457 :エルメロイ物語 ◆M14FoGRRQI:2007/12/22(土) 13:24:29


「技巧のアラ・ゼブラぁあぁっぁぁあぁっぁぁっぁぁっぁ!!!!!!!!!」

僕は全裸のままブリーフを握り締めて茂みから現れた男にダッシュする。
僕はこの言峰チックな男を知っている、いや順番からいえば言峰がこの人と似ているのだ。
彼こそが『AAA』の副将、技巧のアラ・ゼブラ。本名荒耶宗蓮、アルバさんの学友にして
リングパートナーだ。だとしたらサインをもらわない手はない!

いつもの二倍の速度で接近し、いつもの二倍の跳躍を行い、三倍のサインペンを口に
くわえて僕は飛び掛る。

「観戦拳12倍サインくれよダーイブ!!!!!!!!!」
「甘い。トペ・フェニックス」

僕のダイブは失敗に終わった。でも放り投げられたアルバさんの股間に顔を埋めている
僕のブリーフを手に取りサインはしてくれた。もちろん本名とリングネーム両方ともで
ある。ありがとう荒耶さん。よし、これであと一人でサインコンプリートだな。

「そういえばアラヤ、どうしてここに?」

一段落した所で当然の疑問を投げかけるアルバさん。

「滋賀に来たのはたまたまだ。琵琶湖にはいい地脈があるからな。空に爆発があった
のを見てお前が飛行機のタダ乗りに失敗したのだと知り駆けつけた次第だ」
「フッ、今回はそこのヘタレくんが一緒にいたからね。サービス精神が過剰になって
しまったのだよ」
「アンタ海外に行くたびに飛行機に張り付いて来ていたのかよ!」
「ああ、そうだが?」

僕のツッコミに真顔で当たり前の事の様に答えるアルバさん。やっぱバカだこの人。
凄いバカだ。バカだけど凄い人だ。ロード・エルメロイでもやらないよそんなの。

「ところでアラヤ、いい地脈を求めて滋賀県に来たと言う事は、まだあきらめていない
のかい?」
「うむ、今回こそ『』に至る」
「ぽえ?」

思わず変な声を出してしまう。この人さっき何ていったんだ?

「あ、あのー荒耶さん。『』って…」
「ああ、『』は『』だ。私とて一応は時計塔の魔術師。目指す事の何が悪い」
「それはひょっとしてギャグでいっているのですか?」

荒耶宗蓮が時計塔始まって以来の劣等性だった事はアラ・ゼブラとしての活躍と同等か
それ以上に有名である。友人であるアルバさんのノートとコネの力がなければ卒業でき
なかったともっぱらな噂だ。そんな荒耶さんが『』とか、ここは100パー笑う所でしょう。

「ウヒ、ウホホホホホ、あ、ありえねー。ありゃあねーウホホホホホ」
「ク、ククク。ヘタレくんもそう思うか、アラヤは昔からこうなのだよ。全く才能が
ないくせに誰よりも魔術師としてのゴールを見続けている。これが喜劇でなくて何か。
実にナーンセーンス!!」
「ウヒャヒャヒャ」
「アハハハハハハハハハ」

「黙れお前ら」
「「はいすみません」」

血管ビキビキに浮かせた顔アンドで地の底から響くジョージボイスで怒る荒耶さんを見て
黙る僕たち。はい、ちょっと言い過ぎでした。反省します。

「それにな、最近はかなりいい所まで来ているのだぞアルバ。だから協力しろ」
「ふむ、協力するのはやぶさかではない。私とお前の仲だ。しかし条件がある」
「条件、だと?」
「彼も参加させたい。前から君の失敗を見てもらう観客がいればもっと面白いだろうと
思っていたんだ」

一時間後、乾いた服を着た僕とアルバさんは荒耶さんの実験につき合わされていた。
僕に拒否権はなかった。なんかどんどん帰国が遠のいていっている気がする。

「ちちんぷいぷい『』への道ひらけー」
「ひらけー」
「ひらけー」

荒耶さんの詠唱と共に両手を天に挙げ、合わせて僕たちも両手を挙げる。

(ガッチャマーン)

な、何だ今の効果音は!?

「きたぞ」
「ぽぇっ?」

僕たち三人の中央に魔方陣が現れて煙幕と共に下から何かがせり上がってくる。
このシルエットは…人間?

「ア、アルバさん!何かが召還されていますよ!」
「ああ、そうだな」
「…」

興奮する僕とは逆にやけに冷静な二人。やがて煙幕が晴れ、人影の姿があらわになる。
…っていうかなんだコイツ。魔方陣の中から現れた男はそれはそれは奇怪な姿をしていた。
赤いコートに黒い肌、顔は仮面風のヘルメットで見えないが美形だと思われる。
何というかアルバさんの2Pカラーなイメージだ。

「正義の味方エミヤーマン参上!投影!爆砕!大火災!」

シャキーンとポーズをとる赤いの。そして背後で爆発。
額を押さえうなだれる荒耶さん。
「またか」、と一言だけいい、ニヤニヤしている様子のアルバさん。
なんぞこれ。

【人物紹介4 正義の味方エミヤーマン】
攻撃力200 守備力200 
エミヤーマンを生贄にする事で手札にあるブルーアイズホワイトペンドラゴンを特殊召還
する事ができる。その正体は一切不明。


【選ぶメロイ】
真面目な話が:赤いのにドロップキック。オリャー!
どうしても:アルバさんに質問。ナンジャー!
書けません:荒耶さんを指差し笑う。プギャー!

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最終更新:2008年01月18日 01:11