581 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM:2007/12/28(金) 21:24:17


「ふむ……」

 丁度ポケットの中にセミ・ラフィーナからもらった呪符デジョンが入っている。
 ギルガメッシュにデジョンとくれば、最早やるべきことは一つ。俺は黙って呪符を目の前でウジウジしている男に向けて掲げた。

「役に立たぬ奴め! 次元の狭間へ行くがいい!」
「えっ?」

 すぐさま解呪の言葉に反応し、符から放たれた闇が戸惑う武芸者を包み込む。

「ええっ、何で!? じ、次元の狭間はもう嫌だァ~~~~あッ!! あーれー……」

 ……LEVEL UP!
 エミヤシロウは『うらぎる』をおぼえた!
 10ギルを手に入れた!

「……はっ! 何やってんだろ、俺……」

 つい勢いで貴重なデジョンを使ってしまった。というか、次元の狭間って何だ?
 ふと前を見れば、戸惑う俺をよそに、1人の眼帯を掛けた少年がこちらへ向かって駆けて来た。いかにもといった風に慌てた様で、手には何かの書状が持たれている。

「ねえ、そこのお兄ちゃん! ここら辺に赤い頭巾を被った、歌舞伎役者っぽい男の人いなかった?」
「ん? んー……」
「困ったなあ。うっかりこちらに手違いで、合格通知と不合格通知を間違って渡しちゃってさ……。半日前のことだから、さすがにもういないかあ」
「…………」
「お兄ちゃんはその人との知り合いなのかい? ……いや、言わなくてもいいよ。会ったときでいいからコレ渡しといてくれない? 任せたからね」

 少年はそれだけ言い残し、元来た道へと戻っていった。残ったものは、俺の手に握られた羊皮紙製の書状のみ。

「………………。…………ま、いっか」

 そうこうしている内に、残り少ない休憩時間が減ってきている。
 とりあえず眠ろう。うん。
 寝床へと着いた俺は、疲れていたこともあってか、比較的スムーズに眠りに就くことができた。




――Interlude side Gilgamesh


「おわ~」

 閉じた瞼に光が飛び込んできたと思えば、直後、身体を地面にしこたま打ち付ける。
 目に飛び込んできた光景は、見慣れた水晶造りの世界……ではなく、どこぞのよくわからん建物の中。倒れた体を起こし、顔を上げれば、眼前には一本の刀が刺さっているではないか。そしてその先には、どうしてか誰かと誰かが戦っている真っ最中。

「この剣は? ……んん? お前は……バ……?」

 よく見れば、戦っている内の1人が、自分の知っている奴にそっくり、いや、本人か?

「もしそうだとしたら、俺の剣をかわせる筈!」



――――――――。



「私のことが好きにな~る、好きにな~る……」
「……ポッ」


――Interlude out.



Ⅰ:チョコボで出発だ!(サンドリア)
Ⅱ:チョコボで出発だ!(バストゥーク)
Ⅲ:面倒だし二手に別れよう

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年01月17日 20:20