9 :Fate/式神の城 ◆v98fbZZkx.:2008/01/02(水) 22:31:49


同盟、結ぶ?
→どうしよう:「セイバー、どうしようか?」


「セイバー、どうしようか?」
遠坂に手を組まないかと聞かれて、俺は、一歩後ろを歩いていたセイバーに声をかけた。
「私ですか?」
突然声をかけたからだろうか、セイバーは少しだけ驚いた様子で俺に声を返した。
「ああ、大事なことだからな、セイバーの意見も聞いておきたい」
「分かりました」
セイバーは、うなずくと、考えるような仕草をした。
「まず、シロウがリンと手を組むことの利点は、非常に大きいものであると考えます」
セイバーは、そこで一度言葉を切った。
「しかし私は、背中を撃たれるのは好みではない」
「へえ」
挑発とも取れるセイバーの言葉に声を上げたのは、俺ではなく遠坂だった。
「それじゃあ、セイバーは私なんかと手を組むのは反対ってこと?」
「そうなるだろう。―――リン、シロウの背中を任せられるほどに、私は貴女を知らない」
「ふぅん」
遠坂の反応は、セイバーの言葉に納得したような、していないような、微妙なものだった。
「以外と慎重なのね、セイバーは」
「臆病と言ってくれてもかまわないが」
セイバーはそう言って、小さく笑った。
「それで、衛宮くん。あなたはどうなの?」
「俺は……」
そこで、俺はあらためて遠坂凛を考えた。
端正な顔立ちと品行方正さで知られる、学園のアイドル。なるほど、そう言った意味で、俺は遠坂を知っている。
だけどこの夜に出会った遠坂は、俺の知っていた、いや知っているつもりだった遠坂凛とは、まったく違う人物にみえた。
「俺も、遠坂を知らない」
だから俺は、そう答えた。
もちろん俺が見ていた遠坂凛も、この夜に出会った遠坂も、見ている距離が違うだけで同じ人ではあるのだけど、俺は自分が思っていたほどに遠坂を知らなかったことを、この夜知った。
「そう、衛宮くんもセイバーと同じ意見ね」
呆れたような諦めたような声で、遠坂は言った。俺は、首を左右に振ってそれに答える。
「たしかに、俺は遠坂をよく知らない。けど、遠坂が人を騙すようなやつじゃないことは分かる、かな」
「そんなことはしない、なんて言っても言葉だけだものね。いいわ、この件は保留にしましょう」
「遠坂。……」
「いいの。―――私も衛宮くんをよく知らないから」
口を開こうとすると、遠坂は軽く手を振って答えた。この話は終わり、といった意味だろう。
俺は仕方なく視線を正面に戻して、
そして、凍りついたように動けなくなった。

「こんばんは、お兄ちゃん。綺麗な夜空だね」
凍りついた俺の目の前では、白い少女が、巨大な《死》を引き連れて立っていた。

「わたしはイリヤ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。リン、いいえトオサカにはこう名乗れば分かるよね?」
「アインツベルン。……」
声を漏らしながらも、遠坂は動かなかった。いや、きっと俺と同じように動けないのだ。
イリヤスフィールと名乗った長い銀の髪と大きな赤い瞳を持つ少女の後ろには、岩盤を削りだしたような巨大な剣を持った、鋼色の巨人が立っているのだから。
「気にしてるようだから教えてあげるね? こっちはバーサーカー、わたしのサーヴァント」
イリヤスフィールは巨人を指し示したあとで、自分のスカートをその白い指でつまみあげて、よろしくねと、優雅に辞儀をした。
狂戦士のサーヴァント、それでは俺よりも5つは年下であろうこの少女も、俺と同じく聖杯戦争に参加する魔術師なのだろうか。……
「本当はね、用があるのはお兄ちゃんだけだったんだけど、リンがいるならちょうどいいわ」
イリヤスフィールは、楽しいことを考えるようにクスクスと笑った。
「せっかくだから、一緒に殺しちゃうね?」
変わらない笑顔でイリヤスフィールの口から発せられたその言葉が、戦闘開始の合図になった。

「■■■■■■■■!!!」

イリヤスフィールの声とともに、バーサーカーが咆哮した。
耳を貫くような音の中、再び鎧を身につけたセイバーが、俺の横を疾風のように駆け抜けた。

「■■■■■!」

バーサーカーが咆哮し、その手にした岩剣をセイバーの頭上へと振り下ろした。
セイバーは、身を躍らせて巨大な岩塊を回避する。
岩剣が路面に叩きつけられ、アスファルトがいとも簡単に粉砕された。
「ハッ!」
攻撃の隙を突くかたちで、セイバーの剣がバーサーカーへと繰り出される。
「■■■!」
「ッ!?」
しかし、バーサーカーは、その巨体からは信じ難い速度で剣を旋回させ、セイバーの剣をその体ごと吹き飛ばした。
「アーチャー!」
遠坂の声に応じて、今まさにセイバーを追撃しようとしていたバーサーカーの頭上に、矢の雨が降りそそいだ。
見ればいつの間に移動したのか、赤い騎士は、街灯の上に立って弓を構えていた。
「セイバー、大丈夫か?」
「はい。体の大きさに騙されると痛い目にあいそうです」
セイバーは、刀身を盾にしたようで怪我は無さそうだった。しかし、体の軽さがたたってか10m以上を吹き飛ばされている。
「すまない、遠坂助かった」
「いいわ。……ところで、同学のよしみで忠告するけど、逃げた方がいいわよ、衛宮くん」
「無茶言うなよ。この状況でどうやって逃げるのさ」
なにせ、逃げるべき方向にはあのバーサーカーがずっしりと構えているのだ。
「それに、セイバーを置いて逃げるなんて、出来るわけないだろう」
「衛宮くん」
遠坂は、何かを言いかけて止めた。
「それでさ、遠坂、さっき保留にしたばかりだけど、手を組まないか?」
「そうね。異議はないわ。それじゃあ……」


選択肢:
突撃:遠坂、アーチャーが足止めを行い、セイバーが強力な一撃を放つ
集中:セイバー、アーチャーによる牽制を行い、遠坂が強力な魔術を使用する
狙撃:遠坂、セイバーが足を止め、アーチャーが遠距離から狙撃を行う



投票結果


突撃:0
集中:0
狙撃:6(over kill)

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最終更新:2008年01月27日 21:57