係にあった。

(#‘ω‘ *) (信玄坊主は敵だけでなく、親を追い子を殺す程の謀略家……)

(#‘ω‘ *) (同盟破棄は我らと戦う直前で良い、という事ぽっぽ)

(#‘ω‘ *) (浅井朝倉、一向宗に加えて武田とは……)

(#‘ω‘ *) (いずれにせよ今は動けぬぽっぽ……)



翌月、先発していた山県隊五千は、二俣城を囲む信玄本隊と合流した。

ミ(´∀` (彡 「おお、三郎兵衛。 二城を落城させた事聞いておる。 大儀であった」

(`・ω・´) 「有難き御言葉にござる」

( ^ω^) 「流石は三郎兵衛お」


                       ミ《,M,,》シ           
                        <ゝ(`∞´)ノ>               
                      彡ミ´∀`ミ ミ             
               ∧_.ヘ     /~( ソ )~ヽ     ∧_∧       
              / \※>   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   <※  /ヽ       
           ∧_.ヘ `Д´ミ /              \  (ω・´| ヘ_∧      
           / \※>   /                 \    <※ /ヽ    
         ∧_.ヘ   ^) /                 \ (’ー’ヘ_∧   
        / \※>  /                       \  <※ /ヽ  
      //≡/ 'A`) /                          \ (´<_`|≡ヽ
      i^i( ⊃  /                           \⊂  )i^i
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軍議が進む中、伝令が駆け込んできた。

むかで隊 「御注進! 秋山伯耆守殿、美濃岩山城を開城させたとの事!」

その報で一同に喜びが広がる。

ミ `Д´ 彡 「伯耆の奴、やりおるわ」

(`・ω・´) 「これで信長は眠れませんぞ!」

( ^ω^) 「でも落城では無く? 猛牛の伯耆らしく無いお」

むかで隊 「ついては、伯耆守殿からお館様へ書状が参っております」

ミ(´∀` (彡 「うむ」

“上”と書かれた書状を開いて、信玄は読む。しばらくすると、急に信玄は笑い出した。

ミ(´∀` (彡 「ハーハッハハ!」

一同がいぶかしむ中、信玄が書状を昌豊に渡した。

ミ(´∀` (彡 「ハハハ、修理。 悪いが読んで皆に伝えてくれぬか」

( ^ω^) 「承知にござるお」



      /⌒ヽ
      ( ^ω^)/ ̄/ ̄/  「えー、」
      ( 二二つ / と)
      |   /  /  /
       |    ̄| ̄ ̄


( ^ω^) 「“美濃遠山城開城の事お伝え申し上げ候”」

( ^ω^) 「“去る十一月初旬、我ら一兵の損失も出す事無く、開城相成り候……”」


 ハ_ハ
(゚∀゚ ) 「降伏の条件として、城主・御坊丸殿と城兵の無事が提示されましたので」

 ハ_ハ
(゚∀゚ ) 「それがしが遠山城主となり、未亡人おつや様を妻にする事で解決したよ!」


(;^ω^) 「え……!?」

読んでいる昌豊はもちろん、一同が驚きを隠せない。信玄だけが静かに笑っている。


 ハ_ハ
(゚∀゚ ) 「御坊丸殿はお館様へ御目通りの後、甲斐へお送るのでよろしく!」


( ^ω^) 「“……恐惶謹言”」

読み終わると、一座がどっ、と笑いに包まれた。

ミ(´∀` (彡 「あー、愉快愉快」

信玄は嬉しそうに軍扇を開閉させていた。

(’ー’*) 「しかし、前代未聞の策ですな」

ミ(´∀` (彡 「だが、それがいい。 信長の驚く顔が見たいのぅ」



(#‘ω‘ *) 「信盛! 平手と共に兵三千を率い、浜松城へ向かえ!」

( <●><●>) 「家康殿の援軍なのはわかってます。 しかし、三千ではいささか……」

包囲網が敷かれている中では兵三千が信長にとって限界であった。

(*‘ω‘ *) 「少ないのは分かってるぽっぽ。 だから……」

(*‘ω‘ *) 「家康に、真正面からの戦をさせるな」

( <●><●>) 「……と、申しますと」

(*‘ω‘ *) 「例えば、武田が浜松城を放って西上したとするぽっぽ」

( <●><●>) 「はい」

(*‘ω‘ *) 「そこを、この信長率いる大軍と徳川で挟撃するわけぽっぽ」

( <●><●>) 「ほぉ~……」

(*‘ω‘ *) 「でなくとも、武田が浜松城を包囲している時に、織田の大軍で襲いかかれば……」

( <●><●>) 「武田が敗れるんですね、わかってます」

(*‘ω‘ *) 「分かったら行くぽっぽ! お前は家康の目付ぽっぽ!」



( <●><●>) 「これは家康殿には直接言わない方が良さそうですね」

信長が多くの国を制しているとはいえ織田と徳川は同盟関係であり、決定権はあくまで家康にあった。

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最終更新:2010年06月13日 20:01