253 :エルメロイ物語 ◆4Eyab5FjWY:2007/12/19(水) 22:05:23


「ヘタレくん、今からシュトロハイム式着地法を行う!」
「しゅと…何ですか?」

真面目だった僕はジョジョ2部の最終決戦なんか読んだ事ないのでアルバさんが
これからやろうとすることが全く分からなかった。しかし、アルバさんは僕の意思や
理解とは関係なく僕をお姫様だっこの体勢に持っていく。

「準備・完・了!!」

なるほど、これがシュトロハイム式着地法か。確かにこの体勢なら僕のダメージは最小限
で済む。でもこれじゃあアルバさんはただじゃあ済まない!

「ア、 アルバさーん、あ、あの」
「ヘタレくん体重は?」
「大体50キロぐらいです。でもたとえ僕が0キロだとしてもこんな体勢で地面に落ちたらー!」
「大丈夫、私の計算が正しければ地面には決して落ちない。さあ怖がらずに下をみたまえ」

お姫様だっこされたままで恐る恐る下を見る。下にはどんどん大きくなってくる青い
大地が、――――いや地面は茶色だしアスファルトは灰色だ。これは、水地?
そうか、アルバさんは落ちる場所が水地になる事に気づいていて!

刹那―――どっぽーん。

「ぷげらっ!!」

着水。全身を水にしたたかに打ちつけたがアルバさんがかばってくれた事もあり、
運良く骨折も捻挫もしていない。ただし全身めっさ痛い。さらにもう一つ。

「ああああああ、アルバざんだいじょうぶでずがぁぁぁっぁ?!」
「わわわわわ、わだしもなんどもないぃぃぃ!でもごれはげーざんがいぃぃぃぃいぃ!!」

冬の水はめっさ寒かった。二人して鼻水を垂れ流しながら必死で痛む四肢を回転させ岸を
目指す。アルバさんの両足が無事な深さのある場所に落ちたのはだったのは幸運
だったが、代償として岸までの距離もそれなりに遠かった。

「さぶぶぶぶぶぶぶぶー!」
「さぶぶぶぶぶぶぶぶー!」

必死の思いで水場から上がった僕たち。体をブルブル震わせて0度近い水を体から
振り払う。しかしこんなんじゃ全然足りない。僕は枯れ葉を集めてアルバさんがそれに
火を付ける。冷水を吸った衣服を全部脱ぎすっぽんぽんで火に当たって、ようやく
歯が噛み合ってきた。余談だがアルバさんのアレのでかさにちょっとびっくりした。
ざっと僕の二倍はある。神様は本当に不公平だ。

「ああ~」
「生き返る~」
「ところでここどこなんでしょうね?広さから海に落ちたと思ったけど水がしょっぱく
なかったですし」
「琵琶湖だ」

僕の疑問に答えたのはアルバさんではない。茂みがガサガサと揺れ中から現れたのは!!

【選ぶメロイ】今回の話を(    )先生の絵で脳内再生すると二倍楽しめます。
前半をつの丸後半を松井優征:「技巧のアラ・ゼブラ!サインください!」僕はブリーフを握り締めて全裸でダッシュ!
前半を松井優征後半をつの丸:「ギャー言峰!死ねぃ!」突如現れた言峰っぽい生き物に対して
スローすぎて欠伸が出そうなキックを見舞う。スォォォォォ!!!

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最終更新:2008年01月18日 01:09