1
(`・ω・´) 昌景「赤備えの精鋭たちよ! 出るぞ!」
采配が徳川の馬防柵に向けて振り下ろされた。昌景自身も馬を駆り、戦場を走り抜ける。
l'ニニロニロニロ
|+コ‐十‐十|
||;;;((;;((;;;|
|+コ;;;));;));|
||;;((;;((;;;;|
|+コ;;;));;));|
||;;;((;;((;;;|
|+コ;;;));;));|
||;;((;;((;;;;|
|+コ;;;));;));|
||;;;((;;((;;;|
|+コ;;;));;));|
||;;((;;((;;;;|
|+コ;;;));;));|
||;;;((;;((;;;|
|+コ;;;));;));|
||;;((;;((;;;;|
|+コ;;;));;));;|
| | ̄ ̄ ̄~
|_| /、
|_| ,,..,,_ |l| _,,..,,.
|_| `、.’> |l| く’ ,'
|_| ', ' 〇_ノ /.
|_| ハ ∴,ノ,,K)
|_| / (`・ω・´ハ= ヽ
|_| /`y/∧彡ヘ
<二二二派━━━━━らゝ,ュ/ ・ ヾ
|_| `.,イ/ ヽ_)
|_| 〈,イ {、 )
|_| ,'. ゙;, `ヽ)
(`・ω・´) (狙うは柵と柵の隙間……そこから敵陣を切り裂き、家康の首を上げる!)
(;゚ω゚) 家康 「や、山県の赤備えが向かってくるよぅ!」
家康の胸に三方ヶ原で追われた苦い記憶がよみがえる。
万端の策を準備してさえ、真正面から対する恐怖は拭えなかった。
(=゚ω゚) 「大久保兄弟を出せ! 山県を翻弄せい!」
____ / ̄ ̄ ̄\
/___ \ / ___ ヽ
/ |´・ω・`| \ / |´・ω・`| \ かかれ~
/  ̄ ̄ ̄ \ / _,  ̄⊂二二)
| i 忠世 ヽ、_ヽl | 忠佐 |
└二二⊃ l ∪ | |
| ,、___, ノ | ,、 |
ヽ_二コ/ / ヽ / \ /
_____/__/´ __ヽノ____`´
家康の命を受け、大久保忠世・忠佐率いる二隊が柵の外に出る。
2
(`・ω・´) 「む? 柵の外に出てきおった隊……挑発か」
(`・ω・´) 「その意気や良し! 挑発する間も無く討取ってくれよう……かかれ!」
昌景の命によって、赤備えが大久保兄弟に殺到する。まるで、火の玉が津波となって押し寄せて来たような勢いだった。
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ 三三三三三三三三 `ヾ> .:;i,
,l _,._,.三三三三三 _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,>三三三三< (ヅ,> ...:.::|
! ____ ` ̄´三三三三/ ̄ ̄ ̄\ ..: ::::::!
|/ ___ \ ノ . : . :;/ ___ ヽ ... :::.:::|
./ |´;ω;`| \ (.::.;人./ |´;ω;`| \うわああああああああああああああああああ
/  ̄ ̄ ̄ \ / _,  ̄⊂二二):::::::/
| i 忠世 ヽ、_ヽl | 忠佐 |:::::::/
└二二⊃ l ∪ | |
| ,、___, ノ | ,、 |
ヽ_二コ/ / ヽ / \ /
_____/__/´ __ヽノ____`´
大久保忠世 「こりゃ敵わん! 治右衛門、一旦退くぞ!」
大久保忠佐 「おうよ、兄者!」
大久保兄弟率いる両隊は柵の内に撤退する。
(`・ω・´) 「退きよったか……む? また出てきおった」
撤退したに見えた大久保隊が再び柵から出て、赤備えに向かってくる。
大久保忠世 「流石は山県の赤備え! 一筋縄ではいかんな」
大久保忠佐 「だが、あんなのと戦えんのは武門の誉れってもんだ!」
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ 三三三三三三三三 `ヾ> .:;i,
,l _,._,.三三三三三 _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,>三三三三< (ヅ,> ...:.::|
! ____ ` ̄´三三三三/ ̄ ̄ ̄\ ..: ::::::!
|/ \ ノ . : . :;/ ヽ ... :::.:::|
./ \(.::.;人../ \うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
/ \ / _, |二):::::/
| i ヽ、_ヽl | |:::::::/
L二| l ∪ | |
| ,、___, ノ | ,、 |
ヽ_二コ/ / ヽ / \ /
_/__/´ __ヽノ____`´
(`・ω・´) 「小賢しいわ! そこを動くな!」
3
二陣に配置された昌豊は、先陣で戦う山県隊に目を凝らしていた。
( ^ω^) 「あの用兵は何だお……?」
昌豊が考えている間も、大久保兄弟は突撃と撤退を繰り返している。
戦況は山県隊が優勢である。押される大久保両隊の兵は次第に削られ、交戦地は柵に近づいていた。
( ^ω^) 「三郎兵衛が押してきてるお……なのに撤退と突撃は止めない……まさか!?」
昌豊が罠に気付いたのと、家康が命を下したのは同時だった。
(=゚ω゚) 「良くやった、大久保兄弟! 放てェ――っ!」
┏━━━━┓┏┓┓ ┏┓ ┏┓┓ ┏┓ ┏┓┓ ┏┓ ┏┓┓ ┏┓┏┓┏┓
┗━━┓ ┃┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃ ┏┛┗━┓┃┃┃ ┃┃┃┃┃┃
┏━┛┏┛┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛ ┗┓┏┓┃┗┛┛ ┃┃┃┃┃┃
┏┛┏┃┗┓ ┃┃┃┃ ┃┃┃┃ ┃┃┃┃ ┏┏┓┓ ┗┛┗┛┗┛
┗━┛┗━┛ ┗┛┗┛ ┗┛┗┛ ┗┛┗┛ ┗┗┛┃ ┏┓┏┓┏┓
┗━━┛ ┗┛┗┛┗┛
(;゙゚'ω゚') 「があああっ!」
火縄銃の一斉射撃によって昌景が撃ち抜かれた。
(; ^ω^) 「さ、三郎兵衛!」
それと同時に、先陣を務める部隊を織田方の斉射が次々と襲った。
4
その頃、甲斐府中では昌信の焦燥が頂点に達していた。
海津城に留守を残し、わずかの兵で甲斐府中に戻った昌信は、前線の報を待つだけの状況に苛立ちを隠せない。
(’ー’#) 昌信 「……」
<丶´`A´`> 釣閑斎 「弾正、落ち着かんか!」
(’ー’#) 「これが落ち着いていられようか!」
<丶´`A´`> (やれやれ……普段の弾正とは大違いよ)
命じられた任を放り出した事は、軍令に照らせば処断されかねない。
だが、今の昌信にとってそんな事はどうでも良かった。
<丶´`A´`> 「……弾正。 長篠城へ向かいたいか?」
(’ー’#) 「可能であれば、今すぐにでも」
<丶´`A´`> 「そうか……なら早く行け」
(’ー’;) 「は?」
<丶´`A´`> 「既にお前は海津城守備の任を放っているのだ。 今から長篠城に向かっても罪に変わりはあるまいよ」
(’ー’*) 「なるほど……で、では、軍令違反の上塗りに出陣します!」
言うなり、昌信は凄まじい勢いで去っていった。
<丶´`A´`> (飛んで行きたいのは、わしも同じよ……弾正、疾きこと風の如く、な)
5
本陣の勝頼の元に、次々と伝令が駆けこんでくる。
伝令 「山県三郎兵衛殿、原隼人殿、討死!」
(`д´) 勝頼 「……」
伝令 「土屋右衛門尉殿、討死遂げられました!」
(`д´) 「……」
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(’ー’*) 「今ならば織田も徳川も和平を受け入れるでしょう。 勝頼様、どうかお聞き入れを……」
(`д´) 「善処しよう。 弾正、下がってよいぞ」
(’ー’*) 「ここで戦わぬ事は、決して恥になりませぬ!」
(#`д´ ) 「……よし、分かった! そこまで言うなら、お主の出陣命令を解く」
(゚ー゚*) 「な……お待ち下され!」
(`д´) 「お主を除き、我らで奥平を攻める。 これで不満は無いな」
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
こうしている間にも歴戦の将が討ち取られていく。勝頼はある決心を固め、伝令に伝えた。
(`д´) 「逍遥軒、典厩信豊、穴山、小山田ら一門衆をここに呼べ」
6
間もなく、本陣に一門衆の四将が集まった。
('A`) 穴山信君 「この窮地に何用か」
信君があからさまな不快を表して問いかける。
信君だけでなく、参集した四人全員が先刻の昌景の演説に酔い、敵への闘志に燃えていた。
(`д´) 「他でも無し……その方ら四人は退け。 甲斐に戻るのだ」
四人は耳を疑った。
ヽ(゚∀゚)ノ 信豊 「……」
('A`) 「な……何を仰られる! 主将に先駆けて退く将があろうか!」
(`д´) 「わしはもはや主ではない。 お前らの主はここを遠く離れた甲斐におる……信勝だ」
(-@∀@) 小山田信茂 「……」
(`д´) 「……そう、心得よ」
本陣に流れる沈黙を逍遥軒の問いが破った。
ミ(´∀` (彡 逍遥軒 「お館様はいかがなさる?」
(`д´) 「知れたこと……諏訪四郎勝頼という一人の将に戻り、敵陣に斬り込むまでだ」
(;-@∀@) 「何と!?」
(`д´) 「これは、お主らの主君として、最後の命令だ! 聞けぬというならばこの場で斬り捨てる!」
言葉を失った四人はやがて、それぞれが勝頼に頭を下げ、陣幕を出て行った。
誰もいなくなった本陣で勝頼は笑みを浮かべる。
(`ー´) 「後事は一門衆に託した……これでよし」
この愚かしい戦の責任を負う総大将は自分自身である。
ここで死んでも、一門衆と昌信が信勝を盛りたててくれるだろう。
数年ぶりに帥から将へと戻り、勝頼は体が軽くなったような解放感に包まれていた。
7
彡`Д´ミ 「三郎兵衛……隼人……」
前線で指揮する信春の元に、昌豊が単騎で駆け寄ってくる。
(; ^ω^) 「み、美濃殿! 前線はもはや……」
彡`Д´ミ 「落ち着け修理。 こうなった以上、何としても勝頼様を退かせねばならん」
既に戦の大勢は決した。
この状況で最優先になすべき事は、総大将を速やかに撤退させる事だった。
本陣の様子を窺おうと後方を振り返った二人の目に、驚くべきものが映った。
(# ^ω^) 「なっ……一門衆が退いていくお!」
彡`Д´ミ 「……」
(# ^ω^) 「おのれぇ……! 犬すら忠義の為に命を懸けると言うに!」
この時、譜代隊将と一門衆の間に大きな亀裂が生じた。
この戦の後もそれは埋まる事無く、やがて武田の滅亡を招く一因となる。
彡`Д´ミ 「“大底は他の肌骨の好きに還す、紅粉を塗らずして自ら風流”……じゃろ? 修理」
激昂する昌豊を信春がたしなめた。
( ^ω^) 「ハッ! ……そうだったお」
命は自分の信条のままに使ってよい、という快川の解釈は、信春も三人から聞いている。
一門衆が退こうが、それは彼らの勝手だ。自分自身が信条を曲げなければ、それで良いのだ。
8
彡`Д´ミ 「さて……こうなった以上、我ら両隊が収拾にあたらねばなるまい」
残った歴戦の老臣は、信春と昌豊の二隊となった。
( ^ω^) 「どうするお?」
彡`Д´ミ 「片方が囮となって正面より敵にあたり、もう片方が退き口を務める……」
( ^ω^) 「じゃ、それがしが囮を務めるお!」
彡`Д´ミ 「おいおい……わしもそっちをやりたいんだがな」
華々しく敵陣に切り込む方が鮮やかな役目だ。
強情な勝頼を説得し、撤退戦を務めるのは骨が折れるに決まっている。
彡`Д´ミ 「では、これで決めるかね」
信春が懐から甲州一分金を取りだす。
( ^ω^) 「表だお!」
彡`Д´ミ 「では、わしが裏か」
言うと、信春は甲州金を指で弾いた。二人の視線が金を追う。
高く宙を飛んだ後、地に落ちた金は――――――――表であった。
彡`Д´ミ 「ちっ」
(* ^ω^) 「フヒヒサーセンwww」
( ^ω^) 「じゃ、さらばだお! 美濃殿」
彡`Д´ミ 「待て。 ほれ」
呼びとめると、信春は甲州金を拾い、昌豊に放った。
彡`Д´ミ 「餞別じゃ。 達者でな、修理」
( ^ω^) 「……ありがたく頂くお! さらばだお、美濃殿!」
9
彡`Д´ミ 「それでもまあ、弾正が負う役目に比べたら楽なものか……」
昌豊と別れを交わした信春は本陣へと向かう。
そこには、信玄より伝わる諏訪法性兜を脱ぎ、騎乗となった勝頼がいた。
(`д´) 「美濃守、何用か」
勝頼の顔は死の覚悟に満ちていた。長年、戦陣にあった信春には一目で分かった。
こういう時、人は異様なまでに冷ややかな面持ちになる事を知っている。
彡`Д´ミ 「……おい、四郎よ」
(`д´) 「何だと……!?」
気色ばむ勝頼を気にも留めず、信春は言葉を続けた。
彡`Д´ミ 「散っていった者たちが、お前の死を望んでいると思うか?」
(`д´) 「……」
彡`Д´ミ 「この敗戦で数多の将を失った事に責を感じているのだろう……しかし」
彡`Д´ミ 「先々代信虎公の家臣粛清、上田原の敗戦、砥石崩れ、川中島決戦……」
彡`Д´ミ 「これらを超えて、なお甲斐武田はある」
勝頼は身動きもせずに聞き入っていた。周囲の者達も二人の様子を見守っている。
彡`Д´ミ 「此度の敗戦もどうという事は無いのだ。 武田ならば乗り越えられる苦難よ」
(`д´) 「……」
彡`Д´ミ 「ですから……甲斐にお退き下され。 馬場美濃守、生涯に一度の願いでござる」
そこまで言うと、信春は頭を下げた。
周りの者たちは、信春の姿に一幅の絵を見ているような美しさを感じていた。
(`д´) 「分かった……聞き入れよう」
勝頼は自然とそう答えていた。もはや決死の覚悟も、悔いも無い。
一人の老将の嘆願にはそれだけの力があった。
10
千五百の内藤隊に向けて昌豊が叫ぶ。
( ^ω^) 「この地に内藤隊の武勇を刻みつけるお! 狙うはただ、信長・家康の首級!」
|\
\\
~\ /⌒ヽ
( ^ω^) 行くおっ!!
/l了===了
/_/::|lililililil|::|ヽ , _,,(ヽ,,ヘ、
〈_/:::ノ--∞|::|_〉 ミミジ ,, ・ヾヽ、
彡彡彡ミミ"´ ||ノ三八三八 |  ̄"``メ-ゝ-々_゚〉
/, ,) ヽ(_)-" ヽィ´,/
( ,ヽ | | 、ヽ )ノ l\
ヽ ノ`゙`i''‐'‐'─t" ヽ<ノソ \
) /ヽ、 l `ー-、_`ヽ、 \
゙.; 〈, ', ヽ.ヽ、 } ,l`ヽ,`、
; . / / `tニゝ / / ,tニゝ
・; Lソ `,゙ ;' ;,〈_フ ' ; '
" '`
( ^ω^) (敵を見れば……火縄もそろそろ熱をもって使いにくくなる頃だお……)
( ^ω^) (弾薬にも限りがある筈……さらに、この状況で真正面から突撃は想定していまい)
( ^ω^) (この隙を狙うお! 死中に活有り、だお!)
____
/\:::::/:\
/ <●>::::<●>\ うおあああああ!!
/::::::⌒(__人__)⌒:: \
| |::::::| |
\ l;;;;;;l /
| ̄ ̄\ `ー' / ̄ ̄|
| ̄ヽ、 |二二二| / ̄|
/ | |====| | \
内藤隊は返り血を浴びながら進撃する。千五百人いた兵も、見る見る内に減っていった。
昌豊すら乗馬を失い、その体には無数の矢が突き立っていた。
( ^ω^) 「こ……これが最後の柵だ……お」
三段目の馬防柵を破った時、内藤隊は二十人にまで減っていた。
決死で追って来た伝令が勝頼の撤退を伝える。
伝令 「勝頼様、無事に設楽ヶ原を抜けられました!」
( ^ω^) 「おお!」
( ^ω^) (美濃殿……流石は美濃殿だお!)
だが、その安堵と同時に昌豊の体に限界が来た。
(; ^ω^) 「お……? あ、足が動かないお……」
11
矢傷によって血を失い過ぎた昌豊は仰向けに倒れ込んだ。
地上では陰惨な戦が繰り広げられているというのに、空には鮮やかな蒼天があった。
( ^ω^) 「ふう……ここまでかお」
( ^ω^) 「ゲンは弾正の元まで無事に届けられるかお……」
やがて、例えようも無い猛烈な睡魔が襲ってきた。
( ‐ω‐) 「もう……何も見えないお……」
( ‐ω‐) 「おツン────」
武田軍の退き口を務めた信春は、桜の木を背にただ一人で織田軍と対峙していた。
彡`Д´ミ 「ふふ、初めて戦傷を受けたが……結構痛いものだな……」
織田方の雑兵の槍が信春の腹を貫いていた。
彡`Д´ミ (勝頼様も退いた……悔いがあるとすれば)
彡`Д´ミ (おのう……お前の婿を決めてなかったな……)
彡`Д´ミ 「さあ、首を取るがいい!」
昌信は留守居の者の内から、八千を率いて長篠城へと急行していた。
伊那駒場まで進軍した時、路傍に打ち捨てられたものが昌信の目に止まった。
.::"/::..`._ ;'".へ'´`yヽ√´\,ヘヘ,、 :. ,ヘ ノハil;:ヽゝ . : .:,ハ. .. .. .. : :
"`''''''ー――-´--------- ,....へ.,.,.,,,,,,,.. ハ';'ヽ、 __,.,,, ノ'ノ,'ハハ,ゝ..... ,フ;:,'ゝ------‐―
. : ..: .:. 、,、w..:、,、、,、w:.、,、v、,、v、;. ノハil;:ヽゝ ノノ;:'ヘ;;ハバゝ, フ.:;ilゞ,ハ.:.....:.,ヘ..::::
,、,、,、wリ゙W゛jリwj从リj"W゙リwリ゙W゛j;yノw''" ノ'ノ,'ハハ,ゝ ハ 彡゙;:.'ハヾゞ';'ヽヘ;;ハバゝ;>.:,ハ';'ヽ、
从;: `:、リ゙W゛jリw''、`'.、,:`:,,‐'゛' ~ 彡;:'ヘ;;ハバ ノハヽ、,ツノノ;:'ハ;;:. ノハil;:ヽゝ ノハil;:ヽゝ
`wリ゙W゛jリwj从リj`'.、-='´ _,ywj从リWv,ハヾゞ;;:. ゞノvノ;:,l'レゝ,ハ';'シハノシ;:,ヘ, ノノ ノ'ノ,'ハハゝ
.wj从リj`'.、 ,:,-‐'゛,,vw-‐W゛w从 W:;,',:从シハノシ;:,';,ノノゝハハ,ゝヘ,::..ヘ.:;ilゞ ハ';'ヽ..::...,ヘ、ハ.:;>
 ̄~^ ̄^ ̄ ̄~`^゙'、,゛jリw :;.:".:;.:'"゙:.:゙,;`彡ハノ;|ililヾvフノ;:,'ハ';'ヽ;;ハバゝハ';' ハ';'ヽハil;:ヽハ,ハ';'ヽ、
'' ゚ ;~ ,; ww:,、v、从リjwv,:.:.、;..:...: ;:ノハil;:ヽノノハハl;:.'ilゞノハil;:ハil;:ヽハハl; ノハil;:ヽゝフ
`゙''、::wj,、,、,、从リj":::",:.:.、;:...: `ヽ、ノハ ノハゝ;ノ,'ハハハl;:.'ilハil;: ノ'ノ,'ハハ,ゝ
~' ',; ''"' 、,,'.、゛jリwj从リ、从:'"゙:.:゙,:;、`ノ;:'ヘ;; ノノ;:'ヘ;;ハバゝ ハハl;:.'ilゞヾベ .:;
~ ``'‐;.:".:;.:'"゙:jリw",:.:.、;:...: ノハハ 彡゙;:.'ハヾゞ;;:. ,ハ';'ヽ、 .:;>ヘ:..::ハ::
~' ' ,;'' 〆⌒`ヽ:;.:;;wリ゙、从リj"::.:;.:'lilベ: フ フ,ツノノ;:'ハ;;:.ノハil;:ヽゝ li>ノハハ
~' /⌒(,,;;;;;ω;..)) jリwj从jr、'^ シハノシ;:,';:, ノノハハl;:.'ilゞヾノvノ;:,l'
~ '゚ ; ヽ⊃,,, ,,,⊃ ,,,⊃ `゙''、:w从jリ 彡ハハノ;;:, フノ;:,'ハノハハレ;;:ノノハハ
~' ',;'' `゙'':::..wj 彡ヾ;:ノハハレ;:,.'ilヾ ノノハハノノ;:'ヘ;;ハハ
(゚ー゚*) 「これは!?」
その毛並みに覚えがあった。昌信は馬から降り、抱きかかえる。
それは間違いなく修理の犬の亡骸だった。ついさっきまで走り続けていたのだろう。まだ温かさが残っている。
(゚ー゚*) 「どういう事だ……? む」
首に掛けられた竹筒には“高坂弾正殿 火急申入”と彫り刻んである。
昌信は竹筒を開き、書状を食い入るように読む。
12
やがて、顔を覆った。これは紛れも無い遺書だった。
悲壮な覚悟が漂ってくる中で、武田の行く末を頼む旨が記してある。
そして、末尾には“大底は他の肌骨の好きに還す、紅粉を塗らずして自ら風流”と記されていた。
(゚ー゚*) (……まさか!)
この一文の解釈が重大な意味を持って、昌信に圧し掛かってくる。
それは、武田の行く末を担う事よりもっと難題で、自分の信念すら裏切らなければならない務めだった。
(’ー’*) 「……分かりました、私にお任せあれ」
昌信は長篠城のある南西を向き呟いた。振り返り、部下に告げる。
(’ー’*) 「忠義に死んだ一匹の士を丁重に葬るぞ!」
腕に抱かれた修理の犬の、何と鮮やかな生涯だろう。
昌豊に愛され、それに報いる事を天命とし、生命を果たしたのだ。
これから苦難の道を歩まねばならない我が身に比べ、昌信にはその渾身の生が只々眩しかった。
最終更新:2010年08月15日 15:17