515 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/07/10(火) 05:03:08
「桜、名城、とりあえず体を冷やす前にマッサージしないと疲れが残るからよくないぞ」
「へー、そうなんだ……」
「あ、そういえばそうでしたね……それじゃ名城さんはフェイトちゃんをお願いしますね」
「うん、任されたわ」
とりあえずなのはとフェイトは二人に任せておいて良いだろう。
とりあえずルヴィアから揉む事にするか。
運動用なのか、ひらひらしたスカートではなく半ズボンのような代物なので足の様子を見るのに支障はない・
……うわ、こりゃ凄い。
見ただけでわかるほどパンパンに膨れている。
こりゃーマッサージしてもどれだけ効果があるか怪しいが、やらなかったらもっと尾を引くだろうなー……
「……ひゃうっ!?」
肌はきめ細かいし柔らかそうに見えるが触ってみると意外と固いが……この感触は筋繊維とは違う、これが乳酸の塊……しこりって奴かな。
「とっ、突然何をなさるの?」
動きは殆どなかったが、絞り出すように吐き出された驚きの声は動きを止めさせるのに十分なものであった。
「いや、足とか腕とか、疲れるまで使った部分はマッサージをしないと疲れが取れないからな、本当は歩いたりするのが良いんだけど、そういうことする元気はないんだろ?」
「ま、まあ……その通りですけど……一言だけでも言っておいてくださらない? びっくりしてしまいますわ」
「ああ……すまない、それじゃ、改めて」
それだけ言って、ルヴィアの足に視線と意識、それから力を集中する。
「は、はいっ……よろしく、お願いしますわ……」
太腿を揉み上げる。
「んっ……」
おお……なんだこれ、揉んでたらしこりが中で動くぞ。
こりこりした感触が段々柔らかな感触に変わってくのがはっきりとわかるな……で、さっきの塊はどうなったんだ?
「あんっ……」
おっ……関節裏の感触……これがさっきのか?
揉んでいくと、固さが薄れながらもしっかりと存在を残しながら移動していくのがはっきりとわかるな。
「はあんっ」
これを散らしてしまえば足の方は大丈夫……だよな?
っと、結構移動するもんだな……
「んうっ……そ、そこはもう足じゃなくて股! 股ですわよっ!」
おっ……? しこりの感触がなくなって、柔らかくなっていくのがわかる。
それじゃ、こんなものかな。
次は腕のマッサージでも……
「おや?」
なんだろう、この周囲の冷たかったり熱かったりする視線は。
516 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/07/10(火) 05:03:58
「う、うわぁ……あ、あんな風にしてもらったら、どんなに……」
三枝さんはマッサージを止めて顔を赤くしてこっちを見ている。
一方のマッサージしてもらっている蒔寺は物凄く冷めた目でこっちを見ている。
それは卓袱台の近くに座る面々も同様に視線は冷たいが、なんだか達観したようにこっちを見ている。
とはいえ氷室なんかは胸元で抱いていたノインとホリィの目を塞いで見せないようにしているようだが。
「凄いわね……ああいうこと、してもらったりするの?」
「はい、時々ですけど……」
名城は顔を赤くして、桜に何事か耳打ちしている。
聞かれた桜もかなり顔が赤い。
「ふ、ふわー……」
「……凄い」
二人にマッサージしてもらっていたなのはとフェイトも、体温とは違うところで顔を赤くしているように見えた。
「衛宮君?」
遠坂の声が背後から聞こえた。
底冷えするその声は脊髄に氷を叩き込まれたような気分にさせられる。
「な、なんだろうか?」
「自分が何をやっているか、わかるかしら?」
「何って、マッサージだけど」
途端、頭をがっちりとホールドされる。
動いたら死ぬと、理由もなく思った。
「それじゃ自分が手を置いた場所を改めて見てみなさい」
恐る恐る、視線を自分の手がある位置へ移す。
「……なるほど」
思い切り足の付け根、いわゆる鼠径部を揉んでいる。
1センチも動けば思い切り局部であった。
ルヴィアの顔はこれ以上なく赤く、息はさっき以上に荒れている。
こんな所を異性に刺激されたらこうもなるか。
そう認識する。
同時に首が遠坂の方に向かって捻られ。
ぐきりと、嫌な音がした。
「遠坂っ!? く、首っ……首がっ!」
折れるッ……!
「このっ……変態っ! 桜に手を出したんだから操を立てなさいっ! ここはアンタの家だけどアンタの後宮じゃないのよ!」
捻り上げられたまま、さらに首が上下左右に激しく揺らされる。
死ぬ! 死ぬから! 本当にヤバイって!
あ、ヤバイ、意識が、飛ぶ。
「お待ちなさい」
首を捻る動きが止まる。
「ルヴィア?」
遠坂の力が緩む。
元々無理な体勢だったから、緩むと同時に弾けるように元の体勢に戻ろうとして勢い余って床に倒れ込む。
捻られた首筋がとんでもなく痛くて、思考が安定しない。
その痛みすらも、既に夢のようで、意識はとうに飛んでいた。
「ふふふ、ミスタ・エミヤ……いえ、シェロと呼びましょう、そう言うことがしたいのでしたら言ってくだされば良いのに、もっともっと凄いことをさせてあげてもよろしくてよ?」
妖艶な声が聞こえる。
温かい感触、抱きしめられているようだ。
「ちょ、ちょっと……突然どうしたのよルヴィア」
「ミストオサカ、シェロは休み明けにでもフィンランドに連れて帰る事にしましたから」
「な、そんなの——」
「そんなのダメー!」
桜の声が響いたような気がした。
意識が戻るとそこには——
ドゥープ:桜が座っていた
ザーフトラ:ルヴィアが座っていた
ブイストルイ:桜とルヴィアの二人が座っていた
スヴァボドヌイ:みんなが集まっていた
最終更新:2007年11月24日 14:16