1
信玄の遺体は荼毘に付され、その遺骨と共に武田軍は甲斐に戻った。
信玄の死を悟らせぬ為、信廉を影武者として躑躅ヶ崎館に入った。
すぐに、西上軍の加わらなかった留守居の武将も集められ信玄の死が伝えられる。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)真田幸隆 「とほほ……、何という事か」
伝えられて嘆かぬ者はいなかったが、その中でも真田一徳斎幸隆の落胆は深かった。
( ´_>`)(´<_` )真田兄弟 「父者……」
これより一年の後、真田家の祖である幸隆は没した。
元から病を得て隠居の身であったが信玄の死に落胆し、病が重くなったといわれる。
信玄の死に動揺を隠せない諸将に向けて、勝頼が言い渡した。
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/ ( ヽy/ ) < 遺言の通り、父の死を三年の間秘す!! >
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(`д´)勝頼 「これを破り、漏らした者には極刑も以て臨む。 良いか!」
諸将 「ははーっ!!」
亡き信玄と武田家中の者の願いも虚しく、織田や上杉などはこの時既に信玄の死を確信していた。
2
半年ぶりに帰宅した昌豊をおツンが迎える。
( ^ω^)昌豊 「只今帰ったお」
ξ(゚、 ゚*ξおツン 「お帰りなさいませ」
(∪´ω`) 「くぅ~ん」
( ^ω^) 「おお、ちゃんと届いたんだお! 流石だお!」
愛犬の姿を見た昌豊は顔を綻ばせ、文が無事到着した事を喜ぶ。
( ^ω^) 「悪いけど長陣で疲れたお。 寝させてくれお」
ξ(゚、 ゚*ξ 「もう……。 分かりましたわ」
気の利かない夫に溜息をつきながら、おツンは屋敷に戻っていった。
3
行水で戦塵を落とし、一人寝所に入った昌豊は床の上に座る。
( ^ω^) 「お館様……」
胸に去来するのは、信玄への思いばかりであった。
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ミ(´∀` (彡 「よくぞ甲斐府中に戻ってきてくれた。 我が父の凶行、わしも詫びよう」
(; ^ω^) 「頭をお上げ下さいお! 若……いや晴信様!」
ミ(´∀` (彡 「お館、と呼んでくれ。 源左衛門」
( ^ω^) 「信繁様はまことに惜しい方でしたお……お館様の心中、お察し致しますお」
ミ(´∀` (彡 「信繁に代われる男はお前ぐらいだな、源左衛門よ」
( ^ω^) 「それがしには勿体無い御言葉でござるお」
(#^ω^) 「荷駄隊ばっかやってらんねーお!!」
ミ(´∀` (彡 「なら、わしが荷駄隊をやろうか」
(; ^ω^) 「え?」
ミ(´∀` (彡 「此度の戦ではそれほど重要な役割よ。 堪えて受けてくれ、修理」
( ^ω^) 「やりますお! それがしが率いますお!」
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( つω;) 「うっ……ぐっ……ひっく」
昌豊はいつしか泣いていた。
襖越しに嗚咽を聞いたおツンには大よその察しがついた。
信玄が亡くなりでもしない限り、夫はこれ程の嗚咽は漏らさないだろう。
ξ(゚、 ゚*ξ 「……」
おツンは敢えて聞かなかった振りをし、その場を立ち去った。
4
信長は、信玄が倒れた頃から反攻に出ていた。
武田軍の西上が遅々として進まぬと見るや、明智光秀らに命じ畿内の敵城を攻略した。
家康も八月には長篠城を取り戻し、さらに奥平親子を調略。
ここに、長篠・設楽ヶ原合戦の舞台が出来上がった。
これに対し、勝頼(表向きは信玄)率いる武田軍は翌元亀四(一五七四)年二月に美濃明智城を攻略。
さらに、六月遠州高天神城を落とす。
その合戦後の祝宴の席で、昌信が話しかけてきた。
(’ー’*) 「修理殿」
( ^ω^) 「ん? 何だお、弾正」
(’ー’*) 「お館様も落とせなかった高天神城を落とした事、まことに目出度いですね」
ここで昌豊は耳打ちする。
( ^ω^) 「弾正ほどの者が本当にそう思ってるかお……?」
(’ー’*) 「やはり修理殿もそう思っていましたか」
( ^ω^) 「試すなんて水臭いお」
武田家では信玄の行っていた政策や外交に様々な害が表れ始めていた。
これを継いだ勝頼が是正すべきだが、信玄の行った侵攻で織田・徳川と交戦状態となり、その暇が無い。
5
心ある者はこれに気付いていたが、表立って口にする事は信玄の治世を否定する事となる。
しかし、これを無視して侵攻を続ける事は武田の破滅を意味していた。
( ^ω^) 「高天神城を落とした今、侵攻はますます進むだろうお」
(’ー’*) 「もしかしたら、この盃こそが御家滅亡の兆しかも知れませんね」
(; ^ω^) 「恐ろしい事をさらっと言うお」
昌信は手に持った盃を見つめ考え込んだ後、昌豊に告げた。
(’ー’*) 「決めました。 私は勝頼様を諫め続けます」
( ^ω^) 「お?」
(’ー’*) 「勝頼様の怒りに触れ、死を賜る事になっても諫言を止めない」
( ^ω^) 「……」
(’ー’*) 「それこそが……亡きお館様へ向ける、私の心です」
昌豊は盃を昌信に向けて掲げた。
( ^ω^) 「……その忠義に」
(’ー’*) 「……有難う、修理殿」
二人は目に光るものを浮かべ、酒を飲み干した。
最終更新:2010年06月16日 00:06