824 :371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg:2007/12/24(月) 17:30:17
とにかく、思いつく方法を試してみよう。
とは言ったものの……。
「目を覚まさせる、って……どうすりゃいいんだ?」
自慢じゃないが、俺自身は寝起きは悪くないほうだ。
目を覚ますために何か手段を講じる、なんてことは、生まれてこの方した事が無い。
朝になったらスパッと起きる、以上。
だがまさか、この体質がこういうときに災いとなるとは、思ってもみなかった。
「遠坂なんかはえらく苦労しているみたいだけど……」
朝、フラフラな遠坂をシャッキリさせる手助けなら、何度もしてるけど。
でも、寝惚けを取り除く方法と、意識を覚醒させる方法じゃあ、微妙に違うような気がするなぁ。
「あとは……居間で寝付いた虎を追い立てる時の方法とか?」
藤ねえは、冬場なんかは居間のコタツから出てこなくなる事がある。
そういう時に引っ張り出す方法は心得てるんだが……アレも本気で寝ている訳じゃないから、勝手が違うよなぁ。
ううん、どうにもこうにも。
俺の浅い人生経験では、これくらいが限界だ。
しかし、そういう経験から考えられる手段を、試していくしかないだろう。
「さもなきゃ、それこそこの場で思いついたことを試してみるしかないぞ」
周りを見回してみると、土蔵の中にはガラクタが山のように積まれている。
ここにあるものとかで、何か役に立つものがあるだろうか?
言い方が悪いかもしれないが、水銀燈は人間じゃないのだから、目覚ましだって人間とは違う方法でいけるかもしれない。
思い切って奇抜な目覚ましを試してみれば、意外とあっさり目を覚ますんじゃないか?
……まぁ、ほどほどにしておかないと、後が怖い気がするが。
「それじゃあ、まずは……」
α:遠坂はホットミルクで血糖値を上げてたな。
β:藤ねえなら料理の匂いで釣れたはず。
γ:目覚まし時計に音で起きないかな?
δ:コショウを顔に振りかけてくしゃみを誘う。
ε:カメラを発掘。フラッシュの眩しさなら!
ζ:壊れたものは叩けば直るってじいさんが言ってた。
最終更新:2008年01月17日 20:46